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カテゴリー「カメラに関する濃いはなし」の検索結果は以下のとおりです。

Rollei35LEDに手を出す

 先日修理が終わって手に馴染んできたRollei35。とてもいいカメラで,なんとなく手元に置いておきたくなり,ついつい手に取ってしまうという,持っていることが重要という私にとって初めての種類のカメラです。

 もっとも,実用機としても申し分ない性能を持っているカメラではありますが,唯一の難点が重いことです。(私の個体は私の修理が下手くそだったせいで,使うのに気を遣ってしまうのも難点ではあります)

 カメラとしての質感を高め,持っていること,手に取っていることの意味を深めているのが,この大きさと重さから来る密度感だと思うのですが,これを鞄に入れて持ち歩いてみると,肩にずっしりくること,鞄の底が下がる事で,このカメラの重さを実感します。

 小さな高級機としてはこれがむしろ好ましいのでしょうが,持ち歩くにはやっぱり厳しいなあと思います。(それに両手操作が必要というのもやや面倒ですわな)

 で,このRollei35を買うときに,別のお店で手に取ったRollei35LEDの軽さを思い出したわけです。この時,Rollei35LEDの驚くような軽さとスローシャッターがないこと,そしてTriotar(なんのことはないトリプレットです)という単純なレンズが,すべてコストダウンや低級化のためだと思った私は,馬鹿にしてお店を後にしたのでした。

 浅はかな考えである事を知ったのは,Rollei35をじっくり触ってからです。

 軽いことは持ち運びにとても便利で,モバイル機器において絶対的な正義です。Rollei35の場合,主さの原因が特にボディがダイキャストで作られているので,耐久性や精度に優れているというメリットはありますが,登場から40年を経たRollei35LEDがプラスチックで出来ていることがデメリットになっているという話は耳にしません。

 スローシャッターも実際には使うことはありません。1/15秒では手ぶれが大きいので手持ちでは使えません。セルフタイマーがないので机において撮影という手法は使えませんし,カメラが小さいのに三脚を持ち歩くなんて考えられないでしょう。

 結局,1/2秒や1/4秒なんて使えないです。なら,1/30秒までのRollei35LEDは十分なスペックを持っていると言えるでしょう。

 レンズについても勉強不足でした。世界初の実用的な写真用レンズとして歴史に名を残すトリプレットを,私はよく知りもしないで性能に妥協をした安物と考えていたところがあったのですが,特にRollei35シリーズのTriotarにはファンが多く,とてもシャープで抜けのいい描写をすると定評があります。それでいて40mm/F3.5と,上位機種のTessarと同じスペックなんですから,なにも文句はありません。ああ,むしろ使ってみたい・・・

 Rollei35LEDは,さらに露出をファインダーで確認出来るという実用上大変うれしい仕組みがあります。同じ外光式ではありますが,Rollei35の露出計は上面にメーターがあります。これ,なにが面倒といって縦位置で撮るときにすごく面倒です。

 ですがRollei35LEDはLEDでファインダーの中に表示されます。適正値からどれくらい外れているかわかりにくいという欠点はあるものの,そもそも1段くらいのズレがある外光式なら問題はないですし,縦位置だろうが横位置だろうがファインダーに表示があれば全く問題になりません。

 受光素子もSPDです。Rollei35がCdSなので,その性能差は歴然です。SPDを壊れやすいと避ける向きもありますが,交換部品がないから修理を断る業者が多いだけの話であって,個人的にはCdSよりもずっと寿命が長い部品だと思っています。

 また,ICを使っているから修理不能というのもおかしな理屈で,このICは汎用OP-AMPで,定番のLM324です。どんな部品屋さんにも在庫があるし,もちろん今でも生産されている現役のICです。カスタム品じゃありません。

 抵抗もコンデンサもダイオードもトランジスタもディスクリートで,小さい基板には大きな部品がひしめき合っていて,とても複雑に見えます。確かにこの基板で故障箇所を探し出すのは骨が折れますが,それでもすべてが汎用品を使っているこの回路は,必ず修理が可能です。

 シャッターボタンの半押しで電源がONになるのもRollei35にはない望ましい仕組みですし,そこはやっぱり1970年代後半のカメラなんだなあと思います。

 絞りやシャッタースピードのダイアルがレンズ鏡筒にあることも使い勝手としては良いでしょうし,おかげで前板もすっきりです。

 ・・・とまあ,いうわけで,Rollei35LEDが欲しくなりました。実用機として普段使いとして,持ち歩きが楽で速写に適しているRollei35が欲しいのです。

 しかし,もともと廉価版ですし,プラスチックが多用されたカメラは折れたり割れてしまえばもうおしまいです。あまりお金はかけられません。幸い,Rollei35のレストアである程度経験値を稼いだ私は,Rollei35LEDの修理も楽しんでみたいとも思っています。

 で,棒オークションで落札。完全な不動品です。3200円。不動品にしては高いなあと思いますが,まあRollei35シリーズは部品取りとしても人気ですので,仕方がありません・

 台風の中2日遅れで届いたRollei35LEDは,想像以上に程度が悪く,私は落胆しました。修理を始めるにあたり,現状を詳しく見ていきます。

(1)シャッター
 シャッターは閉じなくなっているという説明がありました。確かにその通りですが,厳密には一度閉じたシャッターが勝手に半開きになっていたりするという感じです。これはシャッターを閉じるためのスプリングの破断が疑われます。

(2)レンズ
 レンズは前玉が激しく傷だらけでした。商品説明の写真では写ってなかったので,うまくごまかされたということでしょう。レンズの傷は自分ではどうにも修理出来ないですから,これはもうこのままいくしかないのですが,それだけに悔しいです。

(3)ヘリコイド
 いうまでもなく,グリスが抜けてスカスカです。

(4)絞り
 絞りはこのカメラでは最も調子のよいものと言えて,スムーズで綺麗に開閉します。ただし絞りリングは引っかかりがあります。

(5)シャッタースピード
 シャッタースピードダイアルはとにかく固くて回りにくいのですが,シャッタースピードはそれなりに出ているような音がしています。

(6)露出計
 電池を入れればLEDは点灯します。しかし明るさにも絞りやシャッタースピード,ISO感度にも返納せず反応せず,どうやら壊れているようです。

(7)ファインダー

 ファインダーは確かにクモリ気味ですっきり見える,と言うものでもないのですが,もっと傷やクモリ,カビがあると思っていたので,これはいい意味で期待以上でした。それでも見やすいわけではありません。つくづく思うのは,ファインダーの見栄えというのは,写真を撮るモチベーションを大きく左右するものだなあということです。

(7)全体に

 張り皮は剥がれ一部破れています。ぶつけたような傷はありませんし,ビスが抜けてなくなっている箇所もありません。巻き上げも出来ますし,沈胴も引っかかりが大きいですが,一応可能です。

 ただ,とても汚いのと,分解痕があちこちにあります。潰れたネジや失敗した時の傷など,見るに堪えないものがあります。

(8)付属品

 純正のキャップと純正のストラップが付属していました。個人的にはこれだけで3200円のうち半分くらいは取り戻した気分です。


 ということで,少し前ならジャンクワゴンに投げ込まれていそうな,完全なゴミなのですが,腐ってもRolleiです。この3200円がそのままゴミになるのか,それとも大きな価値を生むのかは,私の頑張り次第です。

 

Rollei35をもっと仕上げる

 Rollei35,なかなか落ち着きません。

 先週末も問題点を確認,対策です。

(1)絞り開放でのロック不良

 Rollei35は本体右側にある絞りのダイアルにロックがかかるようになっていて,回転させるときはダイアル下にあるレバーを押し上げてから行うようになっています。

 個人的には,ここはシャッタースピードのダイアルと同じくクリックストップの方がいいなあと思い続けていますが,思想的に絞りよりシャッタースピードを動かしやすくすることで,露出は絞りを固定してシャッタースピードで調整して下さい,という設計者からのメッセージと受け取って,体を慣らすことにしています。

 些細なことですが,完全マニュアルの一眼レフで育った私は,ファインダーを覗いたままで手が届く絞りを動かす事が多く,シャッタースピードはあまり動かさずにいました。

 だから,AEも必然的に絞り優先を使うようになります。いつものように絞りを動かせば,右手をわざわざ動かすことなくシャッタースピードを勝手に適正値に調整してくれるのですから,なんと便利なことか。

 シャッタースピードは自分で動かさない,という横着が染みついた体を,むしろ積極的に動かして下さいといういわれるのは,柔軟体操でヒーヒーいうのに近い苦行でもありますが,それをいうなら巻き上げレバーが左にあることが先に問題視されねばなりません。まあ,こういうのはどうにかなるという良い例です。

 話が飛びましたが,先日,ロックレバーを押し上げて絞りダイアルをぐるっとまわし,絞りを開放してからレバーから指を離したのですが,ダイアルがF3.5よりもさらに回って止まっており,少しだけ戻すと「かちっ」とロックがかかることがわかりました。

 他の絞りではこういうことは起きていませんし,別に実害はないのですが,もしかすると絞りの調整位置がずれていて,絞りが開放となる目一杯回しきったところから少し閉じた位置にロック位置がきているのかも知れません。

 そうなると,F3.5出固定した場所では,絞りは開ききっていないことになります。そういえば,心なしか開放でも絞り羽根が見えているような・・・

 なんか気持ち悪いです。


(2)F22で沈胴させるとさらに絞りが小さくなる

 Rollei35は沈胴時に絞りが最小になるのですが,F22に絞りきっても,沈胴の時にさらに絞りが小さくなることがありました。これ,F22のダイアル位置でもF22に絞り切れていない可能性があります。

 で,F22にダイアルをセットして沈胴して,さらに絞りは小さくなるわけですが,面白い事にここから鏡筒を伸ばしても絞りは広がらないのです。沈胴の前と後で,F22の絞りの大きさが異なるというのは,さすがに看過できません。


 (1)と(2)は,これまであまり気にしてなかった絞りに関する問題です。

 シャッター速度と露出計に気を取られて,絞りはとりあえず動くという事で疑ってかからなかったのですが,まさかの問題発覚です。

 まあ,これを機会にちゃんと見とけよという,神の啓示でしょう。

 以前から気になっていたのですが,どうも絞り羽根の組み方が違っているような気がしていました。ちゃんと絞られているし,サービスマニュアルをよく見て組み立てた絞りですから,これでいいんだと強がっていましたが,私のような絞りは他に見当たりません。それに,私の絞りはあまり美しくないです。

 なので,もう一度WEBでRollei35の写真を集め,絞りの組み立ての状態を確認してみることにしました。

 するとどうも,私の組み立て方がおかしいようです。サービスマニュアルと比べて見ると,サービスマニュアルと私の組み立て方が一致しているように思うのですが,現実にこれだけ違っていると見せつけられれば,サービスマニュアルが間違っているのかも知れません。

 どっちにしても,一度分解です。

 シャッターは,せっかく速度がきちんと出ているのですから分解はしたくありません。そこでマスキングテープで鏡筒を固定して,シャッターがバラバラにならないようにして分解します。といっても,前回レンズ内のホコリを掃除したときと同じです。

 で,絞りを分解して羽根を改めてベンジンで清掃し,組み立ててみます。

 で,どうも私が組み立てミスをしていたことに気が付きました。確かにサービスマニュアルと同じように組んでいるのですが,それはあくまで重なる順番についてです。絞り羽根の向き(左に開くか右に開くか)については,過去の経験から間違えればちゃんと開かなくなると思い込んでいて,開いた以上は正しいのだろうと思い込んでいました。

 しかし,Rollei35では,絞りは左に開くようにも右に開くようにも,組めてしまえるんですね,サービスマニュアルは,わかりにくいですが正しい向きで記載されています。油断しました。

 で,開く方向が逆なので,重なる順番をサービスマニュアルの通りにしても,見た目におかしいことになります。それに,どうもバックラッシュが大きく,開くときの摩擦が大きくて絞り羽根がちょっと歪んでから開いてしまいます。

 ということで,あまりサービスマニュアルにこだわることなく,綺麗に動くことを目標にして絞りを組み立てなおしました。幸い,WEBで見る絞りの状態と同じになり,やっぱりこれが正しかったんだなあと思った次第。

 これで(2)の問題(最小絞りが絞りきれない)問題も解決するかなと期待したのですが,改善は見られつつも残念ながらそうはいかず,相変わらず沈胴の時に絞りがさらに小さくなる現状が見られます。

 サービスマニュアルをもう一度読み込んでみますが,絞りの調整についてはダイアルを開放にしたときに絞りが完全に開ききるように,レバーを曲げて調整せよ,とあるだけです。こうすると絞りは閉じきるはずということです。

 ということで,レバーを曲げて調整をしてみますが,最小絞りが沈胴の時に変化しないようにすると,解放時に少し羽根が見えてしまいます。

 ここはもう微妙な調整だと腹をくくって,最小絞りが変化しないギリギリのところで調整をしました。解放時にほんの少しだけ羽根が見えてしまいますが,もともとF3.5と明るいわけではないですし,完全に開放することの意味もあまりないように思いますから,これでいいことにします。パンフォーカスでの運用が多いことを考慮すると,むしろF22がきちんと絞り込まれることの方が重要です。

 絞りもスムーズに,かつ美しい形で動くようになりました。絞りはレンズの象徴ですね,本当に。


 で,今度は(1)です。

 これは,ロックをかけるためにあるレバーにある山が,カムに切ってあるギザギザの山に乗り上げてしまい,谷にストンと落ちてロックがかかという正常な動きをしないことがわかりました。

 思い当たる節があります。ISO感度の調整つまみがどうにも固くて,指でつまんで無理に回したとき,ゴリゴリと絞りのロックが外れてダイアルが回ってしまったのです。

 以後,ロックをしていても力を入れればダイアルが回るようになってしまったのでした。

 これでカムの山を潰してしまったのでしょう。潰したところにレバー側の山が乗っかってしまうようになったのが原因です。

 とりあえずF3.5で固定される時に,レバー側の山が滑るべきカム側の山をさがし,ここの潰れた山を紙やすりで削ってとがらせます。暫定的に組み立てると,完全ではないものの随分改善します。これは脈ありです。

 さらに削って山をとがらせていきます。なんどか仮組みと加工を繰り返して,山に乗り上げることなく,回しきってからロックレバーを離すと自然にF3.5でロックがかかるようになってくれました。これで元の使い心地に戻ります。

 ただ,山を削ったので,かなりロックが弱くなっています。ちょっと力を入れると回ってしまうで,強めのクリックストップみたいな感じです。それだけ山が潰れやすくなっているということですから,注意して使わないといけないです。

 うーん,かなり神経質なカメラになってきているのですが,仕方がありません。

 最後にシャッタースピードを全速出ている事を確認して終了。だいぶ慣れてきたとはいえ,分解する度にどこか壊しています。

 そしてテスト撮影,1本撮り終えてフィルムを撮りだして後玉を見ると,油のシミがあります・・・

 もしかすると,巻き上げの時のロック解除レバーにグリスを付けすぎたのかも知れません。あわててガイドレールを分解して,染み出した油を確認します。

 しかし,幸い油の滲みはありません。この油は他から飛んできたものです。

 とすると,シャッターの駆動レバーの可能性が高いです。とはいえ,目視でグリスがコッテリという事はありませんし,現在これでシャッタースピードが出ているので,あまりいじりたくありません。とりあえず油を拭き取ってから空シャッターを50回ほど切って,油が飛んでいないことを確認してから様子見とします。

 ということで,今度こそ修理完了。残念な事は,絞りを再度組み立てたときに,若干のホコリが侵入したようで,以前のような綺麗な状態にはなっていません。それと中央のカビのような点が目立つようになってきていて,これも本当にカビならまずいことになりそうです。

 手に平にすっぽりと収まる感じが,大きすぎず小さすぎずで好ましいRollei35を,私はとりあえず手元に置いておく癖が付いてしまいました。大きな一眼レフではこうはいきませんし,電動化された新しいコンパクトカメラもちょっと違います。デジカメに至っては全然違うとしか言いようがありません。

 このコンディションの悪さからいって,いつまで動いてくれるかわからない不安はありますし,値段も修理にかかった時間も決して褒められたものではないのですが,これもまあ縁あって私の所にきてくれましたし,個性も使い勝手も独自のものがありますから,割に頻繁に連れ出すことになるんじゃないかと思います。

 

Rollei35をさらに仕上げる

 Rollei35,その後です。

 このRollei35は修理が難しかっただけに,これ以上は壊すからと手を引いた箇所もあるのですが,それらはことごとく使用時に気になって引っかかってしまい,結局修理を試みることになってしまいます。

(1)レンズのホコリ

 テッサーですから2群と3群の間に絞りとシャッターがあるわけですが,2群の手前側に多量のホコリが入り込んでいました。

 レンズの組み立て順として,まず絞りを組み立て,この上に2群を重ね,裏返してから絞りの裏側にシャッターを組み込んで,最後に3群を重ねます。

 シャッターを組み立てる時にはすでに絞りが閉じてしまっているので,2群と絞りの間に入り込んだホコリを吹き飛ばせないのです。絞りが閉じているのだからホコリの侵入もないだろうと思っていたのですが,甘かった。信じられないくらいにホコリが入り込んでいます。さすがにこれだけ入っていると,写りにも影響があるのではないでしょうか。

 ところが,ここを拭き掃除するには,レンズを本体から外し,3群とシャッターを外し,2群を露出させて拭き掃除してから絞りを組み立て・・・とほとんど全バラシに近いところまで分解しなければなりません。

 せっかくシャッターの調整が終わり,特に「出たとこ勝負」の1/500秒が2msで揃っている現状は,おそらく次の分解と組み立ててで簡単に破綻してしまうでしょう。

 ボケボケだか動いているカメラと,動かなくなったカメラ,どちらに価値があるかと言えば,そりゃ前者でしょう。そう思って,もうホコリは見なかったことにしていたのです。

 でも,現像から上がってきた画像がどうも眠たく,フレアがでることもこの多量のホコリの可能性があると思った時に,これはカメラとして基本機能を欠損していると思ったのです。

 なんとかホコリを取る方法を考えます。

 シャッターを分解せず,1群からアクセス出来ないか。

 繰り出しのある1群を外し,2群が外れないかと見てみましたが,ダメでした。やはり本体側からしかアクセス出来ないようです。

 そして一晩考えました。

 シャッターと絞りをばらさなければいいのです。なら,シャッターと絞りを組み込んだフレームを,3群のフレームから外さずに2群だけ露出させればいいのではないでしょうか。

 ビスを外せばバラバラになる鏡筒も,分解前にマスキングテープで離れないようにしておけば,ちょっとした作業には耐えられるでしょう。

 そこで,ばらけて欲しくないシャッターと絞りの枠と3群をテープで巻いて,ビスをそっと外します。続けて2群を引っ張ってそっと取り外します。

 なんと,うまくいきました。綺麗に2群が露出しています。

 早速シルボン紙で磨き,ブロワーでホコリを飛ばして綺麗に磨きました。そしてそっと元に戻します。幸い,絞りもシャッターも分解せず,元の通り動作していそうです。

 この勢いで本体に取り付け,シャッター速度を全速確認します。結果,分解前と全く同じ値です。JISの範囲に揃っています。よかった。

 ということで,気になっていたレンズのホコリを取りきることが出来ました。

 ただ,残念な事が1つ。どうしても1つだけ,ホコリが残ってしまいます。おかしい。ゴシゴシ擦っても取れません。

 どうやら,カビのようです。多量のホコリのせいで気が付かなかったのでしょうが,これは残念です。もちろん,シャープペンシルの芯くらいの小さい薄いカビですので,写りにはほとんど影響しないと思います。外側から覗き込んでもわからないくらいですが,それでもやっぱり残念ですよね。


(2)ファインダーのクモリ

 ファインダーのクモリは,購入前に説明を受けています。だから今さら言うのも筋違いではあるのですが,それでもどうにもファインダーが見にくくて,何が原因なんだろうと首をかしげていました。

 でも,ファインダーを対物側から覗き込むと,随分擦り傷があるようです。

 私が擦ったせいかも知れませんし,最初からこうだったのかも知れません。ただわかることは,その擦り傷が接眼側から綿棒を突っ込んでゴシゴシ出来る範囲に限られているということです。

 私は分解して全面を拭き掃除しましたので,もしここで傷が付いたのなら,隅っこにも傷があるはずです。

 まあ,もう誰が犯人かはわかりません。

 銀の蒸着を全部剥がしてしまうことも考えましたが,そんなことをするとフレームが見えなくなってしまいます。さすがにそれはまずいということで,このままにしておきます。

 相変わらずファインダーは見にくいのですが,その原因がはっきりし,かつどうにもならない問題だとわかったので,案外スッキリとあきらめが付きました。

 世の中にはハーフミラーを切り出してあてがったり,ミラーシートを貼り付けたりする強者もいますが,このファインダーの蒸着面はレンズの凹面です。これはもう交換するしかありません。

 まあ,もし完全に壊れたRollei35が安く買えたら,ファインダーの移植をやってもいいかもしれません。

 

 本音を言うと,ちゃんとしたお店でそれなりの価格で購入したのは,お店のサポートを期待した面もありますが,それ以上に,修理に差し障りのないコンディションである事を期待していたからでした。

 相場としても整備品に対し1割ほど安いだけの個体でしたが,これに保証を付けて売っているわけで,万が一修理が必要になるときに,その修理代で大赤字になるようなコンディションではないと私は信じているわけです。

 しかし,ファインダーが接眼レンズ側からゴシゴシ拭いてハーフミラーが擦り傷だらけになっていたり,レンズにカビっぽいものがあったりするというのは,さすがにちょっと騙されたという気分が募ります。これ,単純な分解と調整で解決しない問題ですからね。

 全体的に程度も悪かったようで,調整中に調整箇所が壊れてしまうこともありましたし,巻き上げレバーの飾りネジもポロッと折れてしまいました。これなら1万円台のジャンク品の修理でも同じくらいの苦労をしたんじゃないかと思います。

 最終的にファインダーを除き,カメラとしての基本機能において満足な結果になりましたが,ここまでの道のりは厳しく,それが50年前のカメラなんだから当たり前だよ,と言われて素直に飲み込めるほど,私は経済的に恵まれてはいません。

 そんなRollei35も,苦労しただけに愛着も強く,しっかり手に馴染んできました。フィルムを詰めているせいで空シャッターが切れず,フラストレーションが溜まってしまう毎日です。早く居間の状態でテストを済ませてしまいたいです。

 

Rollei35のテスト結果

 Rollei35のテスト撮影の現像がおわって,結果が返ってきました。

 まず,シャッターと絞りはバッチリです。同じEVで露出とシャッタースピードの組み合わせを変えて撮影した結果も問題なく,すべてのコマで露出が揃っています。

 露出計も概ねあっています。ただし,外光式の露出計ですから「そのあたりの大体の明るさ」はあっていても,被写体そのものをスポットで測定出来るものではありません。だから,窓際の娘を撮影すると,被写体が真っ暗です。

 でもまあ,屋外での撮影はなかなかよい感じで,植木鉢の花などは非常によい結果を残しています。

 この程度の露出計ですから,調整をそんなに厳密に追い込む必要はなくて,もっと大らかに構えて癖を掴んで使っていけばいいんだと,気持ちを切り替えました。

 コマ間も綺麗に揃っています。バラツキもないですし,安定してフィルムが送られています。よかった。

 光漏れによるかぶりもありません。上蓋のネジを一部外して外に持ち出した場合は見事にフィルムの上がかぶっているのですが,きちんと組み立てるとそれもなくなり,今後使う上で心配することはなさそうです。

 無限遠もある程度出ているようです。ただ,絞りを開けて無限遠を撮影出来なかったので,はっきり断言出来ません。「ある程度」というのは,F16やF22まで絞ってパンフォーカスにしても,遠方はちょっとぼけているように見えるからです。

 でもまあ,手前もきりっと焦点を結んでいるわけではないですし,どうにも判断が付きません。

 とまあ,私が修理したところはそれなりにうまくいったわけですが,だからといってRollei35に感激したかというとそんなこともなく,なんとなく期待外れに終わった感じがあります。

 まず,写りがよくない。

 いや,ZeissのTessarですから,本当は悪いはずがありません。しかし,どうも眠いですし,色も載ってきません。実は夏頃にオリンパスPEN EEDで撮影したものも同時に現像に出していたのですが,これがまあ,艶めかしいほどに色がコッテリとのっていて,階調も良く出ているのです。惚れ惚れしました。

 なのに,このTessarは今ひとつです。確かに近距離でフォーカスがばちっと来たカットは,これがコンパクトカメラかと思うような綺麗な線がでているのですが,それでも色が淡泊で,そんなに目を引くこともありません。

 その上,フレアもゴーストも出やすくて,ちょっと強い光が差し込んだらコントラストがざーっと下がってしまいます。それも部分的に下がってしまうので始末が悪いです。

 それに比べて,同じようにテスト撮影がに出していた返ってきたF2とAi45mmF2.8P(これもテッサーです)の,切れ味のよいこと,色の豊かなこと。

 不格好ですが,フードを常用しないといけないと心を入れ替えました。あと,フィルタもやめます。前玉とフィルタまでの距離が結構あいていて,ここでややこしい反射が起きそうな気がしているからです。

 最近のレンズは,解像度,コントラスト,収差の補正も非常に優秀で,コーティングも素晴らしくフレアもゴーストも出にくいです。なのでとてもラフに撮影をしてしまうのですが,同じような気分でこのカメラを振り回してもダメなんだなと,つくづく思いました。


 次に,手ぶれ。手ぶれ補正があること,ISO感度を高めて手ぶれをしない速度にあわせ込むことに慣れた私は,返ってきたカットを見て手ぶれの多さに愕然としました。もうね,1/15秒などは全然ダメになっています。

 ただでさえ小さく手ぶれもしやすいのに,ゴツゴツと持ちにくく,シャッタのストロークも大きなこのカメラは,気を抜くと自分でもはっきりわかるくらい,シャッターボタンを押した時に,カメラが動いています。これじゃだめです。

 それと,ネガに傷がいっぱいついていました。現像時の傷かも知れないですし,指紋がベタベタ付いていたことから私個人はその線を強く疑っていますが,もしかするとカメラが問題なのかも知れません。

 とまあいうわけで,楽しいカメラだし,触っているとうれしくなるのは確かですが,肝心の写りが今ひとつという残念な結果になりました。

 ひょっとするとレンズ内に入り込んだホコリが眠い画像の真因かも知れませんし,フードを使っていないことが問題なのかも知れません。光線の理想的条件が厳しく,簡単にフレアが出ることも問題かもわかりませんし,もうなんとも言えません。


 で,今回フィルムを4本ほど撮影して思ったのですが,露出計の測光範囲から,1/15秒以下を使う事って,ほとんどないのです。

 私はRollei35LEDの購入を迷ったことがありましたが,スローシャッターがないことを理由に買いませんでした。スローシャッター,スローガバナーこそ精密カメラの証と勝手に決め込んでいました。

 そして,高速なシャッターで撮影した時に,非常に良い結果がでています。無理にスローシャッターと搭載せず,手持ちでぶれない範囲の速度にとどめておくという判断でコストダウンをはかったRollei35LEDは,実はとてもよいカメラなんじゃないかと考えを改めました・・・(35LEDが欲しくなってきました)


 さて,フードの常用に向けて,その効果やケラれの有無を調べるため,また2本ほどテストを行っています。この結果によってフード常用の不安が消えますが,本格的な撮影はそのあととなりそうです。

 

Rollei35のヘリコイドグリス

 Rollei35のテストを現在現像に出しているのですが,1つやり残したことがありました。

 ヘリコイドのグリス抜け対策です。

 いや,ヘリコイドグリスが抜けてスカスカになっていることそのものは,すでに対策してあるのです。ただ,その時使ったヘリコイドグリスが#10だったのでどうにも柔らかすぎ,簡単に回りすぎて楽しくないのです。

 せっかくのRolleiなのですから,マニュアルでピントあわせるときの,あのしっとりとした感覚を楽しみたいじゃないですか。

 この#10のヘリコイドグリスは随分昔に買ったものですが,ダブルヘリコイドのレンズにはちょうどよい硬さで,グリスが抜けたタクマーなんかはこれで随分復活してくれたものです。

 しかし,Rollei35のTessarはシングルヘリコイドです。ただネジを切ってあるだけで,しかも回転角が小さいせいでネジの溝に接触している面積が少ないです。だから,こんなに手応えがないのだと思います。

 実のところ,グリスの硬さと回転の重さはやってみるまでわからないもので,これだという正解はありません。ここに好みの問題まで入り込んでくるから始末に負えないです。

 ただ,Rollei35を手に入れたこともそうですし,今後もこうした修理があるかもしれないと考え,高価なのですが,ジャパンホビーツールが用意している#40のヘリコイドグリスを手配しました。

 届いたので早速試してみましょう。

 とはいうものの,先日マーキングをしないで分解し,おかげでオートコリメータを組み上げて無限遠を出す必要に迫られたことを考えると,おいそれと分解出来ません。

 今回はきちんとマーキングを行い,少なくとも現状と同じ位置に無限遠が来るように配慮してから分解です。ただ,このレンズは1周回っても同じ位置のマーキングに合わせる事ができてしまうので,何週目かをわかるようにしておかないと危険です。

 完全に外して,今のグリスを拭き取ってから新しいグリスを入れるかどうか迷ったのですが,#40はそれでも柔らかめということで,#10を混じってしまうことを裂ける目的で,完全に拭き取って入れ替える事にしました。無限遠には注意ですね。

 結果ですが,1時間ほどで元通りに出来ました。これまでよりも随分重くしっとりした感触ではあるのですが,オリジナルが持っている滑らかさではありません。

 もう少し固いグリスの方がいいなあと思ったのですが,新たに買い直すのももったいないし,何度も分解と組み立てを繰り返すと壊れてしまうので,このくらいで妥協するのが良さそうです。

 そんなわけで,近いうちに現像の結果があがってきます。原理的にも修理の手応えとしても,そんなによい結果が得られるとは思っていませんが,もし良いものであったなら,もう少しフィルムをこれに詰め込んで,撮影をしてみたいと思います。

 そうそう,ちょっと失敗談を。

 下ケースの背面,張り皮がちょっと汚いことが気になっていたので,アルコールでゴシゴシ拭き掃除をしました。ところがシボの窪んだところに白い粉が出てこびりつき,見た目はもっと汚くなってしまいました。

 綿棒で窪んだところを拭ってもダメで,これはもうアーマオールしかないと考えて,古いアーマオールのボトルを引っ張り出してきました。

 なにせ10年以上も前に買ったものですから,スプレーは目詰まりして出てきません。スプレーを緩めて直接液体を出して使うのですが,増量キャンペーンの時に買ったので,ボトルの背が余計に高いのです。

 ちょっと手が当たって倒れてしまったときには,白い液体がコポコポ音を立て,カーペットにこぼれて広がっていました。

 あわててティッシュでに拭くのですが,こぼれた量が多いので何度拭いてもきりがありません。
 
 ようやく拭き終わったのですが,ちょうど椅子の下だったので,スリッパを履いて椅子に座ると,こぼれたところを踏んづけています。トイレに行こうと席を立つと,どうもツルツルとすべります。

 そう,アーマオールがスリッパの底に塗りつけられ,そのせいで床が滑るようになってしまったのでした。

 悪いことに,スリッパが滑るようになったというより,床がワックスがけされたように滑るようになっています。そして,私がそのスリッパで歩き回ったところがすべて,ツルツルになってしまいました。

 私自身も途方に暮れましたが,翌日からは家族からのクレームも殺到し始めます。嫁さんは洗面段付近で転びそうになっていますし,娘も「こわい」と言い出しました。

 しかし,対策は簡単ではありません。

 何せ相手はアーマオールです。カーペットに染み込んだものを綺麗に取り除くことなど不可能です。ならば切って捨てるしかありませんが,カーペットの真ん中を切り抜くのも難しいですし,開いた穴をどうするか考えないといけません。(ただしフローリングの床にこびりついたであろうアーマオールを拭き取るにはこの方法しかありません)

 さらにスリッパを捨て,家中を拭き掃除して,ようやく解決です。いやはや途方もありません。

 恐ろしいのは階段に被害が及ぶことです。そしてすでに一部滑りやすくなっています。階段での転倒事故は大けがに繋がります。今のうちになんとかしないとまずいなあと,Rollei35を見ながら思いました。

 

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