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PC-1401のRAMを12kByteに

 入手の段階で,すでにかなり使い込まれていて使い潰すことに決めたポケコンのPC-1401ですが,入手時の2007年12月の段階で,RAMを標準の4kBから10kBへ拡張してあります。

 しかし,フリーエリアは増えず,4kBのままでした。

 PC-1401は&3800から$3FFFまでの2kBと,&4000から&47FFまでの2kBの合計4kBです。それぞれ別チップ(6116)で,このアドレスでデコードされたCEがCPUから出てきます。&3800から&3FFFまでがF05,&4000から&47FFまでがF04のようです。

 このうち1つの6116を64kbitのSRAMに置き換えるのですが,腐るほどある256kBitを64kbitの代わり使うことにし,トータル10kBを狙った改造を当時行っています。

 しかしあいにくBASICのフリーエリアは4kBのまま増える事はなく,その後も問題の解決には至っていませんでした。

 当時の資料が見当たらなかったので実機を見て確認したのですが,6116はF04に,MB84256はF05に繋がっていました。そしてMB84256にはA11とA12がちゃんと配線されており,8kBをアクセス可能なようになっています。結果としてPC-1402と同じ回路になっているということです。

 メモリマップから考えるに,F04は1401と1402に共通の2kBである&4000から&47FFまで,F05は&2000から&3FFFまでの8kBがデコードされているようです。

 これだと,6116がF05に実装された場合,本来のメモリ&3800のイメージが&2800にも見えるはずで,当時の文献(I/Oです)を調べてみると,やはり&2000と&2800と&3000にイメージが出ていると言うことが書かれていました。なるほど。

 同様に,&5000から&57FFが&4000から$47FFまでのイメージになっているということで,それならF04の領域もフルデコードしてやれば夢の16kB実装になるんじゃないかとワクワクしたんですが,PC-1401はワークエリアが&46A0から&47FFまで置かれており,BASICのエリアは&45CFまでと決められていたのでした。

 あとでわかったことですが,どうやらF04は&4800から&4FFFまでと&5800から&5FFFまではデコードしておらず,Lowになりません。なんでそうしたのかわかりませんが,&4800移行にはメモリは存在しないことになっており,不用意に外部メモリへのアクセスが発生しないように,しっかり作ってあるという事かも知れません。

 それでも,&4800から&4FFFと&5800から&5FFFまでを除いた,&5000から&57FFまでの2kBがマシン語エリアとしても利用出来るなら,それはそれでかなり便利になると思います。(モニタを置いたり後述のBASICエリア拡張プログラムを置いたりすればBASICのフリーエリアを圧迫しません)

 とりあえず,現在の10kBのになっている状態をもう少しきちんと確かめていきます。まず&2000に実メモリがある事を確認します。&3000とは別の値が書き込めているのでこれは間違いなさそうです。

 したがって,私のPC-1401は&2000から&3FFFまでの8kBと,&4000から&47FFまでの2kBのトータル10kBというのが,結論です。

 しかし,MEMで返ってくる値が3534と,メモリ拡張改造前と変化しないのはどうしてかといえば,それはBASIC格納エリアを示すアドレスを示したワークエリアを見ればわかるはずです。

 PC-1401のBASICのスタートアドレスは&46E1から2バイト,エンドアドレスは&46E3から2バイトで格納されています。リセット直後の状態ではスタートアドレスは&3800,エンドアドレスは&3801となっています。

 これはメモリの拡張を行っても同じです。だからBASICのエリアが増えないんですね。スタートアドレスを&2000としてNEWとすれば,MEMは9678と返ってきて,見事にBASICのエリアが増えるのです。

 しかし,PC-1401は電源を切ると&3800に戻ってしまう仕様のため,&2000から置いたBASICのリストが電源を切ると見えなくなってしまうと言う事態に見舞われます。&2000に戻してやれば復活しますが,いちいち手動でやるのは面倒ですし,エンドアドレスも電源を切る前にメモしておかないといけないので大変です。うっかり忘れるとプログラムが戻せなくなってしまいますしね。

 そこで,久々のマシン語でBASICエリアを拡張するプログラムを作ってみました。プログラムを&2000から置いてCALL&2000とすれば,&201AをBASICのスタートアドレスとし,BASICのプログラムの終わりである&FFをサーチして,そのアドレスをエンドアドレスに設定してくれます。

2000 03 20 02 1A 01 01 13 02
2080 84 0A 82 10 46 E1 1B 24
2010 67 FF 29 04 10 46 E3 84
2018 1B 37

以下はアセンブルリストですが,ハンドアセンブルですのでアセンブラにはかからないと思います。

ORG $2000;
LIB $20 03 20 ;Start Address H
LIA $20 02 1A ;Start Address L
LIJ $01 01 01
LIQ $02 13 02
LP $04 84
MVB 0A ;XL<-A, XH<-B

LP $02 82
LIDP $46E1 10 46 E1
EXBD 1B ;$46E1<->A,B

loop:
IXL 24
CPIA $FF 67 FF
JRNZM loop 29 04
LIDP $46E3 10 46 E3
LP $04 84
EXBD 1B ;&46E3<->X
RTN 37

 使い方ですが,まず&2000から&45CFまでのRAMが存在するよう,改造が済んでいることが先です。もちろん,プログラム中のStart Addressを書き換えればどんなエリアもBASICの格納エリアに出来ますが,せっかくですので10kBのメモリ拡張を行っておいて下さい。

 リセット直後だけのおまじないで,POKE&201A,255,255として,空っぽのBASICエリアを&201Aから作っておいて下さい。

 その後CALL&2000とすれば,BASICのスタートエリアは&201Aに設定され,MEMの結果も9652になってくれます。以後は電源を入れる度にCALL&2000とすれば,書き込んだBASICもちゃんと復活してくれます。

 このプログラム,久々にマシン語を書いたと言うことで,とても楽しいものでした。白状するとPC-1200系のCPUできちんとマシン語のプログラムを書いた経験はなく,今回はレジスタの確認から始めて,ニーモニックの詳細までを見る事になりました。

 なんと言いますが,直交性が低いというのはこういうことを言うんだなあと痛感しました。特に,レジスタの値をRAMに書くと言うことが,なかなか出来ないのです。RAMの値をレジスタに書くことは出来るのですが,その逆の命令はなく,交換ならあるという感じです。交換だとレジスタが壊れてしまうので,他のレジスタに保存する必要があったりするのですが,そういうことをやっているとどんどんコードが増えていきます。

 Z80という直交性がそれ程良くないというCPUに慣れている私が思うくらいですから,68000のようなCPUに慣れた人だと,もう無理だと投げ出してしまうんじゃないでしょうか。

 直交性の悪さというのは,やりたいことが出来ないというストレスを生みます。それは,命令がないのか,どういうことが出来ないのかを記憶しておかなくてはさっとプログラムが書けないという事なので,習熟に時間がかかるという事も意味しています。

 つまり,ポケコンのCPUは「難しい」CPUだと言うことです。

 ただ,この制限があることで,マシン語のプログラミングはまるでパズルを解くかのような楽しさがあります。動くようにするまでに1度,そしてそれを最適化するのにもう一度,楽しさを味わえるんですね。

 おかげで,久々に徹夜をしました。楽しくてね・・・

 だからこのプログラム,結構短く書けていると思います。白状すると後半は「ポケコンマシン語入門」の記事からもらってきたのですが,それ以外は結構真面目に書いています。まあ,コアの部分をパクっているわけで,これをオリジナルというのは両親が許しません・・・

 ということで,改造から13年の時を経て,ようやくBASICのフリーエリアを拡大しました。

 次のテーマは,&4800から&5FFFまでの6kBを使えるようにすることです。前述のように,この部分にBASICのプログラムを置くことは出来ないので,MEMの返値を大きくすることは出来ないでしょう。

 しかし,現在メモリ拡張プログラムを&2000から置いているせいで,26バイトBASICのエリアが狭くなっています。これが気に入りません。&4800からこのプログラムを置けば(こんなこともあろうかとリロケータブルです),&2000からのエリアを潰しません。

 のみならず,マシン語モニタを置けばさらに便利になります。考えようによっては,BASICインタプリタから完全に保護されたマシン語領域を別途作る事が出来るという事です。他の機種のユーザーは,マシン語エリアをわざわざCLEAR文で確保していますが,そうなるとBASICのフリーエリアも小さくなってしまうわけで,むしろすっきりメモリを分けられることになるので,好ましいとも言えます。

 新たに&4800から&5FFFまでのメモリを配置する方法ですが,一番楽なのはF04エリアにある6116を84256に置き換えてしまうことです。

 でも,それでは今ひとつ芸がありません。そこで,先日PC-1245を18kBにした改造と同じように,256kBitのSRAMを有効活用し,ワンチップで16kBにしてみましょう。

 改造そのものは簡単で,6116を1つ取り外し,A13まできちんと繋ぎます。そしてF04とF05のORをとってCEを作り,F04かF05のどちらかをA14に突っ込みます。これで前半16kBをF04に,後半16kBをF05に割り当てることが出来ました。

 改造が済んだら正常に動作することを確認して,POKEで&4800と&5000,&5800などがちゃんと読み書きできるかどうかを確かめます。

 ところがここで問題発生。&5000から&57FFまでは問題なく読み書き出来ているのですが,&4800から&4FFFと&5800から&5FFFまでが書き込めないのです。きっとF04がこのアドレスのアクセスでデコードされておらず,出力が出ないせいだろうと考えて,それならデコーダを外部回路で作るまでだと意気込んでみましたが,あいにくA15がCPUから出てきていないことが判明しました。

 A15が出ていないなんてそんな馬鹿な,と思ったのですが,PC-1401の回路図ではA15は出ておらず,代わりに&8000から&FFFFまでに配置された外部ROMのCSが出ています。

 なんだ,&8000から&FFFFまでのCSってことは,つまりA15の反転だよなと,ここを使うことを考えました。デコーダはHC139を使って,A13が0,A14が1,A15が0の時にLowになるような回路を作りました。

 A14とA15の反転(ROMのCS)をHC139のAとBに,A13をGに入れます。そして出力のY3を84256のCEに繋ぐわけです。これで&4000から&5FFFまでがデコード出来るはずです。

 あれ,このCEって正論理だったのかもなあと,Y3ではなくY2につなぎ替えます。しかし結果は同じです。

 いろいろ理由を考えてみました。動かない理由を考えるというのは後ろ向きで嫌なもんですし,所詮は推測なので,他の理由で動かないのかも知れません。

 まず,PC-1250シリーズやPC-1400シリーズのSRAMは,OEがGNDに固定されています。ということは,積極的な出力の制御を行っていないのですから,CEを動かす前にリードなのかライトなのかを決めて,リードならアドレスを,ライトならアドレスとデータをCPUがバスに乗せておく必要があるわけです。

 つまり,アドレスを乗せただけではデータバスに出力が出てこないようにしないと,ライトの時にデータバスが衝突することになります。そう,F04というCPUからのCE信号には,OEも含まれているという事です。

 これを私のやったように,単にアドレスをデコードしただけだと,アドレスが出てきただけでデータバスに出力が乗ってしまいます。アドレスとデータとR/Wが一斉に動くなら話は別ですが,そういうタイミングは許されていないのでアドレスを先に乗せているなら,ライトをしようとデータをCPUが乗せてしまうとRAMもデータを吐き出しているという事になり,衝突が起こります。

 こうなると正常な書き込みなど出来るはずもなく,起動しないという事ではないかと思います。推測と勝手な前提による考察に過ぎず,波形を見て確かめてはいないのですが,可能性は高いでしょう。

 ということで,SRAMのCEにはOEもデコードしないといけないと考えたわけですが,OEがCPUから出てきていないため,ここで終了。結局&4000から&47FFと$5000から&57FFまでの4KBを選択するF04をそのまま使うことで手を打ちました。

 &4000から&47FFまではすでに実装済みでしたので,増えたのは&5000から&57FFまでのたった2KBに過ぎません。

 されど2KB。ここにBASICのスタートアドレスを書き換えるプログラムを置いてやれば&2000から&47FFまでがスカッとBASICのフリーエリアになり,9678バイトというPC-1402と同じ容量になりますし,さらにモニタを置いてやればフリーエリアを邪魔せず読み書きできるようになります。それでもまだおつりが来るほどの自由空間です。

 ということで,まずは先程のプログラムを改造です。BASICのスタートアドレスを&2000に修正し,&5000から書き込みます。POKE&2000,255,255としてCALL&5000としてNEWすれば,MEMの結果はちゃんと9678バイトと返ってきます。もちろんBASICの読み書きもバッチリです。

 以下は改造後に,クロスアセンブラを使って実際にアセンブルしたlstファイルです。

00001:5000 ORG $5000
00002:5000 START $5000
00003:5000
00004:5000 0320 LIB $20 ;Start Address H
00005:5002 0200 LIA $00 ;Start Address L
00006:5004 0101 LIJ $01
00007:5006 1302 LIQ $02
00008:5008 84 LP $04
00009:5009 0A MVB ;XL<-A, XH<-B
00010:500A
00011:500A 82 LP $02
00012:500B 1046E1 LIDP $46E1
00013:500E 1B EXBD ;$46E1<->A,B
00014:500F
00015:500F loop:
00016:500F 24 IXL
00017:5010 67FF CPIA $FF
00018:5012 2904 JRNZM loop
00019:5014 1046E3 LIDP $46E3
00020:5017 84 LP $04
00021:5018 1B EXBD ;&46E3<->X
00022:5019 37 RTN

 ダンプリストはこんな感じです。&5000から置いてください。

5000 : 03 20 02 00 01 01 13 02 : 3C
5008 : 84 0A 82 10 46 E1 1B 24 : 86
5010 : 67 FF 29 04 10 46 E3 84 : 50
5018 : 1B 37 : 52


 続けて,ポケコンの本からPC-1401用のリロケータブルなモニタを探してきます。アドレスが固定されていたり,BASICのプログラムが必要なモニタは却下です。

 ちょっと長いプログラムしか見つからなかったのですが,それは問題なし。&5100からさっさと入力してCALL&5100とすれば,モニタが起動します。

 これで,&5000から&57FFまで,BASICやワークエリアとは完全に切り離されたフリーエリアを持つPC-1401が完成し,ここにモニタやマシン語のプログラムを置くことが出来るようになりました。使い勝手は上々です。

 もうちょっと頭をひねれば,もしかしたら&4800から&5FFFまでの6KBが自由に使えたかも知れませんが,マシン語のフリーエリアが2KBから6KBになったところで,今の私に出来る事は限られていますから,もうこれでいいことにしましょう。


 しかし,今レトロPCブームが来ているとはいえ,ポケコンこんな風に使って遊んでいる人はいないでしょう。PC-1245,PC-1251,PC-1211のLCDが復活したことがきっかけになっていますが,改めて手帳サイズですぐ起動,マシン語で遊べてそこそこメモリもあるというコンピュータがいつも手元にあるというのは,頼もしいというか楽しいというか,いいもんだなと思いました。

 

 

PC-1255とPC-1211も復活,PC-1245は18kバイトのRAMに

20210126143034.jpg

 PC-1251とPC-1211のLCDが,アメリカからようやく届きました。

 PC-1245のヘビーユーザーだった私にとって,上位機種であるPC-1250系は高嶺の花で,あまり思い入れもありません。

 しかし,PC-1245はPC-1250の廉価版ですから,オリジナルのPC-1250系を買わないわけには行かないと,CE-125を買うついでに手に入れました。

 表示桁数が24桁であることはメリットと思いましたが,リザーブキーをユーザー定義しないといけない事,文字が大きいことがどうも慣れませんでした。

 PC-1255相当にメモリを増設してあるのですが,あまり使う事なくLCDが死んでしまいました。

 PC-1211は,PC-1200シリーズの源流ですので,これもやはり使ってみたかったということで手に入れたものです。PC-1210も手に入れたのですが,CE-121とCE-122も持っているので,先にCE-121と一緒に手に入れて,あとからCE-122が欲しくて買ったら付いてきた,と言う感じでしょう。

 独特の黄色いLCDと高級感のある外観,この頃のシャープの関数電卓のテイスト満載のなかなか綺麗なデザインですが,2つの4ビットCPUに仕事を分担させて,よっこいしょとBASICが走っている姿はけなげで,実用マシンではないのですが,なぜか手元に置いておきたくなります。

 しかしこれもLCDが死んでしまいました。

 この2つの機種は,私にとっては実用マシンではありません。コレクションの1つに過ぎないのですが,それゆえLCDの復活は非常にうれしいことで,互換LCDを作って頒布してくれた方には,頭が上がりません。

 昨日カリフォルニアからはるばる届き,早速交換作業ですが,どっちもちょっと苦労しました。

 PC-1251は,これはメモリがメイン基板にないので,通電しながらLCDが綺麗に表示される場所を探り,固定するという技が使えません。この方法は下手をすると壊れるのでお奨めしませんが,導電ゴムに付着したゴミや位置ずれ,フレームをきつく締め過ぎたなどのトラブルを回避するにはとても良い方法です。

 PC-1245はこの方法が有効に使えたのですが,PC-1251はROMもRAMも別基板です。しかもこれを接続しているのは別の導電ゴムです。基板をフレームにきちんと固定しなければ,起動してくれません。

 どうしたものかと思案していたのですが,とりあえず電源を入れてみたところ,どうもCPU内蔵のROMまでは起動しているらしいです。BUSYが点灯していますし,コントラストを最大にすればLCDの導通までは確かめられそうです。

 幸いにして一発で位置決めが出来,フレームの爪を曲げて固定します。あとは磨いて組み立てて修理完了です。

 しかしこのLCD,先日のPC-1245のものとは違って,低い電圧で動くもののようです。コントラスト最大では文字色が黒から青に変わるほどです。あまり電圧を上げると劣化しますので,ここはコントラストを出来るだけ下げて,文字が黒くなるところで使わなければなりません。

 次にPC-1211です。PC-1211は以前LCDを外して修理を試みた時にバラバラにして,そのままになっています。しかもLCDを紛失している(すでにすてたかも)ので,PC-1210から外さねばなりません。

 PC-1210を分解し,LCDをフレームごと取り外します。フレームからLCDを外すにはドライヤーで暖めるのが一番です。

 ここでも電源を入れながらLCDの位置決めをするのですが,悪いことに全く表示が出てきません。おかしいなともう1つのPC-1210で試すと,こちらは表示が出てきます。

 PC-1211の基板が壊れているという事なので,良く確認してみると,コントラスト調整用の半固定抵抗がなくなっていました。こりゃダメです。

 PC-1210から移植しようとするも,ペイントでがっちり固定されているので,簡単には外れません。無理に外そうとして壊してしまいました。

 値はちょっと珍しい250kΩです。手持ちがなかったので500kΩをとりあえず取り付けておきました。

 これでLCDが表示されるようになったので,位置決めして固定。上手くいきました。

 しかし,バラして5年ほども放置していましたので,もう組み立て方を覚えていません。バネを付け忘れる,電池端子をなくしているなど,何度も組み立ててばらしてを繰り返して,どうにか組み立てが完了しました。

 完成したPC-1211をちょっと触ってみたのですが,やっぱり遅いのは困ったものです。処理速度もそうなのですが,起動時間がかかるというのは不便です。

 LCDは電池残量表示まで再現された完成度の高いものですが,色が緑色で,オリジナルの黄色とはかなり違います。それならPC-1212のようにグレーにしておいても良かったんじゃないかと思ったのですが,それでもPC-1210と1211の個性は,あのLCDの色にありましたから,これはこれで良いとしましょう。

 ということで,うちのポケコンはすべて甦りました。

 PiOやI/Oに掲載された殺人的に長いダンプリストも,OCRによって楽に入力できる世の中です。エミュレータで楽しむのもよいですが,やはり実機には実機の面白さがあります。簡単な回路,素人にも修理や改造が出来る実装レベルと,長く使えるマシンだとも思います。(LCDが復活するまではそうも言えなかったですが)

 なにより,この小ささでフルキーボードにテンキーまで持ち,BASICが走るというのが面白いのですが,すでに過去の遺物になっていることが残念でなりません。

(追記)
 すっかり忘れていたのですが,もっとも程度の良い別のPC-1211を片付けてありました。最初からこれをLCDの交換機にすればよかったと思ったのですが,よく見るとキズも多いですし,まあいいか。

 でこの別個体,コントラスト調整用の半固定抵抗がちゃんと実装されていて,しかもペイントが緩めだったので外せそうでした。そこで壊さないように外して,LCDを交換した個体に取り付ける事にしました。

 慌てたのは,LCDを交換した個体を分解したら,ボリュームの厚みのせいでキーボード基板にぶちあたり,メイン基板がねじれてしまっていたのです。これはまずい。すぐに交換することにします。

 念のため,外した500kΩの半固定抵抗の抵抗値を測定するとなんと380kΩ。これ,オリジナルのボリュームである250kΩの調整範囲を超えていますよね。LCDを交換するとコントラスト電圧の仕様も大きく変わってしまうようです。

 とりあえず交換してみますが,やはりLCDが黒くなります。最適な濃度にするには調整範囲が足りません。そこで基板上の100kΩを330kΩに交換しました。交換前はトータルで480kΩだったので,このくらいの値に調整範囲が入ってくればよいでしょう。でもギリギリなので,もう少し大きめの値を入れておけば良かったかなあ。


・おまけ PC-1245の18kByte改造

 むかしのI/Oを見ていたら,PC-1245を18kByteにする改造が出ていました。拡張RAMのCSに,A13をフルデコードしたRAMをあてがってやると,0xa000のイメージにみえる0x8000が独立したエリアになるというやつです。

 手持ちに腐るほど256kbitのSRAMがありますので,中学生の時に改造して以来ずっとそこにあったuPD4364Gとその下のHM6116を取り外し,富士通のMB84256をハンダ付けしました。

 FO3とFO4の2つのCSはANDをとり1つのCSにまとめ,FO4をA13にくっつければ完成です。これでメモリはめでたく17870バイトになりました。

 BASICのスタートアドレスはこれまでの0xa000から0x8000になりましたし,メモリチェックもパスしたので問題なさそうです。あるエミュレータの開発者が0x8000からのエリアは0xa000のイメージでないとBASICが入力出来ないと行ってらっしゃいましたが,うちでは少なくともそういうことは起こっていません。

 

PC-1245の奇跡の復活

20210117160658.jpg

 ある日,PC-1245などLCDに持病を抱えるポケコンの現状が気になり,google先生に尋ねてみました。

 すると,なんとPC-1250系に互換LCDを作った人がアメリカにいて,その人から購入したLCDでPC-1251を復活させた人の話が飛び込んで来ました。

 いやー,とうとうこういう人が現れましたか。交換するしか修理の手立てがないLCDの問題を,こうして根本的に解決するというのはなかなか出来ない事ですが,昨今のレトロPCブームのおかげで個人ではなく会社やお店がやってくれるんじゃないかと,ちょっとだけ期待してはいました。

でも,まさか個人でやってるとは。

 考えてみれば,LCDのカスタムメイドは初期費用も大きいですが,1回で製造される数が膨大です。1つ1000円で作れたとしても,最低3000個とかいわれたら,それだけで300万円ですからね,ポケコンの修理代として300万円はあまりに非現実です。

 ですが,昨今中国でLCDを作ることが当たり前になりました。初期費用も数万円程度,単価も100円とか200円とか,そんなもんで,数も少なくて済むケースがあると思います。仮に1000個で作ってもらえたら,30万円ほどで作れちゃうんじゃないでしょうか。

 そしてそのLCDを欲しい人に3000円くらいで買ってもらえて,そんな人が100人もいれば元は取れてしまいます。中国でLCDが作れることが,これだけ物事を変えていくと言うことでしょう。

 このアメリカの方はPC-1250系だけではなく,PC-1210系のLCDも復刻させています。価格は良心的な$17程度で,送料を入れても悔しくない価格です。

 私はPC-1251とPC-1211を持っていて,どちらもLCDが死んでいるので迷わず注文しました。

 そして,ついでにPC-1245のLCDも同じように作っている人がいるかもと思って調べてみたのですが,そうするとなんと,日本の方が作ってくれていました。昨年あたりから一部の人の間で話題になっていたようで,私は乗り遅れていたような感じです。

 あわてて注文をします。価格は5500円と結構高価ですが,修理代として出せない金額ではありませんし,なにより自分では出来ない事をやってくれているのでから,そこは感謝です。

 4つまでの購入制限があるので,我が家の3台のPC-1245に予備を1枚でなんとかギリギリ。金額的にも厳しいので4つだけ買うことで辛抱しましょう。

 さすがに日本だけって数日で到着。うれしくてその日のうちに交換作業を敢行しました。

(1)MC-2200

 いきなりこれか,という声が聞こえてきそうですが,そう,セイコーにOEM供給されたPC-1245である,MC-2200です。

 同じ大きさ,同じキーボード配列ですが,真っ黒なボディカラーにクリーム色と真っ赤なキーがアクセントになった,なかなか格好いいマシンです。PC-1245のLCDが左にオフセットしているのに対し,MC-2200は中央に配置されています。

 実物を目にした人が少ないということでなかなか貴重なマシンとして扱われているようなのですが,これもPC-1245と同様にLCDが劣化しますので,完動品はほぼ絶滅でしょう。

 私はLCDが死んだものを安く入手してありました。もしかするとLCDを復活させる方法が見つかるかも知れない,もしかするとLCDだけ生きている壊れたPC-1245が手に入るかもしれないと,入手しておいたのです。

 それがこうして役に立ちました。

 湿気を吸っているため,基板にゆがみが出ていますが,慎重に作業を進め,復活しました。最初の交換作業ということもあり,上手く表示が出ずに何度かやり直す羽目になりましたが,最終的には上手くいきました。

 MC-2200がちゃんと動いているなんて,夢を見ているようです。


(2)PC-1245

 2台目は,私が中学生の時に買ってもらったPC-1245,そのものです。10代の私は常にこれを鞄に入れていました。中学でも高校でも大学でも,いつもこれが私の計算機能を担っていました。

 処分価格で出ていたものをねだって買ってもらったのですが,これがこんなに長年の友となるとはその頃思っていませんでした。

 面白がって改造し,RAMは10.2kBまで増設してあります。これも若気の至りと言いますか,結構乱暴な改造をしてあったりしますし,使っているSRAMもよく分からずに選んでいた感じもあって,恥ずかしいものです。

 社会人になって日頃の仕事にも活躍してくれていましたが,10年ほど前からLCDが黒ずみ始め,現在は真っ黒になってしまいました。少しずつLCDが見えなくなるのを見るのは辛く,不治の病に冒されて朽ちてゆく長年の友をなんとかしようとするも,交換以外に方法がないという現実を受け入れ,同じ大きさで同じように使えるPC-1246を主力機にするという決断をしたのでした。

 それがまたこうして,甦ります。感激です。

 で,会社に置いてあるPC-1246は,気分だけでもPC-1245を継承したいと,PC-1245オリジナルのゴムキーを,PC-1245が持つプラスチック製のキートップのキーボードに交換してしまいました。

 手元のPC-1245は確かに中学生の頃から使うPC-1245に間違いはないのですが,キーボードだけはPC-1246のものに交換されてしまっています。

 いずれPC-1246は会社から取り返してくるとして,先にこのPC-1245のLCDを交換しましょう。

 MC-2200で困った点を注意して,作業を進めます。

 古いLCDをフレームから取り外すのが難しいのですが,私はアセトンなどの溶剤を使わず,ドライヤーで熱を加えて外しました。この時,腕時計の裏蓋を外す工具をLCDの表面からフレームに差し込み,少しずつ隙間を広げていくと上手く外れます。

 裏側からこじるとガラスが割れてしまいますので,無理はしない方が安全です。

 ゼブラゴムは同じ場所,同じ面を使わずにローテーションすると上手くいきます。それから汚れを綺麗にアルコールで拭き取らないと,表示が書けたりリークで余計なドットが表示されたりします。特にLCD側に接触する面にゴミがあると,簡単に表示不良になりますので注意が必要です。

 それから偏光板です。オリジナルはLCDの表面に偏光フィルムが貼り付けられておらず,偏光板が鉄のフレームの上から重ねられています。しかし今回のLCDは偏光フィルムが最初から貼り付けられているので,オリジナルの偏光板は必要がなくなります。

 もちろんあっても表示は出るのですが,暗くなるので外さないといけません。そうすると偏光板の厚みだけ薄くなりますので,LCDの表面を覆うプラスチックの透明カバー(風防と言います)がガタガタします。でも,それはそれで大した問題はないのでOKとします。

 そして,組み込みの際には,電源を入れて動かしながら行います。鉄製のフレームから出ている爪は基板の穴に差し込んで裏側で折り返すわけですが,先にすべての爪を曲げてしまわず,左側から表示を確認しながら1つずつ曲げていくのです。

 爪をさらにきちんと曲げて強く固定し,交換完了。最終組み立てを行って電源を入れますが,起動しません。あちゃー,壊してしまいました。

 ああ友よ,さっきまで君は元気に動いていたじゃないか。

 なのにリセットをかけてもBUSYと出るばかり。

 なにせ私にとっては特別な1台ですから,急遽修理を始める事にします。まずは電源とリセットですが,これは大丈夫。ならばクロックを確認しないととオシロスコープの電源を入れて確認をすると,これも大丈夫です。

 バスのアクセスはどうなっているかと確認すると,これはリセット解除後からずっとパタパタ動いており,少なくともCPUやROMが死んだというわけではなさそうです。

 概ね,基板,それもスルーホールやパターンが切れたんだろうと今度はテスターでパターンを追います。回路図を見ながらCPUとROMとRAM, そしてLCDCのデータバスとアドレスバスを見ていきます。

 すると,一部データバスがショートしているのがわかりました。これは面倒くさいです。バスのショートはハンダのブリッジが主な原因ですが,どこでブリッジしているかは目で追いかけるしかないからです。

 それでも見つからないと,今度はICの不良の可能性を疑うことになりますが,その段階で修理を終わらせるのはかなり困難になってしまうことが確定です。

 バスのショートは,どういう訳だか2本ではなく3本のショートであることがわかりました。そして偶然,LCDのフレームともショートしていることがわかったのです。

 取り付け中までは正常動作していたのですから,問題が起きたのはその後,つまり爪を曲げ直ししたところで起きたのでしょう。強く曲げすぎたせいで鉄製のフレームが基板のどこかに接触してしまったのかも知れません。

 そこで爪を少し起こして緩めてやると,今度は無事に起動しました。あー,よかった。

 同じような失敗をしないように慎重に最終組み立てを行って完成。今度はちゃんと動きます。
13歳の私が初めてにしたモバイルマシン。私の計算能力のほぼすべてと記憶の一部を担った真のポケットに入る小型コンピュータがここに復活です。


(3)PC-1245

 PC-1245は特別なマシンですので予備機を1つ,機会があるときに購入してありました。程度は良く,綺麗な状態で手に入ったので無改造のままです。部品取りになるか,置き換えになるかはわかりませんでしたが,もう1つあるという安心感こそが重要でした。

 これがやはり,LCDの劣化という不可避の病を発病してしていました。

 分解と交換作業は手慣れたもので,手際よく進みます。爪を曲げすぎると暴走するという問題もそのまま再現し,爪を起こして正常動作をするようにしてから最終組み立てを完了です。

 この個体は常用しませんので電池は入れないのですが,少し使ってみると程度の良かった昔のPC-1245を思いだし,そういえば中学生の時の病院の待ち時間で,随分活躍してくれたなあと,懐かしい思い出が蘇ってきました。


 ということで,うちにあるすべてのPC-1245が復活しました。もう完全にあきらめていただけに,この喜びは大きく,こういうチャンスをくれたことに本当に感謝しています。

 期間限定であり,これを超える形での修理はもう二度と出来ないだろうと思うのですが,今回はうまくチャンスをつかまえることが出来ました。

 高価だとは思いましたが,5000円で修理出来ればありがたいくらいです。そして今後は,別の機種にも手を広げて下さるとうれしいのですが,PC-1245やPC-1250のような数の出たモデルではあなく,品種も増え,しかもそれぞれに異なるLCDを持つものばかりですので,難しいだろうと思います。

 私が持つLCDに持病を持つポケコンは,PC-1401,PC-1246です。どっちも不人気機種でしたし,LCDの交換をしてまで修理しようという熱意のある人はいないと思います。PC-1246はマシン語が走りませんから不人気と言うよりも悪者扱いでしたので,私は好きなマシンですがこれはもうこのままになってしまうでしょう。

 さて,次はアメリから届く予定のPC-1211とPC-1251です。まだ発送もされていませんし,海外から届くので時間もかかるでしょう。本命はPC-1251ですが,性能面で実用性の乏しいPC-1211も,実はあの独特の表示を見るのが楽しみです。



浴室乾燥機を交換する

 ここ数年,風呂場の換気/浴室乾燥機が異音を発生していて,困っていました。

 最近はすっかり慣れてしまったのでいつからこんなにひどくなったのか,もう覚えていないのですが,あのベアリングが劣化したゴロゴロいう大きな音に加え,ここ1ヶ月ほどは「チリチリ」という金属が当たるような音まで出るようになりました。

 そんなにうるさければ止めろという声も聞こえてきますが,我が家も24時間換気が必須となっている住宅で,風呂場の換気扇がそれを担っている以上,止めるわけにはいきません。

 モーターのベアリングが悪いことは明白ですので,交換用のモーターが手に入ればそれで修理出来そうなものですが,残念な事にそういう対応を行ってくれるメーカーは限られているでしょう。

 ならば交換か出張修理となるわけですが,この手の住宅設備というのはなにかと高額なもので,私はやむを得ないと思いつつも,これだけ家電の値段が下がっている昨今にあって,どうも割高感を拭えずにいます。

 だって,枯れた技術で作られた,なんでもないファンモーターのベアリングが死んだだけで,交換費用も含めて10万円コースですよ?

 とまあ,そんな事情もあって,今まで面倒で放置していたのです。

 問題となっているのは,マックスという会社のBS-141H2という製品です。24時間回り続けるファンですから壊れてもおかしくないのですが,設計寿命を10年としているのに5年ほどでゴリゴリ言い出すというのは,ちょっとマズいんじゃないかと思います。

 調べてみるとこのシリーズの製品に同様のトラブルは定番らしく,あちこちで「壊れた」「うるさい」といった文句を目にします。うーん,住宅はどんどん壊れるようになってきているような印象です。

 せっかく電気工事士の資格を持っているのですから,自分で交換することも考えてみます。水栓を交換したときにも書きましたが,以前は専門家しか取り付けできないものは市販されておらず,製品の値段で工賃を捻出するような感じだったわけですが,最近はありがたい事に製品だけ販売してくれる業者が増えてきました。

 BS-141H2は製造中止品でした。後継はBS-161になるとのこと。取り付け穴もほぼ同じで,交換にはうってつけです。

 個人的には,モーターの寿命を見積もれなかったマックスは敬遠したかったのですが,他のメーカーにだと取り付け穴が異なるので,かなり大がかりになる上,失敗のリスクも大きくなります。不本意ながら,マックスのものを第一候補とします。

 結局,amazonが一番安いことがわかり,BS-161を発注しました。値段は36000円ほど。言ってみれば電熱ヒーターとシロッコファンに4万円ですから,ボロ儲けだなあと思います。こんなの半額でなくっちゃ。

 さて,届くまでにあれこれを作戦を立てるのですが,最大の難関は高さが十分ではない作業スペースで,どうやって排気口と本体をアルミテープで固定するか,です。

 アルミテープを貼り付けた裏側に手が回りませんし,眼で見ることも出来ませんので,多分上手くいったという想像で作業を進める必要があります。

 加えて,3kg以上もある大きなものを,片手で持ち上げつつ片手でネジを締めるという離れ業をやってのけなくていけなくて,ここがかなりきついだろうと思っていました。

 届いたBS-161は想像していたほど大きくも重くもなく,これなら3時間もあれば作業できるんじゃないかとふんで,夕方から交換作業を決行します。

 最初は古いBS-141H2の取り外しです。まず点検口から手を伸ばし,ダクトを外し,電気の配線を取り外していきます。アルミテープを剥がすのに苦労しましたが,まあこれは大丈夫。あとは電動ドライバーでさっさとネジを外し,落とさないように外してしまいます。

 次にBS-161を持ち上げ,元のネジ穴にネジを入れて固定します。

 しかしこれが大変でした。片腕で持ち上げて位置決めをし,もう片腕でネジを差し込み回さないといけません。最低2本はネジを締めておかないと,重さに耐えかねて落下する危険性もあります。

 なかなかうまく位置決めできず,もうヨレヨレになってようやくネジを差し込むのですが,大きくズレてしまっていて元のネジ穴に刺さりません。刺さっても少し斜めに入り込むと天井の裏側の穴からズレてしまうので,途中で回らなくなってしまいます。

 これを6本でやるんですから,もう大変です。

 しかも,このうち3本は点検口から見えない位置にあります。ネジがきちんと飛び出して固定されているかが目視できないのです。こわいです。

 しかも,頼みの綱の電動ドライバーは,力が強すぎてネジ穴を壊してしまいそうです。ここはしんどいですが,手で回すドライバ-を使いましょう。

 40分ほど格闘して,ようやく固定に成功しました。このうち1本はネジ穴を潰してなめてしまったのですが,ここだけの秘密です。

 次はダクトです。ダクトはフレキシブルパイプをそのまま流用し,本体にはめ込んでアルミテープで固定します。なにせ取り付け箇所が手に入らない場所ですし,目で見えない場所でもあるので,とにかく難しい作業になることを覚悟していました。

 その予想は当たり,ここも40分ほどかかってしまいます。しかも点検口から体を入れての作業で,少し高さの足りない脚立のせいもあって,作業は困難を極めました。

 アルミテープを少し長めに切って,ぐるっと向こう側を回して貼り付けるのですが,アルミテープの端がこちらに来てくれません。無理に回そうとするとくしゃくしゃになったり,他にくっついたりして手に負えません。

 脚立の関係で,片腕は体を支える必要があり,作業に使えるのは実質1本の腕だけです。何度もやり直して,ようやく固定できました。それでも見えているわけではないですし,5mm程の太さの電線を向こう側に回し,引っ張って押して接着したので,上手くいっているかどうかは自分の腕を信じるしかありません。

 心配していてもキリがないので先に進みます。

 次はリモコンです。元のリモコンケーブルは使えませんので,新しいケーブルを古いケーブルの先に巻き付けて,壁側から引っ張ります。すると新しいケーブルの先端が壁から出てきますので,新しいリモコンに取り付けて固定。

 まあ電気屋さんですからね,これくらいは休憩みたいなもんです。

 最後に電源の配線です。これも簡単。被覆を剥いて端子台に差し込むだけです。

 点検を目視で行い,ブレーカーを戻します。一通り動作確認を行い,本当にフラフラしながら作業を完了します。

 音が格段に静かになったことをエネルギー源に,散らかり汚れた風呂場を片付けて掃除します。この時すでに私の体力は限界近くになっていました。

 掃除まで終わったのが,作業開始から3時間後。ほぼ予定していた通りの時間だったのですが,プロはこれをもっと短時間で,しかも一日何件もやるんでしょう?すごいですよね。

 私は夕食も担当ですので,この力仕事の後ご飯も作りました。もう動けないんじゃないかと思うほど疲労していましたが,作業が上手くいき,家族の評判も上々とあれば,そんなに悪い気もしません。

 ということで,36000円ほどで交換作業が終わったわけですが,特別安いという気もしませんし,しんどかったこと,体が痛いことも含めると,なんと面倒くさい話かと思いました。

 静かなことは良いのですが,もともとこれが普通だったことを思い出すと,これまでなんと劣悪な環境だったのかとため息さえ出てきます。

 どうせ数年でまた壊れるでしょう。過度な期待をしないでおこうと思います。

 さて,前述の通り私は電気工事士の資格を持っているので交換作業を行うことが出来ました。これから死ぬまでの間に,こういうことを経験することもそうそうないと思います。壊れたこと,それが自分の手で交換可能なことは,なかなか体験出来ない作業を経験する希有なチャンスと考えて,今回の作業を楽しく行うことが出来ました。

 時間がかかっても,極端に言えば失敗しても自分だけの問題ですから,納得するまでやっても,せいぜい家族が文句を言う程度の話です。アマチュアとは気楽でいいものです。

 そして,私はつくづく体力がないなあと思いました。腕も知識も十分だと思う訳ですが,決定的に不足しているのは体力と経験。経験はやむを得ないとしても体力はもうどうにもこうにも足りないです。

 わずか1件,それもフラフラになりなりながらの作業です。これを毎日毎日何件もこなす仕事は,私には出来ないなあと思いました。別の人生は,こういう理由で閉ざされるものなんですね。

 水栓,浴室乾燥機とくれば,次は食洗機でしょう。

 重量物,電気工事,水道工事,狭い場所での作業と,その難易度はSクラス。本当に自分で出来るのかも疑わしいわけで,出来ればやりたくないものです。

 あと数年,寿命を迎えるまで動き続けてくれることを祈りたいと思います。


 

2020年の散財を振り返る

 毎年恒例,昨年1年の散在を振り返る時がやってきました。

 昨年は新型コロナの影響で例年とは違う毎日を過ごすことになりました。正直なところ,散財どころの話ではなかったというのが本音ですし,一方でコロナが蔓延していてもいなくても,欲しいものは通販で買っただろうから関係なかったという気もします。

 ですが,やはりマインドの問題として,物欲が低調だったことは否めないです。

 ただ,昨年は6月末まで,消費税増税対策としてキャッシュレス決済で5%のポイント還元がありました。私もこれに背中を押されて,高額商品の購入に踏み切りましたが,今となってはそんなこともあったなあという遠い記憶になっています。

(1)カメラ関係

 コンパクトデジカメはほぼ絶滅,ミラーレスへの移行が進んで,Fマウントユーザーの私はお金を使いたくても使えないと言うさみしい状況が昨年の動きだったと思います。

 そういうわけで,デジタルカメラへの大きな投資はなく,せいぜいD850の大容量バッテリーを正しく充電出来る純正チャージャーを買ったくらいです。これ,なかなか高価な代物でして,当初買わずに済ませていたのですが,やがてきちんと充電出来なくなっただけではなく,電池そのものが使用出来なくなるという大問題を引き起こしてしまい,泣く泣く買う羽目になったという感じです。

 積極的にというより,消極的な理由で買ったものだけに記憶も薄いわけですが,冷静に考えると高額故にD850と同時購入は負担が重く,必要になった時期に買うという今回の買い方は案外正しかったように思います。

 それにしてもD850のポテンシャルは高いですね,ちっとも陳腐化しません。

 一方で銀塩はなかなか盛況な年でした。フィルムカメラの中古品の価格が上がり,それでフィルムの消費量が増えて値下がりするかと思いきや,実は値上がりばかりだったという悲しい現実がありました。

 私は今年,ミノルタオートコードが楽しくて,かなり120フィルムを使いました。ISO400のFP5でも粒子が細かく,立体感もグラデーションも素晴らしくて,35mmフィルムのISO100くらいの画質です。

 120フィルムのカラーネガも初めて使いましたが,最新のデジタルカメラと比べて画質面で遜色ないと思うほどの美しさです。よく言われるようにミノルタオートコードのレンズには定評があり,それも大いに貢献していると思いますが,上から覗き込む撮影スタイル,正方形のフォーマットというのも,最終的な結果に大きな影響を与えていると思います。

 1枚あたりのコストはデジタルとは比較になりませんが,6x6版には他にはない魅力があります。思い切って手を出して良かったと思います。

 逆に今ひとつだったのは6x9版のGW690です。それなりに高価な買い物だったのですが,1本のフィルムで12枚撮影できる6x6はその制約を楽しめても,これが8枚になってしまう6x9だと窮屈だと感じしてしまいました。わずか4枚の違いですが,これは結構大きいです。

 それで結果は3:2のフォーマットなので,ネガを見た時の感動は大きいですが,撮影のスタイルはD850となにも変わりません。それならD850の方が楽で楽しいわけで,GW690は私としては失敗だったと思います。

 フィルム関係は35mmでもたくさん使いました。TRI-X一本で勝負していた頃には気が付かなかったフィルムの個性がこれほどわかりやすく存在することが楽しくて仕方がなかったです。

 ISO100(125)ならORWOのUN54,KodakのPlus-X,IlfordのFP4,それからRolleiのRETRO100Sを使った訳ですが,この中で飛び抜けて好感触を得たのがUN54です。粒子の細かさ,黒の深さ,そして美しいグラデーションと,35mmなのに中判のような画質に強烈な印象を持ちました。

 ISO400ならこれが不思議とFP5がお気に入りで,これTRI-Xと同じようなフィルムなはずなのに,ミノルタオートコードで撮影すると今でも感動する程の仕上がりです。FP4だと別に感動などしないというのが不思議でなりません。

 ISO200も使ってみましたが,これはFOMAPANの200です。安かったからまとめ買いしたのですが,T粒子という事もあって期待していました。

 しかしどうも大きな黒点が画面にブツブツと出てきてしまって,本格的な撮影には使えないと判断せざるを得ませんでした。粒子も荒れるしグラデーションも滑らかではなく,ISO100と400の悪いところをそれぞれ引き継いだような中途半端な印象しか持てませんでした。

 120フィルムに手を出した以上,自家現像する環境がないと話にならないわけで,パターソンのタンクを買いました。コストの関係でそんなに120フィルムを現像することはしないだろうと思っていたのですが,予想に反して120フィルムの処理能力の低さにイライラします。

 120フィルムを2本巻き取る方法を習得したので今は効率2倍ですが,慣れない頃に失敗が続いたことは苦い思い出です。

 そうそう,昨年買ったものではないのですが,冷凍庫に置いてあった10年前のTRI-Xを使い切る事にしました。ただ,やっぱり時間が経っているせいか,眠いんですね。もともとそんなにゴリゴリした画質ではないTRI-Xですが,ボヤーっとしすぎている制で写真に締まりがなく,緊張感を表現出来ないことにフラストレーションを感じて,もともと私はTRI-Xを使うべき人ではなかったんじゃないかとも思いました。

 そんななか,フジのACROS-IIを結局使わずに年を越したことがちょっと悔やまれていて,ISO100だから室内では撮影は難しいと敬遠し続けたことがコロナの影響に夜ものであることを,認めざるを得ないでしょう。

 そんなわけで,昨年の前半はまさに銀塩カメラ祭りです。畳の部屋にだーっとカメラとフィルムとネガを広げて写真三昧でしたが,あろうことかダニの発生を許してしまい,あわてて片付けてから急激に私の中のブームがしぼんでしまいました。


(2)楽器関係

 キャッシュレス還元の期限に駆け込む形で,以前から懸案だった電子ピアノの買い換えを行いました。RD-700からRD-2000です。

 鍵盤よし,音よし,表現力よしと,本当に良く出来たステージピアノなのですが,私自身がずっと弾いていたくなるような心地よさを感じた以上に,娘のピアノの腕前が急激に上達したことが何よりよかったことでした。

 RD-2000は現行のステージピアノだけあり,1960年代から現在に至るまで,およそ必要とされるピアノを高い次元で網羅できています。特にRD-1000の再現性には特筆すべきものがあり,自分が若かった頃をふと思い出してしまいます。

 艦長日誌には書かなかったのですが,実は5月頃にMOTUのDigitalPerformer10を買っています。もともとPerformerを使っていた私としては,シーケンス機能をあてにしてDP10を買ったのですが,機能も豊富で使いやすくなり,なかなか歯ごたえのあるソフトだと思いました。

 Jupiter-xmでサクッと1曲作ってみましたが,やはり楽しい作業です。

 そうするとオーディオI/Fも新調したくなるもので,MOTUのM4を買いました。買いにくい時期でしたが,運良く手に入り,キャッシュレス還元も受けられました。


(3)新しいコンピュータ

 なんと言っても11月下旬に手配し,12月初旬に届いた,AppleM1搭載のmacbook airが素晴らしいです。イマも毎日使っていますが,充電は3日に一度くらいで済んでいます。艦長日誌にも書きましたが,充電回数が極端に少ないことは,充電する場所と使う場所を完全に分離出来るということで,これはノートPCの高い生産性がスマートフォンのような自由度を手に入れたということで,ちょっとした革命だったように思います。

 新しいCPUに切り替わったときに軽く盛り上がるのが,ネイティブアプリケーションへの買い換えです。私の場合,これを機械に長く放置していたNisusWriterProを買い換えました。

 ワープロソフトなんかわざわざ買うことないのにというなかれ。印刷する紙が決まっているような場合,例えばハガキなどに文章を書かねばならないとき,ワープロソフトはなかなか便利なんですよ。

 NisusWriterは私がTeXと併用できる唯一のワープロソフトで,もっと積極的に使ってもよいと思っていたソフトです。M1の性能の高さと相まって,高機能がサクサク動くNisusWriterの心地よさを久々に堪能しました。


 実はこれ以外に,子供用のPCとしてASUSのE203MAを8月に購入しています。30000円を切るくらいで買ったので安いなあと思って買ったのですが,生活マシンとしてなら十分なんじゃないかと思ったくらい,コストパフォーマンスに優れていました。

 さすがにキーボードは長時間使う気が起きないほど情けないものでしたが,短時間なら問題はないでしょうし,プログラミングに使うようなものでもないので,割り切れます。

 ただ,タッチパッドの使いにくさはいけません。マウスを買わないとダメです。


(4)ネットワーク

 ADSLが廃止になるというので,やむなく光回線に切り替えました。IPoEに切り替えたので,うちはもう基本的にIPv6への移行を済ませたと思っています。

 今のところ快適で,高速な通信速度を堪能しています。

 ただ,そうすると無線LANの遅さが気になりますので,これも買い換えが必要かも知れません。でもAirMacExtremeはなかなか良く出来ているので,これを越えるシステムはかなり高価になってしまうんですよね。

 そういえばハブが壊れたので買い換えました。TP-LINKのTL-SG1024DEですが,24ポートのハブも安くなったものです。

 ハブが壊れることは何度も経験しているのですが,それでも耐久消費財という意識がまだありました。しかしハブが安いというのは,つまりそれが消耗品であることの証であることでもあり,ネットワーク管理者の間でハブが消耗品である事が半ば常識である事を,ようやく身にしみて理解したのでした。

 そもそもハブの故障に気が付いたのも,光回線にした時に導入したHGWの障害ログを見てのことでした。3秒ほどリンクが切れてすぐに復活という事を毎日繰り返すので原因を調べたらハブだったという話です。

 実害が出ていないので買い換えなくてもいいかと思っていたのですが,いつ壊れるかわからないのも困りますので,買い換えたという感じです。

 ポートトランキングもNASとの間で行っていますが,NASのHDDの速度がネックになって,その効果はあまり実感出来ていません。このあたりは次の課題になりそうです。


(5)ゲーム

 コロナで時間を持て余すとゲームという話になりがちですが,私はコロナでも仕事が忙しく,娘もゲームに魂を奪われることがなかったので,それほどゲーム三昧ではありませんでした。

 個人的にはレトロゲームが中心的で,それらには随分手間とお金をかけた記憶があります。

 PS2をRGBで表示出来るLCDを調達したことに始まり,RPi4でレトロゲーム専用機を組み,RPiWで携帯ゲームマシンを用意しました。

 娘はこれでスペースハリアーの虜になりました。

 その後,秋頃からゲームギアミクロ,ゲーム&ウォッチのスーパーマリオ,そしてアストロシティミニと発売ラッシュが続き,今はアストロシティミニ三昧です。

 これは実に良く出来ていて,ジョイスティックも素晴らしく,画面も筐体も絶妙なサイズでゲームに集中出来ます。ちょっと高価ですが好きな人は迷わず買いです。

 もともと,長時間粘られると商売にならないアーケードゲームを集めたゲーム機ですので,短時間にパッと遊ぶには最適です。セガのこだわりもあちこちに見られて,ファンにはたまらないものはあります。

 個人的にはこの筐体で他の会社のゲームもやってみたいところなのですが,おそらくすでにそういう改造を行っている人はいるだろうと思います。私はもうそういうムーブメントにはついて行けないのですが,それくらい良く出来たゲーム機です。


(6)Aliexpress

 そう,リスクテイカー最後の遊園地,Aliexpressです。amazonもebayもリスクが減ってつまらないという中毒症状の人が,次にこぎ出すフロンティアです。

 細かい事は書きませんが,機械翻訳丸出しの日本語だったり,それすら行わない荒っぽさも,ほんまかいなと思うような値段の商品がゴロゴロしているかと思えば,同じ商品が全然違う値段で大量に出品されていて目利きがないと大損するとか,もうすべてが混沌としています。

 到着まで時間がかかるのは当たり前として,出荷まで2週間もかかったりと,注文をしてしまうとその後届くまで緊張の糸が緩みません。こりゃ中毒患者が出るのも無理はないですよ。

 私は国内ではどうにも手に入りにくい安いものを調達しました。ES9038のボードやAK4137のボードです。どちらも時間はかかりましたが,問題なく到着し動作も大丈夫でした。

 あと,OCXOも買っておきました。すべて中古品なわけですが。ゴミみたいな値段(もともとゴミだったんだから当たり前か)でダブルオーブンの高級品が買えることに驚きました。

 別に急いでいたわけではないのですが,GPSDOの不調が中古のOCXOの故障のせいだったことがあり,この時交換するOCXOがなかなか見つからなくて困ったことがありました。

 壊れる前に使えそうなものを少しずつ準備しておくことにしたのですが,どれも交換出来そうな感じだったのでしばらくは安心です。

 ボードもOCXOも,どちらもトータルで5000円ほどの買い物でしたが,正直これ以上の金額のものを買おうとは思いません。まあ,パチンコくらいの気分で楽しむのが適当だと思います。


 そんなわけで,今年は買ったものを列挙したというより,雑感を中心に書くことになりました。家から出ない生活なのでメリハリが付きにくく,いい意味でも悪い意味でも趣味と仕事の境界が見えにくくなってきます。

 新築した家もそろそろあちこち傷んできています。そこにかかるお金も考えないといけませんし,娘への投資もこれまでと同じレベルでは済まないでしょう。年齢を経た親の事もありますし,増える事がない収入に対し,増える事が確実な支出をどう調整するかが,今後の私のテーマになりそうです。

 うーん,新年早々,守りに入った結論だなあ・・・

 

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