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PC-386BookLはいよいよ完成

 先日PC-386BookLの復活について書きましたが,その後さらによい方向に検討が進みました。なにかと問題を抱えていたコンパクトフラッシュの問題が根本的に解決したのです。

 MS-DOSや初期のWindowsといった20世紀のOS,むしろそれらが動作するシステムすべては,NANDフラッシュと言う半導体メモリが同じ場所に何度も連続して書き込むことで寿命を大幅に縮めてしまうことを考慮していません。

 というよりも,フラッシュメモリでシステム全体を運用することなど夢物語だった10年ほど前までは,専用につくられたSSDでさえシステム側での対応は十分とは言えず,なにかしらの問題を抱えた上で使われていたものです。

 特にスワップの発生する仮想記憶を持つOSでフラッシュストレージを使うことは,その書き込み頻度の多さから慎重でなければならず,きちんとした対策が行われている最新のOSを用いることのないPC-386BookLで私がコンパクトフラッシュを使うことにしていたのも,その運用がMS-DOSに限られていたからです。

 ですが,やはり原理的に壊れるものを使うことへの抵抗は大きく,できればハードディスクを使いたいと思ってはいました。それに当時のマシンですから,ハードディスクの遅さを味わうのも,また一興と言うところでしょう。

 残念なことに,PC-386BookLに内蔵して使えるハードディスクは当時のものを中古で探すしか手はありません。仮に手に入れることができたとしても,ドライブ自身は著しく信頼性を落としていると思いますし,適合する新品のドライブ探して入れ替えることは簡単ではありません。

 そこで私は思い切ってTrue-IDEモードを持つ,古い小容量のコンパクトフラッシュを使って40MBのIDE接続(DOSからはSASI接続に見える)のハードディスクとして使うことにしたわけです。手持ちのコンパクトフラッシュの大半はうまく動いてくれませんでしたが,256MBと32MBだけは動いてくれて,このうち256MBのもので40MBのハードディスクを再現して使うことにしました。

 この目論見は案外うまくいき,その高速性も手伝って快適なMS-DOSの環境を手に入れることがかなったわけですが,MS-DOSとはいえ古いコンパクトフラッシュには荷が重く,使っているうちに長時間反応を返さなくなったり,ハングアップしたりする頻度も増えてきました。

 これではいつ動かなくなってもおかしくはないと,使えるコンパクトフラッシュを探さねばと新品の64MBなども買って試してみましたがうまく動いてはくれませんでした。もし現在動作している貴重な256MBのコンパクトフラッシュが壊れてしまうと,PC-386BookLそのものが動かなくなるということが起きてしまいかねません。

 そこで目をつけたのが,もう二度と使うことがないであろうマイクロドライブです。一世を風靡したコンパクトフラッシュサイズの超小型ハードディスクは,まだIBMがハードウェアメーカーとして世界を牽引していた時代の製品で,確か最初は340MBからスタートしていたと思います。当時340MBと言えば大容量で,このサイズのコンパクトフラッシュは非現実でしたから,これこそハードディスクの生きる道であると話題になったことを思い出します。

 圧縮音楽を詰め込む音楽プレイヤーが丁度登場した時期で,にたようなサイズの超小型ハードディスクはIBM以外のものも含めて以外に身近にあったのですが,基本的には印刷と同じような技術である半導体にかなうはずもなく,6GBまで発売されましたがその後はその使命を終えました。

 私はデジタルカメラ用に1GBと6GBを買って使っていました。しかし,その後フラッシュメモリが安くなったこともあり,使うことはなくなっていたのです。

 この1GBのマイクロドライブがPC-386BookLに使えたら好都合です。書き込みよる劣化も基本的には起きませんし,もともと衝撃には十分な配慮をしてつくられたマイクロドライブをコンピュータの内蔵ストレージに使うと言うのですからまったく問題はありません。消費電力も小さいですし,遅いといっても当時のハードディスクに比べたら随分高速です。

 しかし,残念なことにこのマイクロドライブはうまく動いてくれず,このときは結局あきらめたのです。

 今回,もしかすると動くかもしれないともう一度試したところ,なんとあっさりフォーマットができて,MS-DOSが起動するところまで出来てしまいました。それならとバックアップしてあったコンパクトフラッシュのイメージをそのまま書き込んでみたところ,これもあっさり動作してしまいました。

 これでフラッシュメモリの劣化の心配をしなくても済みます。それに,ドライブの起動時間からくるタイムラグも,当時の使用感を思わせて個人的には懐かしい感じがします。
 ただ,使い勝手は確実に悪くなっているので,コンパクトフラッシュの時には使う必要がなかったディスクキャッシュを復活させました。2回目以降のアクセスでハードディスクにアクセスしないと言うのも当時の感覚そのものですし,当時のマシンを使うならこういうところも味わないといけないと思います。

 ということで,フリーズもなくなり,安心して当時の使い勝手をそのまま再現したPC-386BookLが出来上がりました。当時はこの環境でガンガン日本語を書いていたんだなあと思うと信じられない気がするのですが,ものは試しにとこの文章はPC-386BookLで書いています。

 FEPは懐かしのWX3,エディタはMIFESです。ちょっと遅いですし,変換精度もさすがに良くないのですが,普通に文章を書くくらいなら十分に使えると言う印象です。

 ただ,PC-386BookLのキーボードは今の水準で言えば良くないキーボードで,音はうるさいわ変なクリック音は出るわストロークは深いわバネは重いわで,正直疲れます。ここだけでも改良できれば随分使い勝手のいいマシンになるんじゃないかと思うのですが,うまく改造する方法が浮かびません。

 それともう1つ,冷却の問題です。PC-386BookLには小さな空冷ファンがついていますが,普段は止まっています。冷却が必要な内部温度になると勝手に回り始め,温度が下がると自動停止する賢いファンです。

 1年ほど前は問題なく動作していたこのファンも,いつの間にやら動作しなくなっていました。かといって故障したわけではなさそうで,電源を入れなおせば回転しますから,制御回路の問題かなあと思っていました。

 もし本当に制御回路の故障なら長時間の使用で電源ブロックが壊れてしまうでしょうし,壊れなくても熱による劣化が進んでしまうので,長時間使うのをためらっていました。

 この文章を書いているうちにも,どんどん温度が上がってきています。いよいよ心配になったその時,ようやくファンが自動的に回り始めました。どんどん温度が下がっていくのがわかりますし,基板をIPAで洗浄したため,あの嫌な臭いもしなくなっています。

 ということで,PC-386BookLは,本当に実用的に使えるマシンになってくれました。なんだかんだで1年かかりましたし,これはもう本当にだめだろうとあきらめそうになったことも一度や二度ではありません。爆発や出火の危険もありましたし,その意味では今も安全だとは言い切れません。

 次にやるべきことはこのキーボードをもっと使い易くすることでしょうけど,それはもう30年前のマシンにするような改造とは違うように思います。当時のマシンそのままに,いいところも悪いところもまとめて味わうことが,このPC-386BookLの正しい使い方のように思います。

 CPUはCX486SLCですからメモリのバスはなんと16ビットですし,クロックはわずかに25MHz,メインメモリはたったの640KBで拡張メモリも2MBに過ぎません。

 画面は640x400でVGA以下,LCDはもちろんモノクロですがそれもSTN液晶と言う,いまなら時計か電卓くらいにしか使われていないようなパッシブマトリクスの液晶です。モノクロも白と黒ならまだしも,青と白ですから目が疲れて仕方がありません。バックライトも当時のことですから冷陰極管という蛍光燈の一種でLEDではありません。

 マウスもトラックパッドもなく,これを今時の人にわたしても,きっとどうしていいかわからなくなってしまうでしょう。なにせ画面に出てくるのは,16ドットの荒く大きな文字だけなのですから。

 そんなマシンで動作するのはMS-DOSという原始的なOSです。今となっては本当に原始的としかいえなくて,コマンドを打ち込まないとなにも出来ません。しかし,こうして日本語の文章が書けています。キー配列ももう慣れて,すらすら書けるようになってきました。

 うーん,この用途には,これでもう十分なんじゃないでしょうか。

 有り余るCPUパワーや膨大なメモリは,結局見た目の美しさや操作に費やされているということでしょう。それは作業内容そのものにはそれほど関係はなく,商品として魅力的にみえるかどうかということに,大きな役割があるように思います。

 もちろん,使い勝手そのものに貢献した進化も多いでしょうし,目の不自由な方や手や指がうまく動かせない方に寄り添うような機能の実装も,昨今のCPUパワーやメモリがあったからこそといえるかも知れません。

 でも,やっぱり私は,今のPCやスマートフォンが,装飾過多になっているんじゃないかと,思わざるを得ません。

 一方で,同じように進化を劇的に遂げた自動車を考えてみると,本来の目的である移動をより快適に行うために進化してきたことに,私は疑問を感じません。

 同様にPCだって,例えば目的である文書作成を快適に行うための進化と捉えれば,このきらびやかな画面もまた納得せざるをえないのでしょうか。

 どうやら問題は,こうした進化の結果の選択肢が,我々ユーザーに少なすぎることにある用に思えます。自動車はそれこそ星の数ほど選択肢があります。しかしPCはOSを入れてしまえば,どんなマシンも向き合うのは結局OSです。

 自動車は基本操作はどれも共通で,PCも共通の操作系を持つことは当然でしょう。しかし見え方なんかは,もっと選択肢があってもいいんじゃないかと思います。

 その昔,PCはカスタマイズのためのツール類が商品として売られていました。それらは次第にOSに取り込まれていき,カスタマイズはOSを新しくしたときにまず最初に行う儀式になりました。

 しかしそれも下火になり,今我々が新しいPCに買い替えたときに行うことは,これまでの環境をそのまま移行させることです。いつからでしょうか,新しいマシンに買い替えたことがワクワクしなくなったのは。

 そうこうしているうちに冷却ファンが自動停止しました。これで一安心。もうこのマシンは大丈夫でしょう。




DiskIIコンパチ品の回転数が狂う

 お盆休みのある日の午前,30年も前に秋月電子で購入した韓国製のテスターに付属していたフロッピーディスクを見つけました。Goldstarの5インチで,なんと2Dです。IBM-PC用ですね。

 貴重な5インチ2Dですので,早速使えるかどうか試してみたくて,久々にAppleIIの電源を入れてみました。Locksmithを起動してチェックしますが,フォーマットをかけるとどうにもエラーばかりです。これはおかしいと,他のディスクをフォーマットしてみたところ,やはりエラーです。

 エラーが出ているのは松下製のドライブを使ったコンパチ品ですので,純正ドライブで試してみたところちゃんとフォーマット出来ました。ドライブの問題です。

 いやー,面倒なことになりました。フォーマットが出来ないというのをもう少し調べてみると,最初のセクターでエラーが出ているようです。こういう場合は回転速度がまずい場合が多いので回転速度を調べたところビンゴ!

 回転速度が狂っていて,随分速めになっているようです。わずか1年で狂うというのも変な話で,原因ははっきりしませんがとにかく速度を純正ドライブと同じ程度に合わせ直します。

 するとフォーマットもきちんと出来るようになりました。やはり回転速度の問題だったようです。この松下のドライブですが,その後の国産ドライブの隆盛が信じられなくなるくらい,SA-400の完全コピー品といっていいくらい,寸分違わぬコピーっぷりです。その割には回転ムラも大きいですし,シークの音も大きく激しいです。総じて品質は悪く,1970年代の日本の精密機器産業の実力を見る思いです。

 回転ムラが大きいことは書き込み品質を低下させるのでうれしくないのですが,これはモーターの問題かもしれませんし,スピンドルの軸受の精度や,ベルトの劣化が問題かも知れません。まあ,40年も前のものに文句を言うのも筋違いですが,純正品は未だに安定して動作していますし,当時の広告を見ても「信頼の国産ドライブ」と書いてあるわけですから,実際はこの頃のアメリカ製には見るべき者があるなあと思った次第です。(とはいえモーターなどは日本製だったりするわけですが)

 どっちにしても,コンパチ品は個体差も含めて程度はあまり良くなさそうです。回転速度もこまめにチェックをしないといけないでしょうし,書き込みが頻発する用途には使わないようにしないといけないと思います。

 それはそうと,AppleIIの調子も今ひとつだったりします。しばらく動かさないと起動しなくなるというトラブルはありましたが,今回初めて,動作中に突然画面が乱れてフリーズしました。暑いせいかも知れませんが,やっぱり私と同じように歳を取るものなんでしょう。

PC-386BookLは今度こそダメなのか!?

 そろそろ半年が過ぎた頃かなと,PC-386BookLを立ち上げてみたときのお話です。設定や日時などを記憶しておくためのバックアップバッテリが半年ほどで切れてしまうため,動作チェックも兼ねて電源を入れてみました。

 すると予想通り起動しません。これはHDDのセクタサイズがデフォルトの256バイトに戻って閉まったからで,ここを512バイトに再設定すれば何の問題なく立ち上がるはずでした。

 しかし期待通りには行かず,起動しません。これはコンパクトフラッシュが死んだ可能性があるなあと,フロッピーから立ち上げたりしばらく触ってみたりして,問題の原因を探っていました。

 するとLCDの表示が出たり出なくなったりするようになり,しばらくするととうとう表示が出なくなってしまいました。バックライトは点灯しているのでLCDそのものの表示が出てこないというのは,なかなか深刻な問題でしょう。

 そうこうしているうちに,今度は焦げ臭い臭いが!

 これはいよいよまずいです。最近時にビビリになっている私にとって,爆発や爆音,感電などは絶対に避けたい体験です。あわてて電源を引っこ抜いて,遠巻きにPC-386 を眺めておりました。

 幸いにしてそれ以上のトラブルはなく,焦げ臭さも薄れていったのですが,もう電源を入れる気にはならず数日ほったらかしにしていました。

 翌日,意を決して分解して見たのですが,ぱっと見たところ問題はありません。焦げ臭いのですから,なにか燃えているとか,高温になって変色しているとか,そういうことがあっても良さそうです。

 残念ながらそうしたわかりやすいものはなかったわけで,次に調べるのはヒューズです。PC-386にはあちこちにヒューズが入っていて,なにかあると簡単に切れます。切れてくれる方がありがたく,回路の破損を防ぐ事以外に,どこが壊れたかに目処を立てる武器になります。

 今回は,どうもLCDの電源ラインに問題があったようで,ここのヒューズ(2.0A)が切れていました。少なくともこれではLCDが動くはずはありません。そこで同じ容量のヒューズに取り替えてみましたが,やはりLCDは動作せず,焦げ臭い臭いもそのままでした。

 こうなると大元の電源基板を調べるしかありませんが,電源基板は4級塩の電解コンデンサでボロボロになっていますから,これまで騙し騙し動かしていた状態から,いよいよ問題を引き起こしてしまったのでしょう。

 回路を1つ1つ見ていくのも面倒で,こういう場合の最後の作戦が丸ごと洗浄です。純水は手に入らないので,ここはIPAを使って洗浄を試みました。口の部分を切り取ったペットボトルにIPAを入れ,基板をつけ込みます。1時間ほどつけ込んで見ると,透明だったIPAがヘドロのような色に変わっていました。

 これで試してみますが,やはり問題は解決しません。1次側の15Vは2.5Aという強烈な電流が流れています。そして焦げ臭い臭いが・・・

 よく調べてみると,コイルの1つが発熱しているのがわかりました。このラインを追いかけるとDC-DCコンバータのトランスにダイオードを介して繋がっています。ダイオードの破損やパターンのショートを考えて調べましたが,どちらも問題なし。

 いろいろ調べてみましたがおかしな物は見つからず,もうあきらめようかと思った時に,最後のチェックとしてICを調べてみました。4端子の電源ICっぽいものの端子をテスターであたってみると,1ピンと2ピンがショートしていることがわかりました。

 ICを取り外して再度調べてみたところ,パターンではなくICそのもののショートであることが判明,早速このICの型番を調べてみたところ,松下のAN6535という負電源用の可変レギュレータであることがわかりました。

 幸運にも見つかったデータシートによると,1ピンはコモン,2ピンは入力ということで,ここがショートしていてはそりゃー発熱もします。えらいことになるところでした。

 よく観察してみると,1ピンと2ピンの間にクラックがありました。電解液が染み込んだ製なのか,偶然ショートしたのかはわかりませんが,どちらにしてもここがショートして発熱ことは間違いなさそうです。

 このICを外した状態で通電してみると1次側の電流は600mA程度に落ち着き,焦げ臭い臭いもなくなりました。原因はこれで間違いなさそうです。(ちなみのこの時のAN6535への入力電圧は-70V近くあり,感電の期間があるとわかってからはビビりまくっていました。)

 しかし,原因がわかったところで交換の部品が手元にある訳ではないので,ダメモトで売っていそうな所を調べてみましたが,怪しげな中国のサイトでも引っかからないほど,見事に入手不可能な品種でした。これは絶望的です。

 今度こそ諦めようか,ああPC-386BookLよ,1年間ありがとうと思ったのですが,もう少し考えて見ることにします。

 AN6535のデータシートを見ていると,特に特別なスペックのICではなく,それこそ古典であるuA79MGそっくりです。ピン配置だけ微妙に入れ換えてあるところに変な意地を感じますが,それ以外はなにも変わったところはありません。

 なら,普通に負電圧のレギュレータでいいんじゃないかと閃いて,手持ちのLM337への置き換えと回路変更を思い立ちました。

 まず,AN6535の設定電圧を調べます。3ピンと4ピンの間の抵抗は18kΩ,4ピンとGNDの間の抵抗は半固定抵抗で3.1kΩでした。データシートの計算式から計算すると出力電圧は-20.225Vと出てきます。約-20Vに設定されているようです。

 なら,LM337で-20Vを出すように考えると,出力とADJの間は手持ちの関係で100Ω,ADJとGNDの間は1.5KΩで大体-20V程度です。これを基板の改造なしに取り付けるためには,LM337の1ピンと3ピンの間に100Ωをハンダ付けし,ADJ端子に1.5kΩを取り付けて,他の端子と長さを揃えて基板に取り付けるのが良さそうです。

 しかしここでもう1つ心配な事が。このICの入力電圧は先程実測で-70Vもありました。しかしこのICも,AN6535も入力の耐圧はせいぜい-40V程度です。こんなの一発で吹き飛んで消し炭になってしまいます。

 ただ,スイッチングレギュレータは負荷を繋がないと安定した電圧が出てこない物なので,軽く負荷をかけてみると電圧が下がってくれることがわかりました。そもそも-70Vも出ていたら,ここに入っている電解コンデンサが爆発しますしね・・・あーこわいこわい。

 ということで,LM337を取り付けて通電します。すると出力は-20Vと期待通り,入力電圧は-23Vとこれもまずまずの電圧になっています。どうも上手く動いているような感じです。

 いよいよLCDを取り付けて動かして見ると,無事にLCDの表示が戻ってきました。修理成功です。今回ばかりは入手困難なICの破損でしたので,もう諦めるしかないと思っていましたが,同じような機能の部品を使って回路を作り直してやれば,修理出来るんですね,当たり前のことですが。

 これで組み立て直してしばらく動かしましたが問題なし。焦げ臭さも当然なくなりましたし,うれしいことに内部温度の上昇と共に漂ってくる電解液の臭いも随分消えてくれたので助かりました。

 これで一応PC-386BookLは復活しました。我ながらよくやるわ・・・
 
 さて,これでおしまいではありません。コンパクトフラッシュからの起動が出来ていません。とりあえず電源や断線をさっと確認し問題がないことがわかったら,バックアップしてあるイメージを書き戻してみました。

 するとちゃんと起動します。よかったです。

 ただ,ファイルが読めなくなってリセットが必要になったりする現象は以前にも増して増えていて,さすがに看過できないレベルになっていました。そこで以前試して認識しなかった128MBのコンパクトフラッシュを再度確かめたところ,どういう訳だか認識して起動もできるようになりました。

 ラッキーとばかりに,現在の256MBのコンパクトフラッシュからフロッピーディスク経由でデータをコピーして,128MBのコンパクトフラッシュで運用を試みます。しかし残念な事に,すべてのデータのコピーが終わり,再起動させるとマウスドライバの読み込みでフリーズします。

 ドライバを外せば動くのですがそれでもかなりの頻度でフリーズが発生します。これでは使いものになりません。

 そこで,256MBのコンパクトフラッシュに戻すことにしましたが,ここは不良セクタをはじくため,ローレベルフォーマットをかけてから書き戻しました。さらに,マウスドライバも外しておくと,これまでの不調が嘘のように,フリーズしなくなりました。

 これほど安心して使えるPC-386もいつぶりかなと思います。いやー,よかった。

 ということで,このお盆休みの実績の1つが突然壊れたPC-386BookLの修理でした。役に立たないことに心血を注いで,九死に一生を得て復活したことはうれしいのですが,これを他の人に理解してもらえないことがやや残念なところです。

 お盆休みの実績は,まだあります。続きは後日。

P6201を2つも手に入れた

 さて,先日アクティブプローブのP6201を手に入れた話を,結局2465Aのメンテを行いことになったと言う形で書きましたが,今回はその続きです。

 10:1や100:1のアッテネータがないために実用的に使えないじゃないかという話はあるものの,とりあえず調整をやってみることにしました。うまく調整ができれば壊れていないという証にもなりますし。

 P6201はプローブですから,調整は不可欠です。ただちょっと面倒なのでやってない人も多いでしょう。ということでマニュアルを見ながら調整を進める事にするわけですが,高速な立ち上がりのパルスを発生させる機材もないし,1GHzの帯域を持つオシロスコープもありませんので,そこはもう自分の届く範囲でと言うことで割り切り他ありません。

 ところで,調整方法が書かれたマニュアル(サービスマニュアルではない)は新旧2種類があるようで,わかりやすさで言えば旧,確実性で言えば新ということになりそうです。今回は新マニュアルで進めます。

(1)まずは分解です。ネジを外して,上下のケースを外します。まるで三枚おろしのようになると思いますが,この状態でオシロスコープに接続します。もちろん電源も繋いで下さい。
そうそう,電源ラインに入った抵抗がかなり熱くなるので注意。

(2)まずはスイッチ類の設定です。50ΩTERMはINT,DC OFFSETはOFF,COUPLINGはDCに設定します。

(3)ではオフセットから調整します。オシロスコープの入力を1MΩのDC,最小レンジに設定し,この時輝線が0VになるようにR250を調整します。R250はDC OFFSETのスイッチがある面の端っこにあり「OUTPUT ZERO」と書かれています。

(4)次にバイアスの調整です。Q300というトランジスタ(マイクロディスク型とは珍しい)のベースとGNDの間の電圧をテスターで測定し,-3.3V±25mVになるようR230を調整します。Q300は先程のR250とは反対の面にあり,R230はR250と同じ面にあり「BIAS ADJ」と書かれています。

(5)実はこの2つの調整は温度変化に弱いので,上下のケースを仮組みして20分放置し,再調整を行います。

(6)高周波のゲインを調整します。ファンクションジェネレータで10kHzの方形波を作り,プローブに入力します。オシロスコープは0.2ms/div,50mV/divに設定しておき,波高値が5divになるようにファンクションジェネレータを調整します。

(7)出てきた方形波が綺麗な方形波になるよう,R370を調整します。R370はQ300同じ面にあり「H.F. GAIN」と書かれています。

(8)設定などはなにも変えず,今度はC220というトリマコンデンサを,方形波が綺麗に表示されるように調整します。これは高周波のクロスオーバー位相調整というらしいのですが,よくわかりません。とりあえずC220はDC OFFSETのスイッチと同じ面にあります。

(9)もしアッテネータがあれば,アッテネータを取り付けて,アッテネータの横についているトリマコンデンサを調整して方形波が綺麗に出るようにします。


 たったこれだけです。オフセットをゼロにすること,内部のトランジスタのバイアスを調整すること,そしていつもの方形波が綺麗に表示されるように2ヶ所同時に調整すること,だけです。

 実は,プローブ内部の調整もあるのですが,ここはそれほど狂わないだろと言うことと,壊してしまうかもしれないのでやめておくことにしました。

 また,低周波のゲインや50Ω終端抵抗もチェック対象なのですが,ここはチェックをするだけで調整出来ないので,結局意味がないということでキャンセルしました。一応見ておいた方が壊れていない証明になって安心出来るとは思います。


 さてさて,こうしてP6201の調整が終わり,ちゃんと観測出来ることが分かったので,いよいよ本気でアッテネータを手に入れる必要が出てきました。

 しかし,P6201の付属品ですし,これだけ手に入れるのは難しそうです。どうしたものかと考え込んでいると,耳寄りな情報が!

 とある中古測定器の業者さんが,無保証のジャンクとしてP6201を3000円ほどで売っているのを見つけました。プロの業者さんがジャンクで3000円ですから間違いなく壊れている(それもどうしようもないほどに)のは当たり前としても,付属品が一式揃っているというのが目を引きます。

 そう,ケースこそないんですが,それ以外の付属品は揃っているんです。アッテネータが壊れているという可能性は低いだろうし,仮に壊れていてもこれくらいなら直せそうです。

 こういうのは売り切れている場合が多いんですが,幸いにして在庫ありとのこと。すぐに購入して手に入れました。

 届いたP6201は思った以上に程度が良く,付属品も問題はありません。まずアッテネータのチェックをすると全く問題なしです。いやー,これですでに3000円の元は取ったなあ。

 次にP6201本体のチェックですが,実はこちらも問題はなさそうでした。調整も出来ましたし,先に手に入れたP6201と比較するために同時に同じ信号を測定して波形を重ねてみましたが,ぴったり重なりました。故障もなければ,特性のばらつきも(私の見える範囲では)小さくまとまっていそうです。

 ということで,結果的にアクティブプローブが2本も手に入ってしまいました。アッテネータが1つしかないのは残念ですが,1:100のものを上手く使えばなんとかなる場合も多いでしょう。水晶発振や高速クロック,バスの信号波形の確認に威力を発揮しそうです。


 ・・・こうなってくると,いちいち2465Aの電源を入れるのが面倒ですよね。1101Aという電源ユニットが未だに人気なのはP6201を現在のオシロスコープで需要があるからですが,その1101Aも決して安いわけでも,数が出ているわけでもありません。

 そこで世界中のマニアが自作を考えるわけです。±15Vでせいぜい500mA程度の綺麗な電源を出す電源器があればそれでOKなので自作の難易度は低いのですが,なかでも最高難度のものが,あの電源コネクタの入手です。

 古い2400シリーズから取り外す人,保守パーツを探し出して手配する人などいろいろいるようですが,どちらにしても簡単ではありません。

 私も1101A相当品を作ろうと思っているのですが,やはり難しいのは電源コネクタの入手です。

 ん,そういえば部品取りにと2445を1つ押し入れに入れてあったなあ。これから取り外してみますか・・・必ずしもついているとは限りませんが。

 

2465Aのプチメンテ

 計測器関連で,あると便利かなと思うようなものは,もうないかも知れないと思っていた矢先,ふとしたことからアクティブプローブの故障品を入手しました。テクトロニクスのP6201というものです。

 オシロスコープが誰でも買えてしまう測定器になって久しいですが,だからといってプロとアマチュアの間の差が縮まったかと言えばそんなことはなく,そこに横たわる最も大きな差はおそらくプロービングでしょう。

 最近は最初のオシロスコープが新品だったという人が増えたこともあり,付属してくる1:10プローブを無意識のうちに使うようになってきていると思いますが,残念な事にここ止まりなのがアマチュアだと言い切ってしまいましょう。

 パッシブプローブは安価ですし,使い勝手も良い上,万能選手ですのでこれで不満が出ることは少ないと思いますが,これで不満が出始めるともうプロ級です。検討する回路の範囲が広がって行くに従って欲しくなるプローブは自ずと特殊性が高くなるわけで,その代表格が電流プローブとアクティブプローブでしょう。

 電流プローブはその名の通り電流を測定するプローブで,電流の波形が見たいとき,例えばスイッチング電源のコイルに流れる電流の波形を見たい時にはこれがないとお手上げです。

 一方のアクティブプローブはFETプローブとも言われていて,プローブの入力部がFETで受ける様になっているものです。パッシブプローブと違って測定対象から見た負荷がFETだけになりますから,回路に与える影響が小さく出来ます。(その代わり電源が必要になります)

 通常のパッシブプローブだと入力容量は10pF程度になりますが,アクティブプローブ(P6201)だとわずか3pF,1:10のアッテネータを用いると1.5pFになります。

 水晶発振子が発振しているかを確認しようとして,プローブを当てたら発振が止まったり,逆に発振していないんじゃないかと思った水晶発振子がプローブを当てると発振したりと,10pFで結果が大きく変わるような回路の測定が上手くいかなかった経験のお持ちの方もいると思います。

 あるいは100MHzを越えるようなデジタル信号の波形を見ようとして,パッシブプローブを当てたら回路そのものが動かなくなってしまったりとか,そういうことも思い当たるかもしれません。

 これ,いずれも10pFという容量が悪さをしています。水晶発振についてはこの容量のせいで発振が止まらずとも,周波数がズレてしまうものですので,パッシブプローブではもうお手上げなのです。

 そこでアクティブプローブです。かつてはこうした用途での測定に用いられる特殊なプローブという扱いでしたが,1GHzを越えるような高速オシロスコープでは,標準搭載されることも普通になってきました。

 で,P6201というアクティブプローブは,名門テクトロニクスのプローブの1つで,1970年代初期に発売になって,1990年頃まで現役だったロングセラーです。900MHzまで使える帯域の広さ,汎用性と安定した性能から,国産のスペアナなどの測定器も,P6201を使う事が前提になっていたほどです。

 電源はオシロスコープ本体から供給される仕組みですが,別売りの外部電源を用いれば現在でも十分に使えるもので,古き良きアナログ全盛のテクトロニクスの商品にあって,現在でもなかなかの人気商品だったりします。

 私も過去に何度か仕事でアクティブプローブの世話になり,その都度「いいなあ」と思ってはいたのですが,高価ですし個人で持つにはしんどいなと,今まで入手を考える事すらしてきませんでした。

 しかし,今回ふとしたことから入手し,俄然興味がわいてきたというわけです。

 P6201を動かすには,まず電源です。幸い私のアナログオシロ,2465Aにはオプション11というプローブ用の電源コネクタが用意されているので,とりあえず電源はここから確保です。

 電源ON,しかし残念な事にP6201はまったく動きませんでした。もともと故障品という事でもらったものですので期待していなかったのですが,入力部のFETが死んでいるくらいだろうと思っていたので,これほどうんともすんと言わないとは,思っていませんでした。

 P6201は,実は高周波と低周波で内部の信号経路が違います。高周波ではMMBF4416というRF用のJ-FETに入るのですが,低周波ではLM308AというOP-AMPに入ります。それぞれの出力は最終段のドライバで上手く合成されるようで,経路には切り替えスイッチなどはありません。面白い回路です。すばらしい。

 で,問題はこのJ-FETで,過大入力があったりすると,割に簡単に壊れるそうです。静電気もそうですし,GNDのミノムシクリップが外れたりするとGNDから浮いた信号で壊れたりすることもあるそうです。

  FETが壊れてもOP-AMPは壊れていませんから,100kHzくらいの周波数だと問題なく動いてしまい,FETの破損に気が付かないそうです。

 私はこのJ-FETの破損を予想していたのですが,1kHzでも全く波形が出てきません。これはかなり厳しい故障です。

 まず手始めに電源電圧を見てみました。すると,+15Vと-15Vが供給されるべきラインの電圧が,それぞれ+15Vと+5.5Vとなっています。あきらかにおかしいです。

 電源電圧ですので,これは2465A側の問題かもしれません。そういえば,10年前(もう10年もたってしまいました・・・)の大レストアの時に,プローブ用電源のコネクタの接続に迷ったことを思い出しました。

 気なってしまうと,もう確認をしないわけにはいきません。

 早速2465Aを分解して確認です。しかし,間違いはなさそうです。

 おかしい。

 ここから2465Aや別売りの電源ユニットである1101A,もちろんP6201についても調べてみることに時間を費やしました。すると,今回の件には関係ないのですが,2465Aには電源ブロックに持病があり,部品の交換が定番になっているという情報を得ました。

 なるほどと思ったのは,それが俗にXコンデンサと呼ばれる,ACラインにまたがって入る,ノイズ対策用のコンデンサの焼損だったからです。

 ACに入るコンデンサですので使用中はずっと高圧がかかり続けますし,万が一ショートでもすれば発煙発火騒ぎになります。以前AppleIIが煙を出しましたが,あの時も原因はこのXコンデンサのショートでした。

 この時代のアメリカ製のMPコンデンサ(メタライズドフィルムコンデンサ)は結構破損し,しかも故障モードがショートになるものが多く,壊れる前に交換するのがお約束になっています。

 2465Aも壊れやすいメーカーのコンデンサが使われているそうで,これを交換しないと安心出来ません。そこで取り急ぎ交換することにしました。

 あいにく,0.068uFという元の容量のXコンデンサに使えるような部品は手持ちがなく,定番の0.1uFを使うことにしたのですが,ここは測定器の性能に影響は与えませんし,むしろ容量が大きいくらいが都合が良かったりするので,これに交換します。Yコンデンサについても0.01uFだけは,手持ちの0.022uFに交換しておく事にします。

 しかし,2465Aってこんなに分解にしにくかったかなあ。10年前はサクサクと分解した記憶があるんですが,今回はえらく手こずりました。

 交換後は当たり前ですが問題なく動作。ついでにSRAMバックアップのリチウム電池の電圧も確認すると,3.3Vとまだまだ十分です。

 さて,本来の目的だったプローブ電源なんですが・・・

 改めてP6201を繋いでみたら,なんと+15Vと-15Vが来ているじゃありませんか。波形もそれっぽいものが出てきているようです。うーん,コネクタの接触不良ですかね。

 ということで,P6201はこれから本格的に故障診断と修理,そして調整をすることになります。そしてその前に2465Aの延命処置が終わって,一安心というところです。

 P6201が動き出したら,外部電源を作って他のオシロスコープでも使えるようになったら便利です。特にTDS3054Bで使えるとメリットがあります。

 その前に,実は手に入れたP6201には付属品が一切なくて,1:10や1:100のアッテネータがありません。特に1:10のアッテネータがないのは致命的で,これをどうするかも実は大きな課題だったりします。

 どうするかなあ。

 

 

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