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006Pニッケル水素電池の充電器は大成功

  • 2012/03/29 10:34
  • カテゴリー:make:

 先日ATtiny2313を使って作った,006Pニッケル水素電池の充電器ですが,ようやく実際に使ってみました。初回の充電ですので念のため電流計を接続し,本当に4時間半の間75mAを流し込めているかを,確認しながらの作業です。

 電流計はアナログテスタであるBX-85TRを使います。動作に電源がいらず,オートパワーオフもないことから,こういう場合にはアナログが便利です。

 気温は22度と適当な温度です。朝の10時半頃に充電をスタートしましたので,3時頃に充電が完了する予定でした。

 結果ですが,まず充電時間については,ぴったり4時間半で充電を停止してくれました。その間の充電電流は,充電スタート時も停止時も,ほぼ75mAで一定していました。大したものですね。

 回路の発熱もほとんどなく,電池もほんのり熱を持っている程度で,危険な感じはありません。充電完了時の電圧を無負荷で測定すると約10.5Vです。1セル当たり1.5Vですので,充電直後の電圧としてはちょうどいい頃合いではないでしょうか。

 あまりにすんなり充電が出来てしまったので,もう1つ2つ同じMR250Fを買おうかと思ったのですが,相変わらず9Vの電池を使う用途が見当たりません・・・

 ないものは自分で作る,が信条の私ですが,さすがに無理矢理使い道を作るなんてのは,おかしいですしね。

 私が持っている006Pを使った機器は,テスターが2つほどと,キットで作ったCメータとLCメータ,BOSSのチューニングメーターであるTU-12くらいです。これ以外に思いつきません。そしていずれも,使用頻度が低くて普通の乾電池で全然大丈夫だったりします。

 つくづく,006Pの出番って少なくなっているんだなあと思いました。

006Pニッケル水素電池の充電器を作る

  • 2012/03/23 11:10
  • カテゴリー:make:

ファイル 553-2.jpg

 006Pという9Vの角形電池があります。積層電池といい,通常の1.5Vの乾電池の小型のものを6つ積み重ねて9Vにしています。一説によると,ソニーがその昔,小型のトランジスタラジオを作ったときに,手頃な電池がないことから自ら作った電池と言われていますが,真偽の程は分かりません。

 006Pは安価で9Vの電圧の得られる電池としてそこそこメジャーな存在ですが,近年の電子回路の低電圧化や低消費電力化,さらには低い電圧を昇圧して任意の電圧を得る電源回路の搭載などで,電池寿命が短く,大電流を引っ張れない006Pを使う例は,非常に少なくなっている印象です。

 私が子供の頃には,なにかというと006Pで,特にトランジスタ数石で作られたようなオモチャ関係は,軒並み006Pでした。端子が列んでいるのでショートしやすく,電池スナップの断線が多かったことも,懐かしいです。

 ギター用のコンパクトエフェクターやチューニングメーターなどは,未だに006Pが使われているようですね。小電力のアナログ回路は電流はそれほど必要なくとも,電圧が高いと性能を上げやすいものです。

 さて,私は家の電池のほとんどを二次電池にしました。デジカメはリチウムイオンですし,乾電池のたぐいは可能な限り,ニッケル水素電池(というかエネループ)にしました。電池を買うのも,ストックしておくのも,もう必要がないわけです。

 ニッケル水素電池は使い方さえ正しければ,非常に良い特性を持つ電池です。それで,技術的な興味として006Pのニッケル水素電池を使いこなして見たいなあと思っていました。

 しかし,家電量販店で売られているものは非常に高価です。充電器も別売りですし,使うあてがないのに買うには,ちょっと冒険です。そこで,makerの強い味方,秋月電子を見ていると安価なものが何種類か売られています。

 このうち,私はMR250Fという型番のものを買ってみました。ニッケル水素電池の1セルあたりの電圧は1.2Vですので,6つ積層しても7.2Vにしかなりません。そこでこの電池は7セル積層し,8.4Vの組電池にしています。電流は250mAhということですので,なかなか高性能ではないでしょうか。1つ650円。

 届いたMR250Fは,本来なら一度満充電にしておく必要があるのですが,あいにく充電器の用意が出来ていません。作戦としては,かつて秋月で購入したMAX713を使った急速充電器を改造するというものです。

 MR250Fの充電条件は,標準で14~16時間@25mA(0.1C),急速で4.5時間@75mA(0.3C)です。0.5Cで3時間充電や,1Cで1.5時間充電というような急速充電は行えません。

 これに従い,0.3Cという急速充電にしては穏やかな電流で充電を行うよう改造を行ったのですが,どうもうまくありません。充電が行われない,あるいは一瞬で終わってしまうのです。

 いろいろ検討してみましたが,どうもMAX713そのものの問題のようで,工夫のしようがないことが分かってきました。MAX713は急速充電で顕著に表れる,充電完了時に電池電圧が下がるという特性を利用した充電ICですが,0.3Cくらいだとその変化が小さく,なかなかつかまえられません。

 だから誤動作しているという結論ではないのですが,どちらにしても75mA程度の充電電流では上手く動かないのも仕方がないし,それに0.3C充電くらいだったら多少充電時間が増減しても電池を痛めることはありません。

 そこで,よく分からないICに頼らず,定電流回路を組んでみることにしました。ちょっと多めの電流を流せる2SC2120が腐るほどありますので,これを2つ使って75mAの定電流回路を作ります。

ファイル 553-1.jpg

 上記のようなよく見る簡単な回路です。ミソはQ2のエミッタとGNDに入った抵抗で,ここが電流を決めます。後述のように,私の場合は充電のON/OFF制御を行うために,Q1のベースをVccに繋げず,マイコンの出力である5Vに繋げますので,やや少なめの電流値になってしまい,最終的には切った貼ったで調整をしています。

 なにせ数Ωの抵抗ですので,なかなか調整が難しいのですが,まあ細かい事は気にしません。

 14V程度の電圧を加えてテストを行いましたが,問題なく約75mAの電流が電池に流れ込んでくれています。よしよし。

 このまま使おうかと思ったのですが,私のようなうっかりさんは,ついつい4時間半を過ぎてそのまま充電をし続けてしまうことでしょう。過充電によって電池が壊れ,万が一爆発でもすると,かのエジソンが子供の頃に,列車内での新聞売りの合間で行っていた化学実験中に火事を出してたたき出されたように,私も家をたたき出されてしまいかねません。

 そこで,うっかりな私をサポートすべく,4時間半で充電をストップするタイマーを作る事にしました。これで心置きなくうっかりできますね。いやなに,1つ100円のマイコン,ATtiny2313を使えば,なんということはありません。

 時間は固定,電流も可変にしませんから,充電中のLEDとスイッチを2つほど用意すれば済むだけなので,本当に簡単なはずですが,考えてみるとこれだけでは開発中に,動作の確認が非常にやりにくいですね。本当に4時間半も見張っていないといけないなんてのは,うっかりな私には厳しい要求です。

 そこで,ちゃんと残り時間を表示するようにディスプレイを用意しましょう。7セグLEDでいいと思うのですが,時間と分,さらに秒まで表示すると5桁用意することになります。

 うーん,配線が面倒くさい。ダイナミックドライブも面倒くさい。

 ということで,贅沢に16桁x2行のおなじみのLCDを奢りましょう。スイッチは2つ。制御用の出力を1つ用意し,ついでにLEDも点灯させましょう。

 回路図を書くのが面倒くさいので,さくっと省略。

 ソフトについては,4時間半という長時間タイマですのでそこそこ正確なタイムベースが必要ですから,4.194303MHzの水晶発振を利用し,これを16ビットカウンタで分周,1秒ごとに割り込みを発生させてダウンカウンタを減らしていきます。これがゼロになったら充電を停止するだけ,の話です。

 ですが,なめてましたね。1時間ほどでソフトをザクザクと書き,回路を組んで書き込みましたが,LCDがちゃんと表示されません。しかも充電制御の端子が一瞬だけHighになり,すぐにLowに落ちてしまいます。

 LCDのライブラリは自分で作った実績のあるものなのに,おかしいなあと思って悩むこと1時間,私のライブラリはLCDを繋ぐ端子が固定されていて,今回の回路ではちゃんと動いてくれないのでした・・・うっかりですね。

 ポートの割り当てを変更して書き直しても良かったのですが,スイッチとLCDとタイマを使ったよくあるマイコンの用途を手軽なものにするため,これを雛形にしようと目論んでいた私は,汎用性の高いフリーのLCDライブラリをそのまま使う事にしました。ピン配置も自由ですし,tiny2313だけではなく,他のAVRにも対応出来ます。

 これで問題が一気に解決。あとは細かいバグを取り,多少の機能追加を行って完成です。

 リセットボタンで充電時間を4時間30分に初期化できるのですが,この状態でさらにリセットボタンを押すと15分ずつ時間が短く設定出来ます。

 また,スタート/ストップボタンで充電を始めたり止めたり出来ますが,時間のリセットは行いませんので,あくまで「ポーズ」です。

 ソフトも完成し,定電流回路とも接続が終わり,全体のテストも完了。時間も正確で,なかなか綺麗にまとまりました。

 初回の充電は電流計を接続し時間と一緒にモニタし,事故に備えて安全に配慮する必要がありますので,まだ実際の充電を行ってはいませんが,まあ大丈夫でしょう。これから機会を見つけて試してみたいです。

 うまくいったら,MR250Fをもういくつか買っておくのも良いですね。余力があれば,他の種類の電池も充電出来るように,充電電流も切り替える事が出来るとさらによいのですが,数Ωの抵抗を切り替えるのはなかなか難しいですから,定電流回路そのものを切り替えるのがよいように思いますけど,なんか面倒ですね。

 冷静に考えたら,006Pを使う機器が全然手元になくて,充電した006Pの使い道がないことに気が付きました。うーん,どうしたものか。

 ところで,この検討で,アナログの電流計が必要になり,中学生の時に購入してとても大事に使ってきた,サンワのアナログテスタ「BX-85TR」を久々に引っ張り出して来ました。

 しかし,どうも様子がおかしいです。テスタを左右に振ると,ゼロ点がずれます。しかも,途中で針が止まってしまうこともあります。メーターが故障している可能性があるわけですが,そうなるともう修理も難しいでしょう。

 あれこれといじって見ましたが,改善しません。あきらめて分解してみようとメーターを固定する内部のネジを緩めてみると,なんと針が途中で止まることがなくなりました。

 左右に揺すってゼロ点がずれる問題はまだ少しだけ残っていますが,それでも随分マシになりました。筐体が30年近い時間をへて歪んでしまい,メーターの可動部が動きにくくなってしまったのでしょうか。

 精密機械であるメーター部分を素人がいじるとろくな事がないので,もうこれであきらめます。そもそもアナログテスタですから,絶対精度はそれほど要求しません。

 しかし,なかなかショックな出来事でした。

Boogie Boardの電池が切れた

  • 2012/03/22 17:22
  • カテゴリー:make:

 Boogie Boardがこわれました。

 書けるのですが,消せません。

 消せないBoogie Boardは,ただのBoardだ・・・

 というわけで我々は,夫婦間の貴重な意思伝達ツールを失い,家庭崩壊の危機に瀕していました。

 こういうとき,私は連打とか力任せに押すとか,そういう頭の悪いことしか思いつかないわけですが,嫁さんは絶妙な力加減で,見事に消したりします。その見事な集中力には,まさに「道」というにふさわしい,凛としたものさえ感じます。

 まあ,消せなくなった原因(後述)を考えると,これは全くのウソだったわけですが。

 悔しいので,私はその持てる技術を総動員し,Boogie Boardの修理を試みました。

 Boogie Boardは2500円くらいで販売されている「電子黒板」です。電池寿命がながいので,基本的にははめ殺しで,電池が切れたらゴミとして捨てられる運命にあります。

 これはちょっともったいないのですが,電池が交換出来るようにするといろいろ面倒でお金もかかりますし,数年電池が持つならばそれでいいじゃないかという割り切りは,Boogie Boardの美点でもあります。

 でも,嫁さんが操作すると消えるわけですから,電池が切れている可能性は少ないんじゃないかと,とりあえず分解します。

 どうせネジ止めなどされていないだろうと思っていたら,なんと表面のシートを剥がすと,4本ものビスが顔を出しました。これを緩めるとスイッチの部分がパカッと外れて,基板と電池があらわになります。

 この状態でスイッチを押しても,やはり消えません。接触不良か電池切れのどちらかだと思うのですが,まずは電池の電圧を測定すると,約2.7Vと出ます。かなり減っていますが,これで直ちに動かなくなると言うのは,ちょっと違うかなあという気もします。

 ハンダ付けされているリチウムコイン電池を外して,外部電源に繋いで試してみようと,電池のハンダを溶かします。するとあら不思議,消えるようになったではありませんか。

 接触不良かもなあと思って,何度かスイッチを押しますが,確実にLCDは消えてくれます。いくつかの部品の端子をハンダゴテでなめて,ハンダの接続を良くして置きました。

 はっきりした原因がつかめないままですが,動くようになってしまったので,ここで一度ふたを閉めて,現場に復帰させました。

 しかし,数時間度もう一度試すと,やはり消えません。問題は接触不良ではありませんでした。

 うーん,今度ばかりは真面目にやらないとだめですね。もう一度分解し,電池を外しました。

 電池を外し,安定化電源を接続して動作電圧の下限を調べてみたのですが,1.7V付近でも画面を消すことは出来ます。マイコンがMSP430F2000シリーズですから,低電圧でもとりあえず動作するのでしょうね。

 だから,2.7Vの電圧がある電池で動作しないというのはおかしいのですが,推測するに,この手のLCDというのは消去する時に一気に大電流が流れますから,ここで電圧が急激に下がって,リセットがかかっているんではないかと思います。

 まあ,とりあえず電池に原因がある事が分かったので,電池を交換しようと考えたのですが,手持ちのCR2032もそうですし,そこら辺で普通に入手出来るのも,ハンダ付けが出来るタイプではありません。

 今後のこともあるので,この際ですから電池ホルダを搭載しましょう。秋月あたりで手に入る電池ホルダは安価で小型なのですが,あいにく私が持っているのは高信頼性でがっちりした作りの,パナソニック製のものです。

 これをあれこれ工夫して,もとの電池の位置に取り付けてみたのが,下の写真です。

ファイル 552-1.jpg

 なにせ厚みがありますので,不格好なのはもう仕方がありません。それでもそこそこ小綺麗にまとまっているように思うのですが,いかがですかね。

 冷静に考えてみると,こうやって元の大きさに収まらない以上,CR2032にこだわる必要はなくて,もっと小さい電池を使っても良かったでしょうし,逆に居直って単三二本とかを外にぶら下げても良かったかもしれません。頭が固いというのは,嫌なものです。

 今にして思うと,最初の修理で一時的にLCDが消えるようになったのは,電池がハンダゴテの熱で熱くなり,電圧が上がったせいでしょう。電池は化学反応で電気を出す道具ですから,温度が上がればそれだけ活発に反応が進むものです。

 ということで,外観は別にして,機能的には完全復活です。ばっちり書いて消してが可能です。今後電池が切れても交換して末永く使うことも出来ますし,夫婦円満間違いなしということで,めでたしめでたし。

Stereo付録のLXA-OT1を組み立てる

  • 2012/01/05 13:34
  • カテゴリー:make:

ファイル 541-1.jpg

 昨年末のことですが,「ステレオ」という雑誌にディジタルアンプが付録で付いてきました。最初はノーマークでしたが,友人から「なかなかよさそう」という話を聞いて,買うことにしました。

 付録のアンプ基板はその名も「LXA-OT1」。実に覚えやすい名称ですが,なんとラックスの設計になるとのことです。部品点数も少ないし,コストのかなりの制約もあるでしょうから,出来る事も限られているとは思いますが,音の方向性や定数の決め方,部品の配置方法などは,やはりラックスの文化を反映しているのではないかと,期待したいところです。

 パワーアンプICはSTマイクロのTDA7491で,最近の定番になりつつあるようです。元々テレビのオーディオアンプとしてこの手のICは新しいものが次々生まれていますが,TDA7491もその1つでしょう。しかしその素質はかなり高いレベルにあるとの評判です。

 本来,このアンプに直接ライン入力を入れても良いはずなのですが,わざわざオペアンプによるプリアンプを前段に入れています。ぱっと回路図を見るとゲインは1.118倍という事ですので,ほとんどバッファのような感じですね。

 ちょっと面白いなと思ったのは電源の部分です。付属のACアダプタはスイッチング式の安定化電源で,12Vの出力があります。これからまず抵抗分割で6Vを作り,プリアンプ用のオペアンプの中間電位を作っています。

 さらに12Vからツェナーダイオードで3.3Vを作っています。この3.3VはTDA7491のミュートとスタンバイの制御用端子を叩くための電圧で,特になにかを駆動しているようなものではありません。

 この3.3Vを使ってトランジスタによるスイッチを動かし,スタンバイに入れることで電源をOFFにするという仕組みを使っています。パワーアンプ用の12Vを直接ON/OFFするのではなく,12Vは常に通電してありますが,スタンバイ時の消費電流は限りなくゼロに近いので無視できます。

 こうすることで大電流用の大きなスイッチは必要なく,また電源ON/OFF時のポップノイズをある程度防ぐことを狙っているのでしょう。実際,かなり小さいポップノイズに収まっています。

 そしてこの信号でLEDのON/OFF制御も行っています。このあたり,中途半端なアマチュアが作ると,ついつい手を抜いたりする部分ですが,さすがにちゃんと作られています。いいですね。

 前述のオペアンプはわざわざDIPのパッケージをソケットを使って実装してあり,交換可能になっています。マニアックですね。このくらいのオペアンプの使い方で,そんなに音質が変わるとも思えませんし,いわばオペアンプの味をわざわざ付けるような回路ですから,本当にここまで必要なのかどうかは,ちょっと疑問が残ります。

 そのオペアンプには,NJM4558Dという定番が使われていますが,丁寧に回路を組んであるので,どんなオペアンプが挿されても問題なく動作するのではないでしょうか。

 音質に影響しそうなコンデンサ類は,特にオーディオ用のものではないし,国産品でもありませんが,そこはコストとの兼ね合いです。気になる人は自分で交換すればよいだけの話です。効果がありそうなのはC9とC10,C4とC11,C45とC6がまず挙げられると思います。

 私の場合は,コンデンサの交換は見送りました。交換用の部品が手元になかったですし,わざわざ買って交換しても気のせいで終わりそうな予感がしたからですが,オペアンプについては,死んでも使い切れない程の数を在庫しているOPA2134に,とりあえず交換しておくことにしました。NJM4558Dの元気のある音も好きなのですが・・・

 で,基板むき出しのバラックで鳴らすのも気が引けたので,最初からケースに入れて使う事にしました。大阪の部品屋さんで適当なアルミケースを探し,ついでにデテントタイプの2連ボリューム,40mmの大型ツマミ,そしてオルタネートタイプの押しボタンスイッチ,RCAの2Pジャックと出力用のスピーカターミナルを手配しました。

 数日後部品が届いたので確認すると,なんと押しボタンスイッチがオルタネートタイプではありませんでした。私の注文ミスです。いやー,押しボタンスイッチはしょっちゅう買い間違いしますね。

 もともと,内部にサブパネルを用いて,ボタンの頭の部分だけパネルから飛び出させるつもりでいましたから,この使い道のないスイッチを分解して,ボタンの頭だけを取り出し,これを手持ちの感触のいいスイッチに取り付けて見ました。かなり大型のスイッチなので場所は取りますが,基板を横にして格納できたので,スペースは十分そうです。

 そして40mmのツマミです。アルミの無垢からの削りだしは高すぎるので,安い台湾製のものを買ったのですが,これってボリュームの軸がローレットを切ってあるもの専用であることをうっかりしていました。一緒に買ったボリュームはストレートの軸なのではまりません。

 そこで,ツマミの穴を6mmのドリルで軽くなめて,ボリュームの軸に圧入する方法で対応します。これも適当にやったのでセンターが出ず,ぱっと見はわからないのですが,ツマミを回すと偏心していることがばれてしまいます。

 ただ,このケースに40mmはちょっと大きすぎました。30mmも一緒に買いましたが,これは小さすぎます。35mmならちょうど良かったのですが,まあ今度アキバに行ったときにでも,良さそうなものを探してきましょう。

 LEDは頭が1.5mmになっているオレンジをパネルに差し込んで使いますが,このLEDはおとなしい発光で頭の形状も好ましく,私のオーディオ機器用電源ランプはこれで統一しています。これに手持ちのパネル取り付け型のDCジャックと電源強化用に追加する3300uFの電解コンデンサを用意して,部品は揃いました。

 それで,冬休みに入った12月26日の朝から3時間ほどの作業で穴開けを行い,組み込みをしました。パネルには最初から大きな傷があり,そのままでは使えそうになかったので,前回の周波数カウンタのパネル用にプリンタで印刷してステッカーを作り,これを貼り付けることで対応しました。レタリングも出来るので一石二鳥ですが,銀色のパネルも捨てがたく,ちょっと惜しい気がしています。

 基板からボリュームとスピーカ端子,RCAジャック,LEDとDCジャックを取り外します。そしてNJM4558Dを抜き取って,OPA2134に交換します。

 あとは穴を開けたパネルにステッカーを貼り,部品と基板を組み付け,配線を進めます。配線作業は翌日の朝に持ち越しましたが,のべ3時間ほどで完成です。電源スイッチも案外綺麗にまとまって,押し心地もばっちりです。

 作例をいくつかネットで見ていると,最初から基板についているボリュームの軸を延長し,ツマミを取り付ける例がありました。これだと,背面から端子を出す位置に基板を置いても,フロントパネルにツマミを配置できますし,電源スイッチ用の穴を開けることも必要ありません。随分簡単にケースに入れることが出来るのですが,私にはその発想は最初からありませんでした。

 さて,配線のチェックをして電源を入れてみます。波形を見ると,無負荷ではキャリアと思われる300kHzがちょっと漏れているようです。全然問題ないレベルですし,負荷を繋げば消えるかも知れないので私は気にしません。むしろ直流がのってスピーカを燃やしてしまう事が心配でしたが,これも問題なし。

 もともとこのアンプは,昨今の電力事情を勘案して使用を自粛していた300Bシングルアンプの代わりに,うちで一番いい音が出るB&WのCM1を鳴らす常用アンプを想定していましたから,ちゃんと動くことがなにより求められます。

 真空管のアンプは通常スピーカを危険に追い込むような故障(あくまで故障であって調整不良や設計ミスは論外です)はほとんどないので安心していましたが,ディジタルアンプを含む半導体アンプは,このあたりを少し気にかけておくべきでしょう。

 完成したので,置き場所を確保して設置し,スピーカとプリアンプをつなぎ直して,いよいよCM1を鳴らします。

 第一印象は,あまりに普通,という印象でした。CM1は結構立派に鳴っていますので,まず第一関門は突破。300Bのアンプに比べてとてもソリッドで,ゴツゴツした印象を持ちますが,だからといってスピード感があったり切れ味の鋭さがあったりというわけではなく,本当に普通です。

 ハムやノイズも全然なく,実に安定で快適ですが,どうも面白味に欠けます。特にボーカルの表現力が乏しいのですが,その代わり大きな編成のオーケストラなどでも表情を変えず,300Bのアンプのように音を上げるようなことはありません。実のところ,300Bのシングルアンプの個性の強さと好ましさを再認識することになりました。

 ですがなにより,この音でこの消費電力の小ささですからね,大変なものです。どんなソースでも普通に鳴って,CM1をちゃんとドライブ出来るのですから,オマケとバカにせず,しっかりしたケースに入れて良かったと思います。

 以後,毎日のように使っています。冬休みの間,テレビも面白くないし,ながらが出来るので,ずっと毎日NHK-FMを聴いていたのですが,それこそあらゆるジャンルの音をしっかり鳴らしてくれました。300Bのように得手不得手が目立つ訳ではありませんし,消費電力の低さで長時間使用も気にならず,精神的な負担の軽さもあってとても快適です。

 聞くところでは,すでに在庫が払拭しているらしく,今から手に入れるのは難しいかも知れません。もし手に入れるチャンスがあったら,わずか3000円弱ですので,手に入れられることをおすすめします。

 ・・・でも,私が今回のアンプを完成に持って行くのにかかった費用は,アンプの3000円に,ケースや端子類で3000円ちょっとですので,合計6000円ほどです。ケースが安かった上,配線材料は手持ちのものがありましたからこのくらいで済んでいますが,実際はもう1000円ほど余計にかかるでしょう。

 このくらいの金額になると実は完成品が買えますし,もう少し出せば穴開け加工済みのケースまで付いたキットが買えたりします。ケースの加工を楽しみと考えるか,手間と考えるかで変わってくると思いますので,結局バラックで鳴らすのが一番賢い使い方だったのかも知れません。

 冬休みの工作としては簡単なものでしたが,実用性も高く,使って楽しいものですので,私として大変満足です。

 そうそう,せっかく作った歪率計で歪み率を測定しようかと思ったのですが,なんとこのアンプはBTL接続でGNDが浮いているため,現状の歪率計では測定出来ませんでした。最近のアンプは電源電圧が低いのでBTLが普通になっていますから,せっかく作った歪率計に出番がなく,ちょっと悲しいところです。

中国製コンデンサ容量計の精度を追い込む方法

  • 2011/12/22 17:46
  • カテゴリー:make:

 以前書いたコンデンサ容量計の話です。

 StrawberryLinuxのキットと,秋月などで売られている安価な中国製のキットを買って,どちらも一長一短があることを書きました。

 StrawberryLinuxのキットはコイルの測定が出来ることが最大の売りです。コンデンサの容量計としては,精度の良い測定範囲が狭いので,いまいちです。

 一方の中国製キットは,元になった回路の原理から,測定範囲にあまり関係なく本来精度の良いものが出来るはずですが,調整箇所がないため精度を追い込む事が出来ません。

 この中国製のキットは安価であり,組み立てやすく,実用性もあるというので,ちょっとしたプレゼントにも最適と思っているのですが,精度についての不安があって,安易にプレゼントしたりおすすめしたり出来ないなあと,まずは自分で作った物を調べ直してみることにしました。

 被測定コンデンサは,先日特価で購入した岡谷製のフィルムコンデンサで,0.047uF(47nF)で誤差1%のものです。よって,このコンデンサの真の値は46.53nF~47.47nFまでの間にあるはずです。

 これを,StrawberryLinuxの容量計で測定すると,約48100pFと出ました。かなりオーバーしています。この容量だと誤差は±3%になるらしいのですが,元のコンデンサの誤差である1%も加えて,45.12nFから48.88nFの範囲に入って欲しいので,ちょっとまずいですね。

 次に中国製のキットです。46.3nFと出ます。47nFに対して1.5%ほど低い値ですが,コンデンサの誤差1%と容量計の誤差2%を考慮すると,十分な精度と言えるでしょう。

 最後に,秋月で買ったチップ部品用のテスターです。これはなかなか重宝しています。値は46.6nFでした。真の値に対し1%以内ですので,これも一応信じることが出来そうです。

 ということで,中国製のキットは測定も楽で,使いやすくて便利なのですが,もう一声欲しいところです。調整機能があれば1%のコンデンサで調整をするのですが,そういう訳にもいきません。

 一応,精度を決める抵抗の値を測定してみました。片側の足を切って測定を行ったところ,どれも誤差は1%以内でした。結果としてこの精度を実現出来ているようです。

 クロックも測定しましたが,数pFの容量を持つプローブを当てると周波数が変わるはずですので,あまりあてにはなりません。それでも12MHzでしたので,これも全然問題ないでしょう。

 最後に電源電圧ですが,三端子レギュレータの都合か,4.9Vと少し低めに安定化されていました。大きくずれていますが,このキットは電圧が安定していれば,高いか低いかはあまり精度に影響しないようになっていますので,あまり問題にしなくてよいでしょう。

 そこで,なんとか調整を行う方法を考えてみます。

 各部の抵抗値や電圧に問題がない以上,あまり勝手なことをやるわけにはいきません。

 そこで,最初はR13の10kΩを可変してみたのですが,あまり値が変化せず,この案はボツにしました。

 考えてみると,仮にこの抵抗を0にしても,本来ならVccの17%という計測開始電圧が0Vになるだけで,その差は大きくありません。また,10kΩが10%変化して9kΩになったところで,Vccの17%がVccの15.8%になるだけですので,見た目にほとんど変化が現れて来ないかも知れないですね。

 ということで,今度はVccの17%と50%の両方の電圧を生成するのに共通の抵抗,R15を可変してみます。39kΩがついていますので,33kΩと手持ちの関係で20kΩの半固定を使って見ます。

 今度は上手い具合に,びしっと調整が出来ました。0.01uF,0.1uFの1%を測定し,10.0nFと100nFという値を得ました。また,0.001uFの5%品を測定すると,1.01nFという値が出てきました。うーん,なかなかいんじゃないですか。

 この状態で他の0.047uFを測定すると,どれも1%以内に入ってきます。

 ということで,このコンデンサ容量計をきちんと調整したい方は,R15を可変するような仕組みを入れて見て下さい。

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