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カテゴリー「カメラに関する濃いはなし」の検索結果は以下のとおりです。

タムロンSP15-30mmF2.8が戻ってきた

 タムロンのSP15-30mmF2.8が修理から戻ってきました。

 タムロンは,その必要がなければ事前になにも連絡なく,いきなり返送されてくるんですね。10日間くらいかかるというので呑気に構えていたら,週明け月曜日には発送の連絡,翌日には私の手元に無事に,寒い青森から戻ってきました。

 なにせ何の連絡もなく戻ってきましたから,どんな風に修理されたのかがとても気になります。急いで開梱し,内容物を確認。新品同様に丁寧に梱包されたSP15-30mmを取り出し,修理伝票に目をやります。

 それどれ・・・


(1)テレ端でのAF精度(後ピン)

 これを一番対策して欲しかったのですが,伝票によると「規定範囲内」とのこと。えーーー,後ピンになっている画像も送ったのになあ。タムロンとしては,このくらいのピントのズレは良品という扱いなんですね。


(2)測距点が中央以外でひどいピンボケ

 これは現象を確認し,後ピンであることから生じた問題とし,可能な限りの調整を行ったとのこと。(1)の後ピンは結局ここで調整されたということです。

 お約束ですが,これ以上追い込むならボディも一緒に送って欲しいとありました。


(3)片ボケ

 点検の結果,問題なしでした。これは私も問題なかったと記憶しているので安心です。


(4)絞ったときの明るさのバラツキ

 これも規定範囲内で問題なしとのこと。


 というわけで,(2)によって後ピンの対策を行ってもらいましたので,どのくらい改善されたかを,絞り開放で試してみます。


 まず30mmのテレ端。測距点中央では,ピント微調整をしなくてもほぼジャスピンです。それでもまだ後ピン傾向は残っているので,微調整を-10くらいかけるとまさにぴったり合ってきます。

 次に測距点をずらしていきます。上下方向ではほぼ問題なし。しかし元々ひどかった左右方向ではまだまだ後ピンが残っていて,画像の流れが収まりません。残念ながらこれでは使えません。

 24mmや20mm,15mmでも確認しましたが,もともとそんなにピントのズレが大きくなかったこともあり,かなり良くなっている印象です。30mmでも3mも離れれば全然問題にはなりませんし,1段絞れば大きく改善,2段絞ればさらに改善します。

 せっかくF2.8のレンズですので,全ズーム域,全測距点で安定した性能が欲しかったところではありますが,さすがにそれは高望みという事でしょうか。絞り開放で30mm,そして1mくらいの距離の被写体を,測距点をずらして撮影するときに問題があるという制約を,頭に入れて撮影しないといけません。

 全体としての印象ですが,ピントの調整によって,まるで別の改良品を手にしたような性能の底上げを実感します。これなら使って楽しいレンズになるんじゃないでしょうか。ワクワクします。

 ただ,やっぱり問題なのは,その限られた範囲での制約である,絞り開放,テレ端,測距点は左右の端,という状況で使い物にならないことです。ここは修理に出す前と変わっていません。

 この限定的な条件は特別なものではなく,子供を縦位置で撮影するときに多用する条件です。家の中は狭いですから広角レンズが常用レンズになりますが,明るい広角ズームはこうした用途に実はぴったりです。

 広角ズームと言えば,広い(あるいは高い)部屋,建築物,風景,あるいは星空なんてのが定番の使い方で,どっちかと言えば距離が取れていて,かつそれなりに絞り込む使い方をします。

 こうした用途では調整前のSP15-30mmF2.8でもほぼ問題はなく,おそらく多くのユーザーがこの性能(と価格)で満足しているのだと思います。

 しかし,前述のような使い方を中心にしている私は,まず最初にこの特殊とも言える条件下での問題に気が付き,調整を依頼しました。レンズの使い方なんてのは,本当に人それぞれなんですね。

 今後どうしていこうかはもう少し使って考えますが,トキナーの時のようにAFっびちょうせいが不必要になるほどの完調ではないので,少し試行錯誤がいると思います。

 トキナーと比べることに全く意味はありませんが,どうも焦点距離による焦点移動がAT-X16-28mmF2.8と比べても大きい(というかSP15-30mmの方がズーム域が広いのだからあたりまえではありますが)ので,どこかで妥協が必要になってしまいます。

 なので,AF微調整をどれくらい行うかは今後の課題ですが,30mmのテレ端で右端の測距点で調整すると-20でも後ピンが調整しきれず,しかし-20では中央の測距点ではむしろ前ピンになることが分かったので,測距点によってAF精度が異なることは認めねばならないようです。

 それに,20mmくらいだとAF微調整を必要としないくらいですので,すべてを満足出来ないならば,どこに重点を置くかを決めないと,微調整作業そのものが迷路にはまり込んでしまうような気がします。

 こうして考えてみると,トキナーのAT-X16-28mmF2.8とタムロンのSP15-30mmF2.8を比べてみると,AT-X16-28mmF2.8はズーム域は狭いし,ピーク性能はそれほど高くない,しかし絞ればキレのあるレンズに性格を変え,ズーム全域で性能の変化が少ないのでどこでも安心して使え,画質は好ましくトキナーブルーが美しいという,とても扱いやすく素性の良いレンズだったことがわかります。

 一方のSP15-30mmF2.8は,ズーム域は広く,ピーク性能は純正をもしのぎ,その上手ぶれ補正まで備えた高性能ゆえにそのカバー範囲は広いのですが,その広さ故にズーム全域での性能の変化が大きく,どんな状態でも大丈夫という安心感を持って使うことが出来ません。要するにじゃじゃ馬,ということですね。

 これをどう考えるかは難しいですが,自動車でも凡庸な大衆車よりもスポーツカーの方が派手でウケがいい(しかしスポーツカーは売れない留意すべきなんですが)し,評価も高くなりがちな一方で,実際に使い始めてみると生活の一部になってくれるのは凡庸な大衆車だったりするわけです。

 私にはトキナーの方が合っていたように思いますが,もうそれは言いっこなしです。SP15-30mmを少し使い込んでいこうと思います。

 でもあれですね,届いたときのピントのズレを見てテンションが大きく下がり,もう使う気も失せてしまうのに,今回戻ってきてぴしっとピントが出ているのをみるとテンションがぱぱーっと上がり,撮影が楽しくなるんですね。レンズの重さも1割ほど軽くなったように錯覚します。

なにより,安心して使えるこの感覚は,いつ味わってもいいものです。
もうちょっと調子をみて,外に持ち出してみたいと思います。たのしみです。

 そうそう,振り返ると,お金の無駄遣いは結構大きなものがありました。総括すると,トキナーはキャッシュバック込みで61000円で入手,これを30000円で売却していますので31000円の損,そしてタムロンを77000円で入手しているので,結局ここまでに108000円も使っています。SP15-30mmの初期の価格ですね,これは。

 これを補填するために,AF-S18-35mmを売却して38000円を得ていますので,短期的な持ち出しは70000円となり,まあそんなもんかと思えるわけですが,そのAF-S18-35mmだって8万円近くで買っているので,トータルで見ると大損しています。

 いかん,ちょっと節制しなければ。


 最後に,昨年11月から続いた広角ズーム導入作戦では,トキナーとタムロンのどちらのメーカーにも,本当に大変良くして頂きました。私が期待する以上に,時間と手間とお金をかけて,たった1本のレンズを皿に良くしようと頑張って下さいました。直接お話をした担当の方はもちろん,私のレンズを扱ったすべての方々に感謝致します。

 調整を追い込むと設計者が与えた性能にどんどん近づいていくわけですが,それはつまり調子が良くなると言うよりも,それぞれのレンズの個性が強く出てくるようになるということであり,これは高性能なズームレンズのように,性能の均一化が難しいレンズであるほど顕著にでるんだなと知りました。

 いやはや,カメラとレンズの世界というのは,実に奥が深いです。


 

羊の皮を被った狼

 絶好調のD850を差し置いて,もっと小型のシステムで出かけなければならないイベントが近々予定されています。

 ひょっとしたらカメラの持ち込みが禁止されるかも知れず,そうでなくてもあまり大きなカメラで撮りまくるのも気が引けるのですが,かといってカメラなしではもったいないので,どうにかならんかなと思っていたのです。

 眼に入ったのは,PENTAX Q7。Q7はレンズにお金と大きさを割り当てることが出来たQマウントのうち,センササイズが大型化した決定版モデルです。

 よく考えてみると,35mm換算で,08が18-28mm,02が24-70mm,そして06が70-200mmと,3本のレンズでほぼすべての範囲をカバー出来ているんですね。

 08はその高画質に定評があり,06は生意気にF2.8通しのズーム,02は近い被写体ではちょっと甘いし,そんなに明るくない無難なズームですが,ワイド端が24mmまでくる便利なズームです。

 この3つに本体を加えても,両手に乗ってしまうほどの小ささと軽さは,今回の用途にぴったりです。

 すでにQシリーズはディスコンになり,開発中のアナウンスもありません。Qマウントのレンズも今度増える事はないでしょう。しかし,ごつい一眼レフをそのままコンパクトデジカメサイズまで小さくした,ミニチュア感あふれるそのたたずまいには今でも痺れますし,形だけではなく一眼レフで出来る事のほとんどがQで出来るくらい,機能も操作も一眼レフ並みというのは,撮影の楽しみも十分備えています。

 そろそろフードなどが買いにくくなるんじゃないかなと,まだ買っていなかった02と06のフードを買ったところで,ふとQとQ7を並べてみました。

 やっぱ,Q7の方がごついですね。

 オリーブドラブに張り皮のQ7は,形も好きなのですが,初代Qのマグネシウム合金によるさらに小さい外形,ひんやりとした質感や凝縮感には及びません。

 あちこちを見ていると,Q7を手に入れた時に,ビスの位置やボタンの位置が同一だと気が付いた事を思い出しました。

 うーん,Q7はカラーバリエーションもオーダーカラーもやっていたわけで,筐体の交換は簡単だろう・・・しかもQとビスの位置まで同じ。ということは・・・

 Q7に,Qの筐体を移植出来るんではないですか?

 もったいないことですが,Qシリーズでマグネシウム合金の筐体を持っているのは初代Qだけで,Q7もQ10もA-S1も,一回り大きなプラスチックの筐体です。センサのサイズが大きく,画質も性能も上位のQ7がマグネシウムの筐体を持たずに出たことは実にもったいないです。

 これは,真のフラッグシップモデルを作らねば。

 ・・・いやなに,ビス穴まで同じの外側の交換ですし,最初は1時間くらいの作業で終わると思っていたんです。とても軽い気持ちで始めた見たところ,予想通りというか読みが甘かったというか,当たり前というか,随分苦労しました。もう,先にも進めず,引き返すことも出来ないところまで追い込まれて,このまま捨てるかと思った事もありました。

 てなわけで,貴重な貴重な日曜日の午後ほぼ潰し,Q7はQのマグネシウム合金製の筐体を纏って,さらに小さくなって,私の手に収まることになりました。

 しかし,あまった1本のビスは,どこのビスだろう。QなのかQ7なのか・・・

 苦労したのはストロボの機構で,これもカバーだけで交換すれば済むかと思っていたら,実は中のフレームも変えないとダメでした。さらに本体側のラッチ機構も移植が必要で,そのためには操作部のフレキとアルミのフレームを外さないといけないと,もうズブズブでした。

 結局,発光部ごと全部交換することになったのですが,そうすると配線を外さねばなりません。もう一度本体を分解するのも大変なので,ケーブルを途中で切り,後でつなぎ直すことにしましたが,4本の配線を同時にニッパーで切ったので,残った電荷がショートで一気に放電し,ボンと爆発が起きてしまいました。

 あと,電池のカバーとSDカードのカバーです。これも外側だけ交換すればいいと思っていたら,外形サイズが変わるためにヒンジも変えないといけませんでしたし,SDカードのカバーについては,カバーのロックがはまり込むくぼみが本体側にないと閉まらないことがわかりました。あわててデザインナイフでくぼみを作って対処です。

 あわててやるとどうして作業が雑になりますし,あれでよくも組み立てが終わり,動いてくれたものだと思います。

 一方,筐体を提供したQにはQ7の筐体をあてがうことになりますが,こちらはまだ組み立てが終わっていません。ストボロのポップアップ機構を壊してしまったので,まずはこれから修理です。

 そんなわけで,知らない人が見たら小さくて角張ったかわいらしいカメラに,知っている人が見たら「なんだ初代Qか」と笑われてしまうようなカメラで,実は中身は最高画質のQ7という,なんとも本人の自己満足に徹したカメラが出来てしまいました。

 正直言えば,初代Qはより小さく,質感の高さは優れていても,ちょっと操作に無理があって使いにくい面もあります。実用性で言えばQ7の筐体はなかなか良く出来ていたと思います。

 でもまあ,そもそもQシリーズは趣味のカメラ,遊びのカメラ。少々使いにくくても,面白かったらそれでいいのです。

 

SP15-30mmF2.8もやっぱり修理に

 我が家にやってきたタムロンの広角ズーム,SP15-30F2.8(A012)ですが,詳しく見ていくとちょっと使えないなあと言う印象で,修理に出しました。現段階では,2度の修理を行ったトキナーのAT-X16-w8F2.8の足下にも及びません。

(1)テレ端でのAF精度

 30mmのテレ端でのAFが後ピンになります。測距点中央でボディのAF補正値が-20と補正限界目一杯で,それでも後ピンが少し残っています。


(2)測距点が中央以外でひどいピンボケ

 私としてはこれが一番頭が痛いのですが,測距点が中央から離れるに従って後ピンの傾向が強くなり,ポートレートを撮影しても背景のカーテンにピントが合ってしまいます。

 ピントがあっていないからでしょうが,画像がひどく流れてしまい,全く解像度が出ていません。これだけひどいと,実質的に中央部の測距点しか使えない事になり,D850の153点AFが死んでしまいます。

 ATX-16-28F2.8ではこんなにひどいことはありませんでした。


(3)その他

 片ボケを私は確認出来なかったのですが,広角レンズですからありがちなトラブルですので,点検をお願いしました。

 また,絞りを開放にしたときと,絞ったときで露出が0.5段ほど違っています。違っていることは問題ではないのですが,F4やF5.6が本当にF4やF5.6になっているかどうかを点検してもらうことにしました。


 とまあ,最初は(1)だけが気になったのですが,ひどい後ピンが出ることに気が付いたのが測距点に中央以外を選んだときで,その後測距点を中央にしてデータを取ると,案外補正範囲に入ってきたりしましたから,ちょっと混乱していました。

 測距点を中央に固定して,AFロックで構図を決めることにしようかと思いましたが,広角レンズとはいえ,背景がぼけるほど寄って撮影する以上はコサイン誤差も無視できません。

 せっかく153点AFが楽しくて,構図に制約がなくなってのびのび撮影しているのに,この窮屈さはなんなのでしょう・・・AT-X16-28F2.8が恋しいのは,きっとこのせい


 そんなわけで,タムロンに電話をして,なんとかならんかと相談してみましたところ,とても丁寧に修理しますので着払いで送って下さい,とご指示頂きました。

 そこで,先日の月曜日,着払いの宅急便で発送しました。

 まあ,レンズメーカーの安価なレンズは,修理や調整に一度も出さずに本気を出すことはまれで覚悟はしていたのですが,さすがに最短で10日も手元を離れてしまうと,さみしいものです。

 AT-X16-28F2.8が昨年の11月に届き,年が明けた2月になっても広角ズームに決着がつかず,なんだかもう飽きてきましたよ。

 まあ,それでも10日くらいで返してくれるというのですから,昔に比べれば随分早くなったものです。2週間として2月下旬まで,焦らず待つことにしましょう。

 これでスパッとAFが合焦し,どの測距点でもビリッと解像してくれればうれしいのですが,「やっぱり買い換えないでAT-X16-28F2.8を使っていればよかったなあ」ということになってしまわないか,気がかりです。

 そうこうしているうちに,シグマがArtシリーズに14-24mmF2.8を開発していると発表,完全にニコン純正を狙い撃ちしているようです。これが10万円を切るなら「早まった!」と悔しがらねばなりません。

 でも,ニコンはニコンで,純正14-24mmF2.8をリニューアルする予定なはずで,手ぶれ補正は当然として,噂ではテレ端が28mmまで伸びるという話もあります。

 価格は30万円コースでしょうが,14-24mmF2.8の中古品がどどーっと出てくるわけで,これを10万円前半で狙ってみるのも,良かったかもしれないなあと思います。

 以前も書きましたが,どうも私はタムロンには縁がなく,28-75mmF2.8はボケボケで純正24-70mmF2.8を買って売却しましたし,SP90mmF2.8もどうも気に入らずに,防湿庫の肥やしになっています。

 今のところ,純正でハズレを引いたことはなく,純正への安心感は崩れていませんし,レンズメーカーに対する「過度な期待を抑える気持ち」についても,シグマの35mmF1.4が開放からキレキレで,気が付いたら信頼しきっている状態ですから,私の中ではシグマだけは頭一つ飛び出している感じです。

 とにかく,戻ってくることを待ちます。もし規定範囲内です,なんて話になったらどうしましょうかねえ。

 

 

AT-X 16-28 F2.8 今度は露出がおかしい

 昨年末にAF微調整をメーカーでお願いした,AT-X16-28mmF2.8PRO FX。逆光には弱いですが色も解像度も私好みで,とても気に入って使っていました。

 ところが先日,F4で絞って使うと1段ほどオーバーになっていることが分かりました。評価測光の結果だろうと思っていましたが,それでもこれだけ大きなズレが何度も出るのはおかしいと,気になって真面目に調べて見ました。

 28mmのテレ端では,F2.8がほぼ適正,F4やF5.6と言ったように絞ると0.7段ほどオーバーになります。16mmのワイド端では露出の差は小さく,ほとんどありません。

 以前からそうだったか思い出せませんが,今少なくとも1段ほど露出のズレが出ているのは事実ですから,これは潔く修理に出すことにします。

 電話をすると,実に丁寧に対応して頂き,前回同様の手続きで発送することになりました。

 1週間ほどして電話があり,現象を確認した,調整したので良くなっているはずと聞いて安心しました。

 届いて試したところ,確かに改善しているのですが,完全に治っていませんでした。

 開放だと0.3段ほどアンダーです。F4やF5.6にするとほぼ適正です。0.3段ほどですので大した差ではないとは思いますが,16mmでは相変わらず差がほとんどなく,28mmで出てくるというのは気持ちが悪いです。

 それに,せっかくF2.8通しのズームで,開放でも使ってみようと思えるレンズなのですから,やっぱり開放でアンダーというのは,どうも落ち着かないのです。

 ここから先,やりとりを続けてあわせ込むことも考えましたが,修理調整直後にこれですので,トキナーの基準としてはこれがOKなのでしょう。使えない期間が増えてしまうのも嫌ですし,修理中に他の調子が悪くなるのも心配です。

 今,このレンズの値段は私が買ったときよりも1万円以上値上がりしているようで,私はそれなりによい買い物をしたと思うのですが,0.3段もの露出のズレを許容出来るほど私は寛容ではないことに,気が付いてしまいました。

 どうしたものか・・・

 もう,このレンズはあきらめて買い換えようかと思っています。無駄なお金と時間を消費することになってしまいましたが,我慢して使うようなレンズでもありません。今どきのレンズですし,開放から躊躇なく使いたいじゃないですか。

 そう思って,かつて候補にあげていたタムロンの15-30mmF2.8,いまこれが随分値下がりしているんですね。これだったら最初からこっちを買ったかも知れません。

 ただ,私はタムロンとはどうも相性が悪く,これまで良い思い出がありません。評価はAT-X16-28mmF2.8PRO FXよりもずっと良く,憧れの純正14-24mmF2.8に比肩すると言うくらいですので,確かに期待は高いです。

 一方,純正の18-35mmF3.5-F4.5ですが,軽くて小さくて良く写るのは間違いないのですけど,18mmというのが今一歩なこと,やっぱりファインダーが暗い,それほどシャープではないなあという印象もあって,ほとんど出番がありません。わずか2mmですが,やっぱり18mmと16mmでは根本的に違います。

 この純正18-35mm,売ると37000近くにもなるんですね。さすが純正。これとAT-X16-28mmF2.8とで,ちょうどタムロンの15-30mmF2.8が買えるくらいになります。

 なんだかバカバカしいのですが,使わないものを持っていても仕方がないし,そのうち壊れてしまってゴミになるかもしれないと思うと,今回はこの2本でタムロンにリプレースすることにしたいと思います。

 え?純正の14-24mmにしないのかって?

 高すぎですよ,滅多に出番がないレンズなのに,値上がりしてさらに遠くなったあのレンズを買うのは無理です。それに,今の大三元のなかでは最古参で,いつリニューアルされてもおかしくないじゃないですか。

 そうそう,ニコンからこのレンズの後継と思われるレンズの特許が出てるそうです。見てみると,14-28mmになっています。おお,とうとうズーム倍率2倍にするんですね。28mmまでいけば繋がりも良くて,出番も増えますし,いいですよね。

 手ぶれ補正はもちろんあり。しかし値段は30万円コースでしょう。ますます買えないレンズになりそうな予感です。

 そんなわけで,トキナーの方には恨みはないし,今回もとても良くして頂いたのですが,やっぱり最後には私と縁がなかったということだと割り切って,今タムロンのレンズを予約中です。

 値段が下がって急激に売れたのか,メーカー在庫切れなんだそうです。まあ製造が難しいれんずでしょうし,しばらく待つことにします。

 

中華製SU-800にご用心

 D850には,内蔵フラッシュがありません。もともとフラッシュ内臓に否定的だった私の考えが変わったのは,フラッシュを内蔵したD800を使っている中でのことです。

 内蔵フラッシュはガイドナンバーも小さく,レンズに極めて近い位置に固定されていて照射の自由度もなく,結局使い道がない割に,ペンタカバーが弱くなり,可動部も壊れやすい,必要な部品が大きくカメラ本体が大型になったりデザイン的に妥協が必要だったりと,メリットは皆無であるというのが,反対だった頃の私に考えでした。

 D800で考えが変わったのは,内蔵フラッシュをリモートフラッシュのコマンダーに使うという使い道があることでした。

 ニコンのスピードライトは精度も使い勝手も良く,スピードライトを使った撮影で失敗しない事が売りになっています。このことだけでニコンを選ぶ理由に挙げる人もいるくらいです。

 CLSと呼ばれるこのシステムは,スピードライトを複数並べる多灯撮影でも,難しい露出や発光量の調整は自動で行われますし,それぞれのスピードライトはワイヤレスで制御されますので,ポンと好きなところに置くだけでです。

 CLSでは最大3台のスピードライトを配置でき,それぞれの発行量も調整出来るようになっています。これによって,眼に光を入れる,あごの下の影を消す,髪をキラキラ輝かせるなどの高度なテクニックが簡単にできるようになります。

 しかしこのCLS,当然ですがCLSに対応したスピードライトを複数持っていないといけません。それなりに高級機でないと対応しませんし,発光量がある程度大きくないと配置の自由度が生かせません。そうすると当然高価になるわけで,部品の劣化から消耗品と言う人もいるくらいのスピードライトに1つ5万円以上の投資が必要になるのです。

 これが敷居の高さになると私は思うのですが,CLSは何も多灯撮影が重要なのではなく,好きなところにスピードライトを置くことができる,つまりカメラとスピードライトがバラバラに配置できることにもメリットがあります。横から当てたい,背後から発光させたい,といった要求は,スピードライトがカメラから外れてこそ実現出来ます。

 もちろん多灯撮影が真骨頂ではありますが,内蔵フラッシュが使い物にならないのでSB-700を買ってみたところ,内蔵フラッシュがコマンダーになることから,いきなりワイヤレスでリモートフラッシュも可能になってしまう,というとてもうれしいことが起きるので,CLSの入り口としてとても良い機会になるのです。

 そう,内蔵フラッシュは,ワイアレスストロボのコマンダーなのです。

 D850では内蔵フラッシュがなくなりましたので,コマンダーになることも出来なくなりました。これはとても残念な事で,D800からの移行で唯一私が継承できなかった撮影方法でした。

 かつてのSB-400くらいの,それこそ内蔵されていたものがそのまま外に出たくらいの小型スピードライトにコマンダー機能とIRフィルタを搭載したものが18000円くらいで出れば私はそれをD850と同時に購入したことでしょう。

 ところがある時,最近激安の中国製が幅を利かせているフラッシュをamazonで見ていると,SU-800というニコンの「コマンダー」の互換品さえも出ていることがわかりました。純正が3万円なのに互換品は9000円。激安とはいえないまでも,手が出せる値段であることは間違いありません。

 これを買い足せばD800相当になる,と意気込んでこのSU-800互換品を先週買いました。その顛末です。


 届いたSU-800はいかにも中国製という作りの悪さで,まずがっかりします。電池のフタは成型不良で微妙に変形していますし,電源スイッチもガタガタと動き,クリック感も乏しいものです。

 カメラから外れないようにするロック機構も動きが悪くてうんざりですし,これはすでに地雷の予感がします。

 極めつけが「装着できない」のです。ホットシューに差し込むのですが,ピンの先端が太く,しかも飛び出し量が大きいので,これがぶつかりホットシューに入っていきません。

 押し込もうとするとピンがホットシューにぶつかり,大きな傷を付けてしまいます。私のD850も傷物になってしまいました・・・

 それでも先の細いもので押し込んでホットシューに差し込んで機能確認をします。一応SB-700をスレーブとして発光させることは出来ているようです。AF補助光は全く光りませんが,それでも露出は失敗していない様子です。

 あ,そうそう,このSU-800互換品にはAF補助光が搭載されています。補助光とはいえ,なんと赤色のレーザーで縦横のパターンを投影するもので,なかなか面白いのでは,一方で被写体が顔だったりすると眼に入って危ないなと思います。

 どっちにしても,ピンが短くないと差し込めませんので,改造することにします。やることは簡単で,ピンに1mm程の長さのスリーブかなにかをはめ込んでかさ上げし,飛び出し量を制限するのです。

 早速分解してみます。電池ケースにある4つのビスを外して,電池バネを押し込みながら上ケースを引っ張るとパカッと外れます。大きなコンデンサが載った基板を固定するビスを2つ外すと,基板が外せるようになるので,裏側にあるコネクタを3つ外してやります。

 するとピンを固定した基板が奥の方に出てきますので,4つのビスを外してやればピンが取り外せます。私の場合,ここにピンとほぼ同じ内径のバネを差し込んで,かさ上げをしました。

 元のように組み立てて作業完了。

 さて,これをF100やD2Hに取り付けますが,発光しないばかりか本体がスピードライトを認識していません。ちょっとピンを引っ込めすぎたようです。

 ということで再度分解して,バネを短く切ることになるのですが問題は膨大なエネルギーがチャージされてコンデンサをどうするか,です。触ると確実に感電しますし,下手をするとやけどや怪我をするかも知れません。なにより怖いです。

 コンデンサの電圧を測定すると,余裕で500Vを越えています。これはあかんやろ。

 こういう時は,抵抗を使って放電させるのです。

 ぱっと目に付いた抵抗を拾い上げてコンデンサに涼しい顔でくっつけたところ,腹に響くような低音と,バスケットボールくらいの赤い閃光が私の目の前に飛び出しました。思わず「おおーっ」と叫んでしまったほどです。

 なにやら焦げ臭いし,まあよくも爆発事故にならなかったもんだと思いましたが,その抵抗を見ると黒く焦げています。カラーコードをみると・・・え,330Ω?

 このエネルギーの放電には,330Ωは小さすぎです。大きな電流が流れ,1/8W程度の小型抵抗が燃えてしまったのでしょう。あるいは放電したのかも知れません。

 あれほどの閃光でしたから壊れてしまったかも知れません。とりあえずバネの長さを短く調整し,組み立て直します。この時コンデンサの電圧は20V程度に下がっていました・・・

 D2HでもF100でも認識はするようになりましたが,実際の発光はしてくれません。D850でも同様です。まだピンが短いのでしょう。

 また分解して調整です。いい加減面倒ですが,なによりコンデンサが怖いです。もう抵抗で放電させるのも怖いし,とにかく触らないように作業することにします。

 何度か試みて発光するようになりました。SB-700を用意し,スレーブで動くかどうかをテストします。テスト発光では問題ないことは確認済みです。

 D850で撮影・・・しかし画像は真っ暗です。何度か試すと光っていない時もあります。これはおかしい。

 ピンの長さを元に戻して試してみますが,やはり状況は変わらずです。改造前には動いていたのですから,これは私が壊してしまったということでしょう。

 まあ,あれだけのスパークでしたから,壊れているかもしれないなと思ったので,案の定ということでしょうか。これを修理するのは大変ですし怖いので,もったいないですが廃棄することにします。あーもったいない。

 さて,コマンダーが準備出来ることをあてこんで,実はもう1つスピードライトを新たに買い増してありました。ニッシンのDi600です。

 選んだ理由はニッシンのストロボを使ってみたかったという事と,ヨドバシで最も安いCLS対応フラッシュだったということ,小型でありながらSB-700を越える発光量を持っていたことが,Di600を買った理由です。

 どうもニッシンは販売店を限定しており,現行送品のほとんどは直販です。しかもあまり安くなく,どうも純正でカバー出来ない部分で展開するという作戦を考えているようです。Di600はヨドバシでも買える数少ない商品の1つですが,それでも19000円に10%ポイントというなかなかのお値段です。

 しかもDi600は,D850には対応していません。D5もD500もそうです。なんだかニッシンという会社ののんびり具合が目に浮かびます。

 Di600はCLSのスレーブにも対応していますが,グループAのチャネル1に固定されます。そのせいもあってかLCDもなく,シンプルな操作はむしろ好ましいです。ただし,CLSのマスター機能はありません。

 で,このDi600とSB-700の2つをSU-800互換品でコントロールしようと思ったのですが,あてが外れてしまいました。SU-800の純正品を買いなおすかどうか・・・

 冷静に考えて見ると,SB-700をマスターにし,Di600をスレーブにすれば多灯撮影ができます。SB-700は本体から外せませんが,概ね正面から当てるので,これでも大丈夫です。

 試してみると,あっさり多灯撮影できました。SB-700とDi600って,微妙に光の色が違うんですね。これは盲点だったかも。

 それにしても,SU-800なんて,そもそもいらなかったんじゃないのか・・・


 ということで,結局絵に描いたような「安物買いの銭失い」をまたやらかしてしまったのですが,どうもamazonで買ったものにはハズレが多い印象です。amazonにはなんでもありますが,amazonの手が入っていないので,いいものも悪いものもそのまま出てきます。まあジャンク屋さんみたいなもんでしょう。

 個人的にはそういう「知っていれば得をする」ジャンク屋の世界は面白いし楽しいし好きではあるのですが,ジャンクも純正品も一緒に並んでいるのですから,それがジャンクである事を明記しておいてもらう必要はあると思います。

 それがお店の仕事なわけですが,amazonはそういう情報が少ないので,どうもひっかかるように思います。難しいですね。極端に安いものには注意するということにしないと,いけないように思います。

 ということで,SB-700とDi600の色温度の違いは今度のテーマとして,多灯撮影をもう少し真面目にやってみようと思います。

 カメラは自動化が進み,誰でもほとんど失敗のない写真が撮れるようになりました。しかしライティングはさすがに自動化できず,またそれを目指すという話も聞きません。

 写真というのは光と影を写し取るものですので,カメラやレンズの話だけでは全然足りず,究極的には光を読む事が必要だと思います。まだまだ勉強が必要ですね。

 

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