フィルムスキャナを買いました
- 2006/10/15 23:01
- カテゴリー:散財
散財しました。
今度の散財は,フィルムスキャナです。
ニコンのCOOL SCAN V EDというモデルです。
ご存じのように,私は今銀塩カメラが楽しくて仕方がありません。機材を修理することも,その違いを比べるのも面白いわけですが,私のような多くのアマチュア写真家にとって,現像とプリントのコストは頭の痛い問題です。
私の場合,カラーネガも自家現像しますので現像までのコストはそんなに大きくないのですが,プリントは大変です。紙が増えて収納に困る,全部を紙に焼くと膨大な数になるという問題点があってプリントは基本的にしないのですが,とはいえ引き延ばしが前提の35mmフィルムでは,撮った写真を見ることが出来ません。
そこでフィルムスキャナでコンピュータに取り込むことにしたのですが,押し入れから引っ張り出してきた私のスキャナは10年ほど前に購入したScanMaker35tというものです。当時,本物のPhotoshop3.0が同梱されて39800円だったと記憶しています。今でもそのPhotoshopからのアップグレードでCS2にしていますので,十分元は取ったかなと。
Scanmaker35tは35mmフィルムを2800dpiで取り込めるものではありますが,光学系がプアで色ずれがひどいし,周辺光量の低下もひどいです。そしてボケボケでシャープさがなく,コントラストも低いです。ちょうどピンホールカメラで撮った感じといえばわかりやすいでしょうか。取り込み時間も随分長くかかります。
ただ,買い直すとなると大変ですし,我慢して使っていたのですが,これだけカラーフィルムを買いだめしてあって,今後も写真を続けていこうと思っているのなら,今のうちにきちんとしたものを買っておくべきなのではないかと考えて,買うことにしました。まあ,中判に手を出すことはおそらくないでしょう,おそらく・・・
で,現実的まところで,現在フィルムを取り込むには,ニコンとエプソンから出ているフィルムスキャナを使うか,フラットベッドスキャナのうちフィルムのスキャンに対応するものを使うほかないわけですが,ニコンのフィルムスキャナ以外はフラットベッドスキャナに毛の生えた程度らしく,画質の差は一目瞭然です。
もともとカメラメーカーのパソコン周辺機器など信用しない私ですが,フィルムスキャナは光学系が命。わざわざニッコールを名乗るレンズ(しかもED)を内蔵するというニコンのCOOLSCANは,評判を聞いても入手性を考えても,もはやこれ以外の選択肢はありません。
数ヶ月前に調べたときには軒並み在庫切れということ諦めたのですが,その時聞いたある程度の注文がたまったら一気に作るという話を信じて今回調べたところ,今ならどこでも在庫があります。
結構信憑性の高い話では,もうニコンはフィルムスキャナの新規開発を行っておらず,現行のものもいつまで作るか分からないとのこと。そもそも世界的にフィルムカメラやフィルムの生産規模が縮小しているのに,フィルムスキャナがいつまでも手に入るなんてのは確かにおかしいです。
価格や性能から,上位機種は必要なし。でも最も安い「COOLSCAN V ED」でも,上位機種との差は小さく,コストパフォーマンスは最高だと思います。実売6万円弱でここまでの性能というのは,ニコンもかなり思い切ったことをしてるなあと感心しました。
昨日届いたのですが,さくっとつかってみたところの感想です。
・画像
取り込んだ画像については,とりあえず期待通り。文句はありません。最高画質では銀の粒子が目立ち,かえってがっかりするほどです。設定についてはそんなに細かくないので,ほとんど自動でよいと思ったのですが,暗部を勝手に引き上げたりするのが気に入らず,結局あまり自動補正に頼らなくなりました。
・自動給装
これは便利ですね。ScanMaker35tはスリーブでもホルダーにいれて手動で一コマ一コマ動かしていましたから,ずっとそばについていないといけなかったのですが,COOLSCAN V EDでは6コマを自動でスキャンしてくれます。
縦位置が混在する場合はどうなるのかと思いましたが,最初にどのコマが縦かを指定しておけば,勝手に縦で取り込んでくれますので,これが一番助かっています。
ただ,問題がないわけではなく,この自動給装が使えるのは2コマ以上のスリーブのみ。1コマの場合はスライドマウントが必要になるので,24枚撮りで25枚撮れた場合などに出てくる1コマだけのスリーブの場合,買った状態では全く手がありません。オプションを買えと書いてあるのですが,こういう事態って普通の人でも簡単に起こりうることで,困るんじゃないかと思います。
精度ですが,結構いいみたいです。パーフォレーションの数を数えてコマ送りを仕組みのようなので,古いカメラのようにコマ位置のばらつきが多い場合にはどうなるのだろうと思っていましたが,あまり気にすることはないようです。
・速度
遅いです。ScanMaker35tよりは速いだろうと思っていましたが,あんまり変わりません。処理によっても変わりますが,私の場合は1コマのスキャンに4分ほどかかっています。読み取り解像度を落としても,4000dpiでスキャンしてから縮小をかけるようで,時間が短くはなりません。
ただ,私のマシンはPowerPCG4-1GHzと低いスペックなので,今時のマシンならこの半分ほどの時間で処理できるのではないかと思います。
ところでインターフェースはUSB2.0になってます。ただ,スキャナという製品の性格上,あまり恩恵を受けているようには思いません。
・大きさ
大きいです。5インチハーフハイトのHDDが入ったケースのような感じです。また結構重いです。
・音
結構うるさいです。スキャン中のゴゴゴゴという音が結構するので,深夜など気になるかも知れません。ScanMaker35tと比べて同じ程度ですから,私はそれほど気になりませんが・・・
そうそう,ファンレスなので,風切り音は全くありません。これは非常に助かります。
・ウォームアップと経年変化
光源がLEDですので,蛍光灯のようなウォームアップ時間もありませんし,経年変化も小さいでしょう。
蛍光灯は,結構短い時間で色が変化します。RGBそれぞれの蛍光体のウォームアップ時間や寿命の違いによるのですが,LEDが光源だとそこを考えずに済むのが素晴らしいですね。熱も出ませんし,紫外線によるフィルムの劣化を気にすることもありません。(スキャン中だけの露光なので紫外線は気にしすぎかなと思うのですが,自動給装でないScanMaker35tの場合,1コマだけずっと蛍光灯が当たりっぱなしになりますので,出かける前に仕掛けていく,ということが出来ません。数時間も熱と紫外線にさらされると,さすがに多少は影響が出そうですから)
・ソフトウェア
私はMacOSXで使っていますので,そのお話しか出来ませんが,今時Carbonってのはないよなーと思います。ぜひ作り直して欲しいです。(ニコンは保証していませんが,Rosetta環境でも動作したそうです。)
登場してから数年たっているソフトなので安定しているかとおもいきや,結構落ちます。あまり軽快に動くというものでもないので,満足とは言えません。
しかし,わかりやすいとは思います。VueScanに比べても使いやすく,設定もうまくまとめられているので,なにをどうすればいいのか,どこをいじればいいのかは直感的にわかります。
・まとめ
たくさんのネガがある人,過去の資産をデジカメで撮影した画像と同じ流れで管理したい人,これからも銀塩と共に過ごそうと思っている人は,今のうちに買っておいてください。この先,この値段でこの性能の製品が出てくる可能性は低いと思います。
確かに,WindowsVistaへの対応や,新しいMacOSXにどこまで対応できるか疑問ですが,ソフトウェアは古いOSと併用するなりVueScanを使うなり,Photoshopのプラグインで逃げるなりしてどうにか出来ても,ハードウェアだけはどうにもなりません。
フラットベッドスキャナなら今後もフィルムスキャン機能はつくだろうと思っている人も,その性能差は雲泥の差ですからおまけぐらいに考えておくべきです。写真屋さんに頼むわ,と言う人も,それがいつまで出来るのか,覚悟しておく方がいいと思います。
銀塩フィルムに関するあらゆる製品開発速度は非常にゆっくりになっています。ですから,フィルムスキャナについても,これから先,劇的な進化は期待できません。今買ったからといって,あとで後悔するようなことはないと思います。そんなことより,買えなくて後悔したということの方がむしろ心配です。
てなわけで,先日購入した105mm/F2.5で撮影したネガをスキャンしてみました。上は105mmそのまま,下はTC-16A(1.6倍のテレコン)付きです。上は1段絞ってF4,下はテレコン付きなので開放でF4です。
なかなかいい感じですよね。
テレコンバータという光学系がどういう影響を与えているかはっきりしないのでこんなことをいうのも何ですが,どうもこの105mmというレンズは絞り開放の方がいい感じのようです。1段絞れば被写体はしゃきっと,背景は適度にぼけるかと思ったのですが,結局どっちつかずになった感がありますね。
それと,この写真はF3で撮ったのですが,F3のテンポのいいことこの上なし。ファインダーの明るさ,広さはシャッターを切るまでの作業がとても楽で素早く出来ますし,巻き上げのなめらかさは次のシャッターを切る意欲を削ぎません。
いいカメラだなあとつくづく感じました。
もしフィルムスキャナのことが気になっているのであれば,急いだ方がよろしいと思います,ほんとに。

