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M1というCPUがコンピュータの常識を変えたかもしれない

 12月9日に,中国からはるばる私の手元にやってきた,AppleSilicon M1を搭載した新しいmacBookAir。1週間ほど使ってみて,ようやく印象がまとまってきました。

 先に書いておくと私のMacBookAirは最も安い構成のもので,メインメモリは8GB,ストレージは240GBのものです。ただしキーボードをUSにしたのでBTOとなり,入手まで2週間ほど待たされてしまったわけです。

 メインメモリは跡で追加できませんので,こういう場合は16GBを選ぶものなのですが,今回は予算が許さず,また8GBで支障を来す頃には買い換えるんじゃないか(それはつまり8GBでもそれなりに長持ちするんじゃないか)という期待もあり,8GBで手を打ちました。

 そう,以前なら本体の価格が20万円近くもしましたからね,2万円ほど高くなってもメモリを増やすのは賢い選択だったと思います。しかし,本体が10万円そこそこでメモリを2万円出して増やしても,その増やした分が役に立つ頃には,メモリの価格が下がっていて数千円になっているでしょう。

 つまり安心感を買うにしては,本体価格の2割増しというのは割が合わないように思ったわけです。

 気になったのは,最低ランクのMacBookAirだけGPUが7コアになっていることです。ただ,これもGPUの話ですし,具体的にGPUを演算器として使う使い道も生活マシンでは薄いので,12.5%の性能低下は飲むことにしました。

 果たしてそれは正解でした。

 このMacBookAir,今回発売になったモデルではイチオシのモデルです。

 これまでの生活マシンはMacBookAirの11インチ,late2010ですのでもう10年選手です。パッチをあててヨレヨレになりながらCatalinaを動かす様は,涙無しには正視できません。

 NASにあるTimeMachineのバックアップから新しいMacBookAirに環境を書き戻してさくっと移行完了,2時間後には生活マシンとしての運用を開始していました。このスムーズさもMacならでは,です。

 そして,ATOK2017も含め,ほぼすべてのアプリケーションが問題なく動作することがわかり,拍子抜けしてしましました。

 インテルのコードは体感で3年くらい前のマシンで動かした感じです。ネイティブのコードは2倍から3倍ですので,10万円の最低価格のノート型マシンがたたき出す性能とは思えません。

 ちょうど昨日FirefoxがM1ネイティブになったのですが,使えば一瞬でわかるほど軽快になりました。素晴らしいです。

 気を付けないといけないのは,Rosetta2は最初はインストールされていません。アプリケーションを起動した時にRosetta2が必要ならばその時にダウンロードされる仕組みなのですが,ATOK2017はアプリケーションではないので,Rosetta2がないと動きません。

 やっぱり動かないのかなあと思っていたら,別のアプリを起動したときにRosetta2が入り,その後なら問題なくATOK2017が動くようになりました。引っかかる感じも全くなく,完全にRosetta2の存在を忘れてしまいます。

 いやはや,M1とRosetta2があれば,もう世界はインテルのCPUを必要としなくなるんじゃないでしょうか。


・なんやかんやいいつつ,動いてしまえば結局Mac

 これは褒め言葉です。目新しさを感じるとき,例えば自動車を買い換えた時,新しい部屋に引っ越したときなんかに感じるあの感激を,我々は非常にポジティブなものに思うかも知れませんが,冷静に考えてみると前後に大きな落差があったから感じるに他なりません。

 元の自動車が良いものであれば,新しいものも感激は少ないはず。次の部屋が良くない部屋なら,前の部屋の方が良かったと思うわけで,我々はついつい差分で考えてしまいがちですが,肝心なのは絶対値です。

 今回もつくづく思ったのですが,Macは使い心地が大変良く,やはりストレスフリーです。新しいマシンかどうかというのは主に速度の違いであって,使いやすさを決めるOSの良さは相変わらずであることを考えると,Macは古くても大丈夫な機械だということになります。

 もちろん,キーボードや筐体,LCDなどハードウェアに依存する使いやすさは大きな影響を与えますが,それもすでに良くまとまっており,完成度も高いので,新しいマシンにしたところで満足度が大きく下がることはありません。

 M1という新しいCPUを搭載することで,使い勝手が損なわれることを覚悟していた多くのユーザーは,それが杞憂に終わったことに最初は驚くわけですが,そのうちいつものMacを触っている感覚に支配されてしまいます。

 この,動いてしまえば結局Macという感覚はかつて初代のiMacを触った時にも感じた印象でした。Macを知らない人達の間でも話題になったiMacの使い心地を尋ねられた時,「動いてしまえばMacですし」と答えたことを思い出しましたが,まさにあれです。

 それはPowerPCからIntelに移行したときにも同じでした。(68kからPowerPCへの移行時には違和感がありましたが・・・)

 高い次元で変化がないなら,それは変化の前も変化の後も,良い仕事をしていたということです。Appleはスマートフォンの会社になったように思いますが,ちゃんとMacにも力を注いでくれていました。


・むしろBig Surに戸惑う

 うちのMacBookPro2016は,ソフトの互換性の関係からMojaveでアップデートを止めています。Big Surは初めて触るのですが,噂通りiPadに近くなっているので違和感がありました。

 しかし,慣れてしまえば良く出来ています。今思えばCatalinaが一番中途半端で熟成が甘く,しかもバギーでしんどいOSでした。

 CatalinaまでのOSは,少しずつ進めたiPadに近づく作業に躊躇があり,旧来のデスクトップコンピュータをなかなか否定できなかったのだと思います。

 それがBig Surでは,良い具合にiPadを取り入れることで,本当に使いやすくなっていると思いますし,また見た目もわかりやすく,古い感覚がかなり消えたように思いますし,Catalinaで不満だったところがちゃんと改善されているので,もう古いOSに戻りたくはありません。


・消費電力の低さ

 動き出せばいつものMacですが,ジワジワ効いてくるのが,電池寿命です。

 そろそろ充電かな,と思う頃にバッテリーの残量を見ると,まだ90%台だったりします。5時間おきに充電しないとダメだったのに,この調子なら3日たっても半分くらいしか電池が減らないでしょう。それも一切我慢することなしに,です。

 つまり,ACアダプタを使う頻度が数分の一になるということです。もう手元にACアダプタを常備する必要はなく,5日に一度充電専用の場所に持ち込んで寝ている間に充電しておけば,あとは気にせずどこでも使い倒すという,新しい使い方が出来るようになります。

 ほら,ノートPCってACアダプタを繋いで使い続けるイメージがあるじゃないですか。でも,iPadやiPhoneをACアダプタで使い続けるなんて,想像出来ないでしょう。

 そういうことです。Macも,もうACアダプタを繋いで充電しながら使うということは,しなくなるんじゃないでしょうか。

 そして,消費電力の低さから,シリーズで唯一ファンレスです。思い出して欲しいのは,初代Dynabookも,PC-9801Nも,PowerBook100も,どれも当たり前のようにファンレスだったという事です。

 ファンレスと言うだけの話ではなく,熱くならないのです。熱はエネルギーの墓場です。熱くならないことは,すべてにおいて良い結果をもたらします。

 M1の最大の恩恵は,この低消費電力にあると思います。明らかにノートPCが不連続な進化を遂げたといってよいでしょう。ゆえに,Mac miniではM1の真価は見えてきません。

・外側もmac

 動いてしまえば結局macというのは外側もそうです。剛性感の高いアルミの筐体は高い質感を備えていて,持つ事そのものへの満足感もあります。

 ただ,私はこの点を手放しに喜べません。剛性感は高まりましたが,手に取った瞬間のごつい感じ,そしてずっしりとした重さは,モバイルマシンとしてはちょっと考え物です。

 その点で言えば,10年前のMacBookAirこそ,Airの名に恥じない軽快さを持っていました。M1を使えばこの軽快さを復活させることは簡単だと思いますが,それはiPadProの領域になってしまったので,叶わない夢で終わってしまうでしょう。

 その割には,キーボードの熟成は今ひとつな感じです。やはり12インチのMacBookで採用され,MacBookProであきらめたバタフライキーに時間を取られたことが痛かったです。

 元のキーボードに戻したのですが,あまり快適だとは思えません。むしろmacBookProのキーボードの方がタイピングを楽しめています。(壊れそうなので気を遣いながらになるですが・・・)

 ストロークはこのくらいでいいので,グラグラと動く軸の柔らかさをなんとかして欲しいと思いますし,底打ち感がなくふにゃっとするのも楽しくありません。iPadProではなくMacをなぜ選ぶかと言えば,それはキーボードがあるからです。キーボードをしっかり作って欲しいと思います。

 しかし,トラックパッドは秀逸です。他のマシンはマウスが必須ですが,MacBookシリーズに関しては本当にマウスが必要なくなります。


 とまあ,こんな感じで,10万円という価格でこの性能のマシンが出てきた事で,完全にゲームチェンジが起きたと思って良いでしょう。10万円で買える物の基準が明らかに上がりました。他のPCメーカー,なによりインテルにとって,この状況は厳しいものであるはずです。

 そして忘れてはいけないのは,PCとの付き合い方が大きく変わるということです。デスクトップコンピュータから降りてきたCPUではなく,スマートフォンから上がってきたCPUだからこそ,この低電力性能を設計時にイメージ出来たのでしょう。

 出来上がったマシンは,ACアダプタを繋いで動作させることを全く考える必要のないものになっていました。電池でも動くではなく,ACでも動く,にコンピュータが変化したと考えると,実に感慨深いものがあります。

 そこになんの我慢もありません。従来出来たことはほぼすべて出来て,まだおつりが来ます。将来性も高く,それでいてACを給電しなくてもよいなんて,もう全く新しいコンピュータが突然生まれたとしか言いようがありません。夢だったといってもいいでしょう。

 繰り返しますが,M!を搭載したMacが引き起こす歴史的変化は,まさにAC電源からの解放です。Mac miniはよいマシンですが,残念ながらこの最大の変化を我々に気付かせてくれません。

 今回のモデルでmacBookAirがイチオシなのは,これが理由です。MacBookProとの差は小さく,価格差は本体価格を考えればそれなりにあります。少しでも小さく軽いマシンを,何も我慢することなく使うというのは,MacBookAirだからこそ出来る手に入る世界です。

 在庫で売られている一番安い10万円のMacBookAirは,これまでの「コンピュータ」との接し方を,我々に一切の我慢を強いることなく,大きく変化させるでしょう。何度も言いますが,「電池でも動く」ではなく「ACでも動く」に変わるのです。

Apple M1にみた気高い理想とそれを具現化する力

これまで,iPhoneやiPadといった自分に関係のない製品の心臓部であるAシリーズには今ひとつ関心を持たずにいて,そのせいでCPUそのものを細かく見る機会を失ってわけですが,AppleM1と搭載したmacbookを注文したことで,俄然自分の問題としてApple謹製のCPUの性能が気になり出しました。

 ARMプロセッサというのは,コアあたりの性能は控えめであり,その代わり消費電力が大幅に低いものというのが定説です。それは,もともと電池で動く製品に搭載されることで採用例が増えてきたCPUだからです。

 その製品が消費電力優先ならARMですし,どんどん電力を突っ込む事が許されるならインテルのCPUを使うというのは,わかりやすい使い分けです。

 以前はそうでもなかったのですが,今どきのCPUにおいて,こうした性能の違いというのは,バイナリの互換性,すなわちプログラミングアーキテクチャに起因するものではありません。

 以前は確かに,プログラミングアーキテクチャとマイクロアーキテクチャ,もっというとハードウェアの実装との間には強い関連性があるので,ハードウェア作りが上手な会社,すなわち先端プロセスを持つ大きな会社だけが高性能なCPUを作る事ができました

 しかし,今はそれぞれ,互いへの依存性が低くなっています。製造なら製造に,設計なら設計に,それぞれ特化した会社が普通になったことで,それぞれの得意とする分野だけ注力し,他は他社に任せることが出来るようになったこと,そしてそのために他の会社とのやりとりをスムーズにするためにそれぞれのブロックの抽象化と,境界面のインターフェースを標準的なものに収れんさせていったというのが,その流れです。

 だから,昨今インテルの調子が落ちているというのは,分業化に背を向けてアーキテクチャからプロセスまでを一手に握ってきたインテルが,餅は餅屋という分業化に性能面でも追いつかなくなってきた,というわかりやすい予測に従った結果とも言えます。

 なら,ユーザーであるAppleがインテルを見限ったのも道理であり,最先端の製造技術を持つ会社が自分たちのためにも汗をかいてくれるならば,自分たちはそこで作るものを設計しよう,その代わり最高水準のものにしようと思うのも,まあ当たり前です。

 現実にはそうではないかも知れませんが,TSMCのような製造の会社というのは,技術と費用が政治的な思惑で大きく変動しないものです。お金があれば性能があがる,そういう公平さを期待出来るのです。

 インテルが世界最高レベルの半導体を作っていることには違いはありませんが,その製品を使うにはお金だけがあればいいと言うものはなく,インテルに対する信頼であるとか,忠誠心のようなものさえも時に必要になります。そしてそれは強い足かせにもなり得ます。

 インテルがなんでも自分でやると言う作戦で限界にぶちあたる一方,手分けして各々が得意な分野に取り組む事で,結果的に世界最高の寄せ集めが可能になった今のCPU作りが大きく伸びるのは,もはや必然と言えます。

 TSMCという台湾の会社とARMというイギリスの会社がその中心的存在であることは,アメリカや日本,あるいは中国と言った少々面倒な国の会社が中心になることに比べ,公平性や偏りのなさがあると思いますし,ついでにいうとこれらの常に注目される国の会社ではないことで,ずっと傍流として注目されずにいられたので,ややこしい人達から足を引っ張られることがなかったからじゃないかと思っています。

 Appleが半導体の工場を持つ事なく,自分たちの半導体を(1つ2つを作るのではなく膨大な量を)作る事が出来るのはこうした背景があるからで,だからこそAppleは半導体の中身を洗練させるために,世界最高の設計者やアーキテクトを集めることに専念出来たのです。

 その結果がApple Siliconです。

 私は今さら驚いたわけですが,A14やM1の高性能側コアであるFiresotrmは,シングルコアのクロックあたりの性能(IPC)は,すでにインテルのモバイル向けのCPUコアであるIceLakeよりも,高くなっています。

 ARMがインテルよりもIPCで勝つなんて,少し前なら信じられません。コアそのものの性能もそうですが,本当に強い足腰を持つシステムというのは,データの出入り口とデータの通り道がへこたれないように,きちんと作られているものです。

 ARMのCPUは数字よりも体感で実力が出ないというイメージが私にはあり,それは特に高負荷で大きく性能が落ちたことを体験しているからですが,その原因はバス設計の貧弱さにありました。

 性能は大きな消費電力との引き換えでしか手に入らなかったはずです。しかしApple Siliconはすでに,インテルよりも低い電力でインテルを越える性能を手に入れているというわけです。これは驚きです。

 FireStormコアは,8命令のデコードを行うデコーダを持ち,6つのALUを持っています。つまり同時に6命令(ブランチは別にあります)を実行出来ます。IceLakeはALUが4つですから,理想条件ピークでは1.5倍の性能差があります。

 もちろん,ALUを増やせば性能が上がることはインテルもわかっていますが,1つにはx86の命令セットでは6命令を同時に実行することが難しい事があります。それを行う為には回路規模が大きくなってしまうので,電力も歩留まりも悪化するというわけです。

 その上インテルは最先端プロセスに開発に失敗して,トランジスタの数を増やせません。TSMCは5nmの最先端プロセスを持つ唯一の会社であり,膨大なトランジスタの使用を許す技術を持っていて,Appleはそのトランジスタを電力と性能の両立に使うことにしたというわけです。これじゃインテルがかなうはずもありません。

 それでも,そうした不利な条件にもかかわらずインテルのCPUが相変わらず高性能であることにも驚くわけですが,その伸びしろは残り僅かになっていて,ここから先は大きな努力が必要な割にはそれ程の見返りがないという状態です。これではライバルに勝てません。

 今インテルは,大きな岐路に立たされています。苦しいでしょうね,きっと。

 感慨深いのは,私がかつて最高のパソコン用CPUとして絶賛したPowerPC604の同時実行数を越えたコアが,またAppleに搭載されたという事実です。実行ユニットを増やすほど性能の向上は緩やかになりますので,PowerPC604は回路規模が大きく無駄が大きいCPUにも見えました。

 しかし,負荷の大きさの変化に対する処理速度の変動が小さい,トルクの太いPPUでした。ゆとりがある,贅沢な設計のCPUだったことが伺えます。

 もちろん絶対的な古さからPowerPC604の性能は頭打ちになり,その後G3やG4,そしてG5がはるか先に進んでしまったのですが,IBMらしい正攻法による性能の向上という気高い理想がそこにはありました。

 しかしその後,こうした無駄は許されなくなり,ALUの数は多くても4つくらいになりました。やがてコアの数を調整して性能向上を図るのが一般的になり,PowerPC604のようなCPUはもう二度と現れないと思っていました。

 しかし,Firestormは,しれっとそれをやってきています。もちろんコアも増やすという両面作戦です。Apple M1は,単体でも1.5倍の性能を持つコアを8つも搭載している訳ですから,これが低性能なわけがありません。

 とはいえ,実際に使ってみないと,トルクの太さというのはわからないものです。でも,これだけの技術的な裏付けがあるのですから,期待してもいいでしょう。

 Apple M1は急に登場したCPUではありません。A14を含む,これまでのiPhone用のCPUをきちんと追いかけていれば予測可能であり,順当な進化を遂げたCPUであるとわかったはずです。

 だから,私がこうして大慌てしているのはとても恥ずかしいことで,反省することしきりですが,すでにブームが去ったと思われるCPUのアーキテクチャに関する話題が,まだ扱われていることは素直にうれしいと思います。

 最初は生活マシンを新調するという楽しみでしたが,PowerPC604を越える気高い理想を具現化したCPUを叩くチャンスが訪れることが,さらに楽しみです。

 

N-30がES9028で音を出す

 うちにはN-30という安いネットワークオーディオプレイヤーがあります。まだパイオニアがオーディオメーカーとして存在していた頃に,最も安い価格で登場したフルサイズのコンポーネントです。

 SACDの次はネットワークだと予想して,実際にその通りになった現実を見ていると,そのための再生環境がなかなか厳しい事に気が付きます。

 国内メーカーの製品はどれもマイナーな存在,一応10万円クラスの中級機はあるにはありますが選択肢が少なく,そこから上という事になると海外製の超高級機になりますが,そんなものは私にとってはないも同然です。

 中級機で気を吐くのがマランツですが,個人的に言わせてもらえばマランツと言うよりデノンのネットワークオーディオのUIや安定性がとにかく好きになれず,これが理由でマランツはアウトなのです。

 今さっと調べてみると,実売3万円でヤマハの製品が売られており,これがなかなか高評価です。ディスプレイを割り切ってスマートフォンで操作するというUIはこれはこれで潔いかも知れません。

 そんなことを考えていると,N-30を改造するネタを思いつきました。N-30が気に入らないのは音質ですが,これは本気のオーディオはアナログレコードかSACDと考えていた(別に言い方をすれば逃げていた)からで,音質よりはCDを持ってこなくて良いという利便性を優先していた結果です。

 しかし,新しいディスクは買うことがめっきりなくなり,手軽さとフォーマットによる制約から逃げるために私も配信の音楽を買うことが増えました。そうするともうこちらも本気のオーディオにするしかありません。

 かといって,今から20万円の予算を組んでネットワークオーディオを構築するのもなんだかもったいなくて,それならとN-30の延命を考えました。

 N-30の音質は重心が高く,ザラザラとして芯が詰まっていない印象があります。典型的な低価格機の音なのですが破綻はしておらず,安いなりに精一杯頑張っていると思います。

 ただ,これがRaspberryPiとVolumioで作ったプレイヤーに,安いDACを組み合わせたようなライトな感じをを漂わせていて,聴き込んでいこう気分を削いでしまいます。

 N-30はDACがAKMもAKM4480,後段のフィルタはNJM4580で構成されています。AKM4480は安価な機器によく使われているエントリクラスのDACです。悪くはありませんが,やはり軽い印象です。

 NJM4580は安いし手に入りやすいのでバカにされがちですが,私個人はとてもいい音がするOP-AMPだと思っていて,これを上手く使いこなした機器であればわざわざOP-AMPを交換することなどないと思っています。歪率などのスペックもデータシートに書かれた値よりも実力は良かったりするので,下手に海外製の高級OP-AMPにする必要などないなと思う訳ですが,音の傾向はやはり軽めです。

 アナログレコードの音を基準の1つとして考えている私としては,解像度よりも密度や重心の低さを楽しみたいわけで,ならばとN-30を改造することにしました。

 調べてみるとN-30はメイン基板からDAC基板への配線が判明していて,ごく普通のI2Sです。ただ,DAC基板にはそこで使う±15Vにアナログ用電源の回路も搭載されていて,電源の入力はAC30Vです。

 これにあうものを探してみると,ありましたりました。ESSのES9028Q2Mを搭載し,I2S入力のアナログ出力,電源回路込みというまさにおあつらえ向きのボードが3000円弱です。

 この手の基板モジュールは,最近特に中国のメーカーから有象無象に出ているものをよく見かけるようになりました。よく知られているのがLCDとコントローラ基板です。この2つがあればHDMI接続のディスプレイなどは簡単に作れてしまうわけで,私が以前購入した10インチのディスプレイも,これらを使ったものでした。

 コントローラとLCDの間は規格化されているので,まさに目的に応じた物を選んで差し込むだけで出来上がります。確かに中国では,以前ほどではないにせよ人件費も安いと言われていて,それがさも製品価格の安さの理由になっているような印象を受けますが,モジュールを大量に作るメーカーがあり,これを自由に組み合わせてさっと製品を作ってしまう水平分散の産業構造も安さの秘密ではないかと思いますし,そのために彼らは合理的なモジュールの規格化を進めてきたのだと思います。

 オーディオもしかりで,ES9028のような部品レベルで素人が手に入れる事が難しいものでも,こうしてモジュール基板で安価に手に入ります。安くて便利で,夢のようです。

 早速頼んでみましたが,良い設計をしていると一方で,品質管理や保管環境が今ひとつだと感じました。このあたりはもう一息だと思います。

 この基板が搭載するES9028Q2MというDACはかのESSのハイエンド向けDACです。前作のES9018はDACの世界を変えたと言われるほどの高音質で知られていますが,その後継品種として登場したものの1つです。

 2ch専用にすることで回路を簡略化し,小型化と低消費電力化を行ったものがこの基板には使われていますが,基本的な構成と性能は上位のものと同じとされています。この価格でESSの音が楽しめるなんて,ウソみたいです。

  ESS9028Q2Mからの差動電流出力は,NJM5532を使ったI-V変換に入り,差動電圧出力に変換されます。バランス出力端子にはここからの信号が出てきます。

 さらにNJM5534を使ったバランス-アンバランス変換とLPFを兼ねた回路に入力されて,シングルエンド出力として出てきます。

 電源はAC30Vでセンタータップが必要,これに加えてロジック用のACが必要で,これはAC7V程度もあれば十分です。

 入力信号はES9028Q2Mに直接入るもので,MCLK,BCLK,DATA,LRCK,DATAという普通のI2Sです。フォーマットは・・・調べてないのでよく分かりません。

 よく分かりませんが,N-30から取りだしたI2Sをそのまま突っ込むと,都合良く音が出てきました。いろいろなサンプリングレートにも対応するので,問題なく動作しているようです。

 音が出るところまで確認出来たら,後はアナログ部分のアップグレードです。まずI-V変換のOP-AMPを交換です。I-V変換は音質への影響が大きいので,ここは高精度,高音質なものを使いたいです。PCM1704を使った自作のDACでは,迷わずOPA627を使ったところです。

 あいにくOPA627は手持ちもないですし,差動で使いますから合計4つも必要です。そこで手持ちのOPA604の2個入りであるOPA2604を使うことにしました。

 LPFのNE5534は,シングルの音質の良いOP-AMPが手持ちにないのでこのまま使うことにしようと思っていましたが,回路を追いかけると位相補償もオフセット調整も行っておらず,これらの端子はすべてオープンでした。

 ということは,2回路入りのうち1回路だけ使うという作戦がとれます。

 腐るほどある面実装のOPA2134を変換基板に取り付けてDIPにする時,ちょっと足を入れ換えてNE5534として使えるようにしたところ,これが上手く動作してくれました。よし。

 あとは音質に影響のありそうなコンデンサと抵抗を入れ換えていきます。

 まずコンデンサはLPFの時定数に関係する390pFと100pFをマイカコンデンサにします。手持ちの関係です。

 抵抗はI-V変換の560Ω,LPFの時定数に関係するものをすべて金皮に変えます。これも手持ちで済ませたいので,並列に繋いでなんとか値を作り出しました。

 電源は,AC30Vはそのまま流用,デジタル用の電源は流用出来るものがないため,AC8Vのトランスを1つ追加しました。


 少しずつ作業をして3日ほどで完成,今回はトラブルもなく,難しい改造もしないようにしたため,悩むことなく終了しました。

 さて,肝心の音ですが,狙い通りです。これまで硬質で薄い殻のようだった音が,しっかりと中身の詰まった重心の低い音に変わっています。ザラザラとした荒っぽさもとれ,滑らかで上質な音になりました。

 また,位相特性も改善されたのだと思いますが,定位感が抜群になりました。それぞれの楽器がバチッと定位するのはもちろんですが,知れらが平面的ではなく,ちゃんと奥行きが出ています。定位の精度が高まった結果,それぞれの音の発生機構の容積を表現出来るようになっているのだと思います。

 とにかく,密度の高い音である事が素晴らしく,簡単な改造でこれだけ改善するというのは素晴らしいです。

 うちではもっとも高性能なDACが作り出す音が,N-30から出てくる事になりました。N-30をもうバカには出来ません。うちのメイン機材に昇格することになりそうです。

 ところで,20年以上前に作ったPCM1704のDACのアップグレードも検討中です。このDACは私にとっては記念碑的なものであり,現在の私の有り様を決めてくれたありがたい存在です。

 製作当初はPCM1702にSM5842APという組み合わせで最高の音を狙っていましたが,10年ほど経過したところでPCM1704にアップグレードしました。

 8倍オーバーサンプリング24bitデジタルフィルタと24bitのマルチビットDACによる音は他を寄せ付けないものだったのですが,ハイレゾに対応しないため使うことがなくなりました。

 そこでハイレゾ対応にする計画を立てたのですが,あいにくSM5842APの後継に当たるチップはなく,TI純正のDF1706はすでに入手不可能,ここに至って現行システムをそのままハイレゾ化することはあきらめざるを得なくなりました。

 そうなると手は2つあり,1つはデジタルフィルタをなくして直接DACにPCMを突っ込む方法です。一部のマニアの間で評判の方法で,デジタルフィルタが発生させるプリエコーなどの有害な信号が原理的に発生しないことが評価を得ています。

 ハイレゾの時だけ直結という動作も考えたのですが,サンプリング周波数が変わってしまうとポストフィルタの設計を見直さなくてはならず,またここはディスクリート構成のOP-AMPに1次のLPFを担わせて,緩やかなフィルタリングを行うというコンセプトで作ったものですから,安易に変えられません。

 そうなるともう1つの手です。デジタルフィルタとして,非同期型のサンプルレートコンバータを使うのです。

 SRCというのは,極論するとDACで一度アナログにした音をADCで再度デジタルにする処理のようなものです。サンプリングレートを極限まで上げ,量子化ビット数を極限まで上げると,アナログになります。

 サンプリングレートを上げることも,量子化ビット数を上げることも,結局フィルタを通すことですので,SRCも結局はデジタルフィルタです。

 ただ,同期型ではなく非同期型というのは,入力側と出力側のサンプリングレートの比率によって波形や特性が変わってしまうことを覚悟しないといけないので,単純なデジタルフィルタの方がこういうケースでは望ましいと思います。

 非同期SRCを使うとは言え,出力のサンプリング周波数が192kHz止まりじゃ意味がありません。PCM1704が動作する768kHzまで上げられないとダメなのですが,そういうSRCってほとんど見当たりません。

 唯一見つけたのがAKMのAK4137です。ハイエンド向けのSRCということで性能も良いのですが,音質については今ひとつという評判です。

 このSRCを使った基板モジュールも中国製の物を見つけました。時間はかかるでしょうが届き次第,どんなものか確認してみたいと思います。

 同時に発注したCS8416と組み合わせ,192Hzの24bitでPCM1704をならしてみたら,どんな音になるのでしょうか。ワクワクします。

IPoEへの切り替えとIPv4とのお別れ

 光回線が開通して数日経過しましたが,これまでのPPPoEからIPoEへの移行申し込みが出来るようになったようなので,早速お願いしてみました。

 必要なのはCAF番号なるものなのだそうですが,これがいつ手に入るのか私にはわかりません。プロバイダの登録情報を見ても,ここは私自身が記入する蘭になっており,プロバイダが埋めてくれるものではないようです。

 NTTからの開通通知が郵送される(らしい)のを待つかと思っていましたが,もしやと工事完了の控えを見ると,小さくCAFに続いて10桁の番号があるではありませんか。

 きっとこれだろうと,この数字を使って申請を行ったのが木曜日の22時頃です。

 すると翌朝には,HGWのPPPランプが消えて,見事にIPoE接続に切り替わっておりました。ログを見ると早朝4時頃に切り替わったようです。

 いよいよこれで光ファイバへの移行完了だと喜んで速度を測ってみましたが,あまり変化がなくがっかり。ひょとしてIPoEで繋がっていないのかもしれないと確認サイトで調べてみますが,やはりIPoEで繋がっています。

 以前から比較的速度が出ていた午前中で,下り300Mbps程度です。もっと速くなることを期待したんですけどねえ。

 上りも同じくらいの速度が出ています。ただ,これは昨日もこのくらいの速度が出ており,IPoEだから改善されたものとは言えません。

 速度が低下し始める昼過ぎならどうだろうと思って調べてみますが,速いときでも160Mbps,遅いときは30Mbps程度まで低下します。昨日に比べて最大値は上がっていると思いますが,平均した速度はそんなに変わっていない印象です。

 うーん,こんなもんなんかなあ。

 ベストエフォートですし,100Mbpsを越えたら実用上困ることはありません。それに相手側の速度にもよるので,そんなに高速になることを期待していたわけではないのですが,昨日からの差が小さくて,ちょっと拍子抜けという感じです。

 ちょっと後悔しているのは,サーバーの公開に影響が出てしまったからです。

 事前にわかっていたことなので文句はないのですが,うちはWEBサーバを自宅に立てていて,これでblogをつけて公開しています。セキュリティの心配は死ぬほどあるのですが,blogごときにお金をかけてレンタルサーバーを使うのもバカらしいということで,自宅で用意をするようになって随分経ちます。

 QNAPが用意してくれるDDNSを使っているのでドメインも無料,証明書も無料で使わせてもらっているのでお金がかかっていないのはうれしいのですが,その代わり何か起これば自分で解決しなければなりません。

 光回線に移行したとはいえ,PPPoEならこれまでのADSLと同じようなものですから,ルータを差し替えるだけで完全移行が出来ました。しかしIPoEの場合はそうはいきません。

 IPv6しか通らなくなってしまったことが原因で,うちのサーバーにアクセス出来なくなるのです。

 あれこれ対策を考えたのですがもう面倒なので,サーバーにIPv6のアドレスを割り振り,ルーターにはこのアドレスを通過させるような設定を行い,繋がるようにしました。DDNSにはIPv6のアドレスを登録しておきます。

 これでとりあえず外から繋がるようになりました。しかし,当然のことですがIPv4の人達からは繋がらなくいるはずです。

 確かめたいのですが,あいにくIPv4しか使えないクライアントが手元にありません。よく考えてみると,IPv4しか使えないものって,もうそんなに残ってないんですよね。スマートフォンにしても,最近のWindowsやMacOSも,もうIPv6は当たり前なのです。

 自分自身が特に不便を感じないので,このままいこうと思います。IPv4の慣れ親しんできた私としては急にやってきたIPv4とのお別れにさみしさを感じますが,せっかく光回線にしたんですから,いい機会だったかもしれません。

 

MacBookProのキーボード修理とユーザー体験


 2016年の秋に購入したMacBookProは,もうすぐ購入後4年になります。

 新しいアーキテクチャに切り替わるタイミングを今か今かと待ちわびて,予約までして購入したマシンですが,この4年間は十分に活躍してくれています。

 この世代のキーボードにはあれこれと難癖がついていて,1つはバタフライ式キーボードの問題と,もう1つはESCキーがない事への不満です。

 いずれの問題も後にユーザーの意見が通って変更されているので,Appleの設計者は悔しい想いをしていると思いますが,数の少ない高級機のユーザーの意見を,それまでにかけた開発費用を捨ててでも取り入れる誠実さ(とお金持ちっぷり)には,アップルらしさを感じます。

 そのキーボードですが,使い心地は別にして,壊れやすいというのが深刻です。構造的にホコリを噛み込みやすく,その結果押し心地が大きく変わってしまう,何度も入力される,入力されない,というトラブルが高確率で発生します。

 この問題はプロの道具としては致命的で,先にアメリカで問題になった後,リコールがかかっています。日本でも同様の対応が取られており,購入後4年を期限とし,減少が見られた場合には修理が無償で行われることになりました。

 私のマシンは幸いにして深刻なキーボードの問題はなかったのですが,カーソルキーのdownキーが,半分くらいの割合で入力されないという問題が出るようになってきました。

 以前から入力されないことはあったのですが,これほど確率で入力されないようになってきたのは最近のことで,作業効率が大きく低下して困っていました。

 改めて調べてみるとそろそろ期限が切れるではありませんか。そこでアップルのサポートに問い合わせることにしました。

 とりあえず電話しようと調べてみると,申し込みをすると先方から折り返してくれる仕組みです。すいていたようですぐに折り返しがありました。

 話をするとあっけないくらいに修理の手続きが進みます。あれこれと疑われたり,ストレージの初期化からOSの再インストールをやれと言われたり,無償にならない場合があるという細かい説明を繰り返されたりといううんざりする定番のやりとりは全くなく,すぐに修理受付に進みました。

 近くにアップルストアがあるのですが,コロナ禍という事もありますし,その場で修理が出来るわけでもないので,引き取りをお願いしました。

 とても丁寧で気持ちの良い対応を頂き,こちらが恐縮したわけですが,最速でお願いした引き取りは翌日土曜日の午前中に,付属品も書類もなし,ただ本体だけをそのまま梱包もせず,ヤマト運輸の担当者に手渡して完了しました。

 まあ,土曜日の午前中に渡しましたから,日曜日に到着しても作業は行われないだろうし,最短で火曜日受け取りかなあと思っていたら,なんと月曜日の9時過ぎに私の手元に戻ってきました。

 まさか修理されていないじゃなかろうなという心配は杞憂に終わり,めでたく私のMacBookProのキーボードは完調になっておりました。

 よく知られているように,このリペアはキーボードの交換だけでは済まず,トップケースとバッテリーも交換が必要になります。万が一有償になると6万円近くかかる大修理なわけですが,これがすべて無償です。4年も前に購入したマシンですからね,なんだか申し訳ない気がしてなりません。

 もちろん気分良く使えていますし,見た目も新品に生まれ変わったみたいでうれしいのですが,それにしてもこのアップルの対応,すべてがこちらの期待を越えるもので,これまで受けたいろいろな会社のサービスやサポートのなかで,最高のものであったと思います。

 きちんと修理されていることはもちろん,高額な修理費用が無償になったこと,電話の対応,迅速な手続き,土日に関係のない修理作業,,発送から返却までわずか50時間という驚異的な短さは,すべてがユーザーの不安を解消し,実害の発生を最低限にとどめ,それらに対する覚悟が肩すかしに終わるような,素晴らしい体験だったと思います。

 日本はおもてなしの国だとかなんだとか言う人もいますが,日本のメーカー,それも日本を代表するような名だたるメーカーのサービス対応はとてもさみしい物で,ユーザーを疑うことから始まり,なかなか非を認めず,ごねた人には「特別対応」をして逃げ切るかと思えば,修理そのものも適当で直っていない,他を壊して戻すなども頻発しています。

 購入後すぐに修理が必要になることも問題でしたし,修理期間が最低でも10日,私のケースでは3ヶ月もかかり,その間全く使えないことも当たり前だと開き直ります。

 工業製品ですから完全を求めるわけにはいかないものですし,その結果安価に製品が買えているわけですから納得もするのですが,それでも結局誰が一番損をしているかといえばユーザーです。

 さすがにUX先進国のアメリカだけに,製品を売って終わりということではなく,買う前からその商品を手放すまでの間のユーザー体験を最大化しようという発想が根底にあるんだなと,今回の事で本当に感心しました。

 同時に,そうしたユーザー体験を提供するために,莫大な費用を用意出来るアップルという巨大企業の,お金の使いどころに恐ろしささえ感じました。

 製品にお金を支払うというのではなく,その製品と共に過ごす時間を買うのだという意識は,日本のメーカーとだけ付き合っていては見えてきません。

 amazonもここ最近,急激に使い心地が良くなっていると感じます。私はヨドバシの方が断然いいと思っていましたが,最近のヨドバシの劣化も相まって,amazonが本当に気に入ってきました。

 かつてはサポートの電話番号も非公開ですぐに連絡をする方法がありませんでしたし,運送業者に渡してしまえばあとは知らんというスタンスでしたが,それも今では信じられません。

 買うときのワクワクだけではなく,買うときの心配を取り除く工夫,買った後の後始末まで,マニュアル通りの対応ではなくそれぞれのケースで最善を尽くそうという方針に,これもユーザー体験を買っているのかも知れないなあと思うようになってきました。

 アップルもamazonも北米の会社です。日本での対応は本国の許可が必要なはずですし,日本市場を重視するとは言え日本のメーカーや小売店を越える必要はありませんから,彼らのワールドワイドの方針に従っているのだろうと思います。

 とすれば,それはグローバル化の1つ,ということになります。

 日本の持っている物が良い場合(多くの場合その通りでした)において,グローバル化というのは後退を意味するケースもあったでしょう。しかし日本の持っている物は良くないものになっていたり,海外の方がもっと良いものだったりすることも増えていて,いつの間にやらそれらが「標準化」された結果,非常に良いものに改善されることが,日常的に起こっていると気が付きました。

 もともと私は日本だ海外だと区別してものを考える事を不自然に感じる人でしたが,国内の状況が少しずつ悪くなって行くことは肌で感じていて,海外において行かれているなあという焦りのような物を感じる事も増えてきました。

 それは発展の著しい国々の猛追だけではなく,もともと日本の先を走っていたアメリカやヨーロッパとの間が,また少しずつ開いてきているという実感です。

 しかしながら,私は心配していません。日本国内の会社がだめでも,これまで通りアップルとamazonに頼めば済むだけの話なのですから。
 

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