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レンズキャップが届きました

 昨日,FA77mmのレンズキャップが届きました。ヤマトのメール便で届きましたので,連絡をしてから割とすぐに発送してくれたんだと思います。

 早速中身を確認してみましたが,全く問題なし。かすり傷1つついていません。

 いやはや,感謝です。

 中身にメモ1枚付いていませんので,電話で話をしたように送り返す必要もないのだと思います。

 早速FA77mmの取り付けて見ましたが,これでようやくスタートラインですね。ただ,せっかく綺麗なレンズキャップが届いたので,これを常用するのももったいないような気もします。落としたりしますし,なくしてもつまらないので,安いプラスチック製のレンズキャップを使おうかと,考え中です。

 ところでFA77mmですが,つくづく素晴らしいですね。写りも人間らしさがあり,見た人に「これはいいなあ」と感じさせますし,質感は撮影者に「もう一枚」と思わせ,レリーズボタンを押させます。

 また,これだけコンパクトであることは予想外のことでした。MEsuperに付けて撮影をしてみましたが,全然違和感もありませんし,取り回しも楽です。K10Dに取り付けたときのバランスも良く,これは格好いいなあと思わせますね。

 しかし,究極的に,このレンズはやはりLXに取り付けたときが一番格好がいい。雑誌の表紙でLXにFA77mmというのを見たことがありますが,これははっきりいってしびれました。

 なかなか時間がなく,外に持ち出すことが少ないのですが,年末年始の帰省で使い倒そうと思います。

FA77mmのレンズキャップの傷

 FA77mmF1.8の,たぐいまれなるその美味を堪能していた私は,突然冷や水を浴びせられました。レンズキャップに付いていた大きな傷を見つけてしまったのです。

 FAリミテッドレンズはレンズキャップもアルミで,内側は布張りの高級感あふれるものです。別売りもされていますが,2500円ほどもしたんじゃないかと思います。このキャップの縁の部分に,長さ1cm程の大きなひっかき傷が見つかりました。

 よくよく見てみると,ひっかき傷の上から塗装されているので,製造の段階で付いた傷でしょう。出荷時の検査で本来なら不良品としてリジェクトされないといけないもののはずです。

 K10Dもそうでしたが,最近のペンタックスはちょっと品質について甘いところがあるようです。他社からのOEMの方が品質がよいなんてことになったら,それはとても恥ずかしいことだと思います。

 レンズそのものには全く問題はなかったのでどうしようかと迷いましたが,やはり新品を買ったのですから,ここは面倒くさがらずきちんと行動することにします。

 まずは,レンズを買ったお店に電話です。

 ちょっとぶっきらぼうな男性が電話にでたのですが,事情を話すと「これは申し訳ございませんでした」と最初に謝って下さいました。お店の人は悪くないので,いえいえとこちらが恐縮してしまいます。

 それでどうしましょうか,と言われたのですが,私としてはどういう選択肢があるのかをまず知りたかったのでそう伝えると,レンズごと一式着払いで送り返して,その後新品を送り直すというのが1つ,もう1つはレンズキャップだけ交換するというものでした。

 別に本体に問題があるわけではありませんし,交換すると手間も時間もかかります。キャップだけで済むなら手元にレンズを置いておけますし,今回はキャップだけの交換でお願いすることにしました。

 キャップも送り返せばよろしいですか,と聞くと,返してもらう必要はなく,そのまま持っていてください,とのことでした。郵便で送るということで,届くまで少々時間がかかるのは別に構いません。

 ここで一度電話をおいたのですが,交換ではなく新しいキャップをお店が私にプレゼントしてくれるというのですから,新品じゃないかもなと思って,また電話しました。同じ方に出て頂いて,それは新品なんですかと聞くと,もちろんですとのお返事。

 ただ,キャップの在庫がないので,在庫のレンズからキャップを外して送るので,裸になってしまいますがいいですか,という気の遣いようです。いやはやまいりました。

 前述の通りキャップは2500円ほどします。これを送ってくれるというんですから,メーカーの不良品の処理をかぶることになるわけです。不良品はお店からメーカーへ送り返すのが普通ですし,今時の通販業者ならそれすらやらず,ユーザーに直接メーカーに問い合わせろで終わることも多いです。

 私が心配することではないでしょうが,レンズキャップが外された在庫のFA77mmは売り物になりません。どれだけの在庫があるのか知りませんが,もともと数の少ないレンズを,ボーナスシーズン&値上げ前の駆け込み需要の旺盛なときに,1つ在庫が減るというのはお店にとって金額以上の損失になるはずです。

 もし,レンズキャップの入荷が遅れたら,レンズそのものも長く売れなくなります。もし私が一式すべてを返品したり,レンズキャップをきちんと返せば,直ちにメーカーに返品ができ,代わりのものが届くか,返金されることでしょう。お店にとっては,これは結構大きな差になるんじゃないかと思うのです。

 ただ,私が一式返品すると,送料だけで往復2000円近くかかります。これをお店で負担するのは確かに損です。キャップだけの交換ならそんなにかからないでしょうが,それでも無料ではありません。郵便でちょちょっと送って済めば,それが一番安くつくのは事実です。

 私もお店にいたことがあるのですが,メーカーや卸との関係が良好だと,本来は一式でないと不良交換出来ないはずでも,とりあえず在庫からお客さんに欠品してたものをさっと渡し,数日中に急いで代わりのもの持ってきてもらえたりします。メーカーの責任で起こった事故を,とにかくお店が早期に解決したわけですから,メーカーもお店にとても感謝してくれます。こうして,お店とメーカーとの間が信頼で結ばれるんですね。

 ただ,そういう信頼を維持して昔ながらの商売をしていたら,安売り店に勝てません。お客の多くは,直接的な価格の安さを重視するようになっているからです。機械的,事務的に商売をすることで販売コストを下げることが当たり前になり,こういう融通がなかなか利かなくなっている傾向のなか,このお店は非常に「トラディショナル」であると言えるでしょう。それでいて売値は安い。これはなかなか出来る事ではないですよ。

 最終的には,お店は額面上の損をしないようになると思いますが,さっき書いたように売れないものを在庫で持つことの損失をある期間背負うことになります。私のような一般顧客に対し,そこまでしてもらえることに,私は非常に感心しました。

 せっかくですので,その新しいキャップが届くことを心待ちにしたいと思います。そして,期待以上のサポートをして下さったお店に,感謝したいと思います。次もここで買うことにしましょう。

 ところで,K10Dについては,シャッターのレリーズ回数を調べて,本当に新品だったのかどうかを確認してみることにしました。調べて見ると,152枚目の写真のレリーズ回数が352ということで,工場出荷の段階で200回ということになります。このくらいのレリーズ回数は普通という事で,このK10Dは新品であると判断しました。

 なんか釈然としないのですが,あれこれやりとりするのも面倒なので,もういいことにしたいと思います。

D2Hこれすなわち試練の道

 先日の連休,私は高校時代から長きにわたって続く親しい友人の結婚式(正確には披露宴ですね)に出席をするため,実家のある大阪に戻っていました。

 誰が言ったか知りませんが,高校時代の友人は一生の友人になるという話を耳にしたのが中学生の頃,当時は半信半疑だった私も,実際に多感な10代の頃に出会って以来,ずっと親しくできていることに,やっぱりその話は本当だったのかもなあと感慨深いものを感じています。

 式が近づいたある日,新郎から突然電話をもらいました。いわく,写真係を頼めないか,と。

 プロがいるんじゃないのか,と話をしましたが,身内の親しい間で写真を撮るというアットホームな感じにしたいということで,私がぱっと思い浮かんだらしいのです。

 もとよりD2Hを動員し,新郎と新婦の何気ない仲むつまじさを切り取れたら,写真立てに入れてプレゼントしようと思っていたところだったので,もちろんokしたわけですが,プレッシャーになったのは5,6人ずつのグループで新郎新婦を囲んで記念写真を撮り,みんなに配る予定だという話です。

 つまり,失敗が許されません。写真そのものの出来は言うまでもなく,写っている人すべて(ということは参加者全員)がある程度の納得をしてもらわないといけないわけで,多少の失敗はいいか,というような気楽な気持ちでは取りかかれません。

 しかし,私の機材はD2Hです。400万画素というケータイ以下の画素数に盛大なカラーノイズ,狭いラチチュード(そういえばラチチュードという言葉を最近見なくなりました)にボロボロのJPEG出力と,まさにじゃじゃ馬。成功には努力と運が必要です。

 ですが,うまく決まったときのD2Hの吐き出す画像の素晴らしさは筆舌に尽くしがたく,RAWからCaptureNX2で丁寧に現像すると,眠っていた豊富な情報が掘り起こされ,画素数以上の解像感が浮かび上がってきます。

 それは切れ味の鋭い刃物のようなシャッター音と,相手を威嚇するかのような攻撃的な大きさと形から,写真を撮る側と撮られる側との間に,決定的な緊張感が生まれる結果であるからかも,知れません。

 ・・・てな話を別の友人にすると,「まあとりあえず,空気読めといわれるな」と,速攻で冷や水を浴びせてくれました。実にありがたい。

 不安は山ほどあります。レンズは無難に18-200VRでいきましょう。暗いレンズですし室内ですからストロボは必須なのですが,あいにくSB-400というしょぼいものしか持っていません。

 SB-800の中古はなかなか見つからず,オークションでも競り負けた私は新品を買うほどの余裕もない現実に絶望しつつ,SB-400でもどうにかなるだろうと根拠のない自信を連れて,当日を迎えることになりました。

 特に打ち合わせもリハーサルもなかったのですが,披露宴が始まって周りを見てみると,一眼レフのデジカメは私以外にもう一人くらい。彼もニコンでした。多くはコンパクトデジカメでしたが,いわゆるNEO一眼という富士フイルムが勝手に呼んでいる高級デジカメもあったりして,さすが晴れ舞台だと思いました。

 それと,やっぱり携帯で撮影する人は皆無でした。あれですかね,携帯で撮るのはもしかして失礼にあたったりするんでしょうかね。

 そんなことはさておき,会場をざっと見てみました。

 会場は,大阪でもよく知られた「太閤園」というところで,なかでも築95年という大変に歴史のある「羽衣の間」というところでした。非常に立派で,和風な結婚式には最高の舞台と言えるのですが・・・私は冷や汗が背中を流れていきました。

 古い建物にありがちですが,天井が非常に高いのです。ストロボのバウンズを行うには,より大きなパワーが必要になりますが,SB-400のような小さなストロボはますます不利になります。

 しかもその天井が木でできていて,反射光が赤くなるのです。試し撮りをすると,盛大に赤かぶりがでています。念のためグレイカードを持ってきておいてよかったです。

 そして致命的だったのは,欄間で一定区画ごとに天井が仕切られており,バウンズさせた光がその区画内でしか広がってくれないのです。つまり被写体と私とが同じ区画にいる必要があり,これは強烈な足かせとなります。

 この段階で逃げ出したくなっていたのですが,加えて全体的に暗く,外光を取り入れる窓もほとんどありません。さらに照明は高い天井から丸い電灯がいくつかぶら下がったもので,もしその電灯が画角に入ると,露出がその「点光源」に引っ張られてどアンダーになるというやっかいな状態です。もちろん白熱光ですので,赤みがかった色になっています。

 他の式で活躍するプロの方を見かけましたが,やはりSB-800クラスの大きなストロボを使っていますね。本格的にやばいです。

 こうなったらバウンズを使わず,直接光で勝負するか,と,ガーゼのディフューザーを輪ゴムで取り付け,ばしっと試し撮り・・・だめです。強烈な影が出てくるのと,色のかぶり具合が複雑になり,後の補正が難しそうです。それに,被写体がまぶしそうな顔をしています。

 ええい,もうストロボなんかやめじゃ,200mmで1/4秒を手ぶれしない(もちろんVR併用です)私の実力で,スローシャッターで撮るぞ,と意気込んだものの,相手は動く人間です。被写体ぶれがひどくて話になりません。

 ISO感度を400に上げるという禁じ手を使い,天井の区画に気を遣いながら,私は公式カメラマンとしての役割を果たすべく,ケーキカットはもちろん,挨拶の皆さんの撮影もなんとか済ませていきました。1段程度アンダーになりますが,これはもう現像の時点でノイズを消しながら増感するという手作業でしのぐしかありません。

 しかも,集合写真では司会の方が仕切ってくれました。私が写真を撮影したという事実は,私の名前と共に記憶されることになりました。もう逃げられません。

 こういう危機的な状況で3時間あまりの披露宴が終わり,私はどっと疲れて帰ってきました。

 まあ,プロじゃありませんし,難しい条件だったんだから仕方がないよ,と自らを慰めつつ,240枚ほどの写真をMacで見て,私は事態の深刻さに恐怖しました。

 やっぱり暗いです。1段持ち上げただけではちょっと足りませんが,すでに1段持ち上げただけで暗部のカラーノイズがワシワシでています。男性の礼服は黒ですので,なおさら目立ちます。

 それにストロボの光がちゃんと回っていません。バウンズを使ったので白飛びはないのですが,シャドウが絶望的です。

 天井の区画に制約を受け,やむなくズームレンズの画角で構図を調整した結果,集合写真でも広角側を多用することになってしまっていて,結構派手な樽型の歪曲収差が出てしまい,端っこの人の顔が真円になっています。これは本当にまずい。

 絞りは開放ですので,シャープさももう一声欲しいところですし,被写界深度も浅めになったせいで,集合写真で後ろの列の人の顔は,本当に眠い感じなっています。

 ストロボの充電時間が間に合わず,D2Hの真骨頂である連写は全く役に立たず,単に相手を威圧しただけに終わりましたし,あくまでストロボを補助光として使うように,高感度設定が実用になるD3か欲しいと,この時ほど思ったことはありません。

 そんなこんなですっかり構図に気を回すゆとりがなく,新郎新婦を囲んだ集合写真では,最前列の大きな花束が半分くらいしか入っておらず,あまりにぞんざいな印象です。他にも頭から角が生えたり,首を横切る線があったり,意味不明な反射光がおでこに入っていたり・・・

 とにかくこれは「素材」なのだと自分に言い聞かせ,CaptureNX2で現像して仕上げていくしかありません。

 しかし,プロは現像なんかやってる時間はありませんし,枚数が膨大ですから,やっぱりJPEGで撮って出しができないと,商売にならないんだなとつくづく感じました。D2Hのように,JPEGが実用にならないカメラは,あくまで趣味のカメラなんだということです。JPEG出しの重要性が身にしみました。

 そうこうしているうちに,別の友人がカシオのコンパクトデジカメで撮った写真をレタッチもせずに送ってくれました。

 ・・・良く撮れてる。

 あかん,これは完全にやばい。というか,最近のコンパクトデジカメは,本当に失敗しないんだなあと,その出来の良さに感心しました。少なくとも,結婚式にD2Hは絶対にやったらダメですね。

 240枚のうち,救いようのないカットが半分,残りの半分はなんとか救出可能ですが,そのうちのほとんどは写真として面白くありません。結局1枚だけ,60点くらいの写真が出てきましたが,実に成功率は0.5%以下という有様です。
 
 済んだことですから仕方がありません。コツコツと現像して,なんとか印刷可能な写真に仕上げて,次に繋がる失敗としたいと思います。新郎新婦ご親族の皆様すみませんでした。

 ということで,末永くお幸せに。

 

オッサンホイホイとしてのモータードライブ

ファイル 204-1.jpg

 先日,半年ぶりくらいに,行きつけの中古カメラ屋を覗きました。価格も上がり気味,そもそも球数が少ないという理由ですっかり遠のいていたのですが,価格も下がり,在庫も増えているという感じで,どうやら銀塩は本当に終焉を迎えてるっぽいですね。

 F100でも3万円台,F4なら1万円台からあったりします。F2でもそんなもんで,もうカメラには資産的価値はないと見た方が良さそうです。(あ,ライカを除きます)

 いつものようにジャンクワゴン,ジャンク箱を見てカビレンズを探します。ここのジャンクはジャンクと言いつつ結構な値段がするので油断なりません。

 M42のレンズがあればと思ったのですが,不思議とここはM42もほとんどありません。

 ジャンク本体もこれといっていいものはありません。うーん,収穫無しかとおもったところ,別の棚にMD-12がいくつか列んでいます。

 MD-12というのはニコンのモータードライブで,FEやFMに始まり,FM3Aまで共通で使えるモータードライブです。つい先日まで新品が買えたロングライフ商品でした。

 モータードライブなんて今時の若者は知らんやろうなあ。80年代の一眼レフカメラは底部にフィルムの巻き上げ機構を別に取り付けないと自動でフィルムを巻き上げてくれない代物でした。,当時のカメラ小僧は爆音させながら連写するのが夢だったのです。80年代の記者会見の音は,まさにあれですね。

 いつしかカメラに内蔵されるようになり,デジタルになった現在はその存在すらなくなりました。バッテリーグリップってありますよね,あんな感じです。

 重いはうるさいはでかいは高いは素人に必要ないはで,あんなものが定番オプションだったことも変な歴史なんですが,何度もいうようにあれが格好良かったんです。そういうものなんです。

 ただ,さすがプロ機とでもいうんでしょうか,F3に専用モータードライブMD-4との組み合わせは秀逸で,デザインの良さ,ホールドの良さ,そして基本性能の高さ,なにより動作音の素晴らしさには,今でもファンが多いです。F3はMD-4とで完成,と暴言を吐く御仁もいらっしゃいますね。ただ,今これを使っていたら,空気読めと怒られるでしょう。

 さてMD-12です。私は少し前,FEのジャンクを買い,これを修理しました。かなり程度が悪く苦労した覚えがあるのですが,せっかくですからモータードライブを付けるのも悪くないと,機会をうかがっていました。

 ただ,そこそこ人気もあるのであんまり安くはなりません。安くても6000円とか7000円とかするので,使わないオプションにはちょっと高いです。でも,モータードライブというのは大きな機械的エネルギーを発生させる装置なので,誤動作するとカメラ本体を壊すかも知れません。あまりいい加減なものを買うのはやばいです。

 そんなわけで,いくつか列んだMD-12を見てみると,3000円から7000円くらいまであります。でも,ぱっとみると3000円の奴が一番程度がよさそうなんですね。

 ワレあり,と書かれています。確かに割れているのは分かりますが割れ筋というレベルです。位置から考えると落としたんでしょうね。

 ただ,剛性もあるし,シリアルナンバーも新しく,使用感も少なく,なぜ安いのかよく分からないのです。

 でも,とりあえず動くならなんでもいいかと,3000円のMD-12を買って帰りました。安いのでそのまま渡されるんだろうと思っていたのですが,「どうぞ」と言ってくれた店員さんの横には,いつの間にかFEが用意され,さくっとテストをしてくれました。余計な会話は全然せず,2年以上も通っていますが全然一見さんの域を出ない私ですが,ひょっとすると覚えてくれているのかも知れません。

 持ち帰って早速FEにくっつけます・・・動きません。

 おかしいなあ,お店では動いていたので,中古によくある相性問題かなあ,と考えたのですが,他にボディもないので確認もできません。

 力尽くでいじっていると,ミラーが上がりっぱなしになって焦りました。裏蓋を外してジャムを解除,なんとか分解せずに復帰です。

 悩んでいても仕方がないので,FEのサービスマニュアルをみます。

 確認方法として,4つある端子のうち,三脚ネジ側の2つが制御用の端子のようです。巻き上げ前はON,巻き上げ中もON,巻き上げ完了でOFFということですが,巻き上げレバーが起き上がっている状態ではどの状態でもOFFです。

 ところが私のFEはこういう挙動を示しません。少なくともMD-12はボディの状態を全く把握できていないようです。

 この端子は巻き上げ機構に連動したリーフスイッチにつながっていますが,このスイッチはボディの底面,電池ケースの横にあり,OFFの時のクリアランスは0.8mmと指定されています。

 このスイッチにアクセスするには前板を外さないといけないのでかなり大がかりな分解が必要です。困った。

 いろいろ考えていると,三脚ネジをはずとちょうどリーフスイッチの一部が見えるようになりました。ここをピンセットで曲げて調整,サービスマニュアル通りの挙動になっていることを確認出来ました。

 どきどきしながらMD-12をとりつけます。

 無事に動きました。何度動かしても問題なし。半押しで露出計を動かすことも,約1分後に電源が切れる動作も完璧です。

 あとは傷にラッカーを塗り補修して完成です。

 しかし,想像以上に音がでかいです。夜中にこれを動かすのは迷惑ですね。

 ということで,久々にお買い得品を買うことが出来ました。中古カメラ屋を巡ると,こういう面白いものが転がっているのでやめられません。

今頃になってアサヒペンタックスSP

ファイル 190-1.jpg

 4,5ヶ月前になるでしょうか,ES2の修理中に落下させ,貴重なメーターを壊してしまったのですが,その時慌ててメーターの代品を確保しようと,なぜかSPをオークションで落札してしまいました。

 考えてみるとSPのメーターはセンターがゼロですからES2には使えません。実家には程度のいいSPが1つありますから,安かったとはいえもったいないことをしたかなあと思っていました。

 届いてみると,傷やぶつけた跡なども少なく綺麗な後期品です。しかしギシギシと音を立てて動くことやプリズムの蒸着剥がれもひどいですし,なによりシャッター幕におかしな塗り物をしてあります。これは相当いい加減です。

 試しにシャッター速度を見てみると,1/500秒以上はかなり怪しいです。

 後期品ですからきちんと手入れをすればまだまだ使えると思ったのですが,よく考えてみると私は純機械式のカメラを修理したことはありません。電気式ならメカがシンプルなのでわかるのですが,露出時間を作る機械であるカメラは,つまり時計と同じ仕組みで動いてるわけで,そんなメカメカなものに私などがかなうはずもありません。

 そんな気持ちでしばらくほったらかしになっていたSPですが,ちょっと手が空いた時に,修理をしてみることにしました。

 改めて見てみますと,幸いなことに露出計は動きます。シャッター幕の交換は必要ですね。プリズムも交換しないとつらい。動きのが渋いので清掃と注油もしないといけないでしょう。

 ということで,早速分解開始です。途中まではES2と同じですのでサクサク進みます。前板を外し,ミラーボックスを外してシャッター幕を観察します。

 交換しようとしている部品取りのES2から外したシャッター幕となんとなく比べてみると,差はないようです。ゴム系の接着剤を使い,位置さえ正確に取り付ければ案外簡単にできそうです。

 しかし,これが甘かった。なにせシャッタードラムの周辺が狭く,接着剤で接着するのに正確な位置が出ないのです。うまくいったと思ったら斜めになっていたり,巻き上げてみると長さが足りなかったりと,何度もやり直す羽目に。そうしているうちに接着剤の厚みでデコボコになり,見るからに「失敗」という感じです。

 意を決して最初から作業をやり直します。周辺の部品も出来るだけ外して作業をやりやすくします。

 先幕と後幕との重なりが少し少ないのが気になるところではありますが,ここからのやり直しはリスクも大きいので,このまま進めましょう。

 スローガバナーはベンジンにどぶ漬けし,引き上げてからベンジンで薄めたオイルを注油します。ミラーボックスにこびりついた古いグリスも拭き取り,新しいグリスを塗ります。その他各部清掃と注油を行い,組み立て直します。

 プリズムも部品取りのES2から,少しましな物に交換します。ある程度組み上がったら幕速を合わせるため,シャッター幕のテンションを調整します。

 幕速を測定器で大体合わせ,あとはいつものようにオシロスコープで確認して調整していきます。1/60秒を合わせると,スロー側はほぼ問題なしの値が出てきました。いい感じです。

 高速側も問題なしです。案外きちんと1/1000秒も出てきます。この頃の機械式カメラは,実質1/750秒くらいでも十分okな範囲です。

 数日かけてテンションが馴染んでから後幕が追いつかないかどうかを確認しましたが,ES2よりも素性がいいですね。全然狂いません。

 次は露出計です。グレイカードを使って合わせるだけですが,これも問題なし。

 綺麗に外側を磨き,貼り皮も掃除し,モルトも交換します。最後のビスを締めて,これで完成。

 空シャッターを切ってみますが,やっぱり少し巻き上げが渋いです。実家のSPは感動するほどスムーズなんですが,これには全然及びません。

 そしてフィルムを通してみます。各シャッター速度を試して見ますが,全速でほぼバラツキ無し。露光ムラもありません。いやー,これだけきちんと揃うとうれしいものです。

 ピントもきちんと出ているようですし,光漏れもありません。SPは露出計との連動機能はありませんから,もうこれで作業は終了です。

 私の手元にある完全な機械式のカメラは,このSPだけです。これだけシンプルな機械で,中身も分かっているというのは,妙な安心感があるものです。

 世間一般では,電気式よりも機械式のカメラの方が値打ちがあるとされ,中古でも人気ですが,それは単純に修理がしやすいかどうかという問題だけではなく,同じカメラという目的に対しても全然別の仕組みで動く「別の物」という意識が潜在的にあるんだろうと思います。

 どっちにしても,ES2が本当にダメになっても,M42の世界から離れなくて済みそうです。
 
 

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