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カテゴリー「カメラに関する濃いはなし」の検索結果は以下のとおりです。

完全復活!ES2

 ペンタックスES2ですが,ようやく調整も終わり,完全復活となりました。今回はどこにも妥協はしていません。文字通り完全復活,です。

 昨日試し撮りを行った結果ですが,自動露出では1/1000秒から2秒まで,メカシャッターでは1/1000秒から1/60秒まで,X接点も問題なしで,開放測光だけではなく絞り込み測光でも問題なく自動露出が動作しています。

 以上は確認した範囲での話で,本当は4秒や8秒も試してみるべきだったのかも知れませんが,使うことがないだろうということでやめました。そもそもISO200のフィルムで制御範囲かどうか調べる必要もありましたし。

 確認は以下の方法で行っています。

 まず,1/1000秒については,SMC-Takumar50mm/F1.4を使って,1/1000秒を示すように絞りを調整します。自動露出で1枚,続けて同じ条件でメカシャッターでも1枚。この2つを比較すると,自動露出とメカシャッターでのシャッター速度の差がわかります。

 これをメカシャッターが使える1/60秒まで行います。これまでのコマの露出が一定であれば,自動露出も正常だし,メカシャッターも正常であることが一気にわかるのです。ついでに今回は1/30秒も撮影しておきました。

 これがISO200,自動露出,1/1000秒,F1.8です。

ファイル 41-1.jpg

 次にISO200,自動露出,1/30秒,F14です。

ファイル 41-2.jpg

 色合いはちょっとおいといて(おそらくスキャンソフトのカラー調整のせい),どちらも同じような露出になっているのがわかります。

 続けて絞り込み測光を試します。SuperTakumar55mm/F1.8に交換し,自動露出で1/1000秒から1/60秒まで撮影します。メカシャッターは先ほどの撮影で比較できますから,今回は自動露出だけです。ここまでのコマが全部同じ露出であれば,開放測光と絞り込み測光で差がないことになります。

 さらに低速シャッターの試験です。再びSMC-Takumar50mm/F1.4に交換し,室内で1/30秒から2秒まで撮影します。三脚とレリーズは必須です。ここでも一定の露出になれば正しく制御されているとわかります。

 最後にストロボの撮影です。1/60秒のメカシャッターにセットし,ストロボを使って撮影します。ストロボの発光時間に差をつけるため,ストロボのオートモードを使ってF5.6とF11の2つの条件で撮影します。

 上記の試験の結果,どのコマも全く問題なし。心配していた高速側の露光ムラもありませんし,1/60秒でのストロボ同調もうまくいっています。低速側も一定の露出に揃っていますし,自分でもここまでうまくいくとは思っていませんでした。

 そんなわけで,信頼性だけが評価できずに終わっていますが,基本性能としてはすべて正常な状態に戻ったと考えていいと思います。調整のノウハウも蓄積できましたし,今回の修理と調整は,有意義だったと思います。

 しかし,時間がかかりました。次から次に出てくる問題をつぶし,複合的要因で起こる故障を調べ,1つ1つまじめに対処したことが成功の秘訣だったと思います。

 ただ,考えてみると,昨年ES2の修理を最初に終えたときと同じ状態に戻っただけ,とも言えるわけで,なにも新しい機能がついたり,復活したりしたわけではありません。そういう意味では,昨年には問題がないから触らないでおこうと逃げた部分を,一通りすべて確認出来たことになりますから,今後なにか問題が起こっても,きちんと対処できるようになっていることと思います。

 それにしても,一時はもうだめか,と思ったES2も,なんとかここまで持ってきました。本当によかったと思います。

 そうそう,実家から持ってきたSPも,一応調整を終えて掃除を終えました。SuperTakumar50mm/F1.4も分解掃除を行いましたし,スミ入れも済ませましたので,かなり綺麗になったと思います。

 ショックだったのは,前玉の裏側にカビがあったことです。

 息を吹きかけると2,3箇所カビの発生がわかったのですが,1つは直径が1mm程になっています。拭き掃除をしても曇りが取れませんので,おそらく過去に発生したカビの痕ではないかと思います。

 まあ仕方がありません。これがそれほど画質に影響するとは思えませんので,おおらかに割り切ります。来週にでもテスト撮影を行ってみましょう。

TC-16Aで超望遠の世界

 先日購入した,AFテレコンバータTC-16Aがどれほどのものなのか,少し遊んでみました。

 全体的な話として,画質の劣化は少ないと思います。D2Hで試したのでそれほど気にならずに済んでいるというのが本当のところかも知れませんが,少なくとも私にはボケたり色がおかしくなったりという問題が気になることはありませんでした。

 Planar50mmZFですが,これはZFのキャラクタをきちんと残してくれていますので,問題なし。解像度の劣化も,そりゃ確かにないわけではないでしょうけど,気にならないレベルだと思います。

 と,ZFが実用レベルであることはある程度分かっていたことなので,本当の遊びはこれから。AT-X100というトキナの100-300mm/F4の望遠ズームが手元にあります。

 一応SDレンズやら全域F4やら,それなりのスペックの望遠ズームなのですが,購入時の価格が38000円ほどと処分価格だったことや,マニュアルフォーカスのレンズなので,今なら数千円の価値しかないでしょう。

 しかし,これがTC-16AによってこのゴミレンズがAFになり,しかも480mm相当になる(幸いなことに元がF4ですからF6程度で済んでくれます)というわけですから,きちんと写ってくれれば活用できそうです。

 そんなわけで,試してみます。

 まず,自分の家の窓から見える曼珠沙華。私はこの花はグロテスクなこともあり,あまり好きではありません。

ファイル 40-1.jpg

 おしべにピントを合わせましたが,なかなかのものです。-0.7の露出補正を行っています。絞りは開放,シャッター速度は1/80で,なんと手持ちです。ぶれがあるのはそのせいです。

 D2Hで使うと,480mmのさらに1.5倍ですから,なんとなんと720mm相当。こいつは未体験ゾーンです。被写界深度の浅さもあって,花全体が範囲に収まらず,全体にぼけてしまっています。これはあきらかにやり過ぎですね。

 で,窓から見える近所の家の屋根。

ファイル 40-2.jpg

 これはAF-S18-200mmの広角側いっぱいの18mmです。手ぶれ補正も入れています。洗濯物が入ってしまったのは大失敗です。

ファイル 40-3.jpg

 これがAF-S-200mmの望遠側いっぱいの200mmです。同じく手ぶれ補正も入れています。このくらいだとまあ想像がつきますね。

 ですが,これが一気に480mmになると異次元です。

ファイル 40-4.jpg

 AT-X100にTC-16A,480mm相当です。

 私はあまり望遠を使うことがないので,今更ながらに面白いなあと初心者に戻って楽しんでいました。どうですか,あまり画質の劣化もないでしょう。色もしっかり出ているようですし,私はこの程度でも十分使い物になるんじゃないかと思いました。

 ただ,だからなんだ,という気分になるのも望遠だなと思います。私は,望遠で撮らなければならないものは,近寄れないものだということだから,つまりそれは撮ってはいけないものなんだと考えてきた人なので,720mm相当だろうがなんだろうが,それが便利に使えるときというのは,特殊な状況に限られるんだろうと思います。

 可能性が広がったことは大変結構です。旅先に一つ忍ばせていくと,助かったと思うことが出てくるかも知れません。

コツコツES2

 毎日少しずつですが,コツコツとES2のメンテを続けています。

 いちいち書くようなことではない気もするのですが,記録として残せば後で役に立つこともあるかも知れません。そんな気分で書いています。

 さて,昨日ですが,コネクタの取り付けを行いました。私のES2はコネクタが破損し,リード線を基板に直接ハンダ付けしてあるのですが,複数手に入れた部品取りのES2から基板をすぐに移植できないのは不便だということと,オリジナルに近づけるという目的で,その部品取りの個体からコネクタを移植しようと考えました。

 2つ手に入れたES2のうち,1つはコネクタにひびが入っていました。こちらの個体は外観の程度が悪いので,先日プリズムを移植したものなのですが,ひびの入ったコネクタは経年変化でボロボロに割れてしまうので,どうしようかと迷いました。

 そこで,割れたところを瞬間接着剤で固めて見たのですが,接着剤との相性が悪いらしく,ちょっと触ると簡単に割れてしまいました。それならと0.4mmのプラ版をコの字に曲げて接着してみました。

 結果は上々で,かなりしっかり固着してくれています。接着剤は瞬間接着剤を使っていますが,強度的にも問題はなさそうです。

 基板を差し込むと,ピンの圧着力で粉クタが膨らみます。この力で割れてしまうのが問題なのですが,プラ版で上下を挟み込むようにしたことで,かなり補強されたと思います。

 気をよくしてコネクタをES2に取り付けてみます。終わったら基板を差し込み,テストです。問題なく動作しています。

 すんなりと進んだ作業に水を差したのが,底板が閉まらないという問題でした。

 コネクタの厚みが結構ギリギリだったのは分かっていましたが,0.4mmの厚みが上下で合計0.8mmの余裕もないとは思いもよらず,ちょうど1mm程度底板が浮いてしまっています。

 よく見てみると,コネクタを押さえ込んでいるのは底板自身でした。だから多少膨らんでも,割れてしまう事は少なく,仮にひびが入っても崩壊することはなかったんですね。納得です。でも,外装部品をコネクタの支持や補強に使うというのは,ちょっとどうかという気もします。

 やむを得ずプラ版を外すことにしました。しかし外したままだと問題があるので,別の補強を考えねばなりません。

 ひびがあったのはコネクタの横側ですが,ここだけを補強することにしました。

 シルボン紙(ニコン純正のレンズクリーニング用の紙です)を5mm程度の幅に切り,コネクタの横側にあてがいます。そこにプラリペアを盛り,固着させます。

 プラリペアがコネクタにくっつくかどうかが心配だったのですが,とりあえず問題はなさそうで,なかなかしっかり補強されているようです。

 厚み方向も問題は当然なく,底板もきちんと閉まるようになりました。

 基板を差し込んでみましたが,問題はありません。試しに入手した2台のES2から基板を外し,交互に差し込んでみます。

 どうも2つとも正常のようですね。これで基板の故障があっても当分心配することはありません。

 オート時のシャッター速度には差があって,1秒の時間は新しい基板の方がかなり短めに出ています。2つとも同じ程度の短さだったので,おそらくそれが標準だったのではないかと思います。

 バッテリチェックについても,4.4Vで1/60秒付近を示すようにというサービスマニュアル通りのものはなく,いずれも4.3Vで1/30秒程度,5.2V付近で1/8秒を指し示すようになっています。

 私のES2の基板もその程度ならギリギリ調整範囲ですので,これに合わせておきました。

 というわけで,一応ES2は電気的にも思い当たる部分の修理と調整が終わりました。メカシャッターも昨日までに,後幕がかぶるという問題は出ていません。

 週末に試し撮りを行ってみて,そこで判断をすることになりますが,今回はかなり期待できると思います。楽しみです。

ES2不定期報告

 実家に持って帰ったES2は,あえなくトラブルが出たために使用を断念せざるを得ず,戻ってからも実は毎日メンテを続けています。

 これまでにも書いていますが,問題になっているトラブルで深刻なのはシャッターの幕速の問題で,後幕が先幕に追いついてしまって,1/1000秒で重なってしまうというものです。

 いやらしいのは,きちんと調整をしたつもりでいても,一晩経つとまた重なってしまっていることと,シャッターを何度か切るうちに重なりがなくなってしまうことです。

 シャッター幕のテンションが低すぎるために,時間の経過で下がったテンションが限界値を超えて重なってしまったのではないかと考えて,問題が出る度にテンションを上げている(つまり幕速を上げている)わけですが,3日ほど前に行った調整以後,重なってしまうという問題は出ていません。

 これで解決すればと思っていたのですが,巻き上げのトルクが妙に重たいのです。実家から持って帰ったSPにしても,最近2台手に入れたジャンクのES2にしても,もっと軽くてスムーズなんですよね。

 幕速が速いと,幕が停止するときにぴたっと止まらず,跳ね返ってしまいます。これが起こると露光ムラを引き起こしてしまいますが,一方で幕速が遅い場合のフラッシュ撮影時に全開にならない問題よりは,ずっとましと言えるかも知れません。

 幕速の測定は,スタート点からストップ点までの時間を測定すれば良いことになっていて,ES2の場合フィルムの両端から2mm内側の34mmの間を,12.5msで走り抜けば良いことになっています。

 幕速を測定する測定器を作っても良いなあと思って,回路も考えたのですが,なんか面倒になってしまって,今すぐ実行しようという気にはなっていません。気持ち悪いのでなんとかしたい気持ちもあり,でも果たしてその測定器を信用して良いのかどうか,そこもあやしいと思うようになったらもう底なしです。

 少々話が逸れますが,現在シャッター速度の測定をどうやっているかといえば,以前作ったシャッター速度測定器の使用を諦め,オシロスコープを使うようになっています。

 シャッター速度測定器の問題はいくつかあって,1つは光源の明るさで測定値が大きく変わるという問題があります。おそらく明るさによってフォトトランジスタが反応を始めるタイミングが変わってしまうことが原因だと思いますが,1/1000秒で2割も測定値が変化すると,どの明るさを信用すればいいのか,わからなくなります。

 また,この測定器では自動露出のシャッター速度を測定するのが難しいです。フォトトランジスタが反応する明るさまで光源を明るくしなければなりませんが,そうすると低速側の速度が全然測れません。

 配線が面倒臭い,操作性が悪いなどの問題もあって,さっぱり使わなくなったのは,オシロスコープを使った方法が思った以上に楽ちんだったからです。

 私の手持ちのオシロスコープはテクトロニクスの2465Aというアナログタイプのもので,今から20年ほど前のものです。

 ブラウン管のテレビを使ってシャッター速度を確認することはよく知られた簡易チェック法なのですが,悪いことに私はすでにブラウン管のテレビを一掃して久しく,その代わりにならないかと思いついたのが目の前にあったオシロスコープです。

 トリガモードをAUTOにして掃引をフリーランさせておき,入力はGNDに落として水平線を表示させておきます。そして掃引時間を1ms/divと設定して,1/1000秒でシャッターを切ります。

 レンズを付けず,裏蓋を開けてシャッター越しに表示を見てみると,本当に1/1000秒でシャッターが切られているなら,1divだけ輝線が見えるはずです。ただし,掃引方向とシャッターの走行方向は直交している必要があります。

 同様に,2ms/divで1/500秒のシャッターを切ると1divの輝線が見えますし,16ms/divで1/60秒でもやはり1divの輝線が見えます。1ms/divで1/500秒のシャッターを切れば2divの,1/250秒のシャッターを切れば4divの輝線が見えるはずですから,いろいろな組み合わせで確かめる事も出来ます。

 2465Aはリードアウトがありますので,掃引時間の細かい設定も可能ですし,測定器でですからそこそこ信用できる精度を持っているでしょう。さすがにオーバーホールを済ませたF3で試すと,どの速度もきちんと1divの輝線が見えます。

 この方法だと,操作するのはカメラ本体だけなので,作業がテンポ良く進みます。目視による確認ですので精度は出ませんが,極端に狂っていれば意外によく分かるので,全面的にこの方法に切り替えました。

 幕の重なりがあった場合,先幕と後幕のテンションをそれぞれ上げて,重ならないところまで持っていきます。そしてオシロスコープを使って速度を確認し,後幕のテンションで調整を行います。このまま一晩放置して,また重なりがないかどうかを確認するのです。

 この方法では,幕速そのものを測定できませんし,シンクロ速度でシャッターが全開になっているかどうかも,シャッター幕の跳ね返りが起こっているかどうかも分かりません。

 1/1000秒というシャッター速度を装備することが1つの技術的な壁になっていたという当時の事情を,なんとなく追体験した感じです。

 そんなわけで,ES2は現在調整を終えて現在確認の最中です。今のところ幕の重なりもなく,速度もメカ/電子制御を問わずきちんと出ているようですので,かなり期待をしていますが,やはり巻き上げトルクの大きさが気になります。かなりテンションが上がっていると思われますので,あちこちに無理をさせているようで気がかりです。

 ところで,ここ1週間ほどの間に,2台ほどジャンクのES2を確保することが出来ました。外側の程度は非常に悪く,2台ともへこみがかなりあり,1台は裏蓋が開かないほど変形しています。ただ,中身の程度はなかなか良いようで,プリズムの腐食は皆無,ミラーもとても綺麗ですし,基板にも錆一つありません。1台はスローシャッターがそのまま切れてしまうほどの程度の良さでした。

 しかし,あまりに外側が汚いので当初の予定通り部品取りにすることに決めました。

 私のES2は,残念ながらプリズムの腐食があります。早速腐食のないプリズムに交換することにしました。

 軍幹部を開けて,プリズムを押さえているバネを外します。プリズム前方の左右にあるネジをゆるめると,簡単にプリズムが外れてくれます。

 この時期のペンタックスはモルトやスポンジが加水分解を起こしてボロボロになっていて,しかも水分を多量に含んで湿っています。最悪の場合には周辺の真鍮をサビさせてしまいますし,プリズムの腐食もこれが原因で起こります。

 交換用のプリズムもスポンジを丁寧に取り除きます。注意しないとこの時銀のメッキを傷つけてしまいますので,慎重に作業をします。

 本体も綺麗に掃除を行い,プリズムが収まる部分にモルトを貼り付けます。ゴミが入るのを防止して,ショックを和らげる目的で元々ついていたスポンジの代わりなのですが,プリズム側に貼り付けると糊がメッキを痛める可能性があると考え,本体側に貼り付けました。

 逆の手順で組み上げて完成。作業そのものは1時間もかかりません。のぞき込んでみるとすっきり,いい感じです。

 次に気になっていたのが,バッテリチェック機能の調整です。今回,基板が2つも手に入りましたから,それぞれのバッテリチェック電圧がどうなっているかを見てみることにしました。

 サービスマニュアルには,4.4Vで60付近を示すように調整せよとあるわけですが,私のES2は調整範囲内にありません。現在,ギリギリのところで調整を行ってあって,5.2Vで8付近を示すようになっています。

 結論から言うと,基板の2つとも,私のES2と似たような状態でした。4.4Vでは全然60には届かず,5.2V付近で8を示しますので,私のES2が特別おかしいということではないようです。

 ところが,突然私のES2のスローシャッターが切れなくなりました。原因は電池が減っていたようなのですが,電池単体の電圧は1.357V程度。4つで5.428Vですから,バッテリチェックボタンでは指針は中央付近を示します。

 電池がLR44だったせいで,大電流を引っ張るときに電圧が急降下したためでしょう。このカメラは潔く,高価な酸化銀電池で運用するのが確実なようです。

 ここまで分かったところで,あまりバッテリチェック機能にこだわるのはやめにしました。他の基板でも似たような状態ですし,そもそもあまりあてにならないなら,気休めと割り切るべきところだと思います。

 今後の予定ですが,今基板に直接ハンダ付けをしてある部分をコネクタに戻そうかと思っています。基板の差し替えが簡単にできるのは便利ですし,オリジナルに近づけることが出来るというのもよいことです。

 ただ,コネクタは今回のジャンク品でもひびが入っており,修理や補強で使用することが出来るかどうか,判断の難しいところです。やっぱりコネクタより,ハンダ付けの方が信頼性は高いですから。

 あと,露出計用のγカーブを持つCdSを手に入れたわけですから,ニコマートELに組み込んでみようかなと思ったりしています。調整からすべてやり直しになりますが,これでニコマートELが完璧になるのであれば,試してみる価値はあるでしょう。

 そうそう,CLEのブライトフレームの問題ですが,これはさっさと修理しました。ブライトフレームがちょっと変形していて,レバーから外れていました。変形を戻し,レバーに正しく引っかけて元通りなのですが,心配なのはブライトフレームが金属疲労で破断してしまうのではないか,ということです。スプリングで斜め方向に力がかかっているブライトフレームですので,今回の変形が今度起こってしまうと,そこにクセがついてしまって,修理不能になる可能性もあります。

 スプリングを少しのばして,力を弱めておけば良かったなあと今更反省です。

SPの電池アダプタを作ってしまおう

 実家からペンタックスSPを持って帰ってきました。目的は,電池アダプタを作ることと動作の確認,必要に応じて調整や修理を行おうと思ったことです。

 実はこのSP,私が子供の頃から慣れ親しんでいたものとは違います。もとは父親がSuperTakumar50mm/F1.4付きで中古品を買ったものだったのですが,私が高校生の時にはすでにプリズムの腐食が現れ,コマも揃わなくなっていました。

 それでも露出計を含め,基本機能には問題はないようで,TRI-Xを詰め込んでとにかく数を撮りました。

 社会人になってからですが,シャッターが時々切れなくなるようになってしまったので,どうせ壊れているのだしと修理を試み,あえなく壊してしまいました。あまりにも無謀だったなと思います。

 ただ,思い入れのあるカメラだったので,もっと程度のいいものを見つけて,いずれは買おうと思っていたところ,偶然デパートの中古市で見つけて購入しました。今,SPの程度よいものはなかなかいいお値段がするようですが,10年ほど前だったのでそれほどでもありませんでした。確か55mm付きで15000円ほどだったように思います。

 これ,今の目で見ても,結構程度がいいんですね。プリズムの腐食はありませんし,巻き上げもスムーズ,シャッターも気持ちよく切れますし,露出計も完動です。外側も割と綺麗で,素人さんが分解を試みて途中でやめた「躊躇した分解痕」が少しあるのが玉にきず,です。

 先日実家に戻ったとき,これで写真を撮ってみようと思ったのですが,よく考えると露出計の電池がありません。SPの電池は水銀電池でH-Bという型番のものですが,水銀電池は1995年に製造が全面的に中止されて,現在は入手困難とされています。

ファイル 35-1.jpg

 これは製造中止になる直前に大阪で買ったH-Bですが,これまで大事に使わずにとってありました。

 同じ時期に,ペンタックスがSR41という酸化銀電池をH-Bの代わりに使うアダプタをSPユーザーの為に安価で販売していたことがあり,これも私は入手していたはずなのですが,実家の取り壊しと新築のどさくさの中で,どうもなくしてしまったらしいのです。このアダプタが現在入手不可能なのは皆さんもご存じかも知れません。

 とりあえず実家で撮影するのに,この新品のH-Bを使うときが来たかと,封を開けて見たのですが,露出計は全く動作しません。電池が切れてしまったか,それとも露出計が壊れてしまったか,どちらかだなと思ったのですが,10年以上ですからね,こちらに戻ってきてから確かめてみると,やはり電池が切れてしまっていたようです。

 とりあえず手持ちのLR41を無理矢理入れてみたところ,露出計は問題なく動きました。ここまで来ると,やはりアダプタをどうにかしたくなりますよね。

 こんな時は作る,これしかありません。

 純正のアダプタは,実は電圧の調整機能は持っていません。水銀電池は1.35V,アルカリ電池は1.5Vで,酸化銀電池は1.55Vですから,本当なら電圧の調整が必要です。

 しかし,SPの露出計は電池電圧の変動に強くする目的で,ブリッジ回路になっているので,この程度の電圧差は無視できるのだそうです。H-Bを使っているすべてのカメラがそういうわけにはいかず,なかには数千円もする高価なアダプタが売られているようですが,SP専用と割り切れば,外形を合わせるだけで済むわけです。

ファイル 35-2.jpg

 H-Bの外形はこんな感じになっています。純正でも,SR41やLR41にはめ込むようなアダプタでしたから,これと同じようなものを記憶を頼りに作ってみましょう。

 まず,H-Bの型を取ります。「型想い」という名前の型どり材を使えば楽勝です。

 取った型の中央に,LR41を置きます。そしてその周りにポリパテを詰め込んでいきます。1時間ほどして固まってから型から取りだし,削るなど修正を少し行って完成です。

ファイル 35-3.jpg

 左側の黄色いリングがアダプタ,右側の電池がLR41です。

ファイル 35-4.jpg

 実際にはめ込んで見たところがこの写真。なかなかうまくいっています。

ファイル 35-5.jpg

 裏側の写真です。H-Bはツバのある方がマイナスですが,LR41では底面がマイナスになるため,絶縁も気をつける必要があります。外側のケースが底面に露出しないよう,調整しながら削ります。

 実際にSPに入れてみますと,なかなかうまい具合に収まります。露出計もきちんと動作しているようです。グレイカードで確認してみましたが,それほど大きなずれもないため,調整せずにこのまま使うことにしました。

 本体自身は1/1000秒がやや遅いようなので,後幕のテンションを上げて少しだけ速度を上げました。

 ダイアルなどの文字に,改めてエナメル塗料でスミ入れを行い,これで一応完成です。

 撮影は週末にでもやるとして,ぱっと手に取った感覚がやはり当時のままで,手が覚えているんですね。面倒な絞り込み測光も,重たい巻き上げレバーも,すっぽり手に収まるサイズも,なにもかも「いいなあ」と思わせるものがあります。

 思い起こせば,あの頃は1枚1枚をとても大切に撮っていました。無駄に出来ないから,自分の意図が確実に残せるよう,考えて使っていました。SPには自動露出はありませんから,露出計の指示をカメラの設定にどう反映するかは撮影者の考え次第なところがあり,露出補正などというむしろ面倒な操作などせずとも,思い通りに撮影できたものです。

 今でこそ露出補正を面倒とは思わなくなりましたが,はじめてSPからF3に乗り換えたとき,自動露出なんて全然便利じゃないなあと感じたものです。

 原点に返るカメラとして,このSPは手元に置いておきたい気がするのですが,それはやめときましょう。実家にあるから値打ちがあって,たまに帰省して手にとってこそ,原点回帰の意味があるように思います。

 今やるべき事をきちんとやって,実家に返しておきましょう。

 ちなみに,このSPが実は2代目であることを,当の父親は全然知りません・・・

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