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カテゴリー「カメラに関する濃いはなし」の検索結果は以下のとおりです。

istDLの制約事項

 昨年末の経営統合の話に始まり,K10Dというヒットモデルと収益の大幅な改善とは裏腹に迷走を続けたペンタックスがHOYAの子会社になってしまうことがほぼ決まってしまったところで,私はistDLをいろいろいじって遊んでいます。

 電池の持ちはなかなか良くて,これならエネループでも十分実戦に使えそうな感触です。ただ,小さすぎて持つのに慣れていないせいか,手ぶれが多く出る傾向にあります。MEsuperで手ぶれを連発した(一方でミノルタのXEではびっくりするほど手ぶれが少ない)のと,状況は似ているように思います。

 さて,未だにはっきりしないのは,測光関係です。説明書には簡単に書いてあるので,すぐにマスターできるかなと思ったのですが,一筋縄にはいきません。これは,私はKマウントのレンズに詳しくないということも影響していると思います。

 今さらですが,まとめると,

・AFレンズ
 フル機能使用可能。

・Aレンズ
 AFを除くフル機能使用可能。ただし絞り環をA位置からずらすとMレンズと同じ扱いとなる。

・Mレンズ
 Avモードでは絞りが開放でしか使えない,MモードではAE-Lボタンで絞り込み測光が行われ適性露出が得られるシャッター速度がセットされる。

・M42レンズ
 基本的にはMレンズと同じ。しかしA/Mレバーを持つレンズでマニュアルモードにセットすると,常時絞り込まれるのでAvモードが実用的に使える。

 という感じになります。

 本当にそうなるのか?と試していくのですが,結果がなかなか思ったようにならず,それで悩んでしまうことが多いです。

 まず,AFレンズです。AFレンズはどのレンズでも適性露出が得られますし,使い勝手もよいので,結局istDLでは最もマッチするレンズと言えるのですが,それでも絞り環をAからずらしてしまうと途端にMレンズ扱いにされ,後述するように露出の誤差も盛大にでてしまいます。

 Aレンズは,私の場合トキナの28mm/F2.8しか持っていないのですが,これも絞り環をAの位置で使えばほとんど問題はなしです。しかしAからずらすとMレンズの扱いとなってしまいます。

 Mレンズですが,私は持っていません。ただ,AレンズをMレンズとして認識させることは簡単なのでそれで試してみましたが,Avモードでは2段もアンダーになります。2段ですからね,これはもう使い物にならんでしょう。Mモードで絞り込み測光を行うと,適性露出が得られますから,おそらくこれで解決しなさいということなのでしょう。

 調べてみると,初代のistDでも,発売当時はMレンズは開放でしか使えなかったそうで,これが絞り込み測光で使えるようになったのは後のアップデートでだそうです。この時多くのistDユーザーが諸手を挙げて喜んだそうですから,いかに最初から与えられている人間が贅沢になるか,ということでしょう。

 M42レンズはMレンズなどと扱いは同じで,電気的な接続がなされないレンズなのですから当然といえます。ですが,M42のレンズには常時絞られているものがあり,これだとAvモードでも任意の絞りで使えることになります。

 そもそも,カメラのレンズは常に絞られているのが当たり前でした。今でもレンジファインダー用のレンズはそういう仕様になっていますが,一眼レフではファインダーが見にくくなるので,シャッターを切ったときだけ絞られるように進化しました。

 当時これを「オート」と呼んでいて,オートタクマーやオートニッコールなどと,大々的にアピールされました。ペンタックスのタクマーレンズの場合,過去のボディとの互換性を維持するために,「オート」を無効にする「マニュアル」にも切り替え可能なA/Mレバーがついていたのですが,これが21世紀になって便利に使われるようになるとは,誰も想像できなかったでしょう。

 しかし,istDLに限って言えば,せっかくのM42レンズでのAvモードは,2段もアンダーになるので使い物になりません。露出補正を使えばよいかも知れませんが,さらにプラス補正が必要なシーンではもうお手上げになります。

 まあ,どのみち,絞り込んだ状態では,ただでさえ見にくいistDLのファインダーでフォーカスをあわせるのは至難の業です。いちいちA/Mレバーを切り替えるくらいなら,Mモードで使用するのが一番便利です。

 ということで,私の結論は,

・AFレンズ
 フル機能使用可能。一番らくちん。

・Aレンズ
 AFを除くフル機能使用可能。絞り環はAで固定する。

・Mレンズ
 Mモードでしか使用しない。

・M42レンズ
 Mモードでしか使用しない。

 ということでまとまりました。

 次に内蔵ストロボです。

 内蔵ストロボはおまけくらいにしか考えていない人も多いと思いますが,やはりあるとないでは大きな違いがあり,明るい昼間でもちょっと影を消したい時などに重宝します。とはいえ,それも精度のいい調光が出来るのが前提だったりするので,調光精度についてはあらかじめどんな具合か確かめておく必要があります。

 ところがistDL,これは大変に残念な結果に終わりました。

 説明書によると,フル発光になってしまうのはMレンズやM42の時で,AレンズではTTL調光が可能になっているそうです。

 AFレンズではきちんと調光されましたが,少なくともトキナのAレンズでは,F5.6付近でオーバーになり,適性露出が得られたのは開放か,F8あたりだけでした。もしかして調光されていないのでは,と思い絞り環をAからずらしてフル発光させてみましたが,真っ白に白飛びしたのでオーバー気味なF5.6でも一応調光はされているようです。

 M42においても同様の傾向があって,絞り値によって調光の精度が随分とかわります。残念ですが,AFレンズ以外ではストロボの発光量を手動で調整しないと,まともな露出は得られそうにありません。

 例えばですね,これがニコンのD2Hなんかだと,非常に厳密なんです。出来ると書いてあることは,どんな組み合わせでもきちんと期待通りの結果が得られます。逆に出来ないと書いてあることはどう転んでも出来ないようになっているのですが,この辺がプロを相手に商売することが日常的なニコンと,そうでないペンタックスの文化の違いと言えるのかも知れません。

 しかし,納得がいかないのは,本来精度が一番いいはずのTTL調光で,これほど誤差が出てしまうことでしょう。プリ発光まで行って,実際に届いた光から調光を行う仕組みのくせに,絞り値によってこれほど差が出るというのはおかしいです。ひょっとしたら,届いた光を測光しているのではなくて,設定された絞り値だけで調光を行ったりしていたりしないでしょうね・・・(それならレンズの絞り込みの精度に左右されるので納得がいきます)

 ということで,結論としては,内蔵ストロボはAFレンズなら心配なし,それ以外の場合は補正が必要なのでプレビューを見て調整を行うということになりました。

 まあ,これくらいの制約は別に構わないのですが,こういう実験をして積み重ねておかないと実際に使ったときに失敗するので,面倒といわれれば面倒です。ニコンとの比較になりますが,ニコンが結局楽だったのは,機能が豊富であったけれども,説明書にない制約事項を自分で確かめる手間がかからないということだったと思いました。

 結局使い分け,ということになるのかも知れません。ボディが安く買えても,レンズを増やせばトータルコストがかかりますし,ニコンとの二重投資になりますから,基本的には今あるレンズでやっていこうと思っています。その点でもきちんと使い分けをしないといけないですね。

 といいつつ,どうしても欲しかったタムロンの交換マウント「アダプトール2」のKマウントを,オークションで手に入れました。SP90mm/F2.8MACRO(model72B)の出番が減っている昨今,ちょうどこの焦点距離のレンズも持っていないし,マクロレンズとして使うという事でもちょうどいいです。これをなんとかAレンズとして認識できるように改造しようと思っています。

 はてさて,どうなりますことやら・・・

CaptureNXは使えるツールなのか

 昨年の秋だったのですが,Nikon純正のRAW現像ソフト「NikonCapture」の正規ユーザー向けに,次世代の現像ソフト「CaptureNX」への優待販売がありました。

 私もせっかくだからと申し込んだものの,銀塩カメラの修理やらフィルムのスキャンやらで全然触っている時間もなく,今になってようやくじっくり使うようになりました。

 登場から時間を経て,それなりに評価も出そろってきているCaptureNXですが,全体的にネガティブな意見が多いように思います。使い込んだ道具ほど,手放すのが惜しいものです。そんな職人達の感情を逆撫でするような,新しいデジタル一眼への対応が古いNikonCaptureで見送られるという事に対する反発も大なり小なり影響しているように思います。

 ただ,NikonCaptureに比べて重いとか,ツール類のレイアウトが大きく変わったとか,保存時のデフォルトフォルダが毎回リセットされるとか,そういうまっとうな意見もあるので,一概に好みの問題と言えない部分もあるでしょう。

 私は逆に旧世代のNikonCaptureをほとんど触っていません。ですからCaptureNXには自然に入っていけたのですが,その印象はかなりよいです。

(1)コントロールポイント

 Photoshop(自慢じゃないですが私はVer.3.0以来CS2まで毎回アドビ税を払い続けている優良顧客です)にしてもなんにしても,フォトレタッチという作業は結局の所,範囲選択に始まり範囲選択に終わります。

 ところが,この範囲選択という作業にはそれなりのスキルも必要ですし,手間も時間もかかる場合があって,結構緻密で面倒な作業なわけです。

 「魔法の杖」ツールのようにこの作業を半自動化するものもありましたが,それではどうしても狙ったとおりにならないため,投げ縄ツールでコツコツと選択範囲を指定する人も多いと思いますが,現実の暗室作業で行われる範囲選択はもっと簡単で,もっと直感的です。(あたりまえですね)

 CaptureNXのコントロールポイントが素晴らしいのは,デジタル暗室に不可欠だった範囲選択という作業が必要ない,ということです。範囲の選択は自動で行われ,それをユーザーが意識することはほとんどありません。この「自動で行われる」というところに気持ち悪さを覚えるかも知れないと思いましたが,実に良くできています。

 空の色をもう少し青くしたい,顔にもう少し光を当てたい,といった修正は日常的に行われますが,コントロールポイントのうちの1つであるカラーコントロールポイントを使えば,空に,あるいは顔にポイントを置き,明度やコントラスト,彩度をスライダでちょちょっと変更すれば,自分の狙った範囲にだけその効果が現れます。これは実に見事です。

 不自然な結果になるかもしれないとか,意図しない部分にまで効果が及ぶとか,そういう心配もありましたが,やってみるとおおむね自分の思ったとおりになるのは大変助かります。

 少なくとも,空の色を変えたいのに山の色が勝手に変わるというわかりやすいケースではほぼ確実に動作してくれますので,「これくらいわかりきった範囲指定は自動化して欲しいよなあ」と思いながら空をぐるぐると範囲指定していたような人には,作業を簡略化してくれる強力な武器になると思います。

 ブラック/ホワイト/ニュートラルコントロールポイントも,単に明度の最小と最大を指定したり,ホワイトバランスの規準となるグレーを指定するだけのスポイトツールではなく,その点をどの明るさにするのか,という操作が可能なので,思い通りのダイナミックレンジをヒストグラムを見ながら調整することができます。

 赤目の修正も同じようにコントロールポイントで一発。不自然にならないように修正するには範囲選択をうまくしないといけなかったですし,それに集合写真のように数をこなさないといけないケース(一人あたり2つありますからね目玉は)では,非常に楽ちんです。

 CaptureNXの最大の特徴はこのコントロールポイントにあると言えると思います。CaptureNXはRAWだけではなく,JPEGやTIFFも扱えますので,怠け癖のある私などはついつい,JPEGのレタッチにもCaptureNXを使うようになってしまいました。

 単なるRAW現像ソフトから汎用レタッチソフトとして私にとっての位置付けが変わってしまったと言っても良いのですが,考えてみるとこれをニコンが15000円ほどで販売してくれているというのは,とてもありがたいことと言えるかも知れません。


(2)角度の修正

 ついつい画面が傾いた写真を撮ってしまった経験は誰にでもあると思いますが,これを修正する作業はPhotoshopでも簡単に行うことができます。

 同じようなもんだろうと思っていたらCaptureNXはちょっと違っていました。CaptureNXでは,2点を指定し,この点を結ぶ直線が垂直になるように傾きを自動で調整してくれます。

 例えば,電信柱が傾いてしまってみっともない場合,電信柱の上から下にすーっと直線を引くだけで,電信柱がまっすぐに修正されます。目測で「こんなもんかなー」とマウスをぐるぐる回すことはしなくてよいのです。

 ただ,目測が便利な場合もありますね。自動で修正してくれた後の微調整は,角度を打ち込む方法しかないので,修正の結果自分の狙ったとおりにならない場合は,2点を指定し直すか角度を打ち込むしかありません。これはちょっと面倒です。


(3)ノイズ除去

 私のD2Hがノイズまみれの画像を吐き出す(w)とかそういう話は少し置いておいて,フィルムのスキャン画像や携帯電話のカメラで撮影した画像のように,カラーノイズが目立つ場合,これを軽減することがかなり良い感じに出来ます。

 原理的にシャープネスが失われ,階調もつぶれてしまうので塗り絵のような画になりがちですが,CaptureNXではエッジノイズリダクションのようにエッジを潰さないようにノイズを軽減することも可能になっていて,丁寧に調整すればかなり悪い画像でも復活させることができます。


(4)アンシャープマスク

 アンシャープマスクはシャープネスを高めるための古典的な手法ですが,効果が絶大である一方で画質の劣化も大きい,まるで副作用の強い薬のような存在です。

 どのくらいアンシャープマスクをかけるかはなかなか判断が難しく,ここでもセンスが問われるわけですが,CaptureNXでは色を選択してかけるという技が使えます。

 アンシャープをかけたい対象物の色だけにかければ,他の色にはかかりにくくなりますし,対象物への効果も穏やかで,自然にシャープネスが改善されます。

 人の顔の場合は赤だけにアンシャープをかけると,画質の劣化を抑えて,きりっとした顔になってくれます。


(5)白黒変換

 白黒変換って,単純に彩度をゼロにすればよいと思っているとそれは大間違いです。人間の目は緑色の感度が高いので,RGBそれぞれのレベルに重み付けをきちんと行って最終的な明度を決定しないといけません。

 モノクロのフィルムや印画紙でも,どの波長に反応するかで個性があるのは事実ですし,もっと積極的に赤や黄色のフィルターを取り付けてコントラストを調整したりしますので,白黒への変換というのは実に奥が深いのです。

 Photoshopでもこのあたりは結構弱く,さすがにカメラメーカーのソフトだなと感じるのですが,モノクロの写真を表現の1つとして積極的に使っていこうと思う場合,CaptureNXの自由度の高さは非常に魅力的でしょう。


(6)範囲選択

 それでも範囲選択は不可欠な作業ですが,Photoshopなどの場合,投げ縄ツールで範囲選択を行うと,次の作業がその範囲で実行されます。しかしCaptureNXではそうはなりません。

 投げ縄ツールで範囲を選択しても,実際には選択されたことにはなっていません。そのあと「塗りつぶしツール」を使って囲った範囲を塗りつぶすときに,選んだ機能で塗りつぶされるのです。

 その機能がカラー化なら選んだ色で塗りつぶされます。つまり,

  範囲選択->機能選択->塗りつぶし

 という操作によってようやく機能が有効になるのです。

 Photoshopだと,塗りつぶしというのは「色で塗りつぶす」機能のことを言いますが,CaptureNXでは独立した機能ではなく実行コマンドのような扱いになっています。ですから,Photoshopでは範囲選択->機能選択で済んだ処理がもう1ステップ増えるわけです。

 このことに,私は今でもしっくりきませんし,慣れてもいません。範囲選択->明るさの変更という流れで操作しても,全く明るさは変化せず,ここからさらに塗りつぶしを行って初めて,変化が反映されるのです。

 なぜこういう仕組みになったのは,私にはわかりませんが,よくこれでみんな混乱しないものだと思います。

 ただ,この方法にはメリットもあって,塗りつぶしの代わりにグラデーションツールを選ぶと,選択された機能の効き具合がグラデーションにあわせて強弱がついてくれます。

 一方で選択ブラシを使うと選択と機能実行が同時に行われるという自然な流れになっているので,選択ツールとして分類されているものでも,その挙動に違いがあることは非常に不自然だと思います。

 よって塗りつぶしとグラデーションについては,選択ツールに分類するのではなく,機能実行という別の機能として独立させるべきだったのではないかと思います。

 

(7)スタンプツールがない

 CCDについたゴミとかネガの傷やホコリとか,ちょっと修正をしたいと思うことは普通にあることで,そういう場合に使うのがスタンプツールです。

 しかし,信じられないことに,この機能がありません。CaptureNXはそもそも何のためのソフトなのかをよく考えて欲しいなと思います。

 よく知られているように,スポイトツールで色を合わせて,ブラシで塗りつぶせば一応似たようなことは出来ます。しかし色が少しずつ変化する部分に線状に入った傷を消す場合,極端に言えば1ピクセルごとに色を合わせないといけないわけです。

 スタンプツールがあれば,この問題は解決します。やっぱり必要な機能でしょう。

 CaptureNXはPhotoshopと併用しないといけないと言われるのはこのあたりのこともあるのだろうと思います。価格が10倍近くも違うツールですから,出来ることに差があっても当然だとは思いますが,CaptureNXがもう少し高い目標を持ってくれていればなあと,残念です。


 ざっと思いついたところを書いてみると,こんな感じです。私の場合バッチ処理を行うことはほとんどなく,たくさん撮った写真から,良さそうなものを選んで現像していますので,プロのように大量の写真を現像するようなことはしません。バッチ処理に有利なのがNikonCaptureの強みだったというのですが,CaptureNXがどうなったのか,私は試せてはいません。

 15000円という価格でここまで出来るというのはかなりお得だと思います。このソフトを理由に一眼レフをニコンにするというは十分価値があると思いますし,デジカメがニコンでなくても,使ってみる価値はあるのではないでしょうか。

 Photoshopはプロ用のツールで,印刷原稿を仕上げるために不可欠な機能も多く含まれています。そんなものは普通の人には全く必要ありません。多くの方はPhotoshopElementsの方が関係が深いと思いますが,CaptureNXももう少し頑張れば,十分対抗馬になると思うのですが・・・惜しいなあと思います。

CLEのちょっとした改良

 先日の土曜日,久々にCLEを使ってみたのですが,1コマだけシャッター速度が明らかにスローになったことがありました。

 非常に不穏な動きをするので心配になったのですが,露出計が正しい値を示すまでに時間のかかる場合があり,露出計の出力をPICマイコンが読み込むタイミングとずれてしまうと,遅いシャッターが切れてしまう場合がないわけではないのですが,悪いことにその時露出計の指針を見ておらず,どういう状況になっていたのかを明らかにはできません。

 直接の原因ではないと思いますが,念のため電池の電圧を測定してみると,1つあたり1.25Vくらいまで下がってしまっています。2コで2.5Vですから,PICマイコンの動作範囲には入っています。ただ,電圧がここまで下がると,内部抵抗が上がってソレノイドの駆動など大電流が引かれたときに,電圧ががくんと下がってしまうことは十分に考えられます。

 なら,新しい電池に交換するなり,酸化銀電池をつかうなりすればよいと思うのですが,実は露出計の電源電圧が,余り高すぎてはまずいようなのです。

 現状では,電池の電圧がそのまま露出計のICの電源端子にかかるようになっています。電池が新しいときと古いときで,特に低輝度で,測光値が表示されるようになるまでの時間が明らかに違っています。電圧が高い方が時間がかかっているようで,新品の電池を入れると1秒くらい測光値を示してくれません。

 電源電圧が低くなるとレスポンスも良くなるので,そこから想像するに,この露出計は電池の電圧よりもずっと低い電源電圧で動作するように設計されているのだと思います。

 で3すから,本来なら高性能な酸化銀電池を使いたいところではありますが,そのためには露出計に加わる電圧を下げる必要があります。もし無理に高い電圧で使い続けると,ストレスによりじわじわとICが破損してしまい,取り返しのつかない事が起こってしまうでしょう。

 そこでちゃちゃっと考えたのが,露出計の電源供給ラインにダイオードを入れることです。シリコンダイオードは電圧降下が0.7Vほどありますから,1.55Vの酸化銀電池を2つ使ったケースでは,露出計にかかる電圧を2.4Vまで下げることが出来ます。

 電池電圧が下がった場合に問題が出そうな気もしますが,酸化銀電池は電圧の変動が小さいため,あまり心配しなくても良いような気がします。

 もう1つ心配なのは,2.4Vで動く露出計と,3.1Vで動くPICマイコンとの接続に関しての問題です。もし,PICマイコンから露出計に対してなにか信号を出すようなことをやっていると,露出計の電源電圧以上の信号を加えることになるので,露出計が壊れてしまいます。

 冷静に考えてみると,PICマイコンが露出計から信号を受けるケースはあっても,その逆のケースはなさそうです。よってこの点も大丈夫。

 早速試してみましたが,とりあえず問題はなさそうです。露出計にかかっている電圧は確実に下がっているはずなのですが,測光値が出てくる時間があまり改善されていないような気がしますが,それでも確実にICの保護にはなっているでしょう。

 もう少し調べてみる必要はありますが,これでようやく酸化銀電池で駆動できるCLEになりました。さらに安定した機体になってくれることを期待したいと思います。

MEsuperのコマ間隔の問題

 少し前に書きましたが,MEsuperのコマ間隔が不揃いで,重なってしまうこともあったりするという問題は,分解掃除を行ってとりあえず大丈夫そうな感じになっていました。

 その後,実際にフィルムを通してみたのですが,きちんと直っておりました。びしっと綺麗に揃っているとまではいきませんでしたが,ほぼ揃った間隔で最後まで撮り切れていますし,無論重なってしまったりするという事故も起きていません。

 操作もなめらかになり,やっぱり面倒でもやってみるもんだなあとつくづく思いました。

 しかしこのMEsuper,こないだも書きましたが,ありとあらゆる部分に問題を抱えていました。実は先日も,開放測光用の連動環が油で固着しかかっていて,回転しづらくなっていました。

 これを分解掃除するには,なんとまあミラーボックスを前板から外さないといけなくて,そのためにはかなり深い部分まで分解する必要が出てきます。

 私の整備の基本は,触らなくていい部分は触らない,ですので,ついでだからやっておこう,という「良い心がけ」は,かえって失敗の原因になると避けるようにしています。

 今回はそれが裏目に出て,何度も何度も分解する羽目に陥っているわけですが,分解の回数が増えるほど,壊れていない部分が壊れてしまったりするので気を遣います。

 このMEsuperの場合,何度も分解したことで,気が付くとどこかのリード線が切れていたとか,真っ青になるような事故も度々あって,随分と気をもみました。

 開放測光用の連動環は分解が面倒だったし危険だったので,ベンジンで古い油を溶かし,隙間からティッシュペーパーを差し込んで吸い出しました。

 古い油を取り去って,ベンジンで薄めた油を差して,ようやくスムーズな動作を得ることが出来ました。

 そんなわけで,とりあえずMEsuperについても,もうやることは全部やったなあという感じです。これまでテストしてなかった1/2秒や1/4秒なども問題ないことがわかりましたし,実用機として活躍できそうです。

 ただ,昨日も書きましたが,どうも無理をしているというフィーリングが,ものすごく心地よさを削ぐのですね。撮影していてもあまり楽しくないのです。同じFA43mmでも,MZ-10を使った方が楽しく撮影でき,不思議なことにそれは結果にも出てきます。

 MEsuperは今でも人気のある機種の1つですが,本当のところ,なにが評価されてこんなに人気があるのか,はかりかねています。

 まあ,この個体があまりに程度の悪いものであることは自明であって,本当のMEsuperはこんな悪い感触ではないのかもしれません。そのあたりは謎のままです。

丸ポチ

 ある知人の方からミノルタXEの故障品を譲っていただき,これを修理したことは昨年ここにも書きました。その後,レンズも何本か譲っていただき,一通りの撮影にも対応できるほど充実したのですが,実際に使ってみると,その無骨さからは想像もできないほど,XEとロッコールレンズの良さに唸らされることが多いです。

 例えば,同じフィルム,同じ条件,同じ画角で同じ被写体を撮影しても,全然結果が違うんですね。当たり前のことに今更驚いている私も大した問題なのですが,その傾向というのが,やはりよく言われているとおりだから,先人達の追体験をしているという感慨深さに,思わずため息が漏れるわけです。

 ロッコールレンズの良さは,やはり色のノリ。不自然な着色ではなく,青は青,赤は赤と,実にはっとする色を見せてくれるのです。XEはXEで,実に操作系がなめらかですし,大ぶりなボディがかえってしっかりとしたホールド感を生み,スローシャッターでも全然ぶれません。MEスーパーには悪いですが,MEスーパーは持ちにくい上に手ぶれしやすく,まるで強いバネを無理矢理圧縮し,急激に弾かせたような強引さがあり,手に残る感触の後味の悪さに,どうも気分が削がれるんですね。こんなに感触が悪いとは思ってませんでした。

 XEはその辺実に素晴らしく,全体的にゆとりがあります。露出もCLCの良さを再発見したりして,当時の評判の良さを,やはり追体験しているといった塩梅です。

 まあそれで,せっかく頂いたロッコールレンズを,よりよい状態にレストアしようということで,丸ポチを復活させるプロジェクトです。

 丸ポチなどとふざけた言い方してますが,要するにレンズを取り付ける際の,マーキングです。私はどんなカメラでもこのマーキングを律儀に見て取り付けていますので,これがないレンズは結構困ります。

 手にしたレンズのうち,MC-Rokkor28mm/F3.5と,MC-Rokkor50mm/F1.7の丸ポチが外れてなくなっており,MD-Rokkor50mm/F1.4についてはきちんとついていました。

 大きさを測ってみると,直径3mmですね。まち針の頭を半分に切って使おうかとも考えましたが,残念なことに手元にはありません。

 ないものは作る。

 まず,なにかと出番の多い「型想い」を茹でます。柔らかくなったところで,直径3mmのLEDを2つ突き刺します。

ファイル 91-1.jpg

 冷えるのを待ち,LEDを抜き取ります。そして,これもなにかと出番の多いプラリペアを流し込みます。

ファイル 91-2.jpg

 気温が低いせいもあり,硬化までに結構な時間がかかりましたが,無事にかたまった後,型から取り出します。

ファイル 91-3.jpg

 いやー,型想いとプラリペアでこういう小物を複製すると,あまりのリアリティについつい笑ってしまいます。半透明のLEDそのものです。

 それで,これをカッターで切断,適当に削って大きさを合わせ,近い色で塗装してからゴム系の接着剤でレンズに貼り付けます。

ファイル 91-4.jpg

 どうですか,遠目に見たら,ばれないでしょ。

 色は近似色を探したところ,グリーンマックスの鉄道カラー「京急バーミリオン」が最適と判明。半光沢であるところもポイントです。余談ですが鉄道カラーには,カメラの補修に使えるいろが結構揃っています。湘南色のオレンジなど,レンズやボディのオレンジにはもってこいです。

 ということで,この丸ポチの効果は絶大です。今までおろおろしていたSRマウントのレンズ交換が,びしっと決まるようになりました。見た目のアクセントとしても非常に重要な部品だっただけに,復元して良かったなあと。

 え,なぜMD-Rokkorから丸ポチを外し,これを原型に型を取らなかったのか?ですか。それは簡単です。MD-Rokkorから丸ポチを外す事が出来なかったから,です。

 しかし,それにしても,絞りリングとピントリングの向きが逆というのは,どうしても体が受け付けません。これだけが本当に惜しいです。

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