エントリー

カテゴリー「ふと思うこと」の検索結果は以下のとおりです。

新しい家電に囲まれて~その後

 新しい生活を初めて2ヶ月あまり経過しました。

 住む場所も,人数も,それこそ生活パターンも大きく変わってバタバタしていたわけですが,緊急度の高い案件はほぼ片付き,あとは自分達のペースで進めていけばいい状態になりつつあります。

 気候もこれから蒸し暑く過ごしにくい時期になっていくため,体調を崩さずマイペースでいくことが肝要かと。

 ところで,環境に変化に加えて,生活家電の総入れ替えがあり,何をするにも「勝手の違い」に翻弄されておりましたが,それもほぼ慣れてきて,落ち着いてきました。


・洗濯機

 斜めドラム式乾燥洗濯機を買ってみたわけですが,期待以上のこともあれば,期待以下だったこともあります。

 期待以上だったことは水と洗剤の節約と,その割に汚れが良く落ちていることです。9kgの洗濯物を洗うのにスプーンに0.9杯の洗剤で済んでするのですが,以前私が6kgの洗濯機を使ったときでも1杯より少し多いくらいを投入していましたから,洗剤の使用量は半分ちょっとということになるでしょうか。

 それに水の使用量も少なく,あれだけの洗濯をしているのに,水道の使用量は予想よりずっと少ないものになっていました。洗濯というのは水も電気も消費する家事だったわけですが,この洗濯機はランニングコストの低さで洗濯を身近なものにしてくれた気がします。

 汚れの落ちも大したもので,食べこぼしのシミも綺麗に落ちていますし,白いシャツなんかも「綺麗になってるな」と思う白さを実感します。少ない水で濃い洗剤液を作りたたきつける様に洗濯する訳ですから,経済性と洗浄力を両立出来るのも分かる気がします。

 また,一度に洗える洗濯物の量も最大で9kgとそれなりに大きく,週末の洗濯が負担に感じません。

 しかし,乾燥機はちょっと期待はずれかも知れません。どちらかというと,期待が大きすぎたということでしょうか。

 まず,乾燥機が使えるのは説明書によると6kgですが,実際にはおおむね5kgくらいまでで,洗濯のみで可能な9kgの半分ちょっとです。ということは,倍の回数を運転せねばなりません。5kgになって時間も水も半分になるなら倍の回数でもいいのですが,残念ながら5kgだろうが9kgだろうが,それほど時間も水も必要量は変わりません。

 無理に多い洗濯物を乾燥させると,乾きムラが多発し,結局外に吊しておくことになります。それにシワがひどく,アイロンをかけるようなシャツなどは最初から乾燥機を使わないのが賢いです。

 また,乾燥時間がながく,洗濯から乾燥終了までざっと4時間半です。別に付きっきりで見なければならないものでもなく,ほっとけばいいので負担は少ないのですが,迂闊に夕方に仕掛けると仕上がりは夜遅くになります。

 電気代は予想以上に低く,これなら常用できるという印象を持っています。さすがにヒートポンプということでしょう。

 で,結局のところ,最初に9kgくらいの洗濯を行い,次に5kgくらいの洗濯を乾燥までやってしまいます。下着や靴下,タオルなどの小物類は,干すのが大変に面倒臭いわけですが,これらを乾燥まで行うことで,洗濯という家事の労力のうち,面倒で時間のかかる面白くない作業からすっかり解放され,とても楽になりました。

 シャツなんかはハンガーに引っかけて吊すだけですので手間もそんなにかかりませんし,取り込んだ後アイロンをかけますから,どうせすぐに片付けられません。その点でも非常に合理的に処理が出来ます。

 ですので,さすがに万能ということではなく,うまく大容量の洗濯モードと手間のかからない乾燥モードを使い分ける,という形に落ち着いてきました。

 そうそう,nano-eですが,これは実は結構役に立ちます。眉唾というかオカルトな感じがしていたのですが,先日購入した古本がたばこ臭く,気になっていたところ,nano-eを使ってみたところ,少なくとも開いたページの匂いはすっかり消えていました。うまく使うと面白いと思います。


・掃除機

 カーペットの全面採用につき,古い掃除機ではヘトヘトになってしまうことから,回転ブラシと自走機構を備えたヘッドを持つ,カーペット前提の掃除機を急遽買った訳ですが,ポイントは3つで,カーペットの掃除がどれくらい楽になったか,どれくらい綺麗に吸うのか,そしてサイクロンはどうなのよ,です。

 まず,カーペットの掃除がどれだけ楽になったですが,以前に比べたら全然楽ですが,相変わらず重労働であることに違いはないなあという印象です。パワーヘッドですので勝手に前に進んでくれますから,人間はハンドルを持って支えるだけのはずなのですが,さすがにカーペットですので1ストロークではダメで,何度か前後に往復させないといけません。

 結局それが楽にならない理由の1つですし,後ろに戻すときにヘッドの重さがやっぱり負担になります。何度も繰り返していると意地になって,ついつい両手で握りしめ,押さえ込むように動かして汗だくになっていることがあります。これは誤った使用例なのですが,ついついムキになってしまうのは,この家事には不可避のものでしょう。

 綺麗に吸うか,については,特別強烈に吸うという印象はありませんが,不満もありませんので,なんとか合格という所でしょうか。吸引力はそれなりにあり,ゴミをさっと吸い取ってくれますが,やはりカーペットに潜り込んだものを吸い込むのは難しいようで,先日黒いプラスチックの削りカスを吸い込むときに,何度も何度も往復させてようやく吸い込んだのを見て,目に見えないゴミも結構しぶとく残っているんだろうなと思った次第です。

 説明書によると,何度も動かすより,ゆっくり1度だけ動かす方が効果が高いとあります。誠にその通りで,ゆっくり動かす方が綺麗になります。これは間違いありません。そういう使い方をマスターしないと効率的に掃除が出来ないと言うことでしょう。

 最後にサイクロンですが,これはモチベーションを高めるのによいですよ,本当に。真面目に掃除をした後,透明なダストボックスに綿埃が溜まっているのを見ると,少なくともこれだけのゴミがこの部屋に広く薄く存在していて,もし掃除をしないとこのゴミの上で生活していたのだ,と思うと,ちゃんと掃除はしないといけないと気持ちを新たに出来ます。

 国産掃除機のサイクロンなどダメだろう,と私も考えていたきらいがややありましたが,少なくとも私は,吸引力が落ちていったという印象は受けませんでした。それにボタン1つで圧縮されたゴミがぽろっと落ちる仕組みなのでメンテも簡単です。

 ただ,サイクロンで分流できなかったマイクロダストはフィルタに引っかかるのですが,このフィルタの目詰まりが最近気になってきたというのが本音です。電源スイッチをオフにすると「ガラガラガラ」とこのマイクロダストを叩いて落とす機構が動き,一応のメンテフリーを標榜してはいますが,マイクロダストの落ちる量が毎回毎回多量になっていることを見ると,ちょっとやそっとじゃ取り切れないくらい,溜まっているんだろうなあと想像出来ます。

 一度本気で分解掃除をしてみないといけないでしょう。

 欠点と言えば,やっぱり取り回しの悪いデザインでしょう。取っ手が変な位置についていて,しかも普段は隠れているので,ぱっとつかんで動かすときに一瞬手が止まります。これは嫌なものです。

 次にエコモードです。フローリングになったりヘッドの動きが止まったり,宙に浮いた時間が長いときにはモーターの回転数を自動で落とす機能ですが,これが今ひとつお馬鹿さんで,人間が掃除機の癖をつかんでやらないと作業の流れを止められてしまいます。もう一息なんですけどね,惜しいです。

 収納もなんか変です。本体を立てて,フックにパイプを引っかける仕組みなのですが,収納時にヘッドが床にちょうど接する高さでパイプが固定されます。しかし,フックにかけるとき,パイプを上から下に動かす必要があり,この時重みで下を向いたヘッドがそのまま床に引っかかり,つま先立ちのようになってしまいます。

 そのため,本体を立てたまま後ろ方向に数センチ動かす必要があるのですが,立てた状態では車輪は宙に浮いており,引きずらないといけないのです。これははっきりって,どんくさい設計と言わざるをえないでしょう。

 なお,欠点とは言いにくいのですが,特殊なパイプのせいで,電動工具のキリコを回収するためのパイプに接続出来ません。まあ,キリコのようなややこしいものをこの掃除機で吸うと壊れてしまいそうなので,古い掃除機で吸うことにします。


・アイロン

 両方が尖ったコードレススチームアイロンを,これまた急遽買うことになったわけですが,私にとって新規性の高いポイントは3つで,両方が尖っていること,スチームアイロンであること,そしてコードレスであること,です。


 まずなんといっても両方が尖っていることですが,これはもう素晴らしいです。向きをいちいち変えずに,後ろ向きのままでよいというのは,こんなに心地よいものだったのかと驚くばかりです。

 前後にかけられるから2倍の効率というのもありますし,ボタンを避けてかけつつ,返す刀でポケットをかける,といった芸当も可能で,これは本当に楽しいですよ。私で,シャツ1枚を約4分で仕上げられるようになりました。

 スチームアイロンであることについては,これまでの歴代のアイロンが,しょぼいスチームであったことと,そのくせことごとくスチームがすぐに壊れて出なくなったことで,ネガティブなイメージしかありません。

 耐久性についてはまだわかりませんが,少なくともスチームの量はギリギリ合格点です。もう少しあったら楽なんだけど,と思うのですが,これなら霧吹きを併用はなんとか回避できそうというレベルです。

 タンクが取り外せることもなかなか便利なのですが,問題は使用後の水が,このタンクからなかなか向けてくれないことです。水滴が長く残るとカビや水垢の原因になり,不衛生だし壊れる原因にもなります。出来るだけ速やかに乾燥させたいのですが,これがなかなか難しい構造なわけです。

 私の場合,電気ポットに立てかけておいて,ポットのほんのりした熱で2,3日中に乾燥させる技を編み出しましたが,これをしないと1週間は内部が濡れたままです。

 あと,水道水のカルシウム分が結晶化して目詰まりし,スチームが出にくくなることも何度かありました。アイロンをポンポンと叩くと,スチームの穴から粉が出てきます。このあたりの問題は昔から変わっておらず,解決がなされていないのかと正直がっかりしました。

 コードレスであることは全然デメリットを感じません。十分な熱量を持ちますし,コード付きでも動作している時間の半分は,サーモスタットによって非通電状態です。非通電状態でなぜACコードがコンセントにささっている必要があるのか,と考えると,実はコードレスアイロンが実に合理的であることに気が付きます。

 ただし,連続で長時間の使用は出来ず,こまめにスタンドに戻さねばなりませんが,普通の使い方をしていればこれは問題になりません。むしろ,以前のアイロンが垂直にアイロンを立てねばならず,ここで手首をぐいっと不自然に曲げる必要があったことを,専用のスタンドによって克服したことが,いかに快適かを論じるべきです。


・電子レンジ

 電子レンジは,果たして再加熱マシンなのか,それとも積極的な調理器具なのか,という永遠のテーマから逃げるわけにはいかず,その結論は人それぞれ,そして購入価格帯も大きく変わってしまうという,難しい商品です。

 我々は,再加熱マシンと考えていますが,調理器具への進化を始めてから長い時間を経過したことを考え,期待を込めて調理機能をないがしろにしないものを選びました。

 ポイントは,再加熱マシンとしての基本機能と,調理器具としての完成度と可能性です。

 まず再加熱マシンとしては,ほぼ満足です。外形に対して広々とした庫内,ターンテーブルがないことで四角いトレイが引っかからないし高さ方向も広々使える,赤外線センサのおかげで温度をセットすれば後は自動あとは自動でやってくれる,最初の1分ほどだけは高出力で加熱し,ほとんどの場合この時間で希望の温度に達してくれるので時間が大幅に短縮されること,そしてスチーム加熱が素晴らしいことは,期待以上のものがありました。

 いずれも,最も頻度が高く,確実に動いて欲しい再加熱という作業を大きく改善するものです。スチーム加熱のない下位機種でもこれらのメリットは享受できますので,1万円くらいの安い電子レンジを買うのは,もうやめたほうがいいでしょう。

 それでそのスチーム加熱ですが,ヘルシオのような積極的な調理には使えなくとも,豚まんやシウマイなどの再加熱に強みを発揮します。チルドの豚まんを作り立てのように味わうなら,もうこれしかありません。

 オーブンも結構工夫されていて,再加熱にも使われるようになっています。揚げ物の再加熱ではオーブン(グリル)も併用となり,揚げたてのからっとした仕上がりが素晴らしいです。コロッケはもう出来たてを買わなくてもいいです。

 次に調理器具としてですが,これは残念ながら期待はずれです。

 まず,自動メニューが少なく,また応用が利きません。分量の違い,ちょっとした材料の違いでも,確実に失敗します。とんかつが出来るからと言って,レンコンのはさみ揚げはできないのです。

 では手動でやればいいということになりますが,これは各種機能を自分で組み合わせて使う必要があるので,付きっきりで操作しなくてはいけないでしょうし,試行錯誤が必要になるでしょう。

 そんな中で,オーブンレンジの定番メニューであるハンバーグは,実においしく上手に出来ました。でも,他のメニューについては,とにかく火が通らず,まずい以前の問題として,食べ物にならないのです。

 一方,我々が買った機種は,トーストを焼くのに,オーブンレンジ最速の4分しかかかりません。これは偽り無しで,とりあえずちゃんと焼けます。途中で裏返す必要があって,裏返せないピザトーストなどでは裏面が「暖かい食パン」になってしまいますが,一応なんとかトーストというレベルですので,許しましょう。

 ただ,普通にトースターを買った方が,おいしく早く経済的であることは間違いありません。


・テレビ

 42型のプラズマは,未だに大きさに慣れず,強烈な存在感を放っています。うちに遊びに来られた方々も一様に「でかい」といいますので,やっぱり大きいです。

 画質は満足で,もう液晶には戻れません。我々はそんなに部屋の中を明るくしないこともあり,そもそもプラズマが適していたのだと思います。

 HDD付きで録画機能がインテグレートされていることも大変便利です。必ずしも使いやすいかと言われれば違うのですが,タイムシフトという用途に限って言えば放送と録画がシームレスに繋がるので,その自然さになぜ今までこうなってこなかったのかと考えてしまうほどです。

 ただ,そのタイムシフトには物足りないものがあり,例えば放送時間の延長には対応しても,番組変更には対応しなかったり,開始時刻のズレを追いかけられなかったりしますし,繰り返し録画の条件が番組タイトルではなく,基本的にタイマー予約された時刻であったりするので,イレギュラーな放送があると結構お手上げです。このあたり,epgDataCap_BonとepgTimer_bonの組み合わせは素晴らしいです。

 あと,BluetoothやUSBが付いていると本当に便利なんですけどね,キーボードやマウスが使えると,ネットワークへの接続機能をもっと使うと思うのですが,現状ではネットに繋げていても,ただ繋がっているだけという状態で全然利用しません。

 消費電力は思ったほどではありません。エコモードで動かしていることもありますが,予想以上に電気代が安くなっているので,プラズマは大飯ぐらいと言うのは,使い方でどうにでもなることがわかりました。

 難点と言えば,HDDの起動が遅く,電源投入後すぐに録画を見ることが出来ないことと,電源回路のコイルが時々「ジー」となきます。これ,かなりうるさいのですが,日立の人は本当にこれでいいと思ってるのでしょうかね。

 音質の悪さも,そこそこ慣れてはきましたが,やっぱり不満です。外付けのアンプとスピーカを使おうと本気で考えましたが,電源の連動ができないこと,リモコンで音量の調整が出来なくなることなど,連携の悪さが想像以上に面倒臭くなって,あきらめました。どうにかならんもんですかね。


・ガスレンジ

 私が調理にガスを使ってこなかったのは,ガスレンジが熱でボロボロになる消耗品であることを嫌っていたからですが,さすがに高いカロリーは他の追随を許さず,調理の負担が減ることを実感しました。

 ポイントはガラストップ,タイマー,そして両面グリルです。

 まずガラストップですが,これは本当にいいですよ。吹きこぼれてもさっと拭き掃除して終わり,新品のような清潔さが保てます。そして,なによりその剛性感が素晴らしく,大きな鍋をおいてもびくともしない安定感はさすがです。

 iPadの表面が強化ガラスではなく,プラスチックだったらどうでしょう。いいかえればそんな感じです。

 タイマーもすごく便利です。そもそもガステーブルのメーカーは「メカ」のメーカーですので,電子技術には疎いものだと考えていましたが,それもそのはず,ガスという扱いにくいものを安全に扱うために,エレクトロニクスとメカを繋ぐ境界面がなかなか進歩してこなかったせいでしょう。

 ようやく最近はタイマーが付いてくるようになりました。これは本当に便利です。予定の30秒前に知らせてくれる上,時間が来たらガスを止めて火を消してくれます。無駄な加熱もしなくて済みますし,安心して他の作業をすることも出来ます。とりわけ圧力鍋との組み合わせは最強でしょう。

 両面グリルもなかなか素晴らしいです。両面が一度に焼けるというのはプロの厨房でしかなかったものだと聞いていますが,オープンな七輪なら話は別でも,家庭用のガスコンロは両面焼けた方が便利だしおいしいはずです。

 実際,魚やなすを焼いてみたのですが,失敗もなく,とてもおいしく仕上がりました。これは他に代わるものはないでしょう。


 というわけで,ざっと「その後」をまとめてみたのですが,確かに便利になっていますが,それ以上に使う事が苦痛ではない,つまり作業が楽しいということが実に興味深い点でした。

 使いやすい家電はいつも求められていますが,一方で使いこなしが楽しいことも重要な点だと感じます。つまり,自動でも良い結果は得られるが,自分で工夫をしていけばさらに良い結果が得られるという自由度との両立こそが,家事を楽しくするのだということです。

 確かに,家電品が少なかった時代には,一家の主婦が工夫を重ねて家事をしていました。重労働だったことは確かだと思いますが,機械がなく全部自分でやらねばならないことが,工夫を産み出し,知恵として引き継がれることに繋がったはずです。

 すべての方がそうだとは言いませんが,そうした工夫が,つらい家事における楽しみの1つであったという意見を聞いたこともあります。さもありなん,です。

 自動車の運転でもそうですが,目的地に行くという目的さえ達成されればそれでよいはずなのに,運転することそのものが楽しい車が評価されることと同じ事かも知れません。過程を積極的に楽しむこと,それが結果も良い方向に導いてくれるのではないかと思いました。

ARMが覇権を握る

 富士通(厳密には富士通から分離した子会社の富士通セミコンダクターですが面倒なので富士通)がこの4月に,ARMのプロセッサコアCortex-M3のライセンシーとなり,その第一弾のチップFM3シリーズを発表しました。

 最近多くある,国内大手半導体メーカーのARMへの宗門替えというとらえ方をするとそれまでなわけですが,実際のところ,東芝,旧NEC,旧ルネサス(日立と三菱),沖電気,シャープといった,マイクロコントローラを大量に作って売りまくっていた日本のメーカーのほとんどが,すっかりARMコアのお得意さんなっていることにはっとさせられます。

 こうしてみると,独自プロセッサコアにこだわっているのは,大手ではパナソニックくらいではないかと思いますが,少しこのあたりの状況を考察してみようと思います。

 1980年代,日本の産業は実に多くの分野で世界トップに君臨し,我が世の春を謳歌していました。この時に次の時代への仕込みを怠ったことが現在の凋落に繋がっているという指摘もなるほど道理ではあるわけですが,そんな最強無敵な時代においても,68000や8086といったパソコン向けのプロセッサでは結局覇権を取ることが出来ませんでした。

 日立や三菱はTRONチップと呼ばれたG-microシリーズを作り,NECは独自設計のV60やV70,その後継であるV80を作って,その技術力を見せつけはしましたが,いずれもメジャーになることは出来ずにおわりました。V60やV70に至っては,あまりに知られていないが故に,不正コピー対策として業務用のゲーム基板に採用されたという,なんとももの悲しい話さえあるくらいです。

 当時の論調では,半ば悔し紛れに「汎用のプロセッサでは後塵を拝すも,組み込み用途の4ビット,8ビットの独自設計のプロセッサでは数も売り上げも最強だ」と,その力を誇示していました。子供心にそんなものか,となにやらもやもやとしたものを感じて20年あまりが経ち,いよいよ大手メーカーから独自設計の火が消えたことが,私にはとても感慨深く思えるのです。

 つまり,特定分野限定の「独自アーキテクチャ世界制覇」でさえ,日本の半導体は手放してしまったのだなあということです。

 当時,半導体の入門書に,日本はメモリのような同じ回路をたくさん詰め込み,これを高品質で作る技術に長けている,一方アメリカはプロセッサのようなアルゴリズムが重要な独創的な製品に強みがある,と書かれていました。当時の日本もこういう自分達の弱点,欧米の強みを理解していたはずですが,とうとうその流れは止まることなく,最後の砦も陥落した,という言い方は,多少大げさでしょうか。

 日本はかつて,家電製品の設計拠点であり,生産拠点でもありました。製品の設計現場から上がってくる多種多彩な要求に愚直に応え,その結果コストも性能も最適化された無数の組み込みマイコンが生まれて,家電品の性能アップ,低価格化に貢献していました。

 よって生産数も膨大で,価格も下がりました。こうして単価が安く数を売らないと商売として成り立たない組み込みマイコンは,半導体専業メーカーが主力とするにはリスクが大きく,垂直統合型を強みとしていた当時の日本の家電メーカーが,系列の半導体を使う流れも加味されて,それぞれの独自マイコンが一定の地位を確立したわけです。

 独自アーキテクチャですから,一度入り込んでしまうと他のメーカーのマイクロコントローラに切り替えることはソフトウェア資産の継承や回路の流用の観点からとても大変なことで,自ずと次も,またその次も,同じメーカーのマイクロコントローラを使い続けることになります。

 面白いのは,こうして進んできた日本の組み込みマイコンの世界に起きている,ここ数年の異変です。それが,英ARMのプロセッサを採用するという流れです。

 ARMという会社は,もともと1980年代初頭に,イギリスのAcornというパソコンメーカーが,自分のパソコンのCPUにぴったりのものがないので作ってしまおうという無茶を起源としています。1990年代にノキアの携帯電話に採用されたことで爆発的に普及し,世界制覇の流れが加速しました。その最大の武器は,圧倒的な低消費電力と,設計情報を売って自分達では半導体を生産しないという,ビジネスモデルでした。

 やがて世界中のプロセッサメーカーが生産を始め,多くの製品に組み込まれていきました。日本の独自アーキテクチャによるマイクロコントローラは,相変わらず日本の製品には多く使われていましたが,すでに日本以外の国が多くの家電品を作る時代にあって,すでに少数派となっていました。

 NECも東芝も富士通も日立も,大型の汎用機を手がけたコンピュータ界の巨人であり,しかも黎明期から半導体に挑戦し続けたメーカーですから,プロセッサには相当のこだわりがあったはずです。事実,それぞれに独自の個性を持つ,優秀な組み込みマイコンがこれまでにたくさん作られてきました。

 それが,ここへきて,すべてARMからライセンスを受ける立場に変わったのです。

 と,ここまでがやや感情的なお話です。

 実際の所,Cortex-M3やCortex-M0は独自アーキテクチャであることがバカバカしくなるほど,よく考えられて作られている非常に優秀なプロセッサです。M3は割り込み応答も高速ですし,消費電力も低く,回路規模も小さいです。処理速度もコード効率も優秀であり,これまでの国産マイクロコントローラの売り文句がかすんで見えてしまうほどです。

 ですので,半導体メーカーとしても,無理に独自アーキテクチャにこだわる理由が純技術的な理由においても,見当たらなくなりつつあるという現実があります。

 ただ,見落としてはいけないことがあります。

 それは,開発環境です。これまでの独自アーキテクチャのプロセッサの場合,統合開発環境をはじめ,コンパイラやデバッガ,ICEはもちろん,ライブラリやサンプルコードのすべてを自前で用意しなければなりませんでした。

 これには膨大な時間とお金がかかりますし,出来上がったものは必ずしも優れたものになるとは限りません。ユーザーとしても,使いにくい統合開発環境やパフォーマンスの上がらないコンパイラに嫌気がさしても,他に選択肢はなかったのです。

 開発環境の専業メーカーが自分のプロセッサ用の製品を作ってくれればまだよいのですが,星の数ほどあるプロセッサすべてに対応するはずもなく,自ずと人気のあるプロセッサしか用意されません。

 その代わり,といってはずるいのですが,多くのメーカーは,自前で作ったツール類を,プロセッサを採用した大口ユーザーに対して,無償かそれに近い形で提供することが多く,ユーザーもそれを当たり前の事と考えていたところがあります。

 半導体メーカーにしてみると,プロセッサだけを作ってもどうにもならないので,開発ツール類はどうせ作らなければなりませんし,良し悪しは別にして開発ツール類が主力製品というわけではありませんから,これで儲ける必要もありません。それに,社内で作っているわけですから実費がかかっているわけではないので,それをツール類の売り上げで回収する必要もありません。その分,プロセッサがしっかり売れてくれれば,全部カバーできるという算段です。

 ところが,ARMを採用することで,ユーザーは,開発ツール類に専業メーカーが作るものを使う事になります。もはや半導体メーカーは自前で開発環境を整える必要から解放されるのです。よって,プロセッサ開発の費用と時間がぐっと抑えられることになるわけです。

 ユーザーも,複数の製品から選ぶことが可能ですし,専業メーカーですから専門的なサポートも期待できます。しかし一方で,それが製品として彼らの唯一の売り物である以上,絶対に無料にはなりません。

 ということは,ユーザーにとっては,それまで無料だった開発環境が有料になるのです。しかも,一般にARMの開発環境はARMにに対するライセンス料があるためか,他のプロセッサのものに比べて高価です。

 こんな風に見ていくと,国内の半導体メーカーが独自アーキテクチャをやめてARMに乗り換えて行く流れというのは,一種のリストラと見ることも可能です。つまり,これまで内部で開発環境を作っていた部署を,縮小もしくは廃止することが出来るというわけです。膨大な費用が節約できそうです。しかも大きな顔をして,他の会社から別途買って下さい,と言えるようになるのですから,悪い話ではありません。

 それに,餅は餅屋,という言葉の通り,専業メーカーの優秀なツールが使えるようになることは,非常に大きな武器になります。

 ただ,ユーザーは,これまでなかった負担を考慮しなくてはならなくなるという点だけ,忘れないようにしないといけないです。

 例えば,その半導体の単価が3000円もするものを使えるような,高価な製品の開発なら,トータルで100万円かかる開発環境に投資することは可能でしょう。あるいは,単価が100円でも,100万台の出荷が見込まれる製品の開発であれば,100万円の開発環境を用意することは可能でしょう。

 問題は,1万台以下の出荷台数で,単価が50円程度の安いマイコンを使う場合です。100万円の開発環境が必要となった場合,仮に10000台の出荷台数では1台あたり100円かかることになり,なんとプロセッサ自身の単価の2倍にもなってしまうのです。

 これなら,多少使いにくいものであっても開発環境が無償かそれに近い価格で利用出来る独自アーキテクチャのものを選んだ方が,それが数十円高い単価であっても,トータルで安く出来るということになります。

 忘れてはならないのは,こうした開発にかかる費用というのは,最終的には消費者が負担するのだということです。企業はかかったお金にいくらか上乗せして作った商品を売るのですから,間接的にとはいえ,原則的には全額消費者が負担しています。だから,エンドユーザーである我々にとっても,無関係な話ではありません。

 この,開発環境にかかるお金というのは100万円単位のなかなか大きな金額なのですが,初期費用として見えにくくなる上,測定器などと同じような固定資産として扱われることが多いため,案外見過ごされがちです。ですがこのあたりの事情に気付いている半導体メーカーもぼつぼつ出てきていて,ARMのコアを使っていても,自前でちょっとした開発環境を無償で提供するメーカーが現れたり,専業メーカーのツールを自社のプロセッサ専用の機能限定版として無償提供したりするところも出てきました。

 ARMというプロセッサは個人的にも好きなのですが,実際にこれを使ってなにかを作ると考えた時に,その開発環境をどう考えるべきか,という頭の痛い問題を解決できずにいました。自ずと,仕事であれば国産メーカーのものを,プライベートであればPICやAVRを使うということになってきたわけですが,制約があっても無償であったり,高機能だがとっても高価,という具合に,ARMにおいても様々な開発ツールを選べるようになって来つつあることは,本当の意味でARMがデファクトスタンダードになってきたのだなと感じます。

 ARMは,Cortex-M0という32ビットのRISCプロセッサが,すでに8ビットや16ビットの過去のプロセッサよりもダイサイズが小さくなる場合すらある,といっています。

 ちょっと大げさな話かも知れませんが,それでもわずか12kゲートという回路規模ののCortex-M0が,これまで使われてきた16ビットクラスのマイコンに比べて,処理能力についても価格競争力についても,十分な競争力を持ち合わせていることは事実です。

 これに匹敵するプロセッサをどうして日本のメーカーが開発できなかったのかと,残念な気持ちは確かにありますが,もはや国だの会社だのは小さい事なのかも知れません。最終的に,安くて良い製品が市場に投入され,価値あるものとして社会が良い方向に向かえば,それが一番大切なことです。

 余談ですが先の富士通のFM3,1981年に半導体部門が作り上げた富士通初のパソコンであるFM-8にひっかけているという話を,富士通の方が自らされていました。最近何かと目にする「オッサンホイホイ」である可能性もありますので,該当する方はお気をつけ下さい。

家電を買って思うこと

 最近,高額な家電を買うことがあって,消費者としてお店の現実を見ることがありました。

 私は若い頃,日本橋のパソコン店で働いていましたので,近隣の電気屋さんも含めて,1990年代の大阪における買い物についてはそれなりに分かっているつもりでしたが,それ以後についてはあまりよく分かっていません。

 しかし,その「それ以後」という部分こそ,家電の買い方が大きく変わった時ですので,今回久々に当事者になるにあたり,この点も意識していました。

 特に大阪という所は,挨拶代わりに「それでなんぼになるの?」と言うのが決まりでしたので,それ前提の価格が値札に付いていました。言い値で買うのはバカがすること(大阪でバカとは軽蔑の言葉です)と言われていて,1円でも安く買うことが重要なスキルでした。

 私がお店にいたころも,彼女にいい所を見せようと,頑張って値引きに励む男の姿がちらほらあったのですが,ああいうのはだめですね,私も人間ですので,意地悪して値引きに応じませんでしたが,一方で女の人の価格交渉には一発底値で応じた記憶があります。

 その後,通販の台頭があり,店舗を持たず,店員を雇わず,展示をしないという低コスト戦略で価格を下げる店が価格をぐぐっと引き下げました。

 同じくらいに,巨大な量販店の寡占が進み,とりわけ北関東戦争と言われる家電量販店の熾烈な闘いに勝利したヤマダ電機が,その強烈な販売力で価格の決定権を握ります。

 それまで,その地方ごとに展開していた各量販店は,ヨドバシカメラやヤマダ電機の進出により次々と倒れていき,特に大阪は梅田に出来たヨドバシカメラによって,完全にその勢力図が書き換わり,日本橋に至っては街そのものが変貌してしまいました。

 インターネットによる情報の共有もこの間進み,kakaku.comに見られる価格の比較サイトが一般の人の認知を受けて,どの店だといくらになった,というような,個人レベルの価格交渉結果さえ広まるようになりました。

 我々は,あるお客さんに出た金額は,自分が買うときにも適用されると思いがちですが,実はそんなことはありません。3000円値引いたことで20万円の売り上げが立つならそうするかも知れませんが,それでも他のお客さんが2000円の値引きで買ってくれるなら,そっちに売った方が得です。無理に3000円引くことはありません。

 そもそも,その日のノルマが達成されていて,特に売り上げが欲しい状況に置かれてなければ,値引きなんか全く出てきません。決算前,月末など,少しでも売り上げが欲しいときに,しかもその売り上げに責任を持っている「ちょっと偉い人」に話をすると,一発目からいい金額が出てきたりするのは,そのせいです。

 我々はどの店員さんと話をしても,お店と話をしている気分でいますが,最近は店員さんごとの個人成績が厳しく問われる時代なので,どちらかというと店員さんそのものと話をしているという気分でいた方が正しい場合があります。他の店にお客が流れてもそんなことは自分は関係ない,自分のノルマは達成されているのでむしろ同僚の成績が下がる分だけ好都合だ,と言う意識があることは,否定できないと思います。

 インターネットの出現前後で大きく変わったのが,実は売値は共通ではなく,みんなバラバラだったという事実を消費者が知った事と,どうやったら安く買えるのかというノウハウの共有化です。

 店員さんも人間ですから,綺麗な女の人に値切られたらあっさり応じますし,怖い職業の叔父さんにすごまれたら断り切れなくなるものです。その時々のお店の状況などから,値段は高くもなり安くもなるわけですが,昔はそれが公開されているわけではありませんから,内緒になるという不文律のもとで,価格交渉が行われていました。

 しかし,内緒にしておいてね,と言われた価格でも,kakaku.comにはでています。これだと店員さんは,外に値段が出ることを前提にして価格を出さざるを得ません。確かにそれがどれほど影響するかは分かりませんが,もし私が店員だったら,お客さんによって値段に差を付けるということが出来ない分だけ,マニュアル通りというか,もう自分の都合だけで商談してしまうんじゃないかと思います。

 そんな傾向もあってでしょうが,大阪で買い物をしても,店員さんと価格の交渉をするというプロセスを楽しむことが出来なくなってきたように思います。買い物の楽しみの1つが薄れてきたことを感じると,やはり残念かな,という気がします。

 ヤマダ電機もヨドバシカメラもそうなのですが,ポイント還元によってすべての商品を安くする工夫で「安いお店」というイメージを作り出しています。実際,安い商品が出ていることもあるのですが,多くは通販に比べて随分高く,ポイントまで考えても近い価格にさえなりません。

 つまり,家電量販店という所は,彼らが売りたい商品は安けども,それ以外は全然安くないということです。

 メーカーはせっかく,いろいろな消費者に向けて多くの種類の製品を用意してくれるのですが,価格の差があまりに大きく,実質的に種類を選ぶことが出来ないという事が起きてしまいます。実際,私が購入したパナソニックの洗濯機は,最上位機種が中位機種の売価を下回っていて,中位機種を買う理由がなくなっていましたが,メーカーの意図としては,上位機種から機能を削減して予算の厳しい人にも買ってもらおうということだったはずで,それがないがしろにされてしまっているのです。

 ここで面白い事に気が付きます。どの商品が売れるのか,と言う結果には,消費者が選んだもの,メーカーが改良を重ねて作ったものに加えて,販売店が売りたいと思うもの,の支配力が大きくなっているという事実です。

 欲しいものを買いにいっても値段が高く,特価の出ている他社同等品を買うことになったケースというのは珍しいことではありませんが,つまりどの商品がヒットするかは,お店がどの商品を売ろうと考えたかによるところが,大きくなっているというわけです。

 では,そのお店の売りたい商品とは,どうやって選ばれるのでしょうか。

 いろいろ要因はありますが,売りたい商品とはつまり,値段を下げられる商品です。しかし自分達の利益を下げてまで値段を下げることはありません。ということは,お店が安く仕入れることの出来る商品ということになります。

 これが,メーカーから,価格決定権を奪った最大の理由です。

 日本の製品は,同じ価格帯の製品ならどれも優秀であり,その差は少ないです。ですから,少しでも安いと言うことは大きな購入動機につながります。仕入れ価格を下げる,あるいは価格の補填をすると,その商品を安く大量に売ってくれることが期待できます。

 過剰な在庫を持ってしまった,利益よりもシェアが欲しい,という時などに,こういう心理が働きます。お店はそういうメーカーの気持ちを知っていて,安い仕入れを要求し,その代わりに力を入れて数を販売することを約束します。

 他社の製品,あるいは別の機種を買いに来た消費者は,価格の安さと店員のトークに誘導され,まんまと「お店の売りたい商品」を買うことになるというわけです。結果として,膨大な数を販売してみせます。

 ヤマダ電機は安い,ではなく,彼らが売りたいものに限って安いだけです。売りたくない商品はむしろ価格を高めにし,そちらを買わせないようにすることもあります。こうなると,もう我々消費者は,自分にぴったりの商品を選ぶという行為を否定されてしまったも同然です。

 ここまでくると,メーカーは,独自性を強め,高い値段でも売れるようにしようと頑張るようになります。量販店が出てくる前,つまり街の電気屋さんが主な販売ルートだった時代,各メーカーは個性と言うよりむしろ,他メーカーの系列店との比較で見劣りがしないように,価格や性能を横並びにしようとしていましたが,系列に関係のないお店が力を持つと,安売りされないように頑張るほかないのです。

 しかし,性能で差が付くことは少ないですし,個性的な機能は一方で避けられる要因にもなります。そうするとそのメーカーのブランドが力を持つようになるわけです。三菱電機の方には申し訳ないのですが,東芝と三菱のテレビがあって,同じスペックで同じ価格なら,どちらを買おうと考えますか?

 大きな販売力のある巨大量販店の価格支配力の増大,価格情報の共有化,この2つから起こった売り方と買い方をよく考えておかないと,随分損をすることになりそうだというのが,今回の私の感想でした。

 通販はすべての商品が安いです。しかし,量販店が売りたい商品につける価格にはかないません。通販はいきなり底値であり,とても公平です。しかし量販店では,どの店員さんにあたったのか,自分の話し方や態度はどうだったのか,そもそもその商品を売りたいと思っているのか,によって,随分価格が違ってきます。

 これを不公平というかどうかは,難しいです。

 買い物が難しくなってきたなあとつくづく思いましたし,買い物を楽しいと思わなくなるだけでなく,とても面倒なものだと思うようになりました。私のような人が,通販に流れているということも,実際あると思います。

 寂しいなと思います。

オームの法則を導出し電気抵抗の本質を暴く

 「なぜ」「なに」が今も昔も口癖な私は,出来るだけものの原理や経緯,歴史を知るようにしてきました。

 一見すると無関係なものであっても背景には時間的な連続性がある,という発見があったことは,自然科学のような厳密な世界であっても,人間という生物が生まれて死んで次に伝えてという,生物としての基本的な行動によって積み上げられたものであることを改めて感じるきっかけになりました。

 私は子供の頃から電池に豆電球を繋いで光らせたりして,電流が流れると熱くなることを経験的に知っていましたので,オームの法則については一切疑うこともなく,ごく当たり前のこととして受け入れてきました。

 受け入れるも何も,実験すれば一発ですし,ドイツのオームという人が自然現象として発生していることに実は規則性があったことを「発見」したと学んだ以上,それ以上の疑問はわかなかったのです。

 ですが,オームの法則はその重要性が最高レベルである割には,電圧 = 抵抗 x 電流という式の導出は避けて通れないはずです。

 先日,『高校数学でわかる半導体の原理』という本を読み終えて,我ながらすっかり過去になった高校時代の数学をえっちらおっちら掘り起こしたのですが,その過程で「抵抗の原理」について触れたくだりがありました。

 常識なのかも知れませんが,私は電気抵抗の原理を真面目に考えたことがあまりなく,なるほどーと膝をうちました。今回は,私自身の知識の整理をするために,オームの法則を導出します。

 電流というのは簡単に言うと電子の流れです。単位時間あたりに流れる電子の数と考えると直感的でしょうか。(正確には電子だけではありませんが,導体中の電流について考えるということで,電子とします。)

 導体は,自由に動くことの出来る自由電子が加えられた電圧によって引っ張られて動き,これが電流という概念として,我々が理解しているものになります。

 電子はかかっている電圧で引っ張られるので加速され,本来なら速度が上がり続けることになりますが,主に原子にボコボコぶつかってしまうので,ある速度でバランスします。

 しょっちゅうぶつかれば速度は落ちてしまうので,低い速度でバランスします。そうすると単位時間あたりにながれる電子の数は減るわけで,これが電気抵抗の原理です。

 さて,電子が持っている電気の量(これを電荷と言います)をQとし,電圧がかかることによって出来る電場をEとすると,この電子が引っ張られる力Fは,

  F = QE

 です。また,電子は質量を持っていますが,これをmとし,力がかかったことで生まれる加速度をaをすると,

  F = ma

 です。まだ大丈夫ですね?

 左辺が同じFですので,2つをくっつけてしまって,

  QE = ma

 せっかくですから変形して,加速度aを左辺に持って,

  a = QE / m

 としておきましょう。Qもmも一定ですので,要するに電場が強いと加速度も大きい,というくらいに考えておきましょう。あたりまえの話です。

 それで,この電子が時間tで動く距離を考えてみます。加速度を積分して速度にし,これに時間をかけると,距離yが出てきます。

  y = 1/2 a(t^2)
   = 1/2 (QE / m) (t^2)
   = (QEt / 2m) t

 移動距離は速度に時間をかけたものですから,3行目でいう(QEt / 2m)がずばり速度ということになります。

 つまり,速度をvとすると,

  v = (QEt / 2m)
   = (Qt / 2m)E

 となります。お,速度vは電場Eに比例するといってますね。

 さて,一方電流というのを改めて考えてみます。電流は単位時間あたりに流れてくる電子の数だったわけですが,さらに単位面積あたりの電流を電流密度と呼ぶことにします。電流密度をJ,流れてくる電子の数をnとすると,

  J = Qnv

 です。流れてくる数が多いほど,流れてくる速度が大きいほど,電流密度は大きいということです。さあ,先程のvを代入してみましょう。

  J = Qn(Qt / 2m)E

 我々が目指しているのは,電圧と電流の関係ですので,電流密度は電流に,電場は電圧に置き換えていきましょう。

 まず電流Iは,電流密度に導体の断面積をかけたものです。断面積をSとすると,I=JSです。ですから,

  I = Qn(Qt / 2m)ES

 です。次に,電場は,かかる電圧に比例し,距離に反比例しますので,導体の長さをL,その両端にかかる電圧をVとすると,E=V/Lです。ですから,

  I = Qn(Qt / 2m)(V / L)S

 となります。狙い通り,左辺には電流I,右辺には電圧Vが入りました。これをさらに変形します。

  I = {(SntQ^2) / (2mL)}V

 さらに,Vを左辺に持ってきます。そうするとほら,

  V = {(2mL) / (SntQ^2)}I

 となって,電圧は電流に比例する式が出てきました。ということは,この式の{(2mL) / (SntQ^2)}は比例定数,すなわち電気抵抗ということになります。

 この比例定数,つまり電気抵抗を示しているはずの,

  (2mL) / (SntQ^2)

 をちょっと眺めてみましょう。まず分子ですが,mは電子の質量で決まった値ですから,導体の長さが長くなればなるほど,電気抵抗は大きくなります。

 次に分母ですが,導体の断面積が含まれています。つまり,導体の断面積が大きいほど電気抵抗は小さくなることを示しています。

 現実はどうでしょうか。導線の長さが長いと電気抵抗は増えますし,導線が太くなればなるほど,電気抵抗は小さくなりますね。よかった,あってます。

 ということで,今回やったことと言うのは,電流は電子の流れであるということから電子の振る舞いを式にして,これが最終的に電圧と電流にどう関係するかを記述してみた,ということになります。

 ややこしいことをやっていますが,結局の所電気抵抗というのは電気の流れやすさの逆数であり,電流の定義から断面積が増えれば電流が大きくなる,つまり電気抵抗が下がるというのは,実に当たり前の話です。

 でも,オームの法則というごく当たり前な話でさえも,発表当時は全く顧みられることがなかったわけで,我々がここまでたどり着くのに,やはりそれなりの壁を乗り越えてきているということを感じます。

iPadに思うこと

 噂が先行し,おそらくApple自身の計画的なリークによる情報操作に踊らされてきた人たちが多いなか,実際に発表されたiPadには,比較的冷ややかな反応を示す人が多かったようです。

 私自身も,概ね予想通りという印象で,特別にすごいとか思うことはありませんでした。価格についても$499というのは16GBモデルの話であり,IPS液晶という高品位なディスプレイと720pまでの動画が扱える機器として考えた場合,メモリカードスロットを持たず増設が出来ないことから考えても,16GBでは心許ないというのが実際の所ではないでしょうか。

 Appleにいつも感心させられるのは,ある製品を出すという時に,その理由を明確に説明し,そこから与えた商品の役割(大げさに言うと社会的使命)が,どんな問題を解決するのか,と言うロジカルなストーリをきちんと説明する点です。

 他のメーカーでは,簡単にターゲットユーザーと,今回の製品の特徴を箇条書きに述べたくらいが関の山ではないでしょうか。そこから先のストーリは,受け手が考えることになっているわけです。

 そういう状況だからこそ,雑誌やWEB媒体のライターやアナリスト,あるいは評論家という職業が成り立つのだろうと思いますが,Appleの場合にはストーリはすでに公になっていますから,そこから先の話を膨らませて「創作する」うまさが求められるわけで,これはなかなか難易度が高いなあと思います。読む側もAppleの信者だったりするので,中途半端な内容では怒られますしね。

 それはいいのですが,発表直後という事もあり,誰の記事を見ても似たようなことを書いてあり,入ってくる情報(あるいは出しても良い情報)が立場によらず公平に少なく,よって内容の差別化がいかに難しいかがわかります。

 なので私が詳細なスペックを述べても仕方がないのですが,ちょっと気になることをさっと書いておこうと思います。

(1)USBホスト

 あまり触れている人がいないのですが,iPadはメモリカードスロットがない代わりに,30ピンのDockコネクタに直接差し込むタイプの,カードリーダがオプションで用意されます。同時に,デジカメを直接接続できるように,USBのAコネクタをDockコネクタから取り出すオプションも登場します。

 大きさなどから考えると,素直にDockコネクタにUSBホストが出ていると考えるのが普通で,ということはiPadはUSBのホストの機能を持っていることになります。これはiPhoneやiPodTouchとは異なるもので,大きな可能性を秘めています。

 もっとも,物理的にインターフェースが用意されても,デバイスドライバがなければ意味がなく,現在,そして今後どういうデバイスがサポートされるのか気になりますが,少なくともマスストレージクラスはサポートされたという事でしょうから,大容量のHDDなどは接続できる可能性が高いでしょう。

 もし,マウスやキーボードが繋がると幅が広がりますし,GPSモジュールやプリンタやWEBカメラ,USB接続の各種通信ユニット(PHSとかWiMAXとか)などが繋がると,iPadの弱点が克服できることになるでしょう。これはなかなか楽しいことになりそうです。

 大事な事は,iPhoneが完全に受け身なデバイスなのに,iPadはそれでもマスターになる可能性を秘めたデバイスだという事です。あのくらいのリッチなハードウェアであれば当然ついてくるだろうと思えることではありますが,そこを思想や戦略からあえて「否定」してきたのが,これまでのAppleです。


(2)電子書籍

 これについてはいろいろな意見が出ているので私もその程度の話しか出来ませんが,やはりどんなフォーマットに対応するのかということが最大の問題です。Appleのこれまでの考え方として,コンテンツをきちんと押さえるという事を至上命題としてやってきましたから,DRMもオリジナルで,しかもゆるめのものが用意されるのではないかと思います。

 そうするとKindleはもちろん,他の端末で購入したコンテンツが読めなくなりますが,これはiPodでもそうだったので,不思議ではありません。

 ただ,iPadは「高品位なオールラウンド受け身マシン」ですので,音楽専用マシンだったiPodの時とはちょっと事情が違うと思っていて,電子書籍という分野を本気でAppleが押さえ込もうとしているようには,まだ見えません。

 テレビや動画の販売にしても,まだ日本では定着しているわけではありませんから,日本国内でiPadが日本語の書籍を扱えるようになるのはまだまだずっと先の話になるでしょうし,もしかすると実現しないのではないかと思えるほどです。

 思い出すと,iPodはMP3で登場し,後にAACに移行して音楽配信が始まりました。コンテンツ作成という視点から考えると,あるフォーマットへのエンコードという作業が負担になってしまうと,やっぱりそのフォーマットではコンテンツは揃わなくなります。

 音楽の時にはATRAC3にこだわったソニーが失敗したように,電子書籍の分野でもおかしなこだわりを持つことは,命取りになると思います。だから,Appleが本気になるのはもう少し後じゃないのかなあと,思ったりするのです。もっとも,ePubにAdobeのDRMが事実上の標準となる可能性が高いと思いますが,Appleはこれにのらず,iTunesStoreと同じ,ePubに独自DRMという線で来るだろうなと,思っています。


(3)ゲームマシンとして

 これもあまり話に上がっていませんが,iPhoneの成功には,AppStoreの役割が大きいです。あとから機能を拡張できる携帯電話として考え出された仕組みでしょうが,これだけの規模と内容になると,もう機能をコンテンツ扱いしているといってもいいくらいです。

 当然ゲームのプラットフォームとしても注目されているのですが,iPhoneがPSPやNintendoDSなどと同じ程度の能力だとすると,iPadは据え置きのゲーム機,つまりコンソールの能力に近いところに迫ってきます。

 iPadを,1GHzのCPU,64GBのストレージ,1024x768という高精細なグラフィック,そして通信機能を備えた携帯ゲーム機だと考えて,しかもソフトはダウンロード販売だと考えると,いきなりPSPやNintendoDSを追い抜いてはるか先に行ってしまった感じがしませんか。

 SCEもNintendoも,ソフトの配信を軸にしたいという気持ちは強い一方,旧来の流通との兼ね合いがあって,慎重にならざるを得ないところがあるはずですが,Appleにはそんな縛りはありません。これだけでもすごいことだと私は思います。

 そして,USBホスト機能とBluetoothです。これらで専用のゲームコントローラを用意することだって出来ます。AppStoreの,コンテンツを作る側の魅力というのは今さら説明の必要がありませんが,そうやって優良なゲームを集め,それを目当てにiPadを買う人が増える,ということが起き始めると,もうその流れは止まらないのではないでしょうか。

 え,iPadだと大きすぎてPSPやNintendoDSと直接競合しないよ,ですか?いやいや,もし,iPhoneのサイズで,iPadと同じ事が出来てしまったらどうですか。手のひらサイズで720p,手のひらサイズで1024x768ドット,手のひらサイズで1GHzです。そしてそれは明日にでも出来るくらい,現実的な話です。


(4)マルチタスク

 がっかりした人のなかには,マルチタスク(これは携帯電話の文化でのみ通用する表現ですね)でないことを,その理由に挙げる人も少なくないのですが,これは早い時期に実現すると私は見ています。

 iPadのホーム画面には,iPhoneと違ってきれいな壁紙を貼り付けてあります。Apple自身も画面の大きさを意識している証拠だと私は考えていて,それはマルチタスク,あるいは複数のウィンドウを重ねるなど,広さの恩恵を実感できる仕様やユーザーインターフェースを今まさに仕込んでいる,と言うことではないかと思っています。

 どう考えても,iPhoneはHalfVGAという狭い画面を有効に使うに適した,ユーザーインターフェース設計がなされています。これをそのまま9.5インチのXGAに適用してもいいはずがありません。だからiPad用のインターフェースを用意してくると私は思っていました。

 そうするとiPhoneとの共通性が問題になるのですが,ここでiPhoneOS4が大幅に操作体系を変えてくる可能性が浮上してきます。iPadは今は大きなiPhoneですが,iPhoneOS4ではiPadとiPhoneの両方が使いやすいOSになるということです。

 自ずとiPhone4GのCPUはiPadと共通化され,従来機種に比べて画素数も処理能力も上がり,違いは通話機能の有無と手のひらサイズかどうか,だけになります。これまでのiPhoneとの互換性は失われる面が出ますが,時期的にそろそろ世代交代が起きてもいいころでしょう。


(5)CPU

 Apple A4というSoCが使われていることが発表されていますが,詳細は不明です。しかし,連続駆動時間が10時間,スタンバイでは1ヶ月というスペックと1GHzという処理能力から考えると,これは低消費電力にかなり腐心した個性的なCPUであることがわかります。

 iPhoneとの互換性からコアはARMであることは間違いないでしょうし,1GHzで動作するプロセッサコアとして普通はCortex-A9あたりだと思います。

 Cortex-A9は,単純にスーパースカラだとか1GHzだとか,そういう所での性能の高さよりもむしろ,バスの能力の高さに注目すべきと私は思っています。一例を述べると,CPUコアとペリフェラルを繋ぐ内部バスは,データの流れる順番を入れ替えて効率を上げるアウトオブオーダを行う能力があります。高性能なプロセッサの最大の足かせであるバスの高速化を,各社のIPの組み合わせで気軽に利用可能なっているという環境は,なかなか得難いものがあります。

 そしてなにより,PAsemiconductorの買収の成果がこれだった,と言う点です。PAsemiconductorが,DECでAplhaを手がけた人たちが立ち上げたCPUメーカーであったことを知る人は多いと思いますが,かつてのDECはAlphaも,そしてStrongARMも,世界最高のタイトルを取るような,非常に個性的な高性能プロセッサを設計できる強力なメーカーでした。

 最終的にその遺伝子は,AplhaはAMDに,StrongARMはインテルに受け継がれますが,実のところ多くのエンジニアが反発し,会社を興した人もいます。

 かつて,StrongARMを設計した人々のうち,インテルには行かずにMIPS系の低消費電力プロセッサを設計したAlchemySemiconductorもそうです。ここは結局AMDに買収されるのですが,PAsemiconductorも,そんなベンチャーの1つでした。

 これがAppleに買収されたとき,多くの人が「なにをするつもりだ」と思ったようです。なかには「人が欲しいだけだ」という人もいたくらいです。なぜなら,AppleはCPUを内製しないと。

 しかし,結果は違いました。製造は他の会社がやってるでしょうが,設計はおそらく,Appleがやってます。1GHzのコアにXGAをサクサク動かすグラフィックパワー,DDR2やDDR3のメモリコントローラも搭載しているSoCで,あの低消費電力っぷりですから,これは当分の間,Appleの強力な武器になります。

 消費電力が下がるといいことずくめです。電池寿命が延びる,同じ電池寿命なら電池が小さくても済む,すると小さく作る事が出来る上,安く作る事もできます。内部の回路,特に電源回路も小さく安く作る事ができますし,熱設計も簡単になります。消費電力が下がることで,悪い話は本当に1つもありません。

 おそらく,このSoCの設計者は,いい仕事をしたという満足感に浸っているでしょうが,世間の評価がそれほど自分達に向かないことに,がっかりしているんじゃないかと思います。まあ,元DECのサムライが,そんなことを気にするとも思えませんが。


(6)立ち位置と価格

 IPS液晶という高価なLCDを用い,MacBookとiPhoneの間をねらうというのはわかりやすいですが,実はMacBookが$899になっているので,お買い得感はありません。たぶん,次の世代のiPadになって値段も下がり,それでようやく売れるのではないかと思います。つまり,iPhoneのように,ヒットが約束された商品ではないということです。

 iPodではWalkmanの,iPhoneには携帯電話の,それぞれの市場を奪うということが成功の方法でした。しかしiPadには奪うべき市場はなく,売れるためには市場を作らねばなりません。これはとても大変なことです。そして一貫したビジョンと着実にそれを進めるコンセプトが形になるというのも,そうそう出来ることではありません。

 電子書籍の分野1つとっても,おそらく端末の価格が下がり,最終的に会員には無料で提供されるようになるでしょう。そうなったとき,iPadは電子書籍端末として急激にその存在感を失うことでしょう。そこをどうやってカバーするのか,気になります。


 ということで,iPadについて思いつくことをつらつらと書いてみました。1年経ったとき,このiPadがどちらに向いているのか,結果の如何にかかわらず,とても楽しみです。

ページ移動

ユーティリティ

2026年01月

- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

過去ログ

Feed