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AppleM1 Proについて考える


 新しいMacBookProが,噂通り発売されました。AppleM1を搭載したMacBookAirを,私もほぼ発売と同時に買ってもうすぐ1年になるのですが,「生活マシン」には十分過ぎるM1も,コンテンツ作成に十分な性能かと言われれば心許ないこともあり,そこはきっとAppleM2なるものがでてくるんだろうと,みんな思っていた訳です。

 しかし,出てきものはM1 PROとM1 MAXで,あくまでM1の派生でした。

 MacBookAirは,その性能を一気にハイエンドノートの領域に引き上げつつ価格は10万円そこそこと,かなりのお買い得感があったのですが,今回のMacBookProは14インチが24万円から,16インチが30万円からと,随分高くなったなあと言う印象です。

 もっとも,M1を搭載した13インチのMacBookProは併売となっていますし,お値段も16万円ということですので,棲み分けという点では問題ないのですが,14インチモデルが13インチの後継ならば値上がり,15インチモデルの後継なら妥当な価格,と言うことになるので,ここはもう考え方次第なのかも知れません。

 さて,私の興味はやっぱりプロセッサです。

 M1が高速であったことに偽りなく,また消費電力が極端に低いことを昨年12月に私も喜んで書いているのですが,実は1つだけ納得いかないものがありました。

 x265のエンコードの速度です。ffmpegからx265を使っているのですが,MacBookProLate2016(Core i7-6700HQ)を1とすると,M1はRosetta2上で0.5,ネイティブだとなんと0.3くらいまで低下します。

 M1の高性能コアでありFireStormの1コアの性能は,TigerLakeのコア1つとほぼ同じ程度ですので,この結果はどう考えてもおかしく,x265がM1に最適化されていないせいだろうと思っていました。

 あれから1年,しかし未だに速度に変化はありません。そろそろ誰かが指摘してもいいだろうと思うのですが,少なくとも日本語でここを突っ込んだ記事を見かけることはなくて,もしかしたら私だけの話かも知れないと焦っていました。

 実はmacOSには,VideoToolBoxというサービスがあり,これを使うとハードウェアアクセラレーションを利用することができます。ffmpegでも利用可能なので,これを試したこともあるのですが,速度は大幅に向上しつつもエンコード品質があまりにひどく,使うことはありませんでした。

 そんなこともあってMacBookProを買い換える気も起きず,今回の祭りは静観していたわけですが,先日真面目に調べたところ,ようやく詳しいことがわかりました。

 x265は,NEONに対応していなかったのです。

 NEONはARMのSIMD命令セットです。それなりに昔からあるものなので,まさかこれにx265が対応していないとは思っていませんでした。AppleはHandBrakeというソフト向けに,M1のNEON対応パッチを出しているのですが,ffmpegで利用することは現時点では出来ていません。

 これを使えば速度は品質そのままで3倍になるという事ですので期待出来るのですが,まずは本当かどうかを確かめてみる必要があります。

 調べてみると,ffmpegでもNEONに対応したバイナリを配布してくれている奇特な方がいらっしゃって,ビルドが面倒な私はこれで試してみることにしました。

 すると確かにエンコード品質に影響なく,3倍の速度になりました。ファンレスのMacBookAirで,ファンが唸るMacBookPro2016と同じ結果が得られるというのは,確かにすごいです。しかし,fdkaacを使えないので,このバイナリを常用することはあきらめざるを得ません。

 ならばとHandBrakeを試してみたのですが,こちらも同じ結果です。M1のMacBookAirとMacBookPro2016は,ほぼ同じ速度でした。

 うーん,そうなると,新しいMacBookProのM1 PROとM1 MAXが俄然気になってきますよね。どれくらい高速化されるのだろう,この際買い換えちゃうかとか・・・

 ということで,M1シリーズについて,少し辻褄が合うように調べてみました。

 まずM1から。

 M1は高性能コアであるFirestormが4つ,高効率コアであるIcestormが4つの8コアのプロセッサで,TDPは15W,クロック周波数は最大3.2GHzです。

 この1年で様々なベンチマークが発表されていますが,シングルコアの性能は,インテルの現行のアーキテクチャであるTigerLakeとFirestormがほぼ互角となっています。(一世代前のIceLakeに比べたらFirestormは圧勝です)

 高効率コアのIcestormは,ベンチマークの結果からざっくりForestormの0.3倍と考えてよさそうです。そうすると,M1のパフォーマンスはシングルコアの5.2倍と計算出来そうです。(ちなみにIcestormの電力はFirestormの1/10ということですので,随分電力効率の良いコアなんだなあと思います)

 インテルのCPUではノート用では4コアですからこれが4倍となるわけで,M1との差は約1.3倍。これはMacBookAirが登場した時によく見たベンチマークの結果とほぼ一致しています。

 で,当時は,インテルだと20万円のマシンがファンをぶん回しているのに,M1だと10万円でファンレスというのがすごいという話だったのですが,今数字を並べてみるとなるほどと思います。

 メモリについてはLPDDR4-4266で128ビットで繋がっているということでしたから,4266*128/8=68.2GB/sという帯域幅です。これでCPUからGPUからなにからなにまで面倒を見ます。

 次に本題です。M1 Proです。

 M1 Proは,FirestormもIcestormもM1と同じと見て良さそうです。だからM1という名前を継承しているんだと思いますが,M1 ProではFirestormを8コア,Icestormを2コアと,高性能コアに割り振っています。

 よってTDPは60W台ということらしく,M1に比べて大幅に大きくなっています。

 さて,問題のパフォーマンスを考えてみます。M1 ProはFirestormが8コア,Icestormが2コアですので,シングルコアの性能の8.6倍ということになります。M1が5.2倍でしたから,M1に対して65%ほど高速という計算になりますが,これはAppleの公式発表の70%や,各種ベンチマークの結果である60%程度という数字と大体合っています。

 インテルですが,8コアのTigerLake-Hが今年の5月に発表になっています。TDPは65Wということですので,M1 Proと性能も電力もほぼ互角なんじゃないでしょうか。

 ところで,M1 Proには8コア版もあります。一番安いMacBookProに搭載されるM1 Proがそれなのですが,これは先程の計算だと6.6倍となりますので,10コアのM1 Proとの性能差は約25%となりますが,これも実際のベンチマークの結果によくあっています。

 メモリ幅についてはM1 Proは大幅に向上していて,LPDDR5-6400を256ビット接続しているとのことです。ざっと計算すると6400*256/8=204GB/sと,Appleの公式発表の数字に合います。

 私はGPUにはあまり関心がなく,それはつまりグラフィック関連で重たいソフトを使わないということなんですが,それにしても200GB/sという数字は強烈だと思いますし,M1 MAXになるとさらにその倍ですから,そりゃ高くもなるわな,と思います。

 ということで,名前はM1のままではあるのですが,搭載するコアの能力を選ぶ事でハイパフォーマンス向けのCPUも作る事が出来るということがわかったのですが,これがコアそのものに手が入るM2世代になると,一体どうなることやらと思います。

 よく考えてみると,CPUをインテルに委ねていたAppleは,MacBookAirに適したCPUとMacBookProに適したCPUを,今あるラインナップから選ぶしかなかったわけです。

 しかし,M1ではFirestormとIcestormの構成比率を変更するだけで,パフォーマンスも電力も調整可能になりました。しかもその調整幅が10万円の生活マシンから,40万円のプロ用ノートまでカバー出来るようになるわけです。

 Appleがやりたかったことは,まさにこれなんだろうと思うのです。

 これも,Firestormがインテルのシングルコア性能に匹敵するものであるからこそ成り立つ作戦であって,従来Armはインテルのコアにはパフォーマンスでかなわなかったことを知るものとしては,多くの人が言うように,大した設計能力だと感心せざるを得ません。

 さて,Appleは2年かけてApple Siliconへの移行を宣言しています。今回のMacBookProはちょうど1年経過して登場したメインストリームでしょう。あと1年でMacProまでサポート出来る強烈なCPUが出てくるのと同時に,もっと安価なモデル用のものも出てくるかも知れません。

 私はと言うと,結局MacBookProを買い換えるには高すぎるし,MacMiniにM1 Proが搭載されることを期待しつつ,もうしばらく様子を見ようと思っています。


 

独自ドメインで甦った艦長日誌・私的記録 DS9

 長年自分のホームページを自宅のサーバーから公開することを続けていましたが,いよいよレンタルサーバを契約して自宅のサーバーの公開をやめました。

 そもそも,20年近く前に私が夢にまで見た常時接続の環境を手に入れた時,せっかく双方向でインターネットに繋がっているわけだから,WEBサーバーで公開しないと面白くないなという技術的興味から始めたことがきっかけとなり,ここまで続けてきました。

 当初は自宅にB5サイズの中古ノートPCにWindowsを動かして標準のWEBサーバーで公開を始めました。ダイナミックDNSやらNATやらIPマスカレードという言葉を覚えたのもこのころです。

 自分のドメインを持つにはどうすればいいのかなあと調べてみて,その壁の高さにため息をついたことも思い出されます。

 その後セキュリティの問題や信頼性の問題,パフォーマンスの問題もありLinuxに移行,懐かしいVineLinuxを同じノートPCにインストールしてApacheで運用を始めました。

 以後マシンを買い換えたりして同じ方法を続けていましたが,QNAPのNASを導入したことをきっかけに,NASから公開することにしました。コンテンツのバックアップも信頼性もメンテも格段に楽になりました。

 ずっとこれで来たのですが,自分のサイトでお金儲けを全く考えておらず,面白半分でやっていたのでお金はかけられません。自分のドメインを取るなど全く考えられず,ダイナミックDNSさえも無料のものばかり使っては,サービス終了の度にURLが変わるという面倒くさい話に付き合わされてきました。

 SSLについてもそうで,証明書は最初は有料のものを使いましたが,契約が切れてからは無料のものを使っていました。

 すべて無料のものですのでサポートはなく,何かある度に試行錯誤で徹夜なんてのは当たり前,なにかあっても自己責任です。

 しかし,昨年末に光ファイバに移行,IPoEで繋がっているのでIPv4で外にサーバを公開出来なくなってしまいました。IPv6でなら公開出来るので騙し騙しやってきましたが,繋がらないという文句もあちこちからもらうようになりましたし,実際googleも検索対象と見なしてくれなくなって,すっかりさみしい状態になっています。

 光ファイバに移行するときにすでにこのことは覚悟していたので,レンタルサーバにかかる費用は光ファイバへの移行費用として考えていましたから,あとはいつ契約するかという話になっていたのですが,IPv6環境でルータに穴を開けるのも怖いですし,夏休みの自由研究としてWEBサーバをレンタルサーバに置き直すことを計画しました。

 さて,どこのレンタルサーバにお願いする課という話から始めないといけないですが,繰り返すようにあくまで趣味のページですし,お金儲けをすることもないので,出来るだけ安くないと継続出来ません。

 先入観で結構かかると思っていたのですが,調べてみると安いものは1ヶ月100円程度でいけそうです。競争が激しいんですねえ。

 結局あれこれ探して,大手で老舗のロリポップにお願いすることにしました。Wordpressがちゃんと使えるようなプランでも3年契約なら1ヶ月200円ちょっとと,趣味で公開するブログでも負担は大きくありません。光ファイバの接続料が200円余計にかかったと思えば納得です。

 で,話はこれで終わりません。なんと独自ドメインまで無料で使える事がわかりました。もちろん審査が必要なco.jpなどはダメですが,.comや.netなどは無料で取得可能,しかもサーバ契約期間中は更新料も無料というサービスなので,私は驚きました。

 独自ドメインがとうとう我が手に・・・

 思い起こせば,大学でインターネットを体験し,電子メールにもう物理的距離も時間的制限もなくなったと感激,netnewsとgopherとftpで多くの情報とソフトを味わってから,いつ個人で使えるようになるのかなあと心待ちにしていた30年前・・・

 インターネットの商用利用が解禁されてIIJが先頭を走り,当時のniftyがインターネットのメールのやりとりが可能になり,その後雨後の竹の子のようにインターネットプロバイダが乱立して行く時代になりました。

 ダイアルアップでも自分にIPアドレスが付与されるなんてすごいなあと感激してプロバイダと契約,とはいえ付与されたIPアドレスは実は他の人たちと共用で自分専用ではありませんし,ドメインもそのプロバイダのものを使うだけで,自分のドメインなど夢のまた夢という感じだったわけです。

 それがです,毎月わずか200円でサーバとドメインを用意してくれる時代になったんですね。すごいです。

 サーバは自分でメンテをやっていればわかりますが,速度は出ないしトラブルで動かなくなるし,あちこちからアタックされて穴を塞ぐのも大変,バックアップも必要になるしそもそも設備にお金もかかるしで,個人で自宅に持つもんじゃありません。

 なんといってもルータに穴を開けることの危険性を考えると,なんでも自分でやってみたいという人以外はやるべきではないし,仮にトライするなら知識と経験は言うまでもなく,それを受け止めるだけの機材も必要でしょう。

 加えて,自宅にWEBサーバを置けば,自宅のローカルアドレスからアクセスする時と,外部からグローバルアドレスでアクセスする時でIPアドレスが変わりますから,ローカルアドレスを返す自宅専用のDNSまで立てないといけなくなります。

 うちはRaspberryPiでローカルDNSを立てていました・・・いよいよ,これも停止出来るんです。

 ということで,ずっと止まっていた私のwebページも,新しい場所で公開することが出来ました。

 しかも,ドメインはg-shoes.netです。とうとうここまで来たんだなあ。
 
 さて,せっかくだから全部Wordpressで作り直そうかなあとも思ったのですが,過去のこのブログを移行させるのが大変で,結局CMSであるfreoごと引っ越しすることにしました。

 別にfreoに不満はないし,Wordpressも今は盤石ですが10年後どうなっているかわかりません。過去記事の検索の便利さもあるので,今後もfreoでいきましょう。

 ただしトップだけではWordpressで設定します。そこからfreoはリンクで飛ぶ感じです。なんか美しくないし,新しさも感じませんが,趣味でやってることですのでこれでいいんです。

 方針を決めたらさっさと移行作業です。

 freoは新規インストールを行ってからコンテンツのフォルダを丸々コピーすればとりあえず動くようになります。画像などのリンクが切れるので,これはデータベースを一度エクスポートし,エディタで一括変換しインポートして対応です。

 ただ,どういうわけだかサイトマップの生成がうまくいかないので,既存の記事は手動でgoogleに登録,新規の記事はRSSを使って登録することにします。

 大した作業をしていないのに,ここまでで1週間。ようやく独自ドメインにSSLも使えるようになって,いよいよ切り替えです。ルータの穴を塞ぎ,NASのサーバの公開を停止,サイトマップをせっせと登録して,これで一段落です。

 自分のサイトを他者のサーバを使って公開する以上は,相応の責任が発生します。独自ドメインを使って公開しているのですから,「なんじゃこりゃ」と思われうようなサイトでは恥ずかしいですしね。

 そんなこんなで,人並みにレンタルサーバで復活した「艦長日誌」。

 もうG-SHOESは死んだんじゃないか,と訝しんでいた皆さま,ちゃんと生きていますので,これからも見に来てやって下さい。

 

自宅サーバはもう限界かも

 昨年末に自宅のインターネット回線を光ファイバにし,IPoEで接続するようになってから,自宅のサーバーに設置したこのブログに繋がらなくなるケースが頻繁に起きるようになってきました。

 出来るだけ固定費をかけないようにする(趣味ですからね)目的で無料にこだわってきましたが,IPoEにした時点でIPv4によるアクセスはあきらめざるを得なくなりましたし,IPv6によってほぼ実質的に固定されたIPアドレスを持つサーバーを外部に公開し続ける事に対するセキュリティ上の不安もあり,今後どうするかを真面目に考えることになりそうです。

 IPv4によるアクセスが出来なくなることについては,携帯電話事業者がIPv6でのアクセスに対応していることから,スマートフォンからのアクセスに支障がないという判断から,もうこの際IPv4しか対応しないケースはあきらめて頂こうと考えて,割り切りました。

 ところが,どうもIPv6でもアクセス出来たり出来なかったりするのです。いろいろ調べてみましたが,サーバーを置いているNASのメーカーが提供するDynamicDNSであるmyqnapcloud.comから,IPv6のアドレスが返っていない場合があるようなのです。

 アドレスを直接打てばアクセスが出来ているので,ルータやサーバの設定はとりあえず大丈夫のようなのですが,ある時はIPv6のアドレスが返ってきてブログにもアクセス出来たかと思えば,その5分後にはアドレスが返ってこずアクセス出来なくなっていたりするので,困ってしまいました。

 これまではこんなことはなく,IPv6が扱えるマシンからなら必ずブログに届いていました。ただ,他の人からしばしばアクセス出来ないとか,もう死んだのかとか,そういうクレームを受ける事もあり,手元で再現しない限り対策も出来ないと結局あきらめてしまったのでした。

 実はこのブログ,少数ながら見て下さっていた方もいたようで,ごく希に引用されたりしています。うれしいことではありますし,僅かとは言え自分もインターネットに情報を提供する立場になっているのだなと感慨深いものもあるわけですが,調べてみるとここ1年ほど誰もアクセスをしていないようです。

 検索エンジンで引っかからなくなったことも大きいと思いますが,それはそれでさみしいもの。ちょっとお金はかかるけども,レンタルサーバを使ってきちんとブログを公開するようにしようと,そんな風に考えています。

 レンタルサーバを使えば,これまでの問題や妥協が一気に解消されます。IPv4もサポート出来ますし,検索エンジンにもひっかかるようになるでしょう。ローカルネットワーク内からアクセスするために内向きのDNSをわざわざ立ち上げていますが,それも必要なくなります。それに,自宅のルータのポートを塞ぐことも出来ますから,安全性を高めることにも繋がります。

 このブログはWordpressを使っていませんし,軽いスクリプトですので,安いサービスでも十分でしょう。あとは移行のための手間ですね。この夏休みの課題としましょうか・・・・

 

AMラジオの役割

 先日,民放ラジオ各社がAM放送をFM放送に転換するという発表を行いました。
テレビのニュースでも報道されていたくらいなので,impressなどのインターネットメディアでも詳しく報道してくれるかと思っていたのですが,案外静かなもので,注目度の少ないニュースとして流れていってしまいそうな感じです。

 AM放送の設備はFM放送に比べて大規模で,設置も維持もお金がかかるというのは本当の話ですが,その代わりサービスエリアは広く,受信機が簡単で済み安いですから,多くの人に聞いてもらえます。つまり,全国共通の内容が中心になるということです。

 それに,なんといっても,とても貴重な中波という周波数帯です。ここは国際的にも放送波に割り当てられていて,簡単に手放すというのはもったいないかもなあと思ってしまいます。

 FM放送はVHF対を使いますので,見通し距離しか電波は届きませんからサービスエリアは小さくなりますし,だから出力も小さく,設備も小さく済みます。だから,FM放送は地域ごとに放送局や番組内容が異なっていて,地域色が豊かなのです。

 ただ,そういう特徴をもってしても,昨今のラジオ放送の経営環境は厳しくなっていて,公共性の高いラジオ放送であっても,経営判断が必要になっているということなんだと思います。

 すでにFM補完放送というわかったようなわからんような名前で,AM放送と同じ内容をFMでサイマル放送する仕組みが続いているわけですが,これもAM放送の設備の重さに耐えられないという放送側の都合の結果始まったものと記憶しています。

 そういう背景がありつつ,結局2028年にどうなるかというと,全国の民放各局はFM放送に移行します。ただ,直ちにAM放送を停波するということではなく,当面は同時放送という形を取るようです。

 ただし,秋田県と北海道についてはサービスエリアが広いためFM放送への移行はせず,現状のままとなりそうです。また,NHKについても2023年にAM放送を1波に集約してからは当分AM放送を維持するという事になっています。(NHKはつい最近放送設備を更新したので,停波する理由もありません)

 厳しいのは在京大手の3社で,ここは免許の更新年にあたる2028年にAMも停波することを目指しています。ただ,その段階でFM補完放送に対応したラジオ(90MHzから108MHzまでが受信出来るラジオ)が今のAMラジオなみに普及しているかどうかが問題になるはずで,停波した結果リスナーが減ったとあればスポンサーも離れていってしまうでしょうから,慎重に判断することになるでしょう。

 ただ,VHFは遠くに飛ばなくても,インターネットは遠くに声を運びます。FM放送の中継局に音声を配信する仕組みがある現在,FM放送のサービスエリアは十分に広いと考えるのも,正しいかも知れません。


 ここでちょっと考察してみます。

 なんでこのタイミングでこんな話が出てくるのか。もちろん2028年に免許の更新時期を迎えることや,設備の老朽化の問題が避けて通れないこと,リスナーの減少で経営環境が厳しい事もあると思いますが,それにしても「今」浮上する話としては今ひとつ説得力がありません。

 思い出されるのは,VHF-Lowと呼ばれる周波数帯の,総務省の失策です。もともとここはアナログテレビの1chから3chに割り当てられていたのですが,地デジへの移行によって空き地になりました。

 非常に貴重な周波数帯なのでいろいろな活用法が考えられたのですが,きっといろいろあって結局東京FMの子会社が「デジタルラジオ」放送を行う事になりました。これが大コケにコケて会社は清算,周波数帯は返上という話になったのでした。

 このまま一等地を空き地にするわけにもいかず,総務省もはやくなかったことにしたいということで,新しい技術開発の必要な用途ではなく,手っ取り早く有効活用できる(したように見える)FM放送の拡張を行い,ここにAM放送を移籍させることにしたんじゃないかなあと思っています。

 なんだか,AM放送各社が自分たちの都合でFM放送にするという話になっているようですが,実のところ総務省の強い意向があったんじゃないかと,まあそういうわけです。

 考えてみると,AM放送とFM放送では,なにからなにまで違います。もし総務省がそれぞれの放送局に「同じ事が安く出来る」などといってそそのかしているのだとするなら,総務省はどれだけラジオ放送を軽視しているのかと思います。ああ,かつて頼もしい(かつ怖い)存在だった郵政省はどこにいったのでしょう。

 当然,教育テレビは無駄とかAMを2つも持つのは無駄とか,FMなんかやめてしまえといっている識者といわれる人々の声に推されて,当然NHKにも同じような圧力をかけているのだろうと想像出来ますけど,それでも当初の予定通りAMは1波にして続けますと言い切るんですから,NHKよくやったといってやりたいです。

 それから,これは私が一番懸念することなのですが,ラジオの自作がもう出来なくなるなあということです。FM放送では,電池を必要としないゲルマラジオを作る事が現実的に出来ません。

 本来電波を受信して復調することに電源を持つ事は必要なく,電波それ自身がエネルギーを持っていることを,ゲルマラジオは教えてくれます。グルグルと巻いたコイルにバリコンとダイオードと抵抗,そしてイヤホンがあれば電池もいらないラジオが出来上がるというのは,電気がないと動かない家電製品に囲まれた子どもたちを驚かせるのに十分なのです。

 それほど簡単な仕組みでラジオが完成するのは,これはいってみれば放送局側が負担してくれているからでもあって,FMラジオが安くなかった時代においては,この受信機の簡便性というのはとても大きなメリットでした。

 AMラジオは実用的な回路でも規模が小さく,自作にもってこいです。いまさらラジオを作る子どもがどれほどいるのかわかりませんが,自分で作ったラジオが市販品と同じ放送を受信して音声を出すその瞬間を目の当たりにすれば,そこに感動が生まれることは間違いないと思います。

 前述のゲルマラジオの始まり,トランジスタを減らしたレフレックスラジオ,かつての定番6石スーパー,ICを使ったストレートラジオ,果ては真空管を使って作る事も出来ます。でも,AMラジオに比べて回路の複雑なFMラジオを作るには,現実的にIC以外の選択肢はありません。

 殊更ラジオや無線の対するノスタルジーを協調したいわけではありません。ただ,FM放送に移行し,AMラジオが「ゴミ」になってしまうような時代になると,ラジオの自作はもう行われなくなってしまい,過去の文化になってしまいます。

 電子工学がとかモノづくりがとか,決して大げさな(かつありがちな)話では無く,夏休みの工作の選択肢がまた1つ減ってしまうという小さなレベルでも,私はとても残念な事に思えてならないのです。

 FMラジオにもキットはあるよ,という方の声も聞こえてきますが,それらは残念ながら,主要な回路は組み立てと調整まで済んでいる事がほとんどです。はじめてハンダゴテを使う人に,FMラジオの回路の組み立ては難しく,調整に至っては手も足も出ないものです。

 基板をネジ留めしてFMラジオを作ったことに出来るなら,どんなものでも手作り可能と強弁できます。ですが,それはAMラジオの自作とは根本的に異なる世界である事に,我々は気が付かねばなりません。

 そしてもっとも大切な事として,なぜ自作したラジオから音が出るのか,というラジオの仕組みを考える際,はるかに複雑なFMラジオの仕組みはAMラジオのように簡単に理解出来ないのです。

 作っておしまいなら,プラモデルと同じです。作る事をきっかけに学ぶことは,FMラジオでは難しいといわざるを得ません。だからAMラジオなのです。

 NHKだけでも残ってくれて良かったと思います。全国で放送が行われますので,地域によってAMラジオを自作する意味があったりなかったりするという差がなくなります。私はこの1点でNHKに受信料を払う理由があると思うほどです。

 AMラジオを維持するにはそれなり体力が必要であることは承知しているので,民放各局に期待はしません。ただ,NHKともう1社,どこか大手がしっかりとAM放送を続けてくれることを,望みたいと思います。

 総務省がまたスケベ心を出して中波帯で新サービスを考えついて,また哀れな民間会社が天下り先という使命を帯びて作られては消えてを繰り返すのは,もうみたくありません。

 

ARMへ移行するmac

 M1?

 BMWが紆余曲折の末に発売したスポーツカー?
 オリンパスが数々の画期的なアイデアで小型化した一眼レフ?
 (あるいはミラーレス一眼のフラッグシップモデル?)
 コルグが満を持して発売し世界を席巻したデジタルシンセサイザー?

 私が思いついた「M1}には偏りがありますが,googleで「M1」を検索すると,まあ出るわ出るわ。漫才グランプリからラジコンヘリ,果ては粉ミルクに至るまで,みんなこの語呂が好きなんだなあと思います。

 先日発表された新しい3つのmacは,AppleM1というCPUに持ち,インテルのCPUからの置き換えの口火を切りました。これは,macの長い歴史に大きなトピックとして書き加えられることでしょう。

 皮肉にもAppleM1のアーキテクチャであるARMにも,Cortex-M1という「M1」があるのですが,これは組み込み用途のローエンドをカバーするプロセッサであり,PC向けのものではありません。

 さすがに混同されないのは,それぞれに関係する人間に重なることがないからなんだろうと思いますが,M1という言葉の響きには頭にすっと入ってくる自然さと将来への期待が感じられて,なかなかよいんではないでしょうか。

 前置きはともかく,パソコンの黎明期に多感な時期を過ごした私にとって,PCの個性の最たるものであるCPUが変わってしまうことには,未だに大きな驚きがあります。

 CPUを交換するというのは,いわば「脳みそ」を交換するようなものであり,そこを変えたらもはや別人なわけで,同じ名前を名乗ってよいのか,同じ商品として売って良いのかと,首をかしげてしまいます。

 OSが同じでもそれは別人が同じ服を着て「変装」しているに過ぎないと見え,うがった見方をすれば消費者を騙す戦略と言えるかも知れません。だって,同じ見た目なのに,話す言葉が違うんですよ?

 ただ,現実はどうかというと,CPUが変わったことに誰も気が付かず,気が付いても実害がないので問題にしません。そして最も大事なことは,これが初めての事ではないということです。

 最初の驚きは,68kからの移行でした。当時のMacはモトローラの68000を起点に拡張を続けていましたが,今からは信じられないほどCPUのアーキテクチャにベッタリと依存したシステム構成で作られていました。

 だから,単純なコードの変換では済まず,ソフトの作り方から学び直さないといけないといっても良いほどの大事件だったのです。

 それでも当時のAppleには,重装備なCISCチップが性能向上をリーズナブルな形でモトローラが実現出来るとは思えず,MacのCPUにRISCチップからPowerPCを選択して将来を託します。

 インテルはx86をその強力な技術力で成長させたので,CISCが最高性能のコンピュータの構成要素にならないとは,理論的に言えません。しかし,そのために必要な条件やリソースは並大抵なものではなく,それはもはやインテルしか解決出来ないものであったと言えると思います。

 インテルはそのために,CPU以外のものを捨てて集中しました。儲けたお金をどんどん開発につぎ込み最高性能のCPUを作り続けてきたのですが,これも今にして思えばx86を捨てて新しいアーキテクチャにしていれば,もっと安上がりに作れたか,もっと高い性能のものが作れたのではないかと思ったりします。

 モトローラは巨大な企業でしたが,68000をインテルほどに強化することは技術的にも経営的にも出来なかったと思います。だから88000というRISCを用意するのですが,それも失敗におわります。

 焦ったのは顧客であるAppleです。当初88000で作ろうとしていた次世代のMacの見通しが立たなくなってしまったところに,あのIBMが秋波を送って来ました。かくしてAppleは,かつて挑発をして破れた世界最大のコンピュータメーカーでRISCチップの生みの親でもあるIBMのCPUを使うことに決めるのです。

 あわてたモトローラはこの連携になんとか食い込むことを画策し,かくてPowerPCの最初の製品であるPowerPC601は88000のインターフェースを持つ異端として生まれ,88000で動いていたMacの頭脳として動き出すのです。

 こうして誕生したPowerMacintoshは,68kの呪縛から解き放たれて性能向上や製品ラインの強化に成功します。ソフトの互換は長い時間をかけてネイティブ化を進めますが,当座は68kのエミュレーションでしのぐことになります。

 なにもかも異なるコードをエミュレーションで動かすのですから,「動くように作れば動く」というレベルだったように思えるくらい,動かないものが多かったと記憶しています。速度の低下も大きく,FPUのサポートは結局なされなかったと思います。

 68kのままでも将来はなく,PowerPCでも見通しは暗い,その上x86の性能向上はめざましく,Windows95はバカ売れです。ここでAppleはもう死ぬんだと多くの人が思ったでしょう。

 なんとか苦しい時期をしのぎ,PowerPCがその本領を発揮するようになると,デスクトップのハイエンドはともかく,今後主流になると彼らが考えていたノートPCを,彼らの思うように作る事が出来ないという現実に直面します。

 Appleは早くからノートPCが個人用コンピュータの主流を占めると考えていた節があり,それはWindowsの世界よりも明確だったと思うのですが,残念な事にPowerPCがそのビジョンを邪魔するようになっていました。

 当時のIBMの半導体の開発力は凄まじく,彼らが本気になればなんでも出来たはずですが,残念ながらPowerPCやPOWERはハイエンドの性能重視の製品に搭載されていて,ノートPCなどはインテルのCPUでいいじゃないかという判断がありました。

 「いずれノートPCが最高性能を求められるようになるんだ」というAppleの未来予測をIBMが理解してくれず,そのために絶対に必要だった低電力・低発熱・高性能なPowerPCへの理解がないことに,袂を分かちます。

 そして,IBMに匹敵する唯一のメーカーである,インテルのCPUを使うのです。

 この頃になると,CPUのアーキテクチャに依存するようなソフトを書くことは少なくなっており,すでにApple社内ではすでにMacOSXがインテルCPUで動作しているとも言われていました。

 少なくともCPUのアーキテクチャとは分離した形でOSやライブラリは整備されており,これに当時実用化されたダイナミックトランスレーションを用いたことで,PowerPCからインテルへの移行は,それほどの混乱もなく完了したのです。

 もちろん,PowerPCとx86では数字の並び順が違うという根本的なところに違いもあり,簡単なことではなかったはずです。しかし,ダイナミックトランスレータであるRosettaの出来が良く,またインテルのCPUの性能が高かったこともあって,インテル搭載のMacに買い換えることは,速度的なメリットを生むことになりました。

 そしてAppleは,クリエイター向けのハイエンドマシンとしてノートPCを提供出来るようになり,彼らのビジョンをあきらめなくてもよくなったのです。

 Appleはその後iPhoneの大ヒットで自社に半導体設計能力を抱えるようになります。最も重く大変な開発環境がすでに用意されているARMを使えば,自分に都合のいいCPUを開発することも難しい事ではありません。

 一方のインテルはCPUの覇者であることに変わりはないものの,その勢いや技術力に陰りが見えてきました。最先端のプロセスの導入には何度も失敗しているし,同じx86でもAMDの性能面で差が開いてきつつあります。消費電力も下がりません。同じような性能を持つCPUを自社で作り,それが遙かに小さな電力で動作することを目のあたりにすると,もうインテルのCPUを使う理由がなくなります。

 なのでAppleは,自社製のCPUに切り替える決断をします。それがApple siliconです。

 今のAppleにはお金も技術も人材もあります。不満のあるCPUを使い続けるような貧しい我慢をしなくてもよく,世界最高の半導体を使うという贅沢を迷わず選ぶくらい,豊かになったということでしょう。

 とはいえ,そこは技術の世界です。ARMに切り替えたmacが,バイナリ変換をしながら実行する速度が,インテルCPUのmacにかなうはずもないと私は思っていましたし,OSもRosetta2も不完全で,互換性に難ありだと思っていましたから,私は買わないつもりでいました。

 実は,私の生活マシンである11インチのMacBookAirがかなり厳しい事になっていて,どこかで買い換えないとまずい状態になっています。2011に購入した古参のMacですが,11インチという手頃なサイズとキーボードの心地よさから,買い換えるチャンスを逃してしまいました。

 すでに最新OSが動かなくなって久しく,自己責任でなんとかcatalinaを動かして延命している状態です。しかし,それもいよいよ怪しくなってきましたし,すでに実用レベルの速度で動かなくなっており,メールを見るのもwebを見るのも苦痛で仕方がなくなっています。

 生活マシンですので特殊なソフトも周辺機器も必要なく,Apple siliconへの切り替え(と新しいOSへの移行)にはうってつけな条件だったのですが,やはり初物は怖いという事と,結局11インチは出なかったということもあって,見送りの予定でいました。

 ですが,評判を聞くとすでにインテルのCPUのmacより高速で快適だというじゃありませんか。

 悩んだ末,私は13インチの最も安いmacbook airを注文したのでした。英語キーボードを注文したので,入手はまだまだ先ですが,仕方がありません。

 ということで,少しだけ今回のApple siliconへの移行を考えてみます。

 まず,移行の理由はインテルのCPUでは自分たちの目指すノートPCが作れなくなるだろうと考えたからだと思います。それでもインテルはAppleの要望をIBMよりもずっと聞き入れていたと思いますが,それもインテルに実現するだけの世界一の技術力があってのことです。

 話を聞いてくれても実現出来ないなら意味はない,インテルが今回見限られたというのはこれに尽きると思います。

 そして,インテルがどうしても聞き入れてくれなかった,CPUの性能差による製品ラインナップ構築を,自社CPUにすることでようやく撤廃できると考えたからでしょう。

 よく言われるように,インテルはCPUをクロック周波数やコアの数,キャッシュの大きさなどで細かくグレードに分けて,価格を変えています。昔からそれが当たり前のことだったので違和感を感じずに来ましたが,とはいえ実際に購入する時になると,さずか数百MHzの近いに数万円の差があることを許すか許さないかで葛藤する「面倒臭さ」がありました。

 これを楽しいと思う人でも,iPhoneで同じ事をされたら困るでしょう。そう,iPhoneもiPadも,CPUの性能で製品ラインナップが構築されているわけではないのです。

 考えて見るとこれはすごく自然な事で,製品の構成部品の1つに過ぎないCPUの性能で選ぶコンスーマー製品などPC以外に存在しません。ゲーム機だってそうですよね,PS5がCPUの性能で3つのグレードに分かれていたら,大きな違和感を感じるはずです。

 またしてもAppleは不自然な当たり前を自然なものに書き換えようとしています。それは多くのお金と力を持つ者しか許されていないことで,私は蓄えた財をこうしたことに投下できるAppleを好意的に感じています。

 かくしてmacBookAirとmacBookProはCPUの性能差ではなく,それ以外の特徴によって分類されることになったのです。なんと自然な事か。

 私が感心したのは,まさにこれでした。ようやく半導体技術者の勝手な都合からPCを取り戻すことが出来たのです。長い道のりでした。

 Appleはインテルと違って,CPUが商品ではなく,製品を作る部品の1つに過ぎません。インテルのCPUを選んでいるのでは私ではなくAppleでしたから,結局CPUの性能を私に選ばせていることに,責任回避のような,ある種のモヤモヤが拭えなかったのです。

 ようやく望ましい未来がやってきたと感じます。うれしいですよね。

 性能面では,M1というチップにはまだまだ物足りない者があります。クロックは3GHz程度のようですが,CPUの8つのコアのうちハイパフォーマンスのコアは4つしかありません。処理が重くなったときにググッと引っ張るトルクは,やはりインテルに分があるように思います。

 マルチチップで搭載されるメインメモリも足かせでしょう。メモリの不足だけはどうにも深刻で,CPUコアと密に繋がって性能を高めることは,当時にメモリを拡張できないという不自由さに直結しますから,製品寿命は短いとみるべきです。

 電力の低減にも効き目はありますし,部品点数を削減することにも効果はあります。しかし,長く使おうというユーザーには厳しいものがあり,そこもmacがスマートフォン化していくのだと見るべきかも知れません。

 すでにAppleはGPUについてはアーキテクチャに依存しないMetalに移行できている関係で,種類やコアの数にそんなに制限を受けることはありません。エミュレーションではなくダイナミックトランスレーションで十分な速度が得られる理由はここにもあり,上手い設計をしていると感心します。

 それでもこれらデメリットが霞んで見えるのは,その消費電力の低さです。電力が小さいと冷却も簡単で済みますし,電池も小さく出来ます。製品自体を小さくすることも出来ますし,安くすることもできます。消費電力が大きいことは誰の得にもならないことなのです。

 もしかすると,AppleはiPhoneとiPadのようにハードウェアの大部分は共通化し,OSの違いで製品を作り分けることを考えているのかも知れません。以前macがiPhoneとOSを共通化するのではないかという噂が出ていましたが,共通化するのはむしろハードウェアであって,OSを変えることで製品とターゲットユーザーを変えるのではないでしょうか。

 そうなると,必要なのはCPUのスケーラビリティでしょう。クロック周波数を上げるのか,コアの数を増やすのか,もっと簡単に搭載するCPUの数で調整出来るのか,それはわかりませんが,今のmacproを越える性能を出すのは,そう簡単なことではないはずです。

 ただ,性能の向上はCPUを増やすことと,それらを上手く繋ぐことにあるというのは,数々の成功例を見てももはや常識です。かの「富岳」のような構成のバケモノマシンがmacproとして登場することも,あるいはあり得るかもとワクワクしてきます。

 今回のOSのアップデートで,macosはバージョン10から11へと,ようやくメジャーアップデートを果たしました。ARMへの移行というより,CPUのスケーラビリティと性能の調整の仕組みがきっと重視された設計になっているに違いありません。

 私にMacBookProは,ソフトの互換性の問題で今だにMojaveのままです。MacBookAirは瀕死の状態ですし,こういう苦しい状況を新しいMacBookAirが一気に解決してくれると期待しているだけに,届くのが楽しみです。

 

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