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今回の秋月の買い物


 私が電子工作を始めたのが10歳頃の話だと思うので,もうかなりの時間が経過してるのに驚くわけですが,考えてみると未だにずっと続いている趣味はこれくらいのものですし,他の趣味もこれが原点になっていることを考えると,電子工作に出会えたことはラッキーだったと思わざるを得ません。

 以前にも書きましたが,電子工作というのはアマチュアの趣味であり,アマチュア相手の商売ですから部品屋さんも1個か2個を売るしかなく,一方で電子部品は単価が安いから数を売らないと成り立たないわけで,いわば部品屋さんというのは大量にしか売ってくれないメーカーさんとアマチュアの間に入って,小分けをしてくれる存在という事が出来ます。

 仕入れた部品がすべて売れればいいですが,3000個仕入れて売れたのが10個程度だったりしたら大赤字ですし,悪いことに電子部品は種類が多くて,在庫がものすごくなります。

 だから,部品屋さんの多くは,プロをメインして商売しており,アマチュアにはそのおこぼれを売っているという感じだと思って差し支えありません。

 まあ,おこぼれなんていうと言葉は悪いですけど,アマチュアには大量の部品を消化するだけの能力は当然ありませんし,普通に考えるとそういう人は商売上相手にしないわけですから,おこぼれだろうがなんだろうが,1個2個で部品が買えることはありがたい事ではあります。

 ただし,アマチュアはアマチュアで,本来の価格の何十倍もの値段で部品を買っていますし,部品の詳細なデータをもらうこともなく,分からない事を質問したり設計をサポートしてもらうようなサービスも受けられず,基本的に取り寄せにも応じてもらえず,部品のばらつきを揃えてもらうお願いなどもってのほか,そもそも品質保証も動作保証もないという,プロとは雲泥の差を飲み込んで部品を買っています。

 なので,ここはお互い様ということなので,プロもアマチュアも部品屋さんも部品メーカーも,優越感に浸ったり,卑屈になったりする必要はまったくないと思います。

 事実,電子部品屋さんというのは,利益率は高いんですよ。ただ,単価が数円から数十円ですから,実際の儲けは大した事ありませんし,常に膨大な在庫を抱えるので,はっきりいって好きでないと出来ない商売だと思います。後継者不足でアキバの部品屋さんが閉店するのも,仕方がないことだと思います。

 閑話休題。

 秋月電子は,こうした電子部品店の中では新興勢力であり,戦後のバラックからスタートしたような部品店ではありません。米軍の放出品ではなく,高度経済成長とバブルに沸いた日本の製造業から出てきた訳あり品を安く放出するという,明らかに新世代の部品屋さんです。

 ちなみに,日本の製造業が廃れた現在,中国などの新興国から安価な部品を仕入れて売るのが次の世代の部品屋さんといえて,この代表がaitendoです。aitendoは第三世代なわけですね。

 とはいえ,秋月も販売製品の大半は中国などの部品になっていますし,以前のような秋月独自のキットや部品セットは少なくなっています。それに,アマチュアへの販売も膨大な数になるということですから,秋月に限って言えばアマチュアにはおこぼれを売るという話は,あまり成り立たないんじゃないでしょうか。

 そんなこんなで,ベテランの電子工作のアマチュアである私にとっての秋月電子とは,面白そうな部品が安く売られているという事だけではなく,怪しげな物がなく,きちんとした出所の正規品が手に入る安心感も大きいです。

 スポットで入る怪しい部品もあるにはありますが,それはそれでちゃんと分かるように売られていますし,激安です。秋月にはそういう掘り出し物を買う楽しみもありますが,正規品,新品,動作がある程度しっかりしているまともな物が,安い値段で,ある程度安定して売られていることも,私にはとてもありがたい存在です。

 というわけで,送料がかかってしまうためにまとめ買いをするのが秋月なのですが,新商品のチェックをしては購入予定リストを作り,1万円くらいになったら買うと言うことを繰り返しています。昔は2年に一度,それが1年に一度となり,半年に一度,姉妹には2ヶ月に一度くらいの頻度になってしまっているので,一体なにを買っているのか自分でも疑問になることが増えてきました。

 こういう時はレビューです。自分が買った物を公開し,識者の意見を聞く。

 私も人生を折り返している身です。このままでは大量の部品が余ってしまい,ゴミとして処分されてしまうことになりかねません。

 そこで,今回から買った物を列挙して,買った理由,何に使うつもりかを書いていこうと思います。時間があれば,これまでに買った物も公開したいと思います。


 1.角型光デジタル通信コネクタ(送信用) GP1FA551TZ
  価格:¥80 × 数量:2 = 合計:¥160

 シャープの光デジタルコネクタで,一頃オーディオ機器には必ず付いていました。これは送信用ですが,この値段はとても安いです。昔,秋月には東芝のTORX178とTOTX178の2つが常時在庫されていたので,欲しい時に欲しい数しか買わなかったのですが,東芝が全面撤退してからは,中国製のものか,こうしたスポット品しか買えなくなりました。別にこれでなにかを作ろうというわけではないのですが,ちょっとした改造に使うことがあるので,2つだけ買いました。

 ちなみに,以前のものは48kHzの16bitの速度しか出なかったのですが,最近は24bitの192kHzが通るような高速な物が普通になっています。速度もよく注意して買いましょう。


 2.Nch J-FET 2SK2145-BL (2個入)
  価格:¥100 × 数量:5 = 合計:¥500

 オーディオ用のFETなのですが,今や貴重なデュアルFETです。2SK389などの定番品が入手不可能になり,差動増幅の初段で使われる特性の揃ったFETは,この手の回路には必ず必要なはなずなのに,今や入手可能なものはこの品種くらいになってしまいました。

 理由は簡単で,全部ICになったから。わざわざバラバラの部品で差動増幅なんか作らないんですよ,プロは。アマチュアがプロのおこぼれで工作する以上は,プロが使ってくれない部品は入手出来ないわけで,この東芝のFETは,数少ないプロが使うものなのです。

 とはいえ,アマチュアもしょっちゅう使う部品ではありません。だからどこでも売っているFETではないのですが,秋月でこうして取り扱いがあるので,今のうちに買っておこうという判断です。

 他の方が調べたところ,このFETは大変に良好な特性を持つもののようですよ。


 3.トランジスタ 2SD2012(60V3A) (10個入)
  価格:¥295 × 数量:1 = 合計:¥295

 電力用のトランジスタとしては定番のものです。私もすでに10個程度の在庫を持っていますが,既に生産中止になっていますし,安いうちに買い増しすることにしました。

 こんなトランジスタ,なにに使うのよと思うでしょうが,模型用のモーターや豆電球といったちょっと重たい負荷を動かすには,このくらいのトランジスタがよく使われます。

 こうした用途には,かつては2SC1061,2SD235,2SD880,2SC1096といったあたりがよく登場したものなのですが,いずれも生産中止になり,これらを使った工作を再現するには,2SD2012が最適という,まあそういう話です。

 大きさといい規格といい使い勝手と言い,なかなか手頃なものトランジスタですので,数を持っていても大丈夫でしょう。

 
 4.3ch出力プログラマブル周波数ジェネレータIC Si5351A-B
  価格:¥150 × 数量:3 = 合計:¥450

 すっかり私のなかでは便利なICになってしまった,SI5351です。これで欲しい周波数が一発で手に入るとばかりに使っていますけど,同時によく壊してしまいます。いつまでも買える部品ではないと思いますし,安いうちに,壊した分くらいは買っておこうと言うことです。


 5.低損失CMOS三端子レギュレータ 3.3V500mA NJU7223F33
  価格:¥50 × 数量:1 = 合計:¥50

 今,実は密かにある工作を計画していまして,そのための部品です。12Vから3.3Vを作る必要があり,それなりの電流を引っ張るので,結構大きめのLDOが必要になりました。9Vも落としますので,100mA引っ張っても1Wも熱が出ます。いざとなったら放熱器も取り付けられる物を選んだら,これになりました。


 6.超小型グラフィックLCD AQM1248A
  価格:¥450 × 数量:2 = 合計:¥900

 小さい事を除けば,なかなか使い勝手のあるLCDです。ソフトも完備しましたのでこれからどんどん使っていこうと思っていますが,先日GPSDOで1つ誓いましたし,バックライト取り付け改造の過程で1枚壊しましたから,2枚追加です。


 7.DCファン 12V 30mm角 軸流
  価格:¥100 × 数量:2 = 合計:¥200

 DCファンというのは,欲しい時には急に欲しくなるものです。パソコンの自作部品として使われるだけに入手は難しくないのですが,いい値段がします。そこでこういう掘り出し物が出た時にはちょっとずつ買うようにしています。とはいえ,PC用のファンは静音にこだわった物が多く,必ずしもこの手の掘り出し物がお得とは言えなくなってきています。


 8.電池ボックス 単3×2本 Bスナップ・背中合わせ
  価格:¥40 × 数量:1 = 合計:¥40
 9.電池ボックス 単3×4本用 Bスナップ・背中合わせ
  価格:¥50 × 数量:1 = 合計:¥50

 単三を使う電池ボックスはなにかと便利なのですが,先日も使いたい時に,在庫があると持って探したら結局なかったという残念なことがあり,そのための補充です。


 10.フジソクプッシュスイッチLTM3-01-G
  価格:¥50 × 数量:3 = 合計:¥150
 11.オルタネイト式プッシュスイッチ ADS-450-A26
  価格:¥30 × 数量:10 = 合計:¥300
 12.日本開閉器プッシュスイッチM2B-15ABB4
  価格:¥120 × 数量:3 = 合計:¥360

 機構部品(スイッチとかターミナルとか)というのはまさにメカですので,結構高いですよね。大きさやデザイン,感触などで多くのバリエーションがある一方で,それらが必ずしも手に入るとは限らないものなので,いつも私は頭が痛いです。

 そこで,こういう掘り出し物が出た時には,やっぱりちょっとずつ買うことにしています。10.のスイッチは先日子供用のMP3プレイヤーで使いましたが,感触もなかなか良かったのでリピートです。

 11.のスイッチは30円と安いので買いました。オルタネートのスイッチは高価ですし,手に入りにくい側面もあります。キートップになにやら印刷がありますが,剥がすか交換するかして,使えるようにしたいと思います。10個買っても300円ですからね。


 13.BNCコネクタ(BNC-J)(メス)基板取付型縦向き
  価格:¥100 × 数量:1 = 合計:¥100
 14.BNCコネクタ(BNC-P)(オス)RG58同軸用
  価格:¥120 × 数量:2 = 合計:¥240

 BNCコネクタも突然欲しい時がある機構部品です。高周波用のコネクタは安い物は特性が出てないものですが,アマチュアには十分だと思っています。他の店では随分高いので,これもこの機会に補充です。


 15.低電圧1.2WオーディオアンプIC HT82V739 2.2~5.5V動作 2個入
  価格:¥100 × 数量:10 = 合計:¥1,000

 もともと音質が良い,回路が簡単で,誰でも成功すると評判のオーディオアンプICですが,秋月の在庫が減ってきているようで,次この値段で買えるかどうかもわかりません。少し多めに買っておきました。結局これが一番です。


 16.トランジスタ TTA004B (160V1.5A)
  価格:¥40 × 数量:4 = 合計:¥160
 17.トランジスタ TTC004B (160V1.5A)
  価格:¥40 × 数量:4 = 合計:¥160

 かつて2SA1358と2SC3421のペアとして売られていた,オーディオ用の定番トランジスタが,この名称で復活です。私は迂闊にも2SC3421しかストックしておらず,オーディオアンプには使えず残念な思いをしていたのですが,復活したなら試してみる価値があります。お試しで購入です。


 18.トランジスタ2SA1359Y(40V3A)
  価格:¥40 × 数量:4 = 合計:¥160
 19.トランジスタ2SC3422(40V3A)
  価格:¥40 × 数量:4 = 合計:¥160

 2SA1358と2SC3421のペアとは1番違いでよく使われるトランジスタなのですが,規格は全然違っています。大電流に対応しますが,体圧が低いのでちゃんとしたオーディオアンプにはちょっと使えません。

 ですが,大電流向けという事はそれだけ余裕があり,インピーダンスも低いという事だと漠然と思っているので,電圧が低い用途にはこっちの方が出番があります。

 何だかんだでこのトランジスタを使っていますので,やっぱり補充です。


 20.5V LQリレー 接点容量:10A 1回路C接点 ALQ105
  価格:¥220 × 数量:2 = 合計:¥440

 先日安定化電源器を改造し,リレーで出力をON/OFFする仕組みを入れましたが,手持ちで使ったリレーの容量が小さいので不安がありました。次の機会で買おうと思って目星を付けたのがこのLQリレーです。

 直流の場合には5Aまでの定格となりますが3Aまでの電源器ですので十分です。このくらいの大きさのリレーだと一回り大きい物になりがちですが,さすがはパナソニック,このリレーは小型リレーと同じくらいの大きさです。


 21.ブラシレスDCファン(静音型・流体軸受) 12V80mm角
  価格:¥150 × 数量:2 = 合計:¥300

 このファンも掘り出し物の確保です。でも80mmというのは案外使い道が多くて,本当に静音型だというのであれば,追加を買うことになるかも知れません。


 22.金属板抵抗器 2W 1Ω (MPC78・低ひずみ品)
  価格:¥30 × 数量:8 = 合計:¥240

 今作っている工作で使う抵抗に1Ωというのがあるんですが,音質に影響のある部分なので,ちょっといい物を使いたいと思っていました。1個30円ですので高いわけではありませんが,音質に配慮した抵抗ですので,ちょうど良かったです。


 23.7セグメントドライバ(7セグメントデコーダ) HD14511BP
  価格:¥30 × 数量:4 = 合計:¥120
 24.2入力NANDゲート TC74HC00AP
  価格:¥10 × 数量:10 = 合計:¥100

 最近秋月はロジックICも拡充させているようですが,ロジックICの在庫というのは,ファミリで出来るだけ欠番なく在庫がある事が大事なので,安いけど揃わないという話になってしまうと,あまりうれしくありません。

 その点鈴商は良かったです。パッケージ違いまで揃えており,しかも安いですから,店頭で買えなくなったことは結構痛いです。

 そんなロジックICですが,4511は7セグのデコーダとしてはごくありふれた定番品です。BCDを突っ込むと7セグがドライブ出来るので,マイコンと組み合わせるとピン数の削減が出来そうです。4つ買っているのは在庫で持とうと思ったからなのですが,もともと30円そこらで買えるICではないので,4つ買いました。

 74HC00はもう説明はいりませんね。HCシリーズのNANDです。なんやかんやでよく使うので,1個10円で補充のつもりで買ったのですが,すでに何度も補充していたことを忘れていて,すでにパーツケースは74HC00であふれています。


 25.フォトカプラ GaAlAs赤外LED+フォトIC TLP2361
  価格:¥75 × 数量:3 = 合計:¥225

 フォトカプラもちょっと在庫を持ちたくなったので以前からうちの標準品を検討していました。シャープのPC900とかHPの6N137とか,古来からの伝統品を使う手もありますが,これらは高いし今どきの性能ではありません。

 TLP2361は面実装品ですが,安い上に高速(10MHzはいけるでしょう),その上で出力はロジックレベルときて,とても使いやすいです。10MHzまで通れば,様々なものを絶縁して伝送できます。これは便利なはずです。


 26.2mmピッチ片面ガラス・ユニバーサル基板Cタイプ(72x48mm)銅はく仕上
  価格:¥70 × 数量:10 = 合計:¥700
(1枚の場合は¥80円/10枚以上の場合は単価¥70円)
 27.片面ガラス・ユニバーサル基板 Cタイプ(72x47.5mm) めっき仕上げ
  価格:¥60 × 数量:10 = 合計:¥600

 秋月で買い物をするときには,きまってユニバーサル基板を買い増しします。昔はベークの基板が1枚60円だったのに,今やガラエポが60円ですからね,切り刻んでどんどん使っています。

 ガラエポは平面性が高く,上部で曲がりませんから,高周波特性云々の前に,構造材として便利です。スイッチを取り付けてもたわみません。

 2mmピッチの基板は,今まで全く意識をしないできたのですが,今やっている工作で2mmピッチの足の部品が出てきてしまったので,探して見た結果です。商品紹介にもありますが,2mmピッチですのでより多くの部品を実装出来ますから,コンパクトに作る事が出来ます。

 もちろん,2.54mmピッチのICやトランジスタを使わないという前提での話ですが,昨今は面実装品も多いですし,使ってみると便利かもしれません。1枚70円ですので,気軽に使ってみましょう。

 もう1つの基盤は60円のガラエポですが,実はこれFR-4という基板材料で作られています。今秋月で売られている60円のガラエポの基板は,FR-4とCEM-3の2種類がありますが,FR-4の方がちょっと性能が上です。もっとも,その差は僅かですし,扱いやすさからいうとCEM-3の方が良かったりするので,FR-4がオススメという事ではありません。でも,次から値上がりすると言われれば,ここで少し買いだめようと思うじゃありませんか。


 28.12V JCリレー 接点容量:10A 2回路a接点 JC2AF-DC12V-F
  価格:¥140 × 数量:1 = 合計:¥140

 パナソニックのJCリレーです。少し大きなサイズで,しかも12Vですから,本気の電力制御に使うことになりますが,私はこの手のリレーを在庫していないので,140円なら1つ買っておこうと思い,買いました。


 29.水晶発振器(NEC) 12.8MHz
  価格:¥200 × 数量:5 = 合計:¥1,000

 これですよ,これ。今回の買い物で一番面白そうなものです。

 腐るほどある12.8MHzの水晶発振器ですが,データもなく,詳しい型名も出ていないNECの発振器ですので,どう考えてもジャンク品です。

 これ,写真を見る限り,おそらくTCXOです。TCXOで200円なら安いでしょう。でも5個も買う必要があるかと,思われるでしょうね。

 いや,私もそう思うのですが,NECのTCXOを以前鈴商で買った時に,その性能と安定性に感心したことがあるのです。

 TCXOというのは温度補償型の発振器なのですが,電源電圧に対する周波数変動を押さえているとは,どこにも書いてありません。

 事実,多くのTCXOは電源電圧が変動すると発振周波数も大きく変動します。電圧が一定なら,温度補償がかかるのでそこからの変動は少ないのですが,温度の変動以上に電圧が動いてしまうと,ただの水晶発振器になってしまいます。

 秋月で新品で売られている12.8MHzのTCXO(600円もする)も誤差1ppmを謳っていますが,電源電圧の変化に対する周波数変動が大きいので,全くあてにならないというのが私の印象です。

 最近出てきた面実装品のTCXOは,マイコン(あるいはデジタル回路)で補償をかけるので電源電圧に対する変動は小さいのですが,20世紀によく使われた金属のカンに入ったTCXOはアナログ方式で,しかも内部の水晶発振子の温度特性と逆の特性のコンデンサを使って温度補償をしているだけだったりすると,まともに電圧の変動をかぶってしまうわけです。

 アナログ方式でも,温度センサで周波数を制御する高級タイプなら電圧変動は小さいのですが,なかなかこういうタイプにはあたりませんが,前述の鈴商で買ったNECのTCXOはこのタイプだったのです。恩智にも電圧に変動は小さく,しかも水晶発振子の特性に依存しないので,別の水晶発振子に交換して周波数を変えても,ある程度なら温度補償がかると,いいことずくめでした。

 今回は形状が簡易タイプのような気がしますが,それでもNECですので,温度安定性が高いかも知れません。そうすると,12.8MHzからSi5351Aで好きな周波数を作る事が出来ますので,1個や2個ではすぐに使い切ってしまうと思ったわけです。

 だったら,電圧変動が少ないデジタル方式の,最近のTCXOにすればいいじゃないかと思うでしょう。確かにその方がワタしも楽なのですが,この手の面実装品は周波数の微調整が出来ないようになっているので,出てきた周波数でずっと使わないといけないのです。

 経年変化で大きくずれても,そのまま。ですが,大きめのTCXOは微調整用のトリマが付いているので,これで調整が出来るんです。

 変動しないでいて欲しいくせに調整出来て欲しいなんて,なんと都合のいい話かと自分でも思うのですが,NECのTCXはそれが出来ていました。

 まあ,届いてみて調べて見たら,電圧で変動しまくりかも知れません。その場合は部品箱で長らく眠りにつくことでしょう。


 30.金属板抵抗器 5W 0.33Ω (MPC74・低ひずみ品)
  価格:¥50 × 数量:8 = 合計:¥400

 これも先の抵抗と同じなのですが,こちらは用途が別でして,20年前に作ったMOS-FETのパワーアンプに使う予定です。ファイナルのソースに入っている抵抗なのですが,アイドリング電流の測定用にセメント抵抗が使われています。

 他の部品はそれなりにオーディオ用に気を遣って選んだのに,ここだけ無骨なセメント抵抗ですので,ちょっと引っかかっていたのですが,先日抵抗を見つけて,交換してみようと思ったわけです。1個50円ですから,気軽に試せます。


 31.汎用小信号スイッチングダイオード 1SS205
  価格:¥10 × 数量:10 = 合計:¥100
 
 思いつきでカートに追加したダイオードです。NEC製であると言うこと,ガラスモールドであること以外に面白いところはない,普通のダイオードです。使い道としては1S1588や1N4148なんかと同じですので,別に無理に買うことはなかったのですが,ダイオードも交換してみると,結果が大きく違ってきたりするので,種類を持っていた方が面白い場合も多いのです。

 ガラス製のシリコンダイオードも最近はすっかり見なくなりました。1つ10円ならまあいいかと買ったわけですが,鈴商ではいつもこの値段です。秋月は安いという話を,盲目的に信じるのはやめた方がいいと思います。

 
 32.片面2.54mmx2mmピッチ基板
  価格:¥80 × 数量:3 = 合計:¥240

 この基盤も2mmピッチなのですが,縦と横でピッチが違います。向きは限定されますが,2.54mmの部品も同時に搭載可能です。DIPは乗りませんが,SIPのICやTO-220のトランジスタなどを混載できるのは便利だと思って,買うことにしました。


 33.金属皮膜抵抗 1/4W75Ω(100本入)
  価格:¥300 × 数量:1 = 合計:¥300

 今作っている工作で使う抵抗です。金皮の抵抗が使えるなら出来るだけ使うというのが私の方針で,それは精度が高いから,あるいはノイズが少ないからというのもありますが,なにより温度特性に優れていることが理由です。

 75Ωは私は持っていなかったので,ちょうどいいと思って100本買いました。75Ωと言えば,高周波で使うか,一昔前ならビデオ系でよく使っていた値ですが,今は高周波も民生品に繋ぐ物を自作するのは難しいので出番は少なく,ビデオ系はデジタル化してしまったので全く使われなくなりました。

 でも,欲しい時は欲しいんですよ,100Ω以下の抵抗というのも。



 しめて約10000円。高いですね・・・

 すぐに使わない物も多く,そうした物は大半は一生使わないので,完全に秋月へのお布施になってしまいます。

 買ったきり忘れたものもあったりして,最終的に秋月での買い物がお得になっているかは,疑問だなあと思います。

現実逃避に測定環境の改善プロジェクト

  • 2016/08/29 16:16
  • カテゴリー:make:

 ちょっと現実逃避したくて,簡単な改造と修理をやってました。

・周波数カウンタHP53131Aの主電源スイッチ増設

 先日,GPSDOが完成し,高精度な基準クロックを突っ込まれることで,ますますその制度に磨きがかかった周波数カウンタの標準器,HP53131Aですが,こいつの最大の問題は,常時電源が入っているということです。

 基準周波数の生成用に,標準で入っている水晶発振器もそうですし,特にオプションのOCXOを入れた場合には必要になるのですが,周波数が安定するには常時通電の必要性があります。HP53131Aも当然のように,電源スイッチをOFFにしても,発振器には常時給電が行われる仕組みです。

 と,ここまではいいんですが,そのための仕組みがまた大げさで,20年ほどの前の大きな(しっかりした)主殿減容のスイッチング電源から12Vと5Vを常時給電用に引っ張り出しているので,空冷用のファンがずっと回っているのです。

 ですので,電源スイッチをOFFにしていても,10W近い電力を消費しているのは間違いないと思います。

 すでに内蔵の基準周波数は使っておらず,GPSDOからの入力を使っているのですから,この常時通電は全くの無駄です。そのGPSDOが5Wくらいで常時運転しているのに,なにが悲しくて10Wも電気を食わせにゃいかんのか。

 かといって,いちいちAC電源を引っこ抜くのも美しくありません。

 海外には,フロントの電源スイッチを改造し,AC電源を切断するスイッチにしてしまう人もいるのですが,私はそこまで大げさなことをする気はありません。さてどうしたものか。

 考えたのは,リアにある,オプション増設用に用意されている丸穴を別のスイッチの取り付けに使うことです。そしてこのスイッチで直接AC電源をON/OFFします。ACコードを引っこ抜くのと同じ効果が期待出来ますし,背面ですから邪魔になりません。改造前に戻そうと思えば,いつでも戻せますし。

 とはいうものの,AC周りを改造するので安全性には気を遣わねばなりません。配線もそうですが,スイッチにもAC100Vを扱う事の出来るしっかりしたものを選ばないといけません。

 私の場合,真空管のアンプを作るためにいくつか買ってあった,2回路の大きめのトグルスイッチが見つかり,大きさ,スペックともばっちりだったので,これを使うことにしました。ミヤマの,えーっとなんだっけな。

 改造は,ACインレットからの配線をN側もE側も両方ともスイッチにつなぎ,ここからスイッチング電源に繋ぐという簡単なものです。

 簡単ですが,効果は絶大です。背面の廃熱ファンは低騒音の物に交換してありますが,それでも止まるとシーンと静寂が訪れます。これはいい。ほんのり熱が出ているのも収まりましたし,24時間265日ずっと通電すれば,やっぱりスイッチング電源の寿命のことを考えてしまいます。

 フロントのスイッチだけで電源が入ることはそれほど重要なことではなく,周波数カウンタの精度はGPSDOで担保されているわけですから,アマチュアの測定環境としては理想的だなあと,改造に至った動機を再確認した次第です。

 HP53131Aを使っている方,この改造は簡単で効果絶大です。ただし,オプションのOCXOを内蔵している方は,これをやってしまうと精度が出ませんので,やめてください。


・安定化電源器AD-8724Dの出力スイッチ増設

 AD-8724Dという安定化電源を13000円ほどで買って便利に使っています。今は16000円ほどになっているようなので,安いときに買えて良かったと思います。

 この電源器,購入時にも現場でよく使われている旧ケンウッドのPA18シリーズと性能比較をやっていて,AD-8724Dの惨敗という結果を「安いなりの物」と結論しているわけですが,PA18シリーズにはあって,AD-8724Dにはないもののうち,特に不便だなと思うのは,出力をON/OFFするスイッチです。

 PA18シリーズを始め,まともな安定化電源には,必ずといっていいほど,出力をON/OFFするスイッチが用意されているものです。電源器から回路に配線した瞬間に通電してしまうなんてことは危険ですし,かといって最初に主電源を切っておき,配線後におもむろにONすると言うのも,主電源を入れた直後は,安定化電源の出力が安定せず,せっかく作った回路が壊れるかも知れないだけに,恐ろしくて出来ません。

 それで私は,出力端子に繋いであるバナナプラグをいちいち抜き差ししていたわけですが,通電してショートがわかりあわててプラグを引き抜いたなんてことは,日常茶飯事です。

 こうしてあわててぬいたプラグが,どこかに紛れてしまったとか,そういう面倒な事が何度もあったりして,やっぱりスイッチが欲しいなあとなったわけです。

 外付けのスイッチボックスというのはお手軽ですが,収まりが悪いです。これはやっぱり内蔵でしょう。

 回路構成を考えます。スイッチはやっぱり押しボタンがいいです。出来れば主電源投入後は前回の状態にかかわらず初期状態は安全のためにOFF,押すたびにONとOFFを繰り返すのがいいでしょうね。

 でも,そのためには,プッシュONのスイッチにフリップフロップ,そしてリレーが必要です。大した回路ではないのでやればいいんですが,現実逃避の簡単工作にしてはちょっと重いかなと,再考することに。

 なら,オルタネート動作のスイッチを選びましょう。初期状態が前回の動作を保っているので,主電源ONでいきなり出力が出てしまう問題はありますが,そこだけ気をつけるようにします。

 そうすると,リレーを使わずいきなりスイッチでON/OFF出来ます。とても簡単にできそうです。

 しかし,DC30Vで3A以上の,信頼性の高いオルタネートの押しボタンスイッチなど手元にありません。オルタネートでなければ,いい物があるんですけど・・・

 ないものを探しても,見つかりません。あきらめて,手持ちのオルタネートを見てみると,HP53131Aを修理した時に買った,小信号用のスイッチが出てきました。感触も大きさも悪くないので,これを使うように考えてみます。

 問題はまず,このスイッチは基板取り付け型でパネル取り付けは基板ごと固定しないといけないということです。基板を固定する仕組みが用意されているはずもありませんので,自分で何とか工夫するしかありません。

 よく見ていると,電圧調整のボリュームと,電流リミットのボリュームの間にスイッチを付けるのによい場所がありそうです。そして,電流リミットのボリュームの背面に基板をばちっとハンダ付けし,この基板にスイッチを付ければ,高さも場所も綺麗にまとまりそうです。

 問題は強度です。基板はスルーホールの両面基板を使い,これをたっぷりのハンダでがっちり固定します。これだけでは心許ないので,電圧調整用の多回転ボリュームに引っかけるような形で,太めの銅線を基板にハンダ付けし,この銅線をエポキシ接着剤でがちっとボリュームに接着します。よし,この作戦でいこう。

 パネルにはあらかじめ6.5mmの穴を開けておき,ハンダを溶かしながら慎重に位置決めをします。位置が決まったら接着剤で固定です。

 一晩経ったあとスイッチを動かしてみましたが,想像以上の剛性感があり,スイッチ操作も全く不安がありません。素晴らしい。しかし,もともと鈍くさい私の事ですので,パネルに穴を開けるときに化粧ステッカーにうまく穴が開かず,カッターで整えたところ,ますますいびつな形になってしまいました。この辺が素人丸出しです。

 さて,このスイッチは小信号用ですので,3Aなどとんでもありません。そこでリレーです。5Vが電圧計用に出ている事が分かっていますから,5Vで動作する小型のリレーを引っ張り出します。

 定格をみると,30Vで2Aでした。2回路あるので並列に繋げば3Aくらいいくだろうと,さっさと配線です。出力端子が付いている基板は適当にパターンカットをし,電圧計が常に動作するようにしておきます。LEDも付けましょう。

 さて完成です。案外うまくいき,出力は綺麗にON/OFF出来るようになりました。確かにオルタネートは面倒で,初期状態でOFFになってくれると便利だとは思いますが,これは仕方がありません。

 負荷をかけて,電圧計の指示がどれくらい狂うかも見てみました。リレーには接触抵抗がありますので,ここで電圧降下があります。内蔵の電圧計はリレーの手前に入っているので,実際の出力電圧とは,この電圧降下分だけずれてしまうことになります。

 確かに,リレーの後ろに電圧計を入れるというのも手ですが,これだと出力をOFFすると0Vになってしまい,電源を入れる前に電圧を設定出来なくなります。

 とまあこんな理由でリレーの手前の電圧を表示することにしたからには,どのくらいの差があるかを把握する必要があります。調べて見ると,数十mA程度では0.1V以下なのですが,2Aほど引っ張ると0.2V以上のズレが出ます。

 配線の抵抗まで含めて100mΩとすれば,2Aだと電圧降下は0.2Vです。リレーのスペックによると100mΩ以下とありますので,まあこんなもんではないでしょうか。

 でも気持ちが悪いですから,あまり活躍の機会がないケンウッドのDL-2050をAD-8724Dの電圧監視専用にあてがうことにしました。電源の電圧というのはとても大事な情報ですので,DL-2050の電源を入れるだけで電圧がぱっと表示されるよう,配線済みにしておくのは非常に助かるはずです。

 これで大幅に実験の環境は改善しました。

 ところでリレーの並列接続ですが,気になって調べたところ,禁止事項になってました。2回路のリレーでも,同時に接触するとは限らず,片側だけ接触している時間に大電流が流れてしまうのでまずいんですって。

 特に今回の使い方だと,電源投入時の突入電流が流れるでしょうから,ここは潔くパワーリレーに交換した方がよいでしょうね。接触抵抗も50mΩくらいになるものも,あるようですし。



・カード型テスターMT2000のレストア

 25年ほど前に1000円ほどでかったテスターで,当時私の弟が,ゲーム基板の収拾にのめり込み,電圧のチェックやハーネスの断線確認をするのに便利だろうと,プレゼントしたものです。

 ところが弟はこれを全く使わず,いつの間にやら私の所に出戻ってきたのですが,その後は車のメンテキットの一員として,長くバッテリーの電圧を測ることをしてくれていました。

 私が車に乗らなくなってしまい,活躍の場がなくなってしまったこのMT-2000というテスターですが,精度は先日標準電圧発生器で確認したとおり,そんなに悪くはありません。もともと3.5桁のテスターですから,精度を期待しても仕方がありませんし。

 最近は,安全性に関する規制が厳しくなったこともあり,どのテスターも感電防止のためにごっついんです。本当にカード型と呼んでいいような,小型で薄いテスターは安全性をうるさく言われることのなかった,この時代特有のものだといっていいでしょう。

 ということで,レストアです。

 フルークで使っていたテスターリードのバナナプラグがこわれてしまったので,棒の部分だけ使おうと思って取ってあったものを引っ張り出し,MT-2000にあてがいます。

 MT-2000を分解し,ロータリースイッチの汚れをアルコールで拭き取り,グリスで動きを滑らかにします。リードを付け替えて,フタを閉じるだけです。

 お,使い勝手がかなり向上しました。これならバンバン使えるんじゃないでしょうか。

 4.5桁以上で,更新周期が0.2秒以下の最近のテスターになれてしまうと,こういう旧式のテスターはしんどいものですが,昔はこのくらいのテスターでなんでもこなしていたんですよね・・・

 
 とまあ,3つの工作をさくっと済ませた土日でした。簡単な割には満足度の高い改造だったわけで,これが現実逃避でなかったら,どんなに素晴らしい事か。


子供用MP3プレイヤーを作る[その2]

  • 2016/08/23 14:37
  • カテゴリー:make:

 昨日の続きです。

 スピーカーの端子に基板をハンダ付け,意外にもがっちり固定できて気をよくした私は,そのまま配線を処理していきます。

 2芯シールドでMP3基板からボリュームまでを配線,ボリュームでモノラルにするためにLとRをくっつけ,そこからは単芯シールドでアンプに引っ張り込みました。

 LEDはピンク色(というか赤紫ですね)にしたのですが,これが非常にまぶしいため,抵抗をシリーズに入れて輝度を落としました。

 電源は昨日書いたように単三ニッケル水素を2本で使います。電池ケースを配線し,試しに電池を入れてみると,ちゃんと音が出ました。シールド線を使い,きちんとGNDの配線も行ったので,ボツボツいうノイズなども聞こえなくなり,一安心です。

 ボタンも問題なく動作していますし,定電圧化で気になっていた出力の低下も問題なさそうです。

 かなりよくまとまっているのですが,残念なのはやっぱりブリキの缶の剛性のなさで,スピーカーと電池という重量物を支え切れていない感じがしますし,ボタンを押せばたわみます。

 加工時に変形してしまったこともあり,見た目も悪く,なんというか,子供の工作のような貧相な感じになってしまいました。アルミのケースでぴしっと作れば,こんなみすぼらしい感じにはならないんですけど・・・

 でもまあ,今回は,鯉のぼりの空き缶で作るというのがコンセプトです。もし,ケースが駄目になったら,似たような形のしっかりしたプラケースにでも移し替えましょう。

 さて,実際に使ってみて思ったのですが,この薄い鉄板で出来た空き缶,確かに音を出すとビンビンと響いて音が濁るのですが,それでもなかなかしっかりとした音を出してくれます。安物のラジカセや,アクティブスピーカーのようなかまぼこ形の音ではなく,割にフラットで好ましいです。

 アンプの素性の良さもよく分かり,全体にきめが細かく,特にボーカルのスムーズさやベースの腰の強さには,ちょっと感心しました。

 電流はうるさくない程度の実用的な音量で,ざっと110mAです。2400mAhのニッケル水素だと,20時間ほど連続で動く計算です。まあ,なんとか実用レベルと言うところでしょうか。

 あとは,お好きなMP3ファイルを突っ込むだけです。娘は,ホネホネロックとパタパタママが大好きなのでこれは外せませんが,あとは嫁さんに頼んで,揃えてもらうことにしましょう。

 4歳の娘が初めて手にした自分だけのオーディオ機器が,父親の自作品というのも可愛そうな気がしますけど,モノラルでMP3で電池駆動でアナログボリュームってのがなかなか世の中にないんだから,まあ仕方がないでしょう。

 彼女が本当に自分で欲しいと思ったオーディオ機器が現れるまでの間(あるいは興味を示さなくなって使わなくなるまでの間),使ってもらえればそれでよいことにします。

 

子供用MP3プレイヤーを作る[その1]

  • 2016/08/22 14:31
  • カテゴリー:make:

 少し前の事ですが,5月のこどもの日の頃に,鯉のぼりのイラストが描かれたお菓子の空き缶を手に入れました。

 大きすぎず小さすぎず,手頃な大きさだったので「MP3プレイヤーでも仕込むか」などと話していたのですが,子供が大きくなり,自分で音楽を聴くという事に興味を持ち始めたこともあり,作ってみることにしました。

 対応フォーマットは使うMP3プレイヤーモジュールによって決まりますが,そんなにこだわっても仕方がないので,MP3のCBRに対応していればいいとしましょう。

 出力はモノラルで十分だと思いますが,それなりにしっかりしたいいフルレンジスピーカーを搭載したいです。

 アンプもモノラルでいいわけですが,電池駆動で1Wくらいを出したいと思うので,そうすると自動的にBTLのアンプになると思います。

 操作系ですが,これもモジュール次第になりますけど,出来るだけシンプルにいきたいです。ボタンは再生/停止,送りと戻しの3つで十分ですし,音量調整はアナログのボリュームでグリグリまわすものがいいと思います。

 表示もLEDが1つだけあればそれでいいです。

 電源は乾電池で,単三が4本の6Vでいきましょう。

 このくらいの緩い目標を決めて,部品集めです。

 自作がちょっと大変なMP3プレイヤーは,まだ現在の店舗に移転する前のaitendoに友人と出向いた折,その友人のオススメで安価に買ったものが手元にあります。MP3-SB16という型番のもので,今でも500円くらいで買えるようです。

 正直,今さらMP3というのもなあ,と思いますが,MP3くらいだからこそ,緩い工作が出来るというものです。

 ところでこのモジュール,電源は5V単電源です。またストレージはUSBで繋ぎますので,消費電流がどのくらいになるかはUSBに繋がったメモリ次第ですので,ちょっと見積もりにくいです。

 次に,またまた重要なスピーカーです。大きさが6cmから7cmくらいで,いい音のするフルレンジって案外ないものなんですが,随分昔の「大人の科学マガジン」で手に入れた,7cmのフルレンジスピーカーキットが1つ出てきたので,これを使います。

 スピーカーキットといえば,スピーカーユニットはすでに完成していて,これを入れる箱を作るというのがおきまりだったのですが,この学研のキットはスピーカーユニットを組み立てるキットで,フォステクスが作っていました。

 当時の私は驚いてしまい,思わず2つ買ってしまったことを覚えています。

 1つはキッチンにおいてあるFMラジオの高音質化で使い,もう1つ残っていた物に今回出番が回ってきたというわけです。ホワイトコーンでなかなかいい音がしそうな外観なのですが,接着剤のはみ出しもあり,とっても手作り感あふれるものになっています。

 次,アンプです。BTLでいくと決まっていますが,どんなICを使うか迷うところです。HT82V739は部品点数が圧倒的に少なく,抵抗は全く外付けを使いません。それでいて安く,音質にも定評があります。しかもトラブルがなく,一発動作できます。

 これにしようかなと思って部品箱を眺めていると,NJM2073Dが腐るほど出てきました。ステレオの小型アンプとしては定番で,確かBTL接続も可能だったはず。,もったいないから,これを使ってみましょう。

 ということで,まずはアンプの製作です。いくらモノラル,いくら子供用とはいえ,あまり程度が悪いものは避けたいところです。

 BTLで1W程度を出す回路をデータシートで確認すると,なにやら部品が一杯ついています。もともとNJM2073Dはゲインが高く,負帰還をかけてゲインを下げて使うことも普通に行われています。

 しかし,負帰還をかけることで発振しやすくなり,その対策にあれこれと部品が追加しなくてはいけません。今回はお手軽工作ですので,発振対策やノイズ対策に時間をかける暇はありませんので,データシートの通りに作ります。

 一応完成したのですが,まずサーッというノイズが大きくて,話にならないです。また,MP3再生中は0.5秒おきくらいにボツボツという音が出ていて,とても耳障りです(なおこのボツボツはアンプのせいではありません)。

 また,随分歪みっぽい音がして,聞いていて楽しくありません。1kHzの歪率を測定すると,0.1Wから1Wくらいまで,ほぼ全域で4%を越えています。

 波形を見たいのですが,BTLなのでオシロを繋ぐことが出来ず,方サイドずつ対GNDでみてみたところ,たくさんのノイズが乗っていて,。波形も崩れているのがわかります。

 とりあえず発振は対策で止めましたが,ノイズの多さと歪みの多さは無視できず,これを真面目に検討する時間もないので,NJM2073Dはもうあきらめました。

 そして本命,HT82V739を試してみます。回路は本当に簡単で,設計もなにも,指定通りにコンデンサを2つ繋ぐだけです。そして音を出してみると,これがまたなかなかいい音でなってくれます。測定すると1Wくらいまで0.04%以下の歪み率です。S/Nは70dBほどで,NJM2073に比べると10dBほど良い数値です。それでも70dBですから,ラジオ並みですが・・・

 これでMP3とアンプ,そしてスピーカーは揃いました。あとは電池です。ニッケル水素電池を4本使うと,5.5Vくらいから4.2Vくらいまで出てきます。アンプはどの電圧でも動作しますし,MP3プレイヤーは4.2Vを下回ると動作しなくなりますから,バッテリー直結でもいいだろうと,このまま先に進めます。

 ところが大きな落とし穴です。単三4本を電池ケースにいれてブリキの缶に入れ,スピーカーと取り付けた蓋を被せても,スピーカーが電池にぶつかってしまい蓋が閉まりません。

 単三2本の電池ケースを2つ使ってあれこれと配置を考え,ようやく蓋が閉まるようになりましたが,そうするとボタンもボリュームも置けませんし,そもそも基板を置く場所がありません。

 単四にしても,そんなに状況は変わらないでしょう。そもそも電池ケースが手元にありません。

 詰みました。

 5分ほど考えて,これはもう,電池を減らすしかないという結論に達しました。単三2本に設計変更です。

 電池電圧が1.1Vから1.4Vまで変動するとして,アンプは動作電圧範囲ですから,直結でよさそうです。ただし出力が300mW程度に下がりますので,音量不足が心配です。

 次にMP3プレイヤーですが,これは全然動作しません。そこで昇圧回路を入れる事にします。昇圧型のDC-DCコンバータをブーストコンバータと言いますが,これは部品点数も多く,アマチュアには鬼門であるコイルが不可欠で,しかもコイルの性能と選択で成否がくっきりわかれます。部品屋さんでもコイルはなかなか選べません。

 当然スイッチングレギュレータの1種ということになるので,ノイズも多いし,使いこなしが難しいものですので,市販の電蓄銅製品の大半に入っている割に,電子工作の世界ではあまり目にすることがない不思議な回路でもあります。

 ですが,ここ数年でとても手軽なブーストコンバータ用のICが安価に手に入るようになりました。かなり適当にコイルを選んでもそれなりの効率が得られる優れものです。

 HT7750Aというがそれです。トランジスタと同じ3本足のTO-92に入っており,外にはコイルとショットキーダイオード,コンデンサ2つだけ取り付ければ,もうブーストコンバータの完成です。

 大きな電流は取れませんが,それでも200mAまで引っ張る事が可能で,CMOSであることからIC自身が動作するための電流が小さく,PFMであることから小電流出力時のロスが小さくなっていますので,特に低消費電力機器での使いやすさが売りです。

 私も数年前にこれをいろいろ検討しましたが,効率85%はウソではなく,以前評価したときは入力電圧が3Vから4.5Vまで,ほぼ全域で85%以上の効率をたたき出していました。(出力電流は30mAです)

 90%以上を目指すには,スイッチングのMOS-FETに性能の良いものを使い,かつ回路もな同期整流というものを使う必要があるのですが,価格も上がるし,回路規模も大きくなります。

 ですが,HT7750Aはこの価格でこの使いやすさで85%ですから,アマチュアにはうれしい選択肢です。

 早速作ってみましたが,あっという間に電池2本から5Vが生成できました。MP3プレイヤーに供給し,3Vでスピーカーから音楽を鳴らしてみたのですが,全く問題なしです。

 確かに,最大出力は下がります。しかし,もともとそんなに大きな音を出すようなものではありませんし,3V駆動でも実用上全く問題にはならないと思います。

 さて,次は実装です。

 アンプを作ったときに,少し大きめの基板に作り,余った部分をあとで切り取る予定でした。しかし,これだけスペースがきついと,基板を置く場所もよく考えないといけません。

 そこで,基板を立てて,スピーカーの端子を基板にハンダ付けすることにしました。マグネットを避けるように,基板の両端にアンプとブーストコンバータを配置します。

 さらに,MP3プレイヤー基板をこの基板と直交するようにアルミでアングルを作り,2枚の基板がL字になるように固定します。

 そしてこれをそのままスピーカーの端子にハンダ付けすると,見事にスピーカーの周りに基板が差し込まれたようになります。これで基板の置き場所を新規に確保する必要はなくなりました。

 ここまできたらしめたものです。ボタンを3つ,LEDを1つ,スイッチ付きのボリュームを1つ用意し,蓋に穴を開けてそれぞれ取り付けていきます。ブリキの缶は柔らかく,加工している間に変形したりして大変なのですが,文句を言っても始まりませんので,少し大きめの穴を開けては,接着剤で固定してなんとかしました。

 蓋にスピーカーや基板,スイッチまでも取り付けられたので,電池の交換やファイルの追加などメンテも楽ちんになりました。電池はスポンジに来るんで中に転がしておけばいいでしょうし。

 ということで,長くなったので続きは後日です。

GPSDOで手に入れる高精度クロック[その後]

  • 2016/08/19 15:24
  • カテゴリー:make:

20160819152448.JPG

 

 GPSDOが動き始めて1週間ほど経過したある日,ステータス表示のLCDに表示されている時計が,思いの外便利である事に気が付きました。

 と同時に,見にくいのでごうしても目をこらす必要があり,不満が募ります。

 実は,当初からLCDにバックライトを用意することは考えていました。しかし,AQM1248Aにバックライト付きのものは売られていませんし,あれこれ試すのも面倒だったので,とにかく完成させることを優先しました。

 ですが,一度チャレンジしようとしたことは,目の前の問題が片付くと気になり始めるものです。せっかくここまで頑張って作ったのだし・・・

 いっちょやるか,バックライト。

 ということで,AQM1248Aにバックライトを装備します。

 市販品はありません。手元の材料を使って,切った貼ったすることになります。

 簡単に済ませるには,現在のLCDと基板の間に挟んである3mm厚のゴムシートを取り外し,そこに同じ厚みのバックライトを挟み込むことです。ただし,このゴムシート,LCDの位置決めに使った関係もあり,基板とLCDのそれぞれの面を両面テープでくっつけてあります。

 カッターを差し込んでゴムは取り外せました。ちょうど3mmほどの隙間がLCDの裏側に用意出来ました。

 次にバックライトです。以前,aitendoで特価していたセグメントLCDが壊れてしまったときに,そこに使われていたバックライトユニットの部品を残してありました。

 導光板と呼ばれる透明なアクリルの板の端っこからLEDで光を入れ,面光源にするのがバックライトの役割なのですが,この導光板,単なる透明アクリルのように見えますが,一応光学樹脂ですので透明度は一般の物より高いですし,傷もありません。反射面には白いドットが印刷されていて,サイドライトのLEDの光を,均一に広げるようになっています。

 導光板の端面には丁寧に白い反射シートがぐるっと貼られていて,入ってくる光を無駄なく均一に広げる工夫がなされています。

 そしてLCDと接触する面にはトレーシングペーパーのような拡散シート,反対側の面には真っ白な反射シートが用意されていて,ムラのない,そしてバックライトの色が変化しないように配慮されています。

 実は私,今簡単に「~シート」なんて来ましたが,ここって特許とノウハウの塊になっていて,ただザラザラになっているだけの表面も,顕微鏡で見れば複雑な形状になっていたりしますし,ただ拡散するのではなく指向性を設けて正面方向の輝度を上げたりと,シートそのものが高い機能を持っています。

 シートを挟むと,輝度が上がるんですよ。不思議でしょう?

 20年ほど前は小型の液晶に見られたこれらの工夫は,現在の大画面LCDテレビの高画質化を支えています。

 話がそれてしまいましたが,導光板をLCDの大きさに切り出し,これにあわせてシートも切りそろえて一式揃えます。

 そして,白色のLEDを点灯させて,導光板の横から光を入れます。これをLCDの裏側において,どんな見栄えになるかを確認します。

 ・・・全然光っていません。暗いままです。

 それもそのはず,このLCDの裏側には,反射シートが貼られていて,裏側から照射された光が出てこないのです。

 AQM1248Aは全反射型といいます。外光を100%反射して,LCDを表示させています。これに対し,透過型というLCDもあります。これはLCDの反射シートの代わりに拡散シートを置き,バックライトの光を100%使うものです。バックライトが消えると表示が全く見えません。

 この中間の半透過型というものもあります。バックライトの光も通しつつ,外光も反射するタイプなので,明るいところではバックライトを消して消費電力を低減できるのですが,どちらの見栄えもいまいちで,最近はあまり見なくなりました。

 で,このAQM1248Aにバックライトを装備するなら,現在の反射型から透過型,あるいは半透過型にLCDそのものを改造しなくてはなりません。

 うーん,LCDの裏面の反射シートは,シートと言うよりシールになっていて,剥がしてしまうともう二度と使えません。シートを新しい物にしても,気泡なく綺麗に張ることは至難の業で,果たして剥がして良いものかどうか悩みます。

 そんな風にあれこれといじって考えているうちに,今回はもうやめよう,そのうちAQM1248Aにバックライト搭載タイプがでるだろう,そうなったら交換すればいいよ,とやる気がなくなってしまいました。

 もとに戻そうとLCDをよく見ると,なにから黒い割れ筋が入っています。

 あー,割ってしまった!

 慌てましたが,もう遅い。どうもゴムを外したりあれこれを試行錯誤をしている間に割ってしまったようです。電源をいれてみますが,残念な事に一部しか表示が出てきません。それもそのうち出てこなくなりました。完全に壊してしまいました。

 ううう,1つ450円もするのに。しかも,位置決めと取り付けに手間も時間もかかったのに。

 嘆いていても仕方がありません。とりあえずLCDを外してしまいます。そしてえいやっ,と反射シートを引っ張って剥がします。

 さて,この状態で先のバックライトを重ねてみますと,懸念していたバックライトの模様がLCDの向こうに見えたりすることもなく,案外綺麗に光ることが分かりました。

 この反射シールは剥がしてしまってもよさそうです。

 そこで,新しいAQM1248Aを早速改造します。実はLCD改造の前に,LCDの交換を住ませてしまったのですが,一夜明けて考え直すとバックライトの目処が立ち,もう一度LCDを取り外したのでした。

 反射シートを剥がしたLCDの裏面にノリが残っているのが嫌だったのでアルコールでさっと拭いてみると,しゃーっと細かい傷が入ってしまいました。やわですね。偏光シート。

 バックライトにいい感触を感じたので,このまま基板にハンダ付けして固定です。暫定で通電し,バックライトも点灯させて,綺麗に光ることを確認しました。自分でもうまくいったので驚いているくらいです。

 こうなると,LCDの外周と表示エリアの間に,額縁をおきたくなります。適当な額縁がないかとあれこれ探していると,先日発売になったWiredの最新号の裏表紙の広告が良さそうです。

 うまく外見を切り出し,内側を抜いて,完成です。

 LEDは3mmの砲弾型の頭をニッパーで切り取り,面で接触するようにしました。また,ムラが気になるので,表示エリアよりも随分下の方にLEDをおきました。3.3Vを電源にし,47Ωの抵抗を直列に入れます。およそ10mAくらいで光らせている感じですね。

20160819152546.JPG


 おー,随分見やすくなりました。手間はかかったけど,なかなかいいじゃありませんか。

 そうすると今度は,右隣のメーターにもライトを仕込みたくなるものです。アナログメーターですから,ここはやはり電球色のLEDでしょう。メーターの一番下,コイルやマグネットの入ったケースの下側にLEDをおいて光らせてみると,これがまたいい雰囲気なのです。

 今度は100Ωの抵抗をいれて光らせます。ざっと5mAほどですかね。部屋を暗くすると,ぼやーっと光っている感じなかなかよいです。

20160819152615.JPG


 さて,こうしてLCDもメーターも,見やすく格好良くまとまったところで,本当にこれで完成です。昨日から24時間運転に入りました。

 最初に完成してから2週間以上経過していますが,ここからは「使う」ことがメインになることでしょう。もっとアナログ部分で苦労するかと思っていましたが,動いてしまえば案外簡単だったなあと,思います。

 GPSDOは,手軽に,低コストで,維持管理をほとんど必要としないで,高精度なクロックを手元に置くことが出来る,アマチュアには非常に好都合な装置です。今や電圧も音質も,クロックの精度に左右される時代です。高性能な周波数カウンタをお持ちの方なら,1台作るととても安心ですし,測定も楽しく,見えない物が見えてくるようになります。

 興味が少しでもある方は,ぜひ自作してみて下さい。

 

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