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ワンダースワン復活の道~その3

 続けてワンダースワンのお話。今回のお話はほぼ私の愚痴です。

 まず1つ目です。ワンダースワンカラーのIPS化に失敗し,壊してしまったLCDを買い直したわけですが,あろうことかまさかの未着で泣き寝入りという事になりました。

 aliexpressではしばしばこうした未着のトラブルがあるそうですが,私はこれまで幸いにもこうしたトラブルはなく,すべて届いていました。

 しかし,今回はだめでした。それも,中国のお店の不手際や通関前の運送トラブルならまだあきらめもつくのですが,残念な事に日本の運送業者に引き渡されてからの問題でした。

 今回の荷物は,日本に到着し通関をパスしたあと,いつものように「エスポ便」なるものが私の家まで届けてくれることになっていました。追跡してみると,通関手続きの完了が12月13日の10時55分,日本の運送業者への引き渡しが同日11時55分となっています。ここまでは順調です。

 そして配達開始が翌14日の22時5分。おいおい,こんな夜遅くから配達開始かいな。そして配達完了はあけて15日の3時2分・・・こんな深夜に!

 エスポ便は置き配しかしないので,15日には朝から夜まで何度か玄関先とポストを見たのですが,見つかりません。ああ,荷物が行方不明になりました。

 最近はあまりなかったのですが,一頃荷物が続けて届かないことがありました。原因は一つ向こうに出来た,同じ名前の新しいお家に誤配されていた事でした。我が家とは違って,このお家は通りから見えていてわかりやすく,住所も似ているのでよくここに誤配されるのです。

 お互い様と思いたいところですが,彼らの荷物がうちに来ることはありません。明らかに誤配と知らされた事例以外でも私の荷物が時に数日遅れになることがあるのは,きっと誤配されたものがうちに再度配達されるからだったのでしょう。

 今回もその可能性があります。夜中ですからね,暗くて住所など良く確認出来るはずもないですし,写真だって撮れないし,寒いなか表札の名字をぱっと見て「おーここだここだ」とポストにでも突っ込んだんでしょう。

 一時期多かった誤配は,私まもちろん先方のお家にも迷惑がかかっていることを日本郵便やヤマト運輸にしつこく言い続けたことで,徐々に減っていきました。ヨドバシとamazonの配達員の方は優秀で,大手の配達業者から自社便に変わった後に誤配があったことはありません。

 ですが,今回のエスポ便,これまで上手く配達されたケースでは,すべて常識的な時刻に配達が行われていました。システム登録上の問題かも知れませんが,それにしてもこの時刻に誰かが端末を操作したと考えるのが普通ですから,やっぱりいつもと違います。

 そういった,いつもと違うシステムに乗ってしまった私の荷物は,(おそらくは)誤配というブラックホールに飲まれてしまったというわけです。(もっとも誤配じゃないかも知れませんが,紛失にせよ破損や廃棄にせよ,思うに誤配が一番罪が軽いんじゃないかと思いますよ)

 郵便やヤマト,amazonなどの誤配は,受け取った方が誤配であることを連絡する手段が簡単でした。amazonにしても郵便局にしても身近なものですし,話せばわかる相手です。しかしエスポ便の送り状には連絡先は書かれていません。仮にエスポ便をネットで調べてくださったとしても,その電話番号はナビダイヤルで高額な通話料がかかる上いつも話し中で繋がることは絶望的で,メールは100%無視されるでしょう。調べた限り,もしも話が出来ても「話にならない」そうですし。

 そんな状態で,誰が善意で私に荷物を戻してくれるでしょうか。そもそも,これまでもそうだったように,そのお家は誤配があっても私に声をかけてくれることも,ましてや持ってきてくれることなど一度もありませんでしたから,今回についても警戒されてゴミ箱行きでしょう。(シメシメとあけて,わけのわからんLCDが出てきてがっかりしているかも知れませんが)

 今回は本当に運が悪かったとしか言いようがありません。中国からの通販には届かないというリスクが付きもので,そういうことも楽しめないと使っちゃだめだと思うのですが,悔しいのは届かなかった理由が日本国内の,日本人によるもので,しかもおそらく半径100m騎範囲のどこかにあるだろうと推測されることです。いやはや,もう日本の宅配システムは信頼出来ないものになっているのです。

 よろしい,では紛争だ,とばかりにaliexpressに返金の手続きをするも,5秒で却下されました。配達完了になっている場合,もうaliexpressにもセラーにも責任はなく,配達業者にあるのでしらん,とのことです。確かに通関が済んでしまえば,もうそれは日本領内のお話ですしね。

 ということで,あえなく撃沈。置き配は信頼性の高さはもちろん,万が一事故が起きた場合の保証(と効率化によるコスト削減との天秤)によって成立しているものだと思いますが,エスポ便は連絡手段が実質的に機能しないことで逃げ切りが可能な,なかなか賢い業者と言えそうです。

 つらつらと思うに,責任を持つことからみんな逃げるようになりましたよね。責任にはコストがかかるわけで,そういうものを外部に出すことで,自分の責任の範囲を極小化してコスト削減を行うわけです。

 当然,仕事の範囲が細分化され,面倒な仕事ほど小さく切り取られて,立場の弱い人たちに押しつけられます。当然その人たちが最終責任を取れるはずもなく,それは本来彼らに仕事を出している大手が責任を取るものだと思うのですが,それはアウトソーシングという仕組みで回避することが出来るようになりましたaliexpressのようにです。

 でもですね,aliexpressなど通販も含めた小売業というのは,お客さんが支払ったお金を受け取り,品物を渡すことが仕事です。しかもそれは基本サービスで,そこから利便性やアフターサービス,気持ちの良い接客などを競うものだと思います。

 しかし,今回のaliexpressの考え方は,お金を集めて「出荷する」のが自分たちの仕事だとしていて,およそ小売業とは言えません。そう,それはECプラットフォーマーという仕事であることを,利用者である我々は忘れてはいけません。

 そこへ行くと,amazonにしてもヨドバシにしても,小売業の本分を忘れていません。amazonは置き配を始めた会社でしたが,最終的に客が品物を受け取るまで,amazonが問題の解決を図ろうとしてくれます。その強力な力は公正取引委員会に怒られるほどですが,しかしなから彼らの視線は使命感と共に常に消費者に向いています。

 ヨドバシに至っては,配達も自社便で手渡し前提,再配達は電話でと,前時代的なほど客との対話にこだわっています。ヨドバシのクルマから降りてきたヨドバシの制服を着た人に,ヨドバシですと自分の買った物を手渡されれば,それはもうお店で購入したこととなにも変わりません。

 特に再配達の電話については,面倒という声があるのに対し,あえてお客様との対話を重視しているというインタビューが出ていました。通話料は無料で,人と人がきちんと話し合うことで問題を解決することにこだわる姿勢は,ヨドバシの店頭でも良く体験することです。

 店舗と通販に共通の考え方を押し通せることはヨドバシの強みだと思いますし,通販専門のamazonが,小売店の責任を消費者目線で全うしようとすることは,本当に頼もしいと思います。

 別にこれは日本の厳しい消費者の考え方ではないと思います。小売店は品物とお金を交換するのが仕事です。客の手に品物が渡るまでがその責任だと考えてくれているお店とお付き合いしたいものです。

 というわけで,aliexpressの荷物が届かなかった件で,私はモヤモヤとしていました。連絡はつかないし,ついたところで良い結果は出てこないだろうと思うので,その理不尽さをどうやって解決すべきか考えても考えても答えは出ません。

 しかし,そんな私の気持ちをスッキリさせる事実が発覚します。改めて注文した商品を見ていると,ちょっと違和感があります。手元にある壊れたLCDと見比べると,明らかにフレキの形状が違います。出ている向きも長さも違いますから,これきっと互換性はないでしょう。

 どちらもワンダースワンカラーのIPSキットとして売られていたものですが,コントローラ基板の違いで,フレキの形状に種類があるみたいです。私が壊した物はL字に曲がっていますが,交換用に買った物はストレートです。

 ああ,なんということか。注文の段階ですでに決着が着いていたとは。もし仮に届いていても,悲しみが広がるだけだったというわけです。

 事ここに至って,もうどうでも良くなりました。誤配で受け取った人がメルカリで売り払ったとしても,配達員の兄ちゃんが配達したことにして捨てたとしても,もういいです。好きにしなさい。

 L字に曲がったLCDは単独では売られていないようで,もしこのまま計画を進めるならばキット全部を買い直す必要があります。先々週から微妙に円安が進んだことで価格も上がってしまっているので泣きっ面に蜂ですが,やむを得ずキットを注文し直しました。今度はちゃんと届くといいなあ。


 1つ目が長くなりましたが次の話。モノクロのワンダースワンの話です。

 位相差フィルムで色を白/黒にしてあるのがオリジナルのワンダースワンのFSTN液晶です。位相差フィルムの劣化によって緑/青になってしまったワンダースワンが多いため,元の状態を記憶している人は少ないでしょうし,もともと緑/青だったゲームボーイの印象が強いこともあって,ワンダースワンの修理例のほぼすべてが,普通の偏光フィルムを使った緑/青のLCDへの修理です。

 私はこの白/黒のLCDにこだわりを持っていたので,出来れば位相差フィルムを使った偏光フィルムを手に入れたいと思っていましたが,これが絶望的に見つかりません。

 このままバラバラになったままよりは,とりあえず修理して組み上げた方がいいだろうと言うことで,私も普通の偏光フィルムを使って,緑/青で修理をすることにしました。

 向きを調整し,綺麗な緑色が出てコントラストが最大になるようにしてからカット,裏表を間違えて1枚無駄にしましたが,なんとか綺麗に貼ることが出来ました。

 見栄えは残念な緑/青ですが,試しにグンペイをやってみたところ,これが意外にちゃんと楽しめます。もうね,これでいいですよ。

 そして最後に,ゲームボーイアドバンスです。

 偏光フィルムが手に入ったのでさくっと交換するつもりが,えらいはまりました。

 まず,ゴミが入りました。諦めつつ組み上げても表示が出ません。フレキの差し込みを少しずらすと表示が出ることがわかり,ようやく組んだとおもって画面をみたら,偏光フィルムの端っこが浮いています。

 何度やっても浮いてきます。もう30回ほども組んでバラしてをやったでしょうか。結局,LCDを貼り付ける両面テープが偏光フィルムを剥がしているのですが,どうも初期ロットの筐体はLCDに変な応力がかかるみたいで,それで偏光フィルムが浮いてしまうようなのです。

 偏光フィルムをギリギリの大きさにカットしたり,両面テープの位置を調整したりと試行錯誤を繰り返しましたがどうにも浮いてしまいます。仕方がないので,浮きが出ている部分の両面テープにフィルムを貼り,粘着をなくして対処しました。

 ただ,風防の裏側のホコリを拭うのに,レンズを拭くのにも使われるシルボン紙を使ったところ,擦り傷がたくさんついてしまいました。表面に比べて裏面は柔らかくて傷がつきやすいみたいです。

 反射型のTFTは外光を取りこむ必要があるので,この擦り傷が妙に目に入ってきます。これは失敗しました。とにかく,いじればいじるほど,悪くなって行くというのがこの手の修理作業です。最初に緻密な計画を立てて,流れるように作業をするように心がけ,基本的にはやり直しなしの一発勝負だと覚悟して作業にあたらねばなりません。

 繰り返した対策から2日,今のところ偏光フィルムの浮きは出ていません。このまま収束してくれるといいなあ。


 ということで,ワンダースワンカラーの風防の交換を思いついて始まった泥沼。まだ道半ばで決着は着いていませんが,とりあえずモノクロとカラーを1台ずつ復活させることができました。

 え,なに?嫁さんのワンダースワンがどっかにあるはず,だと・・・

 

ワンダースワン復活の道~その2

 ワンダースワン復活計画,まずはスワンクリスタルの復活に成功しました。過去最大級の盛大な液漏れによる基板の破損に絶望的なレベルのビネガーシンドロームによるLCDの損傷という致命傷からの復活です。

 これはうれしいですよ。ワンダースワンシリーズの最も完成度の高い機種であり,無改造品では最も実用性が高く,そのせいもあって最も高価な値段で取引されているものですので,これが復活出来たというのは,液晶の劣化(ビネガーシンドローム)が避けられないものであるスワンクリスタルとしては,非常に意味のあることだと思います。

 と大きな事を言ってますがやったことは実に簡単で,基板についてはジャンク品の基板を移植,LCDについては劣化した偏光フィルムを貼り替えただけです。

 まず基板。これはもう偶然としか言えなくて,使用感ありありで傷だらけの,動作未確認のジャンク品を手に入れました。価格は8000円くらいだったと思います。ちょっと高いなと思いましたが,LCDの程度もそんなに悪くなさそうだったので,どっちも使えたら儲けものだとさっさと購入しました。

 数日後に届いたものを確認したところ,わずかな電池の液漏れがあったみたいですが基板は無傷,幸い正常に動作しました。ジャンク品ということで動作しない場合は面倒だと思っていましたが,それでも修復できるだろうと思っていたところ,正常に動作してなによりでした。

 さて次はLCDです。このジャンク品についてきたLCDも,真ん中に少し膨らみがあり,色も全体に黄色くなっているのですが,目障りなほどではありません。十分にゲームを楽しむ事が出来る状態だと思いますが,せっかくですしビネガーシンドロームで完全に死んでしまった私のスワンクリスタルのLCDを復活させてみます。

 この場合,なにより難しのは,新しい偏光フィルムを手に入れる事で,10年前なら絶望的だったでしょう。

 しかし今は世界の工場,中国から誰も簡単に部品を手に入れる事の出来る時代です。円安かつ,中国の経済力が上がったとは言え,それでも小分けされたものを安価に手に入れる事が出来る状況は非常にありがたく,私もなにかとお世話になっています。

 最大の問題は,その種類があまりに膨大であることです。これほど多いと何を買っていいやら,何が適合するやら,さっぱりわかりません。検索するのも一苦労なら,検索後に絞り込むのも至難の業です。めぼしい物が見つかっても試すわけにはいきませんし,気軽に返品できるわけでもないので目利きが重要という事になるでしょう。

 私の場合,LCDにそんなに詳しいわけではないのですが,とにかく情報を集めてスワンクリスタルの反射型TFTに適合しそうな偏光フィルムをいくつか選び,一か八かで購入して試すことにしました。

 aliexpressは安いし品数も膨大,しかしも最近は早いし信頼性も高いという事ですでに当たり前になった感がありますが,もう一度同じ物を買おうと思っても売っていなかったり,以前購入した業者があっという間になくなっていたりするので,まさに一期一会。リサイクルショップで掘り出し物をつり上げるくらいの気分で買い物をすることになります。

 なので,例えば「これが使えたよ」というありがたい情報を入手しても,その通りの物を入手することはほぼ不可能です。仮に手に入ることがあっても値段が大きく変わっていることも多くて,実質的に入手出来ないことも多いですし。

 しかし,有益な情報であることは変わりません。それを手がかりにあれこれ探ったところ,いけそうなものを2つほど選んで購入,価格もピンキリなので出来るだけ安いところを選んで購入しました。

 最近は本当にaliexpressも早くなった物で,1週間かからない場合もあります。小さな物でもロストせずきちんとポストにはいているのを見ると,ここまで多くの人の手にわたって海を越えここまでやって来たんだなあと,しみじみ思ったりします。

 さて,どの偏光フィルムを買ったのかですが,あいにく私もわからなくなってしまいました。スワンクリスタル用と書かれたものを買って,結果的にこれが一番マッチしたわけですが,それがどういう商品名だったか,どのお店で買ったかはもうわかりません。

 で,届いた偏光フィルムを早速試してみようと,古い偏光フィルムを剥がしたLCDを繋いで動作させ,新しい偏光フィルムを上に重ねてみました。

 しかし,残念な事に全く表示が出てきません。裏返しても,クルクル回してもだめです。

 うーん,やっぱりそんな簡単な話ではないなあと心底がっかりしたのですが,晩ご飯を食べてから,ふと保護フィルム(というか糊のある面の剥離シート)を剥がしてみたらどうだろうと思い立ち,試してみたら綺麗に表示が出ました。

 すごいですね,まさにあのスワンクリスタルの画面が復活です。感動しました。

 確かに位相差フィルムを使って表示を出しているとは思いますが,まさか保護フィルムも位相差を作り出しているとは思いませんでした。保護フィルムを剥がすと正しい位相差になるというのが理屈だと思いますが,これはさすがに事前にはわからないですよね。

 ということで,適当なサイズに切り出してLCDに貼りますが,糊のついた偏光フィルムはホコリが入ったり気泡が残ったりとなかなか難しく,悉皆するとやり直しが利かないので,実は私は1度失敗しました。2回目は綺麗に貼れたので良かったのですが,ちょっともったいないことをしました。

 ところで,リスク回避という事でゲームボーイアドバンス用の偏光フィルムも買ったのですが,こちらも同じように保護フィルムを剥がすとスワンクリスタルでも綺麗に表示が出ました。ただ,よくよく見ると少し色が異なっていて,スワンクリスタル用として購入した物に比べて,黒が青みがかってしまいます。

 おそらくですが,縦位置と横位置に合わせて,位相差を調整して色味を合わせているんだろうと思いますが,オリジナルのスワンクリスタルと比較して,黒がしっかり出ているものが近い方を選んで貼りました。

 貼った物を早速動作させましたが,スワンクリスタルを初めて起動したときの感動が甦りました。ジャンク品についてきたギリギリ使えるオリジナルのLCDと比べてみましたが,地色の透明度が高く,発色も素晴らしいです。オリジナルは20年以上経過しているので,地色が黄色くなっていますし,透明度も下がっているのでコントラストも低く,色も良くありません。

 見ていて惚れ惚れしてしまい,しばらくGUNPEY EXを夢中で遊んでしまいました。

 ということで,まずは1台,スワンクリスタルが復活しました。これでとりあえずワンダースワンのソフトをプレイできる実機を1台確保できたので一安心です。

 ちなみに,今回入手した偏光フィルムは,ワンダースワンカラーのFSTNカラーLCDの偏光フィルムとしても使えそうです。きちんと試したわけではないのですが,簡単に試したところネガポジ反転もなく,正しい色で表示が出来るとことまでは確かめました。ただ,オリジナルに比べて発色やコントラスト,明るさが十分かどうかは自信はありません。

 もともと見にくいLCDでしたので,偏光フィルムを交換したくらいで実用レベルに達するとも思えませんから,これはもう深追いする予定はありません。IPS化する予定ですし。

 それからやはりビネガーシンドロームでLCDが死んだモノクロの初代ワンダースワンですが,これもFSTNの白黒LCDがオリジナルで,巷でよく見るTN用の偏光フィルムによる緑/青のなんちゃって修理ではだめだと,なにか良い方法はないものかと考えていました。

 もしかして今回のTFT用の偏光フィルムが使えたりしないかなと期待したのですが,これは全くダメでした。位相差フィルムを通した,白/黒モードの表示こそ,初代ワンダースワンのこだわりの1つで,安易に緑/青で修理出来たことにはしたくはないのですが,これを実現出来る偏光フィルムの入手がもう絶望的で,実はもう諦めかけています。

 多くの修理例のように緑/青でいいか・・・なんて日和りつつあります。

 さてさて,今回甦ったスワンクリスタルはうちのリファレンス機としてオリジナルの状態を保つ動態保存機の位置付けです。実用機はあくまでワンダースワンカラーのIPS改造品であり,これは割ってしまったLCDが届いてから作業開始です。
 
 気長に続きます。

ワンダースワン復活の道~その1

 ワンダースワンのお話,まず第1話です。失敗というか,恥ずかしい話です。

 作戦その1として,とにかく動くワンダースワンの確保をということで,仮にオリジナルに戻せても実用性に乏しいワンダースワンカラーをバックライト付きの見やすく綺麗なIPS液晶に換装することにしました。

 これ,数年前から死んだワンダースワンカラーを復活させる方法としても,あるいは貴重なスワンクリスタルを越える実用機を手に入れる方法としても注目されている方法で,多くのワンダースワンカラーが実用機へと生まれ変わっています。

 中国生まれのこの画期的な改造について,私は残念ながら詳しいことをよく知りませんが,液晶そのものはゲームボーイアドバンスのIPS換装キットと共通で,ワンダースワンカラーもしくはゲームボーイアドバンスのLCD出力信号を変換し駆動するコントローラ基板を,本体基板とLCDの間に挟むことでIPS化を実現しています。

 もちろん,コントローラ基板は機種ごとに違っているのですが,ワンダースワンの特徴であるセグメントによるステータスアイコンを,画面の端っこにドットマトリクスで表示することも,このコントローラの役割です。

 コントローラ基板そのものはワンダースワンカラーもゲームボーイアドバンスの共通のようで,コントローラLSIが違うのか,あるいはLSI自身はFPGAで,その中身を機種ごとに変えてあるのかは不明ですが,どっちにしてもLCDは共通,コントローラ基板は機種別になっているようです。

 キットとして売られていてamazonだと12000円くらいなのですが,aliexpressだと8000円弱,特価で6000円程度で売られています。すでにaliexpressに抵抗のない私は,もちろんaliexpressに注文です。

 1週間ほどで届いたものをテストしましょう。本体とコントローラ基板,そしてLCDをフレキで繋いだだけではだめで,フレキの途中に出ている2箇所のランドに5Vと3.3Vを供給するため,DC-DCコンバータモジュールから2本ジャンパを飛ばします。

 電池を繋げてスイッチを入れると,鮮やかな表示が正常に行われました。いやー,この綺麗さはモチベーションが上がります。素晴らしい。フレキの途中にあるタッチセンサに触れると輝度が変わり,長押しでカラーと白黒が切り替わります。

 説明によると,バックライトへの電流が多すぎて問題がでているらしく。電流を減らすための抵抗が同梱されているのでコントローラ基板にある10Ωを51Ωに交換しておきます。

 さて,これを本体に組み込むのですが,ここからが地獄の始まりでした。

 まず風防(透明パネル)です。これ,先日某ゲームショップで買った物がもったいないのと,ガラス製で高級感があるので再利用を考えていたのですが,あいにく剥がしたときにアルコールで融けた両面テープの糊がベタベタとついていて,これを取り除く必要がありました。

 見た目に綺麗に取れたようでも,LCDを取り付けて見ると拭きムラが残っていたりと,とにかく綺麗にし切れません。静電気でホコリもつき始めて,すでに混乱気味です。

 そのうちLCDにもホコリがついたり,うっかり触って指紋がついて,これを拭き取ると簡単に擦り傷がついてしまい,またパニックに。

 かなり目立つ傷がついてしまったのでデジカメ用のLCD保護フィルムを貼り付けて傷を消しますが,キズは綺麗に消えるものの,微妙にサイズが小さくて一部そのままになってしまう部分もあります。不細工ですがやむを得ません。

 風防もガラス製の物は諦めて,今回のキットに付属していたプラスチック製の新品に変えることにしました。ホコリも傷もなく,綺麗に組み込めたので,最初からこうすれば良かった。

 ボタンと基板を組み込み,ケースをビス留めして完成です。

 しかし,いざ電源を入れてみると画面にゴミが出ています。画面の右に2本ほど,まるで天の川のような帯が縦に2つ出ています。綺麗な線ではないので最初はLCDの破損だとは思わなかったのですが,ルーペで見るとその帯は点灯しているピクセルの集まりでした。

 こまめに表示テストを行って作業を進めたので,最後の最後に表示不良が出ることにがっかりしたのですが,取り付けに失敗しているのかも知れないとLCDを剥がしてみますが,やはりゴミは同じ場所に出ています。

 まだLCDの問題だと断言出来ないので,フレキやドライバICをぐいっと指で押して表示の変化を見ますが変化なし。とはいえなかばLCDの破損だろうと思っていた私は,思わず不用意に指に力を入れてしまい,ペキッとLCDを割ってしまいました。

 万事休す。

 そもそもこの某ゲームショップのガラス製の風防には振り回されっぱなしです。サイズがやや大きいので取り付けに苦労し,そのせいでオリジナルのSTN液晶が死にました。今回もコイツのせいで何度も何度もLCDを付けては外し付けては外しを繰り返し,擦り傷を付けたあげくに割れてゴミです。時間も手間も費用も浪費してこの有様です。金返せー。

 とまあ,物に八つ当たりするのは筋違い。すべては私の鈍くささが真因です。ここに至って結局ワンダースワンカラーのIPS化は失敗に終わりました。私は悲しみあまり,倒れるように布団に入り,己の力のなさに打ち震えながら,意識が薄れていくのを待つほかありませんでした。

 しかし,このまま終わってしまうのは実に悔しい。そこでaliexpressでLCDだけを注文しました。3000円ちょっとだったので,合計でここまで合計9000円ほど。それでもamazonよりも安いのでなんとか納得していますが,一応小型機器の商品設計をやってきた私のプライドはすでにズタズタです。もとい,これは今の自分を冷静に見つめ直すチャンスとすべきでしょう。

 新しいLCDが届くのは10日ほど後です。ただ,この見た事もないようなまだらにピクセルが点灯して出来た帯は,明らかなLCDの破損で出てくる症状と違っているので,どうも解せません。LCDの問題なら新しいものが届けば問題は解決ですが,もしこれがコントローラ基板の問題なら問題は解決しないでしょう。

 昨日のうちにとりあえず1台が復活するかと期待しました。実際,あとは組み込みという所まで来ましたが,そこから急にゴールは離れていきました。いい夢を見られると思って頑張りましたが,慌ててやるとろくな事はありません。やっぱり作業そのものを楽しむくらいの余裕を持たないと失敗するなと,つくづく思った次第です。

 ワンダースワンの次の復活のチャンスは,数日以内に中国から届く,別の作戦用の部品です。実はこれが本命。しかしこれも一か八かの大ばくちですので,上手くいくとは限りません。作業前に詰む可能性も高いので,作戦から考え直す必要があるかも知れません。

 ともかくも,焦らず気長にやってきましょう。いやなに,どんくさいのはいつものことですし。

 

知恵と工夫でPoly-Liteをシングルウォールリムに使う

 自転車のメンテシリーズ,今回はハンドルバー,クイックリリース,リムテープの交換です。

 まずハンドルから。

 これまでついていたハンドルは鉄製で,錆びてみっともなかったということと,ポジションはやや低めでバーハンドルだったことから,前屈姿勢のため視野が狭くて怖かったため,もう少し体を起こして乗りたいなと思っていました。

 ハンドルの高さはこれ以上上げられない様子なので,ハンドルバーを交換することにします。今度はバータイプではなく,昔の自転車のように少し曲がったプロムナードというものを選んでみました。40年ほど前のデコチャリによくあったやつですね。

 当時私が乗っていた自転車はドロップハンドルだったので,それにしてもいいかなと思ったのですが,視野の狭さが解決しないことに気が付いてやめました。

 交換作業はスムーズで簡単だったのですが,やはりというなんというか,ワイヤー類が短くなってしまっていました。一番深刻なのはブレーキワイヤーで,長さはもうはやギリギリで,調整後は全くゆとりがなくなりました。

 これでブレーキワイヤーも交換するというのはもったいないですから,次の機会にやり直します。

 ディレイラーのワイヤーは幸い変更はなく,フロントに至っては再調整の必要もありません。これは助かりました。

 で,早速乗ってみましたが,本当に楽になりました。前屈みはしんどいですし,前が見えないので怖いです。音も良く聞こえるようになりましたし,自分にとって一番楽な速度域で流すという事が出来るハンドルです。

 あらためてみるとレトロと言うより古くさくてダサイんですが,まあもうそんなことを言っていても仕方がありませんので,私は楽を取りますよ。

 次,クイックリリースです。

 リアのクイックリリースの調整ネジ(レバーの反対側のネジ)のキャップが空回りするようになってしまい,ちょっと怖くなりました。そうでなくてもレバーを倒すときに渋いですし,サビがひどく出ていてみっともないです。

 そもそも20年も使っているのですから,破損も心配です。そこで高いものではないんだし,と言うことで交換することにしたのです。

 私のCOM70Mのハブの幅(OLD)は,フロントが100mmと標準的なもの,リアが135mmでした。クロスバイクで135mmは一昔前なら普通なのですが,近年は130mmが一般的だそうで,あまり見かけなくなっているそうです。まあ,COM70Mはボスフリーで135mmですから,もはやホイールも補修部品で探すしかないんですが・・・

 で,シマノのクイックリリースを探してみると,長さがなんだかおかしいです。どうもシマノ場合OLDではなく全体の長さが書かれているみたいで,フロントは135mm,リアが168mmというのが,それぞれフロントとリアのOLDである100mmと135mmに適合します。

 で,これもまた前後でセットではなく,完全にばら売りなので面倒です。前後を揃えるのに一苦労,ホイールの部品の1つという扱いらしく,クイックリリースは交換部品みたいです。

 フロントは980円の安い物が見つかったんですが,これと同じリアの物がありません。そこで探し回った結果,WH-6800という旧品種のホイールとセットだったものを買いました。1つで1800円ほどしたので,合計で4000円近くです。随分高くついた物ですが,届いたものは実にしっかりしていました。これも昔なら安かったのかも知れません。

 これを交換するついでに,気になっていたものを交換します。リムテープです。

 リムバンドともいいまして,リムの内側にかけるゴムのテープなんですが,これがないとスポークをリムに固定しているニップルの頭の飛び出しがチューブに穴を開けてしまいます。劣化するのでチューブと同時に交換するのがいいんですが,私の場合面倒だという事でずっと交換せずにいました。

 しかし,今回はきちんとしましょう。2ヶ月前にチューブを交換したわけですが,今さらながらもう一度分解して,リムテープを交換します。

 今回はパナレーサーのウレタンテープ,Poly-Liteを選びました。ウレタンテープが一般的になっているみたいで,安いゴムの物はあまり見なかったのですが,ウレタンは使わなくても放置するだけで加水分解でボロボロになりますし,一方のゴムは20年以上もその役割を果たしてくれている訳ですから,個人的にはウレタンを信じていません。

 また,前回はあまり意識せずにタイヤの交換も行ったので,タイヤの向きもフロントとリアで逆になっていて格好悪い。幸いパナレーサーのコンフィには回転方向の指定はないのでこのままでもいいんですが,やはりこれは気分の問題として,ロゴマークが右側に来るようにし,かつバルブの真上に来るようにしましょう。

 で,早速交換作業です。なんと,ここで私はまた失敗をしてしまいました。

 交換前のゴム製のリムバンドの幅もちょうど15mm。同じ幅ですので問題ないはずとリムテープをはめていくのですが,どうも上手くおさまりません。リムの真ん中の溝にきちんと入り込まず,テープの端っこが起き上がっていて,チューブにあたりそうです。

 ゴムと違いウレタンですから結構固いですし,チューブのゴムが負けてしまうでしょう。どう考えてもこれ,パンクの原因になりそうです。

 上手くU字のようにはめ込むことが出来ればいいんですが,それでもやはりテープの端っこがチューブにあたることを避けられそうにあります。

 どうしたものかとパッケージをみたら,「シングルウォールには使えません」とあります。ん?シングルウォールってなんじゃ?

 調べてみるとリムの構造で,高級な物はリムが二重構造になっていて丈夫になっているそうです。これをダブルウォールリムと言います。アルミの押し出し材が使えるからこういう素晴らしい構造が可能になるんですね。この場合,ニップルは外側の壁に固定される一方,チューブは2枚目の壁に接することになるので,チューブに傷がつきにくいです。チューブに穴を開けるのは,ニップルを通す穴くらいのものです。

 一方ママチャリを含む一般的で安いリムは二重になっていませんので,ニップルがそのままチューブにあたります。これがシングルウォールリムなんですが,Poly-Lite使えないとまあこういうことになるわけです。

 私はこういうリムしか見た事がありませんので,まさかPoly-Liteが使えないなんて思わないじゃないですか。

 ならばと,普通のゴム製のリムバンドを探してみますが,これがなかなかいい物が見つかりません。幅が同じで700Cに対応する物を探しますが,高いもの,日数がかかるもの,選択肢が少ない上に都合の良いものも見つかりません。

 26インチの物を無理矢理使うことにしてamazonに注文を済ませたところで,もう一度Ploy-liteを使うことを考えてみます。

 先人達の中には,3mm程度のクッションテープを巻き付けて段差をなくして,その上からPoly-Liteを巻いて使っている人がいます。皆さんパンクには困ってらっしゃるみたいです。

 それも1つの方法かなあと思いつつ,じっと眺めていると,要するにニップルがカバー出来ればいいわけで,それならリムに沿って巻き付けるのではなく,リムから浮かせてU字にしてやればいいんじゃないかと思ったのです。

 テープの端っこがリムのくぼみにはまり込んで足になってくれれば,尖った物がなにもない柔らかいテープの真ん中が盛り上がってかまぼこのようになっている部分はズレることもなく,膨らんだチューブに沿って変形しつつ,しっかり支えてくれそうです。

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 わかりますかね,Poly-Liteがかまぼこのようになってリムの溝にはまり込んでいる様子。こうしておけば,Poly-Liteの反発力でチューブが浮き,ニップルに直接チューブが触れないように出来るのはもちろん,Poly-Liteの端っこなどの固い部分にチューブが触ることもありません。しかも空気圧に従って理想的な形状にPoly-Liteが変形して,チューブを守ってくれそうです。

 気をよくして早速チューブとタイヤをセット。空気圧をとりあえず4.5barまで入れて様子を一晩みてみますが,空気は抜けていません。

 同じようにリアも処理して,結局Poly-Liteをシングルウォールのリムに使ってみたという話になってしまいました。理屈の上では我ながら良いアイデアだと思っているのですが,実際に走ってみて上手くいくかどうかはまた別の話。今後注意していこうと思います。

 出来上がった車輪をフレームに取り付け,新しいクイックリリースで固定して完成です。新しいクイックリリースはいいですね,こくっとロックがかかりますし,しっかり挟み込んで安心感が違います。

 さて,これで本当にすべてのレストア(メンテではなくもはやレストアといっていいでしょう)が終わったのかと自問すると,1つ忘れていたところがありました。

 ハンドルやフロントフォークなど,前輪に関係する部分の分解や点検です。特にハンドルが回る部分はグリスがなくなっていると思いますので,このまま放置するのは気分的にも良くありません。

 ですが,私はこの部分の分解をしたことがないので,特に問題が出ている訳ではないこともあり,分解しておこうという発想がありませんでした。

 逆に言うと,この部分さえ点検してグリスアップしておけば,本当の意味でレストアが完了です。すべての部分に私の手が入った状態ですので,自己満足という意味でもやらない手はありません。特に部品の注文もいらないと思うので,時間を見つけて作業をしようと思います。

 
 ここまで一区切りということで,軽くフレームを自動車のワックスで磨いてみました。

 しかし,ワックスをかけると大分フレームも傷んでいたことが見えてきました。錆も出ていますし,塗装もひび割れが出ていました。PEUGEOTのロゴも私の大好きな旧ロゴですし,形状も気に入っていますので大事にしたいところではあるのですが,20年ですし仕方がありません。

 それに,実はホイールもブレがあります。曲がったり打撃痕があったりするわけではないのですが,何度か転倒していますしちょっと心配ではあります。

 リムはAREXRIMSのP20Fと書かれていて,ハブはFORMULAとロゴがあります。以前のクイックリリースも同じブランドのものでした。

 これを丸ごと交換すれば,前後で2万円は最低かかります。それだけではなく,特にリアは135mmのものを探す必要がありますし,スプロケットもボスフリーではなくカセットのものに替わるでしょう。

 そうするとスプロケットも交換です。7速以外のスプロケットにしてしまったらシフトレバーも交換ですし,ホイールを交換すると快適になるという話は良く目にしますので残念ですが,結構大ごとになってきますのでホイールはこのままでいいです。

 心配なのは,スポークが折れてしまった場合です。スポークが折れたら折れたものだけ交換してもいいんですが,なにせ20年以上使っていますので,他も折れやすくなっていることでしょう。いわばその場しのぎなわけで,アルミのリムは消耗品だと言う人もいるくらいですから,スポークが折れたら一大決心が必要になると思います。

 そうそう,ブレーキですね。ブレーキは前後とも時代遅れのカンチレバーですが,別に不満はないし調整もきちんと出来るので,これもVブレーキにしようとは思っていません。それにカンチレバーブレーキのブレーキシューも予備で買いましたので,数年はこのままです。

 ということで,今後こそ自転車のメンテは終了です。思えば随分頑張りました。レストアと言うより現在手に入る部品で組み立て直した感じさえします。私にとってはメインの自転車ですので,快適性も粗末に出来ないので,フロントはシングルから3速にしましたし,ハンドルも交換しました。

 1つ2,3000円だからと始めた部品の交換ですが,10回買い物をすれば30000円です。あれ,COM70Mって確か39800円で買った記憶が・・・工具を買ったり,実際には使わなかった部品(交換用に最初に買ったチェーンリングは新品ですが捨てました)も含めると,ちょっとした自転車が買えたかも知れません。

 この話を嫁さんにすると,まあいじった楽しみを買ったと思いなさいよと,女神のような優しいお言葉を賜りました。そうなのです。今回オノ自転車のメンテは,実は実物大の模型工作のようなものだったのですよ。

 途中からは屋内での作業を許してもらって快適な環境で作業を進めることもできましたし,プロや先人達の知恵がネット上に転がっています。ホントにこれでいいのかなあと迷うことも確かめながら進めることができます。

 そういえば,パンクの修理だって我流ではなく,父に教わって出来るようになったのでした。何でもそうですが,最初から自分一人で出来る事などありません。

 出来ないと思っていたことが出来るようになる,他の人に任せていたことが自分で出来るようになるというのは,楽しい事です。部品が手に入って,時間も根気も技術あって,なにより自分で作業をするのが楽しいなら,自転車に限らずいい機会だと思って自分でやってみようと思います。

リアエンドの修正でチェーンが外れなくなりました

 フロントをミッド,リアをローにしたときにクランクを逆回転させたときにチェーンが簡単に外れる問題,工具を揃えて対策にチャレンジしました。

 まず最初に私の勉強不足だったのですが,フロントを多段化した場合に逆回転でチェーンが外れるのは割と「当たり前」のことであって,そういう乗り方をしないのがお約束であるというなんだそうです。停車時にフロントをインナー,リアをローにするクセを付けておけという話です。

 原理的に防ぎようがないから,ということらしく,初心者にありがちなクレームとこき下ろしている識者の方もいらっしゃるほど。

 確かにクランクの逆回転は不自然かも知れませんが,自転車を後進させるのも同じ事ですので,それでチェーンが簡単に外れるというのは,実際に不便です。

 そもそも,工業製品としてそれってどうなのよ,と私などは思います。

 私の場合に限ってですが,アウターローで外れるならまだしも,ミッドローで外れる(しかもアウターローでは外れない)んですから,なにかがおかしいはず。

 思い出してみると,2015年にリアディレイラーを交換する時に,ディレイラーを取り付けるリアエンドの変形がある事に気付いていました。目視でわかるほどだったので,かなりひどく曲がっていたんだろうと思いますし,それを手で適当修正しましたから,一番に疑うべきはこれだと言わざるを得ません。

 で,リアエンドってそんなに曲がるものなの?

 これも割に簡単に曲がるらしいです。落車や転倒でディレイラーをぶつけると曲がる物らしいですが,特にアルミやカーボンのフレームの場合には,ここが曲がることでフレームの破損を防ぐらしく,交換式の鉄製のリアエンドになっているということです。

 で,私のようなクロモリのフレームならどうかということ,少々曲がったくらいなら戻せばいいということで,修正用の専用工具が売られています。

 20241015143711.jpg

 こんなやつです。5000円もするし,大きいので片付けが面倒くさいし,その上一生に一度か二度しか使わないわけで,かなり迷ったのですが,結局買いました。amazonで届いたこの工具を嫁さんがみて,なにじゃこりゃと思ったそうです。

 変な形ですが,お尻のねじの部分をディレイラー取り付け用のねじ穴にねじ込み,12時(真上ですね)の位置まで工具本体を回します。

 回したら,先端の金属棒がリムにあたるように,長さと棒の飛び出し量を調整し,オレンジ色のゴムの輪っかで印を付けておきます。そして3時,6時,9時の各方向で同じ事を何度か繰り返して,すべての方向で金属棒の飛び出し量が同じくらいになるよう,調整します。

 さらっと調整と書きましたが,これがまた強引で,この工具の先端をぐいっと引っ張るなり押し込むなりして,リアエンドを力尽くで曲げます。力尽くと書きましたが,実際には柔らかいクロモリですので,そんなに力はいりません。

 何度か繰り返し,すべての場所で同じ飛び出し量になればOKです。まあ,そんなに何度もやってしまうとちぎれてしまうので,出来れば一発で決めましょう。

 私の場合,12時と6時でなんと2cmも違ってました。内側に曲がっていたということですね。しかも,最初に曲がったときだと思うのですが,取り付けねじの部分も曲がっていたようで,ネジをきつく締めても下側にやや隙間が出来てしまい,これがグラグラの原因になっていたみたいです。

 今回の工具でネジを締めていくと,一度クキッという手応えがあって,その曲がりの取れたみたいでした。修正を行ってディレイラーを取り付けてみたところ,逆回転でもチェーンが全く外れません。

 上から見ると,上を通るチェーンと下を通るチェーンが綺麗に重なっていて,これまでのように下側だけが内側に入り込んでいるという事がなくなっています。考えてみると上側はリアのスプロケットとフロントのチェーンリングでチェーンの通り道が決まりますが,下側はチェーンリングとディレイラーのプーリーで決まります。

 このプーリーが内側に曲がっているのですから,そりゃ逆位回転で外れるはずです。

 ということで,この工具は本当にもう二度と使うことはないかも知れませんが,これほど気分良と修正が出来て,しかも絶大だったことを考えると,買って良かった工具だと言えると思います。


 さて,先程取り付けたリアディレイラーは,新品のRD-M310です。以前ついていたものと同じですが,すでに10年ほど経過していますので,せっかくですから交換することにします。

 交換してもそれほど劇的に変わるものではないのですが,外したRD-M310を分解して整備すると,随分チェーンが擦れていたみたいです。リアエンドが曲がっていたのですから当たり前の話ですが,それ以外は綺麗ですので捨てずに取っておきましょう。


 そして,これがまた問題だったのですが,ディレイラープロテクターです。

 これだけ大ごとになったのは,結局リアディレイラーをぶつけたことにあるわけで,リアエンドを守るためにも,ディレイラーを守るしかありません。

 そこで,ママチャリでは今でもよく見るディレイラープロテクターを探してみました。クイックリリースで共締め出来るちょっと格好いい物を見つけたので取り付けました。

 しかし結果は最悪で,ディレイラープロテクターのせいでクイックリリースが緩んでしまい,リアの車軸が走行中にズレてしまいました。なんと危険な。ブレーキが離れないので何事かと思いましたが,これでは事故に繋がりかねません。

 しかも,ディレイラープロテクターがディレイラーにぶつかっていたらしく,新品のディレイラープロテクターの角がへこんでいました。プロテクターが傷つけてどうすんねん。

 傷がつくほどですから,リアエンドがまた曲がっているかも知れません。もう一度修正からやり直したところ,やっぱり曲がっていました。もうこのディレイラープロテクターは二度と使いません。

 そこで今度は,フレームのダボ穴に取り付けるタイプを探して取り付けました。形はよく見る丸い奴ですが,取付が車軸と共締めの物ではなく,フレームに取り付けるので安心です。

 ただ,これも結構飛び出しがありますし,ディスプレイスタンドにあたってしまうので,やはり100点満点というわけにはいきません。とはいえ,本来の目的であるリアディレイラーの反故は十分に出来そうですので,これで大丈夫でしょう。


 ということで,一気に走行系の問題が解決しました。今週はもう1つハンドルの交換もやっていますし,他にももう1つ2つ交換のメニューの用意をしました。その過程で三ヶ島のペダルが700円も値下がりしていたの気付いてめまいがしました・・・

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