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08 Wide Zoomの修理~戻ってきたが残念な事に

 08 Wide Zoomですが,実は先週のうちに戻ってきていました。

 もう一度リペアサービスを依頼し直し,宅急便で同じ場所に送り直してから数日後,シリアルナンバーのシールを貼り直すために,シリアルナンバーが変わってしまうが構わないかとメールが届きました。

 それは避けようがない事で,私は了解をしました。

 そして数日後,私の手元に戻ってきたというわけです。

 くしゃくしゃになったシリアルナンバーシールを,そのまま貼り付けて知らん顔をし,それをお客に指摘されるというプロとして恥ずかしいことをやらかしたわけですので,もう完璧に仕上げてくれると信じていました。

 だって,指摘したところがきちんと治っているかどうか,見るのは当たり前じゃないですか。

 しかし,私の期待は残念な事に,打ち砕かれてしまいました。

 以前よりましになったとはいえ,相変わらず貼り方が汚く,指で触るとデコボコとした感触があります。これでOKなんですかね,PENTAXの基準としては。

 おそらくですが,目の悪い方が修理の担当をされたのでしょう。私もそうだからわかりますが,目が悪いと気が付かないかも知れません。でも,目がいい人,メガネをしている人には完璧にわかるお粗末さですし,なんといっても指で触れば感触でわかります。

 うーん・・・PENTAXの修理にはいい印象がこれまで全然なかったのですが,今回はもう決定的です。

 まず,人のものだという意識が薄いです。バレないだろう,バレたら対応すればいい,という製造業に関わる人間として最悪のことが起きています。

 それから,修理の品質が低いです。私のレンズはQのレンズですから数万円,修理代金も13000円ほどですが,金額の大小ではありません。
 
 こんな人たちに30万円も40万円もするものを安心して預けることは出来ませんから,PENTAXの高額な製品など,恐ろしくて買うことは絶対に出来ません。

 K-1もかなり心が動いたのですが,本当に買わなくて良かったです。

 ニコンは以前と違って壊れるようになりましたし,修理に出すと一悶着あるにはありますが,双方が納得した後の修理は完璧で,期待を裏切られたことはありません。扱いも丁寧ですし,安心して預ける事が出来ます。

 意識の違いは,もはやいかんともしがたい。
 私の中では,もうPENTAXは潰れて存在しなくなったことにします。
 さようならPENTAX,これまでありがとう。

 私は,この08 Wide Zoomを,自分の手でなんとかすることにしました。

 まず,シリアルナンバーシールを丁寧に剥がします。このシールはベースがアルミですので,シワが付くともう取れません。

 指にゴロゴロした感触があったのは,どうも両面テープが綺麗に剥がれていなかったからのようで,テープとレンズの両方をアルコールで丁寧に拭き,両面テープを完全に剥がします。しかし,やっぱりシワもあります。これは困った。

 シリアルナンバーシールを何度も指でしごき,平面の板の上で爪楊枝の先端をこすりつけて,出来るだけシワを伸ばしていきます。

 シワはなくなったのですが,途中で曲げてしまった折り目を付けてしまった事と,しごきすぎて表面の色が黒くなったこと,それから保護層が若干めくれてしまったことで,綺麗にはなりませんでした。

 もう後戻りも出来ませんので,このまま薦めます。LCDを貼り付けるための極薄の両面テープをシールに貼り付けて,ボディに貼り付けます。

 これで指のゴロゴロとした感触はなくなりました。シワも目立たなくなり,黒ずんだところがあることを除けば,なかなか綺麗になっています。

 もうこれ以上は無理でしょう。見た目だけの話であれば,Qのレンズのジャンクでも買ってきて,そのシリアルナンバーシールを剥がしてやれば綺麗に出来るでしょうけど,それがシリアルナンバーとして機能するのかと考えると,そんなことをする気にもなりません。

 ということで,08 Wide Zoomも,私の手でなんとか,納得出来るところまで仕上げました。レンズそのものはちゃんと動くようになっていますし,そのうちこれも修理可能な期間を過ぎてしまうことでしょう。

 そうなればもう,私はあの残念なPENTAXとは縁が切れます。

 思い出話をすればきりがありませんが,私のカメラの原体験はASAHI PENTAXですし,SPです。カメラの面白さや楽しさをこれで学びました。しかし,K10Dの品質の悪さ,FA43mmの修理不良,そして今回の08 Wide Zoomのいい加減な使いと,もううんざりです。

 ファンを囲い込んで,あれこれと画策しているようですが,そういうことをする前に,きちんとやるべきことをやって,今いるファンを大切にすることを,PENTAXには考えて欲しいと思います。

08 Wide Zoomの修理~そして再修理へ

 私のPentaxQ7は,Qの皮を被っています。Q7のデザインは好きですし,オリーブドラブのカラーも気に入っていましたが,マグネシウムを纏ったQの質感にはあらがえず,予想に反して大変な困難を経て,私のQ7は外側から見るとQになったのでした。

 そのQ7には,08 Wide Zoomが常にマウントされています。というか,これと06 Telephoto Zoom以外には価値を見いだせなくなっているので,08 Wide Zoomは手放せない1本になっています。

 小さく軽く,被写体を警戒させず,写りは隅々まで文句なく,とても楽しいレンズです。残念なのはこのレンズの能力を生かし切ることの出来るボディがとうとう出なかったことで,正直Q7の1240万画素はこのレンズには物足りません。

 その愛すべき08 Wide Zoom,そういえば渋谷のビックカメラ(東口)で買いました。このレンズが発売になった直後,なにかの用事で渋谷に出向き,もう半分くらい買う気で立ち寄ったビックカメラで,店員さんとしばらく立ち話をしたのですが,どうも彼はペンタックスの関係者だったようで,しきりにこのレンズをプッシュしてくれました。

 こちらも気に入って買う気でいたわけですから,悪い気はしません。Qのレンズとしては高額だった08は果たして私のお気に入りとなり,現在に至っています。

 聞けば高額だったことが仇になり,そんなに数が出ていないとのこと。06が安価で今でも販売されていることを考えると,もともと08は数を作る気がなかったレンズで,一部のマニアに届けばいいと考えていたのかも知れません。

 で,私は娘の小学校のイベントで出向くときには,きまってこのQ7と08 Wide Zoomの組み合わせで出かけます。学校のような広い場所で超広角ズームは威力を発揮しますし,なんと言っても楽しいです。小さく軽く,一眼レフの形のまま小さくなったQシリーズはとても可愛く,ちょっと太めの08がつくとますますミニチュア感が増します。

 この画角でこの小ささは代わりのものがありませんし,それでいてしっかり写っていますので,手放せないわけです。

 先日,ちょっと手に取って電源を入れると,シャッターが開く音がしませんでした。LCDには真っ暗な画像が出ています。壊れた!

 とりあえずレンズとボディの接点を綺麗にしたところ解消したようなので様子を見ることにしたのですが,数日後学校に持っていって,同じ症状が出たこと,のみならずワイド側でメカシャッターが動作していないことに気が付きました。テレ側だと動作するのでその場をしのぎましたが,再現性もありますし,どうにかしないといけない問題です。

 そこで早速修理の手配です。いちいちサービスに持ち込めませんので,ピックアップサービスを依頼します。しかし,どうも様子が変です。調べてみるとPENTAXって,サービスを完全に外部に出してしまったんですね。

 まあ,そのことは別に気にしないのですが,もともとPENTAXの修理にはどうも不安があります。以前FA43mmを修理に出したとき(AFカプラーが折れてギアに噛み込み,フォーカスリングが回らなくなった)も,返却後調べてみたら絞りリングのストッパが効かなくなっていて,再修理になりました。

 まあ,そう何度も続かないだろうと,ヤマトの宅急便で,私の08 Wide Zoomは引き取られていったのです。

 見積り金額は12000円。これにコレクト手数料やら消費税やらで13640円になったのですが,故障箇所はシャッターで,交換という事でした。

 交換した部品を返して欲しいとお願いしたら,それは出来ないとつれない返事。理由を知りたいと粘って見たら,今年10月からリコーの方針として,SDGsやら環境保全やらを理由に,部品の返却をしないことになったそうです。

 ほんまかいな,リコーに聞いてみようかとも思いましたが,バカバカしいのでやめました。

 そこからまたしばらく,修理に出してから2週間もかかって,ようやく私の08 Wide Zoomは返ってきたのでした。

 さっそく検品をします。動作は問題なさそうです。ちょっとAFの音が大きくなったように思うのですが,動いていればまあいいとしましょう。

 しかし問題は,シリアルナンバーのシールを見た時に発覚しました。

 シリアルナンバーのシールが,貼り替えられています。正確に言うと,一度剥がしたシールを貼り直しているのですが,そのシールがくしゃくしゃになって浮いているのです。

20211227132548.jpg


 あれですね,きっと部品の交換を行ってシールを貼り替える必要が生じ,ピンセットか何かで剥がすときに傷んでしまい,あろうことかそれをそのまま貼り付けて済ませてようです。

 シリアルナンバーというのは文字通り唯一無二の個体識別の番号です。これを示したシールはいわば証書であり,このシールが剥がされていたり,番号が消えたりかすれていると中古の買い取りを断られることもある重要なものです。

 メーカーでも不正防止のために厳重に管理し,重複がないようにしますし,偽造防止も行います。

 そんなシリアルナンバーシールを,こんなにぞんざいに扱って,しかもそのまましれっと送り返してくるなんて,どういう神経してるんでしょう。

 気付いていないという事はないでしょう。作業に失敗した時の問題ですから。シールを作り直すと手間も手続きも面倒なので,とりあえずそのまま返して怒られたらその時対応しようと,そんな風に考えたのかも知れません。

 どっちにしても,このレンズは私の所有物で,だから修理品は「預かり品」というのです。人の持ち物を傷めておいて,そのままなにも言わずに返してくるとは,何事か。

 私は,これをみてとても残念な気分になりました。技術者のスキルが低下したこともそうですが,それ以上にプロとしての自覚というものがないのかと,悲しくなりました。

 気が進みませんでしたが,すぐに電話をして,事情を伝えました。怒ったり怒鳴ったりせず,淡々と「これはプロの仕事ではない,やり直して欲しい」と伝えました。

 先方は心当たりがあったのでしょうか,平謝りで,すぐに送り返して欲しい,きちんと対応したいと言って下さいました。シリアルナンバーに関係する話ですので簡単ではないと思い,具体的な話を聞いてみましたが,シールを作り直して張ると言うことでした。

 人間ですから,ミスもあります。失敗することもあると思いますが,問題はその失敗をどうやってリカバーするかだと思います。もちろん,失敗がないよう訓練するのがプロの条件ですが,それでも起きたミスはプロらしく誠実に対応するのが,社会から信用されるプロフェッショナルではないでしょうか。

 私に言わせれば,先の尖ったもので無理にシールを剥がし,くしゃくしゃになった物をそのまま再利用するなどというのは,素人の仕事です。それに,シリアルナンバーの貼り替えなどは日常的に発生することであり,なぜこういうずさんな作業を行ったのか,本当にプロの仕事なのかと,疑いたくなります。

 しかも,一目でわかるものを,そのまま送り返してくると言う図太さも信じられません。こんなことでは,見えないところ(つまり内部)でどんないい加減な修理を行っているのか,わかったものではありません。

 このところ,こうしたサービスの低下を感じる事が増えました。

 我々の1つ上の世代は。昨日より今日,今日より明日が良くなっていることに何も疑問を持たず,毎日希望を持って生きていたそうです。今そんなこと言うと笑われますが,そういう私も,今あるものは明日もあると何も疑っていませんでした。

 しかし,そんなことはない,今あるものも明日なくなるかも知れない,そんな危機感を感じるようになっています。維持できなくなれば消えてしまう,そんな当たり前の事に気が付くのが遅かったと思うのですが,変化はゆっくりで,そんな場面に直面しないとわからないこともあって,実は多くの人は「そんなものか」で済ませているんじゃないかと思ったりします。

 とはいえ,それまで走っていた電車が廃止になって生活が一変することなど,地方に行けば珍しいことではありません。つまるところ,都会でもそういう負の変化が起き始めていることに,ようやく気が付いたということかも知れません。

 さて,私の08 Wide Zoomは,もう一度修理に旅立ちます。次に戻ってくるときには,元通りになってくれているといいんですが・・・

TTAritisan 17mm F1.4を買った

 APS-Cサイズの撮像素子を持つデジタルカメラを使う上で,悩ましいのは広角レンズの問題です。

 28mmというごく普通の広角レンズを常用したい私としては,Zfcを散歩に持つ歩くのに必須となる35mm相当で28mm程度のレンズに手軽なものがないのは,なかなか頭の痛い問題です。

 定評ある16-50mmがあるじゃないか?なるほど,確かにそうなのですが,沈胴式であること,それ以前の問題として「暗い」ので使う気になりません。

 沈胴式であることについては,先日購入した18-140mmで解決したと思ったのですが,確かに良く写るし寄れるんですけど,暗いことと大きいことがやっぱり気になります。

 暗いことで特に室内での撮影に躊躇するものがあります。それに室内ですから被写体との距離はいつも大体決まっていますし,高倍率ズームである必要もあまりありません。

そう,便利ズームというのは複数のレンズが1本にまとまって荷物が減ることがメリットな訳で,最初から単焦点レンズでいこうと思っている人には,余計なものが入って大きくなり,しかも性能的に妥協を強いられる中途半端なものに見えるのです。

 GRを使えよ,ですか?いや,それは言わない約束で・・・

 そんななか,どうもミラーレスの世界では,純正のレンズではカバーしないようなレンズが,中国のメーカーからいろいろ出ているようで,最近ようやくZマウントでミラーレスの世界の関係するようになってから,なかなか面白い事にことに気が付きました。

 1万円ちょっとで17mmのF1.4だと?

 ちょうどamazonのセールで安くなっていたので,思わず買ってしまったのが,TTArtisan 17mm F1.4です。

 17mmですからね,35mm相当では25.5mmですから,いつもの28mmよりも画角が広がります。この数ミリの違いは広角では非常に大きくて,ファインダーを覗いた瞬間に,いつもと違うなと感じます。

 中国製,APS-C,MFとはいえ,それでもF1.4の広角レンズが15000円ほどですからね,クラシックレンズを中古で買うよりずっとましだという気持ちで買ったのですが,買った感想は,実際クラシックレンズのような写りだった,という一言です。

 まずF1.4開放です。中央部の解像度は並なのですが,コントラストが下がって厳しい画像になります。周辺は解像度も下がってしまうので,実用にはなりません。

 しかし,これが1段絞ればぐっと改善し,2段絞ってF2.8までいけば,もうしっかり黒も締まって,切れのある画像になります。室内ではここまでが限度で,これ以上絞るとISO感度が上がって,画像そのものが荒れてきます。

 色収差や歪曲などのいろいろな収差がそこそこ残っており,最近のレンズに比べて牧歌的な感じがあります。決して悪いレンズではないのですが,これが2万円を越えたら買わないだろうなあと言う感じです。

 質感は素晴らしく,がたつきや指のかかりも問題なく,デザインの好みはありますが,これほどのものをこの価格で作ってしまうと言うのは,すごいことだなと思いました。

 撮影していて思ったのですが,結局F2.8まで絞るのであれば,FTZを介してシグマの17-50mmF2.8を開放から使った方が画質的には有利だなあということです。もちろん大きいので取り回しも悪いですが,AFですしVRはありますし50mmまで使えます(しかも価格は2万円ちょっとです)と,実はなにもいう事がないんですね。

 シグマの17-50mmF2.8の欠点は,強いて言うならカリカリで色も冷淡なので,冷たい画像になりがちであるという事でしょうか。しかしF2.8からこの画質ですので,良いレンズだなと思います。

 残念ながらTTArtisan 17mm F1.4は常用レンズにはならないと思います。ただ,純正はもちろん,他からも似たようなレンズが出ていませんので,これはこれで出番はありそうです。

 つらつらと思うのは,やっぱり明るいレンズがミラーレスでも欲しいということです。ズームならF2.8遠し,単焦点ならF1.8くらいのレンズがあると,随分ストレスが減るだろうなと思います。

 明るいレンズのメリットの1つは,一眼レフの光学ファインダーを使う時,見やすくなるというものがあります。F6.3だともう絶望的に暗いのですが,ミラーレスが普及することで,ファインダーの見やすさのためにレンズを明るくする必要がなくなりましたから,どのメーカーも暗い代わりに小さく軽い(あるいは安い)という選択肢をとるようになったのだろう思います。

 しかし,勘違いしてはいけないのは,やっぱり撮像素子に届いた情報量の多さが,写真の画質を左右します。一眼レフの時代には1つのジャンルを作っていたF2.8通しの小型で安価なズームがZマウントに出てきていないことが私は問題だと思っていますし,これが揃うまで私はZマウントへの移行は難しいだろうなと思います。

 

NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRを買いました

 作例を示さないレンズのレビューというのも無意味に思えるのですが,個人的な買い物メモの延長にありますし,実際数年して読み返してみればいろいろ思い出すこともあり参考になるので,今回も書こうと思います。

 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR,買いました。(フードも買いました)

 発表時に予約したので,発売日に手に入れる事ができました。

 Zfcはすっかり私の手の届く範囲にいつもあり,ぱっと手に取って電源を入れては撮影するという習慣が出来上がっています。

 D850はZfcをもってしてなお最高画質,最高のフィーリング,そして最高の信頼性を備える最高のカメラだと思いますが,Zfcのカジュアルさと画質のバランスは,普段の生活の時間の流れの中にあいたくぼみに,上手く嵌合する感覚があります。

 カジュアルさだけでは成り立たないのがカメラの世界で,撮影結果を確認したときの,期待以上の画質を見て,また撮ろうという気にさせないといけません。

 それは,生活の一部である以上室内である事も多いですし,夜である事も多いです。そういう悪い撮影条件でも期待を越える結果を出してくれないと,カジュアルである個とは安物の烙印を押されておしまいになるのです。

 とまあ,そんなことを書けたのも,今回のNIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRを使ってみたからです。


・質感,手に取った感じ

 さすがニコンと言うべきか,全身プラスチックのレンズなのに,このしっとりとした質感は素晴らしいです。デザインも今どきの洗練されたもので(とはいえこのデザインの流れはシグマが方向付けたものだと思います),装飾をなくしてもこの格好良さというのは,やはり基本がしっかり作られているからだと思います。

 でもですね,実売7万円のレンズですので,当たり前と言えば当たり前。これで2,3万円同等の質感だったらそりゃ問題でしょう。すでにマウントが金属ではなくプラであることに対する批判もあるわけですし,価格相応,あるいはそれ以下という評価に落ち着くことになると思います。


・重さ,取り回し

 18mmから140mmのAPS-Cですから,35mm換算では27mmから210mmをカバーする,いわゆる便利ズームです。その割には小さいです。小さいというのは長さもそうですし,直径もそうです。特に直径が小さいことは新鮮な気分にさせられます。前玉もこんなに小さくて,周辺が落ちまくりなんじゃないかと思いますが,そんなことはありません。

 望遠側にすると全長が伸びるレンズなのですが,それでも70-200のF2.8くらいの長さに収まっているので,すぐに慣れることが出来ました。

 むしろ軽さが画期的で,Zfcの軽さもあってか,ぱっと手に取ると「軽いな」と毎回思います。こういう取り回しの良さも,Zfcへの懐かしさの1つかも知れません。


・画質

 16-50mmの画質が素晴らしかったため,このレンズにも期待が高まっていました。実際に使ってみると,ちょっと物足りない感じがしました。印象としては広角側は良好,70mmくらいまでの中域は平凡で,140mmまでの望遠側は積極的になれない感じです。

 決して画質が悪いわけではないですし,Zマウントらしい切れもあって,価格に相応しい画質だとは思うのですが,色は期待ほどのってきませんし,コントラストも凡庸,グラデーションもごく普通の再現度です。詰まるところ便利ズームの妥協点を1つ減らしたものという感じだと思います。

 大事な事は,かつての便利ズームから,明るさへの妥協があったことです。望遠側でF6.3というスペックによる辛抱は思いのほか強く,それでこの画質かというがっかり感も,望遠側での不満に繋がっているように思います。

 繰り返しになりますが,広角側はF3.8と普通の明るさですし,少し絞ってF5.6くらいで使いますので,画質は文句なしです。APS-Cは広角側のレンズになにかと悩ましいものですので,28mm相当でこの画質なら,常用レンズにできると思います。


・機能的なところ

 まず手ぶれ補正。私は手ぶれ補正はあまり重要な機能と考えていません。手ぶれが押さえられても,被写体ブレを押さえなければならないシーンが多いので,結局シャッタースピードを高めなければいけないからです。

 ただ,手ぶれは画角が狭くなるほど影響が大きくなるのに対し,被写体ブレは画角に関係がありません(ただし被写体の大きさを同じにした場合です)から,望遠で1/60秒が使えるというのは,メリットだと思っています。

 私はあまり望遠を使いませんのでVRのメリットを感じてこなかったのですが,このレンズでの望遠側のVRにはとても自然なものがあり,知らず知らずのうちに助けられていることが多くありました。

 結論。便利ズームには手ぶれ補正は必須です。広角側から望遠側までシームレスに使うレンズだからこそ,気持ちも覚悟もシームレスでないといけないわけで,広角と望遠が出来るだけ同じ感覚で使えるようにするためには,やはり手ぶれ補正は必要だと思います。

 しかし,VRのスイッチやA/Mの切り替えスイッチは欲しかったです。Zfcではメニューに潜らないといけない設定だからこそ,スイッチが欲しいと思いました。特にA/Mは欲しかったです。

 というのも,マルチファンクションリングの滑らかさが素晴らしく,ここをフォーカスにして使えば,置きピンも楽しいだろうと思ったからです。もちろん,このリングを回せばMFに切り替わりますので目的は達成出来そうなものですが,初期設定ではシャッターボタンを押せばAFが働いてしまうので。不便なのです。

 設定をすればいいようなものですが,そうすると親指AFを使うことになります。でもこの親指AFって誰でも出来るものではありませんから,例えば娘が「ちょっと課して」と言ったときに,いちいち設定を変えているうちに,娘の気が変わってしまうこともあるわけです。

 こういう割り切りがあったことは,7万円のレンズでは残念な所だと思います。


・フードが別売り

 これも私は問題で,フードは付属して欲しかったと思います。多くのレンズ設計者がフードの常用を光学的にも事故を起こしたときの被害軽減にも役立つとして薦めているわけですが,そう高くもない花形フードをわざわざ別売りにすることも,ちょっと首をかしげてしまいます。

 それにですね,このフード,プラ製の花形フードの癖に,えらく格好いいんですよ。最近のレンズのデザインのトレンドはシグマが作ったと思いますが,そのシグマもフードそのもの,あるいはフードを装着したトータルの格好良さはまだまだだと思います。

 ですが,Zマウントのレンズはフードをしても格好がいいです。ずっと付けていたくなるようなうれしさがあります。だからこそ,付属して欲しかったなあと思うのです。


・寄れるレンズ

 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRの特徴の1つに,寄れるというのがあります。ズーム全域で20cmから40cmとかなり寄ることが出来て,撮影倍率は0.33倍と言いますから,35mm換算では実に0.5倍です。一昔前ならマクロレンズを名乗っても良いスペックです。

 近距離時の画質もなかなか良くて,しかもVRがききますから,マクロ撮影の定番である花も,見事に写しきります。これだけ寄れてこの画質なら,このレンズを持ち出すときの不安はほとんどなくなりますね。

 画角が大きく変化することもそうですが,寄れることも撮影者の「がっかり」を防止するものであるわけで,まさに便利ズームの真骨頂だと思います。


・欠点,期待外れ

 先にちょっと書きましたが,なんといっても「暗い」です。私はF6.3のレンズは暗すぎると思っていて,これまで手を出したことはありませんから,このレンズが初めてのF5.6より暗いレンズです。

 望遠側だけなのでどうにかなると思っていましたが,想像以上に厳しいです。

 NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRは開放からシャープでガンガン使えるレンズです。ですので中域まではF5.6に収まってくれるのですが,さすがに望遠側のF6.3は非日常で,まるでF4の望遠をテレコンで使っているような,暗い気分にさせられました。

 このくらい暗いと,いくらVRがあるから,いくら高感度耐性があるからといっても,コントラストの低下や彩度の低下は避けられません。特に室内では使い物にならず,実質18-70mmくらいのレンズだと思わないといけないです。

 そうして明るさを犠牲にした望遠側は,画質も平凡です。積極的に使おうというシーンは限られます。

 そして,やっぱり価格です。質感が素晴らしいし画質も良いのですが,でもこのスペックで実売7万円は高いと思います。もう1万円安いと他の人にもお奨め出来るんですけどねえ。


・総評

 とにかく便利,それも妥協の少ない,真に散歩に相応しいレンズだと思います。機能的にZfcにマッチするレンズだけに,クラシックなデザイン(やっぱ43-86だろうなあ)のSpecialEditionが出れば大喜びだったんですが,そうでなくてもこのレンズの質感とデザインは持つ喜びも与えてくれると思います。

 画質は平均以上,広角側では高画質で,どんどん撮影したくなります。むしろ望遠側は緊急用と割り切っていた方が私は気楽でした。

 ただ,広角でAFが使えるレンズってなかなか貴重で,35mm換算で28mm相当の単焦点レンズが純正で手に入らない以上,手軽さではこのレンズ以外に選択肢がありません。そう考えた時に,やっぱZマウントは高いな,という印象を持ってしまうのです。


・最後に

 他に被るレンズではないですし,Zfcのカジュアルさと機動性を活かす良いレンズである事は間違いありません。ただ,このレンズではないといけないというシーンはちょっと想像が難しく,強いて言えば28mm相当のレンズが必要になったとき,くらいかなと思います。それが便利ズームの宿命なのですが,Fマウントでシグマの2万円ちょっとの17-50mmF2.8の画質が素晴らしかったことを考えると,もうちょっと心に響くレンズであって欲しかったと思います。

 しかし,小さいこと,軽いことは正義です。Zfcとの組み合わせは,最新の画質をこんなに手軽に持ち出せることを示してくれました。被写体の警戒感も薄れていることが表情からもわかりますし,周囲に対する遠慮も少しはましになります。

 実のところ,D850では便利ズームは使わず,ストイックの画質を追求する役割に特化し,普段使いはZfcでいこうと役割分担を考えていたので,このレンズを買ったわけですが,その目論見は一部達成出来たと思います。

 一部というのは,やっぱりD850の画質にはトータルでかなわないなあというZfcの問題に加えて,このレンズの暗さと画質の凡庸さにあります。使いこなせば面白くなるかも知れませんが,もうちょっと常用して使い込んでみたいと思います。

 

ピクセルマッピングの世話になる

 先日,いつものようにZfcをいじっていたのですが,レンズキャップをしたままファインダーを覗き込むと,やや左下の真ん中辺に,赤い点が出ているのを見つけました。

 これだけ目立っているのですから,購入時にあれば気付くはず。これはきっと最近出てきたものでしょう

 通常撮影時にも目立たないとはいえ出ていますし,レンズを外しても出てくるものですので,これはボディ側の問題でしょう。

 点の出方からして違うだろうなと思いつつ,期待を込めてセンサ表面のホコリを疑い,ジャンボハリケーンで吹き飛ばそうとするも,点はピクリとも動きません。

 そうなると可能性は2つです。ファインダーのOLEDディスプレイのドット抜けか,撮像素子のドット抜けです。どっちも厄介な問題です。

 ちょっと話が逸れるのですが,LSIの製造の基本的な話として,膨大な数を作り込むLSIのトランジスタが,わずかに不良になることは避けられません。しかしウェハーから取れるLSIの数が大きければ,不良だったトランジスタが含まれるものを不良品として捨ててしまっても,他にたくさん良品が取れるので,不良率は下がります。

 LSIの面積が価格に影響する話であるとか,プロセスを進める事のメリットは歩留まりを上げることだと聞いたことがあると思いますが,これが理由です。

 で,撮像素子のCMOSセンサは言うまでもなく,OLEDのディスプレイもLSIの製造と仕組みとしては変わりません,これらは面で表示や撮像を行いますから,面積を小さくすることは出来ませんので,歩留まりの悪化は避けられません。

 もし不良のピクセルが全くないものだけを出荷していたら,良品が取れなくなってしまうので数も揃いませんし,価格も無茶苦茶あがります。これは誰も幸せになりませんから,1つ2つのピクセルが不良になっていても,それは良品として出荷してしまうようにしました。

 こうすると価格も下がり,数も揃います。なので,テレビでもデジカメで1つ2つのドット抜けがあっても,メーカーは不良品として交換に応じないわけです。

 厄介なのは,初期の段階で台上だったものが,経年変化で少しずつ不良のドットが増えてしまうことです。こうした長期信頼性の問題は,もちろんメーカーとしても加速試験などである程度信頼出来る方法で試験を行って見極めるのですが,未来の話ですからね,実際に時間が経過しないとわからないものです。

 これを,いちいち交換だ修理だとやっているとお金がかかって仕方がないので,ある程度の不良は「不良ではない」という対応を取って,なんとか価格とバランスさせてると考えるべきでしょう。

 とはいえ,実際ドット抜けは本当に少なくなりました。1990年代初期のTFTのLCDなど,10インチでも2,3個の抜けがあるのは当たり前でしたし,10個並べてみれば10個とも抜けた数も場所も違うのが当たり前でした。

 さて,静止画を撮像するCMOSセンサでも同じようにドット抜けがあるわけですが,これもいちいち不良だ修理だ交換だとやっていたら,ただでさえ高価なセンサがますます高価になってしまい,商売になりません。

 そもそも,センサの1ピクセルはRGBのどれか1色の情報しか得ることが出来ず,そのピクセルの色は,自分の色1つと周囲のピクセルの色を使って計算で求めたものです。だから,他のピクセルの情報を使って元の情報と違わないものが得られるなら,すべてのピクセルが正常な値を吐き出す必要もありません。

 もちろん,それも限度があって,計算で情報を再現出来ないほどに不良ピクセルが増えてしまうとマズいのですが,それはメーカーごとに基準を設けていますので,我々エンドユーザーはそれを信じるしかありません。

 さて,私のこの「赤い点」は,CMOSセンサでしょうか,ファインダのOLEDでしょうか?

 あれこれいじっていると,「ピクセルマッピング」なるものをメニューに見つけました。うーん,ニコンのカメラを長く使っている私には,あまり馴染みのないメニュー項目です。

 これは,壊れてしまって抜けたピクセルを,周辺のピクセルの情報を使って補完する機能です。抜けたピクセルは記憶しておき,以後はそこからの情報を捨ててしまい,計算で求めたものを使うと言うことです。

 CMOSセンサのドット不良は,ずっと黒を吐き出すコールドピクセルと,ずっと白(あるいは特定の色)を吐き出すホットピクセルの2つがあります。

 どちらもその画素が正しい情報を吐き出さないわけですから,隣接するピクセルの色や明るさによっては目立ってしまうと思います。しかし,これをゼロにする,そしてその先ずっとゼロを維持し続ける事は先に説明した通りお金がかかりますし,数を揃えることも出来ません。

 そこで,機能しなくなったピクセルを登録しておき,そのピクセルの情報は周辺のピクセルの情報から演算で求めることにします。これがピクセルマッピングです。

 ピクセルマッピングはいわばごまかしですし,悪くいえば捏造だと思うかも知れません。厳密にはそうかも知れませんが,あるピクセルと,その周辺のピクセルとの間には強い相関関係があることが数学的に分かっていて,完全ではないとしても,ほぼ完全にその情報を再現出来ることを,我々は知っておく必要があります。
 
 こうしたエラーの訂正や補完の技術というのは,フラッシュメモリのセルのエラーによる訂正や置き換え,通信経路で発生したエラーの訂正,CDやDVDのキズによる読み出しエラーの訂正や補完でも使われています。

 私は正確な数式はCDのケースしか知らないのですが,CDの場合はエラー訂正が可能な範囲,補完が可能な範囲,それも無理でノイズになってしまう範囲が数学的にきちんと分かっていて,完全にあてにならないものとそうでないものを分けて扱う事が出来ています。だから我々エンドユーザーは,今出ている音が偽物かもしれない,などと疑心暗鬼になることなく,音楽を愉しむことが出来ているわけですね。

 CMOSセンサも同じ事だと思います。そもそも,現在のベイヤー配列の撮像素子は前述のようにピクセル単位ではRGBのどれか1つの色情報しか持ちません。周辺のピクセルから足りない2つの色を計算で求めていて,それを我々は「高画質だ」とありがたがっているわけですから,ピクセルマッピングを許せないという話は,私にはナンセンスに思えます。

 ということで,もしかするとと,メニューにあったピクセルマッピングを選んでみました。数分待たされ,終わってからファインダーを覗き込むとあら不思議,見事に「赤い点」が消えています。

 この赤い点はCMOSセンサの問題で,ディスプレイではなかったのです。そしてピクセルマッピングによって解消したのでした。めでたしめでたし。

 いやー,助かった。これで解決してよかったよかったと喜んでいたのですが,他のカメラもやっておこうと思うのはこれ人情というもの。愛機D850を始め,いくつかあるデジカメは,皆Zfcよりも古いです。

 早速ピクセルマッピングを行おうとしたのですが,メニューにピクセルマッピングが見当たりません。D850もD300もGRもありません。うーん,ないものは仕方がない。

 調べてみると,もともとニコンはピクセルマッピングをユーザーに公開していなかったようです。Z6もZ7にも搭載されておらず,Z6II,Z7IIになってから可能になったとあります。(持っていないので本当の所はわかりません)

 ならD850にないことも理解出来ます。なら,ホットピクセルはどうやって直せばいいのか?

 サービスセンターに持っていくと,昔は1000円でやってくれたという記述を見つけました。今はもっと高いそうですが,手段がないわけではなく,ユーザーにやらせなかったという話のようです。

 それだけ危険で,リスクを伴い,頻繁に行うようなものでも,すべての人が必要とするものでもない,という判断からサービス対応となったのだろうと思いますが,このピクセルマッピングという機能はオリンパスが先鞭をつけたものであるらしいこともわかりました。うっすらと,かつて使っていたE-20にはそんなメニュー項目があったような気が・・・

 他の会社については,機種にもよるのですが,センサクリーニングを行うとピクセルマッピングが自動的に行われるという記述も見ました。

 ということで,メーカーとしてはあまり積極的に使って欲しいものではないようです。でも,ホットピクセルが手元で直せたらうれしいですよね。

 そんなピクセルマッピングですが,この機能を一度実行すると,実行前の状態には戻せません。戻す人もいないと思いますが,最初の状態を残さなかった私のような人が,実行前に戻って比較をやろうと思っても手段はありません。

 ホットピクセルやコールドピクセルは,長年使っていれば,発生してしまっても不思議ではありません。センサの交換には大きな費用もかかりますし,交換後にまたホットピクセルが出ることも大いにあります。

 そう考えると,画質に極端な低下を引き起こさないのであれば,ピクセルマッピングを使ってさっと解決するのが望ましいです。

 私が次に新しいカメラを買うことがあったら,ピクセルマッピングの有無を調べて買おうと思います。

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