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PC-1261のLCDを交換

 PC-1261を入手した話を少し前に書きましたが,シャープのポケコンの持病であるLCDの劣化がこのモデルにも例外なく発生していて,それで比較的安価に入手出来ました。

 表示エリアに劣化が進んでおらず,しばらくは実用になるとふんで購入したわけですが,劣化は進むものでもあり,いずれダメになることがわかりきっている以上,他のモデルと同様に交換用のLCDが登場することを待ち望んでいました。

 すると連休の直前,日本の有志がPC-1261用のLCDを作成し頒布していることを知りました。価格は6200円と少々高めですが,それでもこの値段でPC-1261が完全に修理出来るなら安いものです。迷うことなく注文しました。

 連休の間に届いたLCDに早速交換してみました。作業そのものは他のモデルと同様ですので心配はないのですが,今回はちょっと失敗をしました。

 LCDの取付位置をきちんと記録していなかったのです。

 これまでは,古いLCDを取り外す前に,LCDとLCDを貼り付けている枠の位置関係を,枠に傷を付けて印をつけていました。しかし今回はうっかりそれを忘れてしまい,かなり適当な位置に固定することになってしまいました。

 問題になるのは左右の位置ずれです。これがズレると接点の位置もズレてしまうので,最悪表示が出なくなってしまいます。これだけは間違ってはいけないと慎重に作業を進めたのですが,これに気を取られてしまい上下方向の位置は正確な記憶もなく,適当にせざるを得ませんでした。

 取り付けてから電源を入れると問題なく表示が出たので安心して組み上げますが,完成してから気が付いたのはDEGやRADの表示を行うドットが低い位置にきすぎて閉まっていたことでした。

 ドットがベゼルの下側に一部潜り込んでいる感じで,角度を変えるとドットが薄く見えてしまうほど隠れています。これはさすがに気になります。

 そこでもう一度分解し,LCDの位置を上に目一杯にずらして固定しました。するとドットとベゼルの間に隙間が出来たのはいいんですが,上が結構ギリギリです。もう0.5mm程下にした方が良かったかなあと思うのですが,さすがにもう一度分解すると壊しそうですし,鉄の枠からLCDを取り外すときにかなり無理をしたので,割れてしまうことも心配です。ですので,もうこれで良いことにします。

 新しいLCDにすることで,くっきりはっきりの表示が美しいですし,SHIFTやカナの表示も出ているのはとてもありがたいのですが,なによりこれ以上劣化が進むことを心配しなくていいのが素晴らしいと思います。

 一方で,やっぱりオリジナルのLCDへの未練というか憧れも残っていて,一番いいのはオリジナルのまま,交換はあくまで修理という位置付けであり,アップグレードとして新品のLCDに交換するという選択肢はないなあと思いました。

 PC-1261は関数電卓とほぼ同じ大きさと厚みを持つ真のポケットコンピュータであり,その中でもっとも高機能なモデルです。ハードウェアの改造の余地が残っていないのでつまらないと言えばそれまでですが,PC-125x系のマシンとしては最も完成度が高く,今でも人気は高いです。

 以前も書いたと思いますが,なぜこれをPC-1245の後継機種として当時買わなかったのかと後悔していて,PC-1245のように日常的に持ち歩いて使っていればもっと楽しかっただろうなと思います。今手に入れたこともうれしいですが,やはり当時道具として使い込むことに勝るものはないでしょう。

 

5月の紫外線とレトロブライト

 多くの製品の筐体に利用されているプラスチックに,ABSというものがあります。粘りがあるプラスチックで,割れにくく,落としてもへこんだり形が変わったりしないし,衝撃を吸収して内部を守ってくれ,軽くて安くて様々な色に着色も可能と,誠にありがたいものなのですが,大きな問題の1つに黄変があります。

 その名の通り,黄色く変色してしまう現象で,古いプラスチック製品が黄ばんでいるのを見たことがある方も多いでしょう。白やクリーム色のプラスチックがまるで煙草のヤニで汚れたように黄色くなっているのを見ると,古さと同時に汚いものだという印象も受けてしまうものです。

 私のように古いPCやポケコン,ゲーム機に愛着を持つ人が増えていますが,そういう方々の頭痛の種がこの黄変で,かつては全塗装するしか解決出来ないと思われてきました。しかし全塗装は同じ色合いを出すのが難しいだけではなく,塗装によって変わってしまう表面の艶やざらつきなどの質感も失われてしまいます。

 しかし,2008年,ドイツのコモドール64のマニアの掲示板で,黄ばんだ部品を過酸化水素水に数日間漬け込むと白色に戻るという発見が偶然されたそうで,これが同じドイツのamigaの掲示板にも飛び火,これを知ったイギリスの化学者を中心に検討が進み,RetrObrightというプロジェクトでその方法が確立しました。

 この話は2010年頃には同じ悩みを抱える日本のマニアの間でも少しずつ広まっていきましたが,海外とは違って高濃度の過酸化水素水の入手が難しいなどの問題もあり,「ハイターEXパワー」を使って長時間(数日)日光に晒すという方法が一般的になって現在に至ります。

 私も2010年頃に,レトロマシンのレストアの最終関門が突破出来る画期的な方法として追試を行うつもりでいたのですが,いろいろバタバタとしていたこともあり,結局追試を行うことはありませんでした。

 しかし,先日手に入れたPC-1475Uのキーがあまりに黄色く(というより茶色)なっていたので,レトロブライトに取り組む事にしました。

 ABSの黄変には2種類あるそうです。1つはABSそのものの変色,もう1つは添加剤の変色です。このうちABSそのものの変色はもうどうにもななりません。

 しかし,添加剤による変色は元に戻せます。添加剤は酸化防止剤と難燃剤の分かれており,それぞれで白くなるメカニズムが違っています。酸化防止剤の変色は酸性溶液に漬け込み紫外線を当てることで元の色に戻るそうです。

 難燃剤の変色は,難燃剤に含まれる臭素が紫外線によって一酸化臭素となることで発生し,元に戻すにはより強い共有結合で水素に吸着させるんだそうです。

 この添加剤による黄変を一気に漂白するのに,過酸化水素水と紫外線暴露が効くらしく,これに漂白を加速するTAEDなどを加えたレシピが確立しており,これにUVランプや日光を数時間照射することで,元の色に戻せるわけです。

 繰り返しますが日本では,このレシピをそのまま再現することは難しいものがありました。しかし,過酸化水素水の濃度が低いことを除いて代用可能なものが,ハイターEXパワーと知られるようになり,日本でも多くの実施例が紹介されるようになってきました。

 しかし,濃度が低いことを長時間のつけ込みでカバーする日本の方法は樹脂の劣化や印刷のかすれを引き起こすこともあり,なからず成功するというものでもなさそうです。

 さて,5月と6月の紫外線は特に強いわけで,この紫外線を使わない手はありません。ドラッグストアでハイターEXパワーを買ってきて,PC-1475Uのキーをレトロブライトしてみることにしました。

 まず分解してキーを取り出します。これを薄いプラスチックの板に両面テープで貼り付けて,ジップロックに放り込みます。ここにハイターEXパワーを注いで屋外に放置,という作戦です。

 途中でキーが剥がれて浮いてしまう等の問題が発生したり,14時頃からスタートしたこともあって翌日の昼過ぎまで時間がかかったなどの問題もありましたが,翌日取り出して見ると,完全ではないにせよ,変色した茶色のキーがかなり元のグレーに戻っているようです。

 これ以上は印刷がかすれてしまうと判断し,ここで中止しました。のべ6時間ほどの照射でしたが結果は良好で,大変綺麗になりました。写真は処理前後の比較です。

20230508123010.jpg

20230508123030.jpg

 これに気をよくして,X1turboIIIのキーの黄変を処理してみました。SHIFTやリターンなどのグレーのキーが黄変しているので,これが綺麗になるならと慎重に作業を行いました。のべ5時間ほどの照射でしたが,これも綺麗になりました。

 これだけ綺麗になるならと調子に乗った私は,さらにレトロブライトを進めます。PC-2001のキーと,X-07のキーです。特にX-07のキーはひどく,これが白になるならとてにうれしいです。

 これは処理前の写真です。かなり黄色くなっているのがわかります。

20230508121743.jpg
 まずはX-07の予備のキーを処理。7時間ほど放置したところかなり白くなっています。

 翌日は昨日の続きと,PC-2001のキー,そしてX-07の実機のキーを漬け込みます。X-07の予備のキーは述べ15時間漬け込んだので,もう真っ白です。しかし,印刷も薄くなってしまいましたし,オレンジや青のプラスチックも白くなってしまいました。

20230508121744.jpg
 PC-2001とX-07の実機のキーは8時間ほどのつけ込みでしたが,やはり印刷のかすれや,プラスチック自身の退色が目立つようになっています。PC-2001についてはムラも出てしまい,完全に失敗といってよいと思います。

 印刷のかすれについては,どうも処理後の水洗の時に剥がれたものも多くあるようで,印刷が弱くなっていること,そして乱暴に扱うことでひどくなったようです。

 最後に,PC-386BookLのバッテリのケースが黄色くなっていたので,少し大きめのものをラップでくるんで処理できないかという実験を目的に処理してみました。これは6時間ほどの照射で十分白くなりました。心配していたムラもありません。

 総括すると,

(1)白以外の樹脂も白くなり退色する
(2)印刷が弱くなっているので少し乱暴に触ると剥がれたりかすれたりする
(3)ラップでくるめば十分
(4)5月の紫外線なら処理時間は5時間程度でも秋分

 という感じです。

 X-07は,結局予備のキーからも印刷がかすれていないものを選抜して組み立てることにしましたが,処理時間の違いから目で分かる程度の色の違いが目立ちますし,印刷のかすれも残っています。

 PC-2001はムラがひどく,その原因はわかりません。オレンジ色のキーも退色してしまっているので,さらに失敗だと言えるでしょう。なかなか難しいものです。

 大きなものは処理が難しいとは思いますが,キーや手のひらサイズものであれば,上手く処理できると思います。気を付けないといけないのは,成型色がそもそも白やグレーでないといけないこと,印刷が剥がれる可能性があることでしょう。

 過酸化水素水やTAEDなどの物騒な薬品に,強烈な紫外線を長時間浴びせるわけですから,プラスチックにとってはかなり過酷な状況でしょう。処理は最低限度にとどめ,やり過ぎはリカバー不能な失敗に繋がります。

 なにせお天気まかせですし,数時間から数日かかる処理です。失敗すると元に戻せませんし,処理後のABSが今後数年間でどんな変化をするのかもわかりません。

 気軽に試すものと言うよりも,最後の手段として考えた方がよいというのが,今回の結論です。

 

PC-1475もやってきた

 何年かぶりにやってくるポケコンブーム。今回は2行表示のマシンに手を出したということで,すでにPC-1261がコレクションに加わったことを書きました。

 1986年ごろ,私のパソコンの興味はX1turboIIIに移っており,ポケコンは視野の外にありました。今にして思えば面白い時代を通り過ぎてしまったことに後悔がある訳ですが,その頃ちょうど長く続いたPC-125x系のCPUが引退し,後にZaurusにも搭載される新世代のCPUを搭載したPC-E500が登場します。

 至るまでのポケコンの歴史は,私の中から抜け落ちているのですが,それはI/OやOh!Xといった当時呼んでいた雑誌からポケコン関係の記事が消えたことも大きいと思います。I/Oはポケコンジャーナルという専門誌に集約された結果,Oh!Xは単純に対象から外れたことが原因だったと思うのですが,それが結果として私からポケコンの記憶を奪うものになったわけです。

 その記憶の空白を取り返そうと,ポケコンの歴史を調べていたのですが,一世を風靡したPC-125x系のCPUであるSC61860の最終モデルは,PC-1475というモデルである事がわかりました。

 名前の通りPC-1400シリーズの最終モデルでもあるPC-1475は,2枚のメモリカードで最大64kBまでのメモリを搭載可能な大型モデルです。PC-1350等と同じ大きさですが,画面は24桁x2行ですから,グラフィックを重視したものではなく,あくまで関数電卓機能を持つPC-1400系の1つだと言えると思います。

 計算機能を重視していた証拠に倍精度対応があります。倍精度は科学技術計算では欠かせない機能ですが,ポケコンでは後期のモデルしか対応しません。

 ということで,PC-125xシリーズと共に登場し,ポケコンブームを支えたESR-HことSC61860はPAシリーズの電子手帳のCPUとして使われ続けるものの,ポケコンとしてはESR-Lに移行することになります。(なおPC-1246などの下位機種はESR-Jに移行します)

 そうした記念碑的最終モデルとしてPC-1475は結構有名ですが,なにせ球数が少ないこともあってやっぱり入手が難しいモデルです。特にメモリカード欠品は痛い問題で,メモリカードがなければ起動すらしません。

 逆に言えばメモリカードの欠品したモデルは安価であることも多く,私も4000円ほどで入手出来ました。程度は悪く,あくまで実用品として使い潰すことになるようなものです。

 届いたPC-1475の程度の悪さは想像以上で,汚い,日焼けがひどい,メモリカード欠品,カバーも1枚欠品,LCDは傷だらけという状態でした。電源は入りますが動作までは確認出来ません。

 早速分解と清掃です。日焼けだけはどうにもなりませんが,とりあえず気持ち悪くない程度に綺麗にしました。

 すでに分解された跡があり,間違った長さのネジを無理にねじ込んだ事による前面パネルの浮きもありますが,まあそれは気にしないことにしましょう。

 組み立て後はメモリの搭載です。私の場合メモリを交換出来ることは大したことではないので,最大容量を内蔵出来ればよいことにしています。いろいろ考えた結果,今回は256kbitのSRAMを2つ搭載することにします。

 まずS1にSRAMを搭載します。PC-1475は情報が少なく,もちろん回路図もありません。しかしメモリカードはPC-E500と共通ですから,PC-E500の回路図を参考します。

 メモリカードは35ピンで,純粋にSRAMの端子を引っ張り出したものに過ぎません。スロット2から主な信号を取りだし(つまりスロット2はゴムコネクタも外してしまい,完全に殺してしまったということです),その通りに配線して簡単に改造が終わるかと思ったのですが,残念なことに起動しません。

 最近失敗続きなのでがっかりしながらも配線を確認しますが間違いはなく,ますますがっかりしていたのですが,回路図を眺めていて気が付いたのは,CEの論理でした。

 メモリカードの回路図(CE-212M)を見ていると,CEが6264のCE端子に繋がっています。そう,6264は正論理のCEと負論理の~CEを持っていて,メモリカードの回路図では正論理に繋がっていたのでした。

 そういえば,PC-E500の改造の時もここではまったような記憶が・・・早速TC7S04を追加して論理を反転させたところ,あっさり起動します。PowerOFFの時のスタンバイ電流も全体で30uA程ですから,何も問題はなさそうです。

 MEMコマンドでフリーエリアを確認するとちゃんと32kBになってます。良かった良かった。

 気をよくしてS2にも搭載するのですが,久々にカメカメによるSRAMの取り付けを行う事にしました。CEだけS2からもらってくる感じです。

 さて,久々のカメカメに手こずりながらも配線をすませ,動作の確認を行ったのはいいんですが,果たしてどうやってこのメモリを実際に使いこなすかという話が問題です。マニュアルもないのでどうしていいやらという感じもあるのですが,唯一手に入れたドイツ語のマニュアルをなんとなく読んでいると,こんな感じになっていました。

 まず,S1とS2に入れたメモリカードの使い方に関する設定です。これはSET MEMという命令を使います。

S1の32kBをプログラムと変数に割り当てるには,

SET MEM"1"

とします。S1ではなくS2に割り当てるには,

SET MEM"2"

とします。

 どちらかを設定しないとPC-1475は動作しません。初回起動時にS1もしくはS2にメモリカードが入っていると,それぞれのメモリカードの内容を消してもいいかと尋ねられるのはそのためです。

 さて,S1にプログラムと変数を割り当てると,S2はRAMディスクに割り当て可能です。割り当てるには,

SET MEM"1"
INIT"F:"

とします。これ以後,ファイルディスクリプタF:でRAMディスクにアクセス可能です。ちなみにFILES"F:"でファイル一覧が,DSKF(3)でRAMディスクの空き容量がわかります。

 このRAMディスクって結構便利で,メインメモリと同じ大きさのストレージなんて役に立つのかと思っていましたが,実際には数kB程度のプログラムがほとんどですから,結構な数が入ります。データファイルを作って置く事も可能ですし,共存の難しいプログラムを入れ換えて使うことも,他のポケコンには出来ない芸当です。

 欲を言えばRAMディスクには64kBくらいあると良かったんですが,冷静に考えるとPC-1475はSC61860ですからね,高望みしすぎというものです。

 次,S1の先頭からをプログラム,S2の終わりからを変数にするには,

SET MEM"B"

 とします。これでMEMとやると64kBがフリーエリアになっています。これ結構感動しますよ。

 これに似た設定として,S1をプログラム,S2を変数にするというのがあります。

SET MEM"D"

 これも同様にMEMとやれば64kBがフリーエリアとして出てきます。違いは変数の置き方です。私はポケコンでプログラムと変数が拮抗するようなきついプログラムをつくったことがないので,この違いを意識することはほとんどないと思います。

 ただ,BとDには注意点があります。S1とS2にまたがってBASICが動きますので,一度に片方しかアクセス出来ないCPUにとってはかなり厳しい設定のはずで,実際に処理速度を測定してみると,BとDではやはり遅くなってしまいます。

 試したのは1から1000までを足すというプログラムですが,SET MEMが1の場合は35秒ほど,SET MEMがBやDの時は40秒ほどかかりました。大した違いはないように思いますが,それでも20%近い速度低下ですから,許せない場合もあるでしょう。

 ということで,お奨めはRAMディスクです。

 実際使ってみると,PC-1475はかなり無理をしたマシンだと思う一方で,ESR-Hらしい小気味のいい挙動を示すマシンで,これはこれで面白いと思います。PC-1500やPC-1600は鈍重な感じがありますし,PC-E500もシステムが大きすぎてなにやら見えにくいものがあります。PC-E200はZ80マシンとして割と普通という感じもしなくもないので,電卓の延長線上にあるスタンドアロンな感じがここまで巨大化することに,ちょっとした感激もあるくらいです。

 使い出せばPC-1400シリーズそのものですし,トルクの細さもESR-Hらしいです。キーや表示のレスポンスは電卓上がりの小気味良さが残っていますし,それでいて大容量ですから,面白いマシンだと思います。消費電力の小ささも魅力的ですね。CR2032でここまで動くのかと思います。

 BASICは強力で,RENUM命令もありますし,なんといっても倍精度です。2進-16進の演算も出来ますし,関数電卓としてはかなり強力なんじゃないかと思います。

 しかし,メモリがBASICと関数電卓で共有というのはちょっとややこし,例えばBASICにプログラムを入れておき,CALモードで統計計算をやると,次の起動時にメモリを消していいかと聞かれてビビります。これ,なんとかならんのかなあ。

 そうそう,欠品していた1枚分のメモリスロットのカバーですが,0.5mmのポリカーボネートの板を切り出し,両面テープで貼り付けたのち,製本テープを貼り付けてそれなりに仕上げました。メモリをハンダしたスロット2はもう死んでしまってますから閉じたままで良いですし,スロット1だってカバーが外れないといけないのは,電池の交換の時だけですしね。


PC-1261がやってきた

 PC-1251を2台修理(そして改造)して,私に何度目かのポケコンプチブームが訪れました。これまで多くのポケコンを手に入れてきましたが,今回はとうとう2行表示のマシンを手に入れる事になりました。

 そう,先日「高価だから」という理由で避けていたPC-1261です。

 PC-1261は私個人が考える,最も弱点の少ないポケコンの完成形です。薄いことと小さい事はいわゆる関数電卓なみであり,それは同時に最も小さいポケコンでもあります。

 電池はCR2032を2つ使うもので,これで長時間駆動が可能なくらい低消費電力であることも電卓並みです。

 そしてPC-125x系のCPUを搭載し,マシン語が使えます。もちろん強力なBASICを搭載し,本気の高速ゲームから気軽なプログラムまで自由自在の汎用性を持っています。

 と,ここまではPC-125xシリーズの特徴と同じなのですが,これが2行表示になることで圧倒的に便利になったのがPC-126x系です。残念な事に,2行表示のマシンでPC-125xと同じ大きさのマシンはこれが最初で最後となります

 ゆえに人気があり,しかしそれほど球数もありません。さらに近年,シャープのマシンによくあるLCDの故障が深刻になり,健全なマシンがどんどん失われていくという状況が目立って来ています。ゆえに高価で手に入りにくくなってきているわけです。

 ある時,CE-125Sという後期バージョンと一緒に出ていたPC-1261が目につきました。LCDに問題が出ていて,あまり人気がなかったのと少々高かったこともあり,落札出来てしまったのですが,私自身はLCDに問題があっても,そのうち交換用LCDを作る人が出るかも知れないと,将来への投資くらいに考えて手に入れておくことにした結果でした。

 届いてみて良い意味で期待を裏切ったのは,そのLCDの劣化が画面の隅っこに限定されており,主な表示エリアにはかかっていなかったことでした。見えなくなっていたのはSHIFTやDEFといったシンボルのエリアだけで,ここは別に見えなくても困りません。

 もちろんこうしたLCDの劣化は進行するので,数年後には完全にダメになっていると思いますが,防湿庫に入れておけば延命も可能です。それ以上に私はPC-1261を手に入れたことがうれしくてたまりませんでした。

 分解清掃し,組み立て直しますが問題はなく,768kHzに高速化したクロックのおかげもあってキビキビ動作します。2行表示のLCDは見やすく,正直言ってもう1行表示のマシンには戻れません。

 さて,そうなると次はメモリの拡張を考えるわけですが,PC-1261は過去の実績で12kBまでの拡張ができるようですが,このうち2kBはBASICでは認識されないらしく,実質的な限界は,すでに標準搭載されている10kBまでということらしいです。

 無理に12kBにすることも考えましたが,私が手に入れたPC-1261のメモリ基板は,SRAMがチップでマウントされている特殊なものだったので,取り外すことが難しくメモリの交換や拡張は断念しました。すでに10kBありますし,それでも全然困りません。

 ということで,PC-1261は私に,PC-125x止まりだった知識をアップデートするのに十分な驚きをもたらしてくれました。これを新品で買えるうちに買っておくべきだった(面替えのPC-1262は1986年に登場しているので,バイト代で買えたはず)と,とても後悔しています。

 当時は,中学生の頃から使い続けているPC-1245がとても便利で,私のもう1つの脳となっていたわけですが,便利すぎてPC-1245で満足してしまい,もっと良いものに買い換えようという気が起こらなかったんだろうと思います。

 ということで,PC-1261が私のコレクションに加わりました。程度は悪く実用機として使うものになっていますが,大きさと性能のバランスが絶妙ですし,LCDを交換出来るその時を心待ちにしておきたいと思います。

 あ,ちなみにCE-125Sですが,こちらの程度も大変良く,ベルトの交換だけでベストコンディションに戻りました。カセットテープのヘッドの摩耗も少なく,状態は良好です。さすが1989年製というところでしょうが,これだけ完動品のCE-125を持っていると,どれをリファレンスにするべきか悩んでしまいます。

 

PC-1251,もう一丁

 先日のPC-1251とCE-125は,程度に対して随分高額になってしまったこと,また相手が悪くて非所に不愉快な想いをしたことで,随分ケチがついてしまいました。

 ところが,もっと良い程度のものが30%も安い値段で手に入っていまいました。もうPC-1251はいらんなと思いながらも,使い始めると実はPC-1245よりも快適だったりします。LCDももう1枚予備があるしなあ・・・

 ということで,またもPC-125とCE-125のフルセットです。今回のオーナーはものを非常に大切にされる方のようで,付属品もすべて揃っています。付属のアプリケーションカセットも非常に状態がよく,読み出しに問題はなさそうです。

 とはいえそこは40年も前の商品ですからね,ケースからは可塑剤だかなんだか分からない液体が染み出していて,PC-1251の風防をすりガラスのように白くしていますし,LCDも吸湿で真っ黒です。

 CE-125はベルトが切れていて動作しなくなっており,やはり年相応です。

 ただし,奇跡的にCE-125に内蔵されたNi-Cd電池は液漏れがなき,周辺を腐食させることがまったくありません。いやー,こんなに綺麗な基板を見たのははじめてです。

 ということで,まずはPC-1251のレストアです。分解と清掃をし,LCDを交換して動作確認ですが,ここまでは実に順調です。

 しかし,すんなりいかないのは私の日常,今回はメモリの増設ではまってしまいました。前回の18kB拡張と同じ事をやっただけなのですが,今回はなかなか正常に起動するメモリボードに改造出来ず,結局2回ほど配線を全部やり直してようやく動作するようになりました。結局動かなかった原因は不明なままです。おそらくFO4とFO3のANDをとる回路の周辺がおかしいのだろうと思いますが,もうわかりません。

 18kBになったPC-1251が2台,オリジナルのPC-1251が1台と,PC-1251がうちの最大勢力になってしまいました。

 では次にCE-125です。比較的程度がよいCE-125ですので,もしかしたらこれが今後の標準器になるかもと期待しましたが,マイクロカセットもプリンタも今ひとつで,一応動くようにはなったので,サブ機ということにしましょう。

 ところでこのCE-125,早送りが時々出来ないという症状に苦しみました。ベルトが滑っているのかなあと思ったのですが,実は送り出し側のリールのブレーキが外れていないというのが原因でした。

 こういう状況は初めてでしたが,早送りキーを押し込んだ時にブレーキレバーが外れてしまい,解除されていないということもわかったので,ブレーキレバーを少し変形させて確実に解除されるようにしたところ完調。

 しかし,なぜ変形させると上手くいくようになったのかという真の原因が分からずじまいですので,あまりよい修理方法とは言えません。

 ということで,PC-1251にCE-125がそれぞれ3台です。もう増やしたらだめですね,PC-1261くらいは欲しいところですが,高価ですしね・・・

 

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