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DR-100mk2のLCDも交換出来た

  • 2018/11/29 14:17
  • カテゴリー:make:

 さて,先日DR-100m3を買って満足という話をしましたが,DR-100mk2のLCDを修理して使う選択肢も捨ててはいません。

 LCDに横線が入ってしまってもPCMレコーダとして機能するわけですし,捨てるのはちょっと考えられません。ですがこのままでも実質使えないわけですから,なんとかしないと思うのもこれまた自然な流れです。

 ただ,mk3を買って満足の私には緊急度は低く,いつまでにないと困るという時間的制約もなければ,最悪壊れてもいいやと思うくらいの緩さが,アマチュアの流離らしいなと思います。こういうのは楽しいものです。

 ドライバICがガラスから浮いていたりしないかなあと考えてぐいぐい押してみたり,熱をかけて溶着を試みたり,透明電極の切れ目を補修できないかと擦ってみたりと悪あがきをしますが,当然のことながら事態を悪化させただけで終わってしまい,完全に表示が出なくなってしまいました。

 うーん,全く表示がでないと,もうどうにも使い物にならん。

 ここに至って,私から我慢して使うという選択肢が消えてなくなり,LCDを交換するという事でしか,DR-100mk2を復活させられないことになりました。

 とはいえ,前途は多難。前回も書きましたがLCDは特注がほとんどで同じ物が普通のお店で買えたりはしません。

 互換性のあるものを探そうにも,LCDの動作電圧,接続インターフェース,ドライバICの種類の違い,ソフトの互換性,パネルごとに違う設定の最適値の違い,透過率,サイズ,コネクタの形状と,同じ物は1つとしてないといっていいくらいです。

 例えば,同じドライバICだったとしても,そのドライバから出ている信号がすべて外部に出ているとは限らず,せっかくドライバICがI2C,SPI,4bitパラレルに対応しているのに,コネクタに来ているのはI2Cだけとか,そういうことがあります。

 信号も同じなのに,LCD駆動電圧の昇圧方法のオプションの違いで,最適なパラメータが違ってきて,そのままでは真っ黒とか,そういうこともあります。

 実際,同じような品種だろうとソフトを流用してうまくいかなかったという例はいくらでもあり,まさに死屍累々。パラメータを少し修正すれば済む場合も多いのですが,今回のようにファームウェアをいじれない場合はもうお手上げです。

 とまあ,取りかかる前からお手上げなんですが,先の見えない遙かな地平にこぎ出して,私がようやく見つけたのがaitendoのLCDでした。

 まず。mk2のLCDの品種からLCD単体の仕様を探します。全く同じ品名ではないのですが,形状や大きさ,ピン配置からこれだろうと思うものが見つかりました。案外,完全なカスタム品種ではないのかも知れません。

 そしてこのLCDに搭載されているドライバISを探ります。するとサムスンのものと判明。これに互換性のあるドライバICは幸いにも多いです。

 今度はこうしたカスタムLCDが何故か流れてくるお店を片っ端から探します。これまた幸いなことに,aitendoで,一回り小さいが同じピクセル数,同じドライバ,同じインターフェース,同じ電源電圧のものが見つかりました。

 とはいえ,ピンの数や配置は全然違います。あくまで4線式SPIというだけで,昇圧回路の構成も異なる可能性が高いです。

 ドライバICのコマンドを見比べて見るとこれは大丈夫。

 1つ400円ほどの安いLCD(実は何度か特価されてもっと安いときもあったらしい)ですので,壊す気でためしてみましょう。

 このLCDの仕様書を見て,電源周りのコンデンサを直接フレキに付けていきます。これで電源関係は配線完了です。オリジナルのLCDはV1からV5まで電圧が外に出てきていて,それぞれにコンデンサがぶら下がっていました。

 次はSPI関連の配線,そして3.3VとGNDを細いポリウレタン線で引っ張り出し,DR-100mk2の基板に仮にハンダ付けします。

 ワクワクして電源を入れますが,全く表示が出ません。

 やっぱりダメか・・・と思ったのですが,とりあえず配線ミスを調べたところ,SPIの配線が入れ替わっているのが発覚。これを修正すると,なんとまあ綺麗に表示が出たじゃありませんか。

 

20181129141833.jpg

 あとはもう勢いです。古いLCDとバックライト部を分離し,LCDを交換します。やや小さいので光が漏れないようにテープで遮光し,フレキをうまくたたんで基板に取り付けます。よし,問題なし。

 今度は筐体です。これが一番大変でした。

 LCDが小さくなったので,そのままでは表示エリアから外が見えてしまいます。ですから一回り小さい枠を目隠しとして用意する必要があります。

 いろいろ手を考えましたが,結局マスキングテープで範囲を区切り,上ケースの窓の枠を黒の塗料で塗りつぶすことにしました。ガンダムカラーエアブラシシステムが今回も大活躍です。

 マスキングが少なかったり,せっかく塗った塗装が剥がれたりと何度か失敗しましたがなんとか決着をつけ,無事に組み立て完了。

 まさか,ここまでうまくいくとは思いませんでした。というか,こんなチャレンジをしようなどと,普通はバカらしくて思わないでしょう。

 しかし,期せずしてDR-100mk2も使える状態になってしまいました。案外安く修理が出来たのもうれしいですが,それ以上に自分の工夫が功を奏して,ここまでうまくいったことがうれしく,その意味での愛着が加算されたような感じです。

 この手のLCDは,自分でソフトを書く人にしか縁がないと思っていましたが,案外こうした用途にも使える事を知って,私も勉強になりました。

 

1700円のデジタルテスタも較正してみよう

  • 2018/11/21 10:30
  • カテゴリー:make:

 較正失敗による大ピンチをなんとか乗り越えたDL2050,Errで使い物にならなかったFLUKE 101の復活,そして新しいFLUKE 101やアナログテスタも含めた,測定結果の統一と,なかなか今回の測定器祭りは良い結果に繋がっているのですが,最後の仕上げとして先日中国から届いたばかりの新鋭機,ZT109も較正を試みます。

 実はこれもFLUKE 101と同様,較正の方法がよく分かっていません。海外の掲示板でそれらしい記事を見たと思ったら質問だけで回答がなかったりと,較正を行うことにたどり着けないので,較正データをバックアップした上で試行錯誤を試みました。

 これもおそらくですが,世界で最初にZT109の較正に成功したアマチュアではないかと思います。

 では早速その方法を,といきたいところですが,その前に見つけた改造記事があって,これがとても参考になったので私も改造を行います。

 やっている改造は,ZT109の電源の強化と,基準電圧の品質向上です。書いてしまうと全然違うことをやっているようですが,実は同じ事を対策しています。

 まず電源の強化ですが,このままだとノイズが多いのだそうです。そこで電源ラインに0.1uFと1uF,そして10uFのセラミックを追加します。

 次に基準電圧ですがの品質向上ですが,電圧リファレンスIC(ICL8069)の出力に入るコンデンサが,このICのデータシートの推奨値に全然足りないらしく,これをデータシート通りにするため,0.1uFから4.7uFのセラミックに交換します。,

 本当は電源ラインの電解コンデンサを低ESR品に交換することも書いてあるのですが,私の手元にあいにく100uFの小型で低ESR品などなく,これはあきらめました。

 やった人は,これで34401Aなみになったよと書いていましたが,電源のノイズを取って精度が向上するというのもちょっと考えにくく,私の場合は案の定結果になにも変化はありませんでした。ただ,小さい電圧の測定ではその精度や安定度に差があると思いますし,理にかなった改造なので,これはぜひやっておきたい改造です。

 さて,ここまでやってから,較正を行います。

(1)まず裏蓋をあける。基板をむき出しにしたまま電源を入れることが出来る構造なので,FLUKE 101のように外部電源を用意しなくて良い。

(2)基板の右上にあるJP1をハンダでショート。これでCALモードに入る準備が出来た。

(3)おもむろにロータリスイッチを回して電源を入れる。

(4)セルフチェックが走ったあと,画面になにやら数字が出るがADCの読み取り値らしく,無視してよい。その後ほっとくとErrが出るが,これも気にしなくて良いが,Errが出てしまうと先に進めないので,右側のSELボタンをErrが出る前に押して,CALモードに入る。

(5)較正したいファンクションを選ぶ。ここではDC電圧を較正する。

(6)左側のRANGEボタンでレンジを選ぶ。FLUKE 101と違って,各レンジで較正を行う必要がある。

(7)さて,ここからが肝心。ZT109に入ってるチップのDTM0660は,各レンジでの較正値を選べるようになっていて,基準となる電圧にあわせて調整が出来る。データシートにあるリファレンス回路では,その較正値をボタンで選べるようになっているが,ZT109はボタンが足りない。

(8)SELボタンを押すと,較正値が下がっていく。例えば,10Vレンジだと,9,8,7,6・・・と言う具合に,較正値が1Vずつ減っていく。

(9)そしてこれがミソなんだが,SELボタンを「長押し」すると,今度は1Vずつ増える。

(10)例えば5.000Vを用意し,10Vレンジを調整する場合,SELボタンを使って5.000Vを選んでやる。こうすると自動的に入力された電圧を5.000Vとしてプリセットしてくれる。

(11)同様に他のレンジでもやる。100Vレンジでも30Vくらいで較正すれば,とりあえず使いものになる結果が得られる。

(12)他のファンクションでも同じだと思うが,私はDC電圧以外に較正する必要性を感じなかったので,ここで較正を終了。電源を切ってJP1を切り離し,電源を再投入する。

 これで,較正は終わりです。

 うまく言葉に出来ない部分もあるのですが,EEPROMのバックアップをきちんと取ってから試行錯誤をやってください。しばらく触っているとわかると思います。

 さて,こうして較正を行った結果です。

2.501V -0.65mV -0.025982851%
5.003V -0.02mV -0.000399759%
7.506V 1.46mV 0.019454890%
10.00V -5.33mV -0.053271606%
 
 おお,さすが5Vでの値はこれ以上ないくらいの一致を見ています。また,10Vまでが同一のレンジだということで,7.500Vでも高い精度を誇っています。10Vについては,まあこんなものだと思います。

 このテスタは10000カウントですし,10Vは小数点以下2桁しか出ませんので,10mV単位です。ですからこのテスタでは10.005Vの電圧を測定すると,10.00Vと10.01Vのどちらかになるのが正常ですから,誤差の割合を見ることにあまり意味はないのかも知れません。

 ちなみに,較正前の値が以下なのですが,全体的にばちっとあっているのがわかります。

2.500V -1.65mV -0.065956469%
4.999V -4.02mV -0.080351468%
7.500V -4.54mV -0.060496713%
10.00V -5.33mV -0.053271606%

 抵抗や電流も一応スペックに入っているので,変に較正を自分でやらない方がいいと考えておいたわけですが,DC電圧だけはこの結果を得たいがために,頑張って見ました。

 この数字を見ると,やって良かったなあと思います。これで,34401A,DL2050,2台のFLUKE 101,そしてZT109,アナログテスタが揃いました。気分がいいです。

 残念なのは,他のテスタについては,今のところあきらめるしかないということです。

 3.5桁のテスタはそもそも較正なんかしなくてもきちんと値を出してくれます。これがズレてしまうようなテスタはすでに較正など不可能なほどおかしくなっています。

 P-10も調整したいですが,これは内部の犯行低抵抗を回してもうまく調整が出来ません。なにかうまい方法があるんでしょうが,もう探す気も起きません。

 そもそも,家の中にテスタがゴロゴロしている状態というのも妙なストレスが溜まります。なんとかせねば。

 

Errの出ているFLUKE 101を修理

  • 2018/11/20 13:09
  • カテゴリー:make:

 秋です。測定器の秋です。

 アナログテスタをきっかけに,これまでにDL2050の較正が済みました。あきらめていたこれらの較正が出来た事で,一気に壁を突き破った感があります。

 DL2050の較正は,較正データを記録したEEPROMを直接いじるという方法を導入し,満足いく結果を得ました。この方法は,きっと他にも役立つはずです。

 というわけで,M68000のマニュアルに書かれた名文句"Break Away from the Past"を思い出しながら,これまでに頓挫したテーマに再度挑むことにしました。

 そう,FULKE 101の復活です。

 FLUKE 101は2014年に購入したもので,6000円程度で買える最も安いFLUKEです。最小限度の機能に絞り込んであり,見た目もとてもかわいらしいテスタです。でもそこはFLUKEらしく,作りはしっかりしていますし,内部もきちんと作られていて,安全面も偽りなしです。なによりFLUKE原理主義者を(ギリギリ)黙らせるそのご威光が最大の価値です。

 ところが,私にいわせると実力は今ひとつで,仕様そのものも中国製の安い測定器と同程度ですし,実力もその範囲にとりあえず入っているという感じです。FLUKE原理主義者が「あれは中華FULKEだ」と他のモデルとは区別したい気持ちもわからなくはありません。

 個人的にも,他のFLUKEだと較正方法が公開されているのに101(と106,107)は公開されていないところが,他とは完全に異なるポリシーを感じていて,良くも悪くも異母兄弟っぽい感じがするなあと思っていました。

 なにより,ここ2年ほど起動時にErrと出てきて,数パーセントの誤差が出るようになってしまい,もう使い物にならなくなっていたために,1700円の中国製テスタを買いましたが,もはやこれで十分に101の代わりはこなせます。

 ですが,このまま101を捨てておしまいにするのももったいないので,なんとか復活出来ないかと考えるのも,また自然な発想です。DL2050のように,正しいEEPROMの値を書き込んでやればきっと復活するはず,そう考えるととにもかくにも,手が動き始めました。

 まず,Errと出てしまう101からEEPROMを外します。24AA024という2kbitのI2CタイプのEEPROMが入っています。これを外し,AKI-PICで読み込みます。0xFFだらけでまともなデータが出てきませんから,やはりデータが壊れているのでしょう。

 先頭だけ0x00になっているので,ここを0xFFにするだけでエラーは出なくなりそうな気がしますが,それはぐっと我慢して,EEPROMそのものの物理的な破損がないかを確かめるため,いろいろなデータを書いて確認をします。

 結果,EEPROMは壊れていないことがはっきりしました。

 それならデータを正しいものにすれば問題は解決しそうで,誰か101のEEPROMデータをインターネットの海に放流していないかを調べてみますが,そういう違法行為をする人はいません。ほっとしました。

 なら,101に使われているチップのデータシートを探し出し,これにデータに関する記述がないかを調べるのが良さそうです。しかしこれも玉砕。そもそも101のチップがなにかも不明でした。きっとカスタムでしょう。

 そうなると,考えられる手段は1つ。もう1台101を買って,これからデータを吸い出し,書き込むことです。これなら違法性はありません。もう1台という所に抵抗がありますが,今は5000円くらいで買えるということもあり,修理代が5000円と考えたらまあ許せるだろうと,ポチりました。

 韓国語の純正ホログラムが貼られた怪しげな新しい101が届き,一通り動作確認をしてから早速分解して,EEPROMを摘出します。

 読み出してデータを保存,壊れた101のデータと比較すると,なるほど完全に壊れています。

 読み出したEEPROMはすぐに買ったばかりの本体に戻し,動作を確認します。

 続けて,古いEEPROMに新しいデータを書き込み,壊れた101に戻します。

 すると,Errは出なくなりました。予想通りですが,うれしいですね。

 これでとりあえず故障から復活したのですが,それでも誤差が大きすぎて使いものにはなりません。そうなると,EEPROMからデータを直接書き換えるか,真面目に較正をするかのどっちかになります。

 まあ,EEPROMのデータは残してあるので,適当に較正をやっても復活出来ますから,試行錯誤をやってみましょう。

 結果を先に書くと,うまく較正ができたのです。

 少なくとも私はこの情報を探し出すことが出来なかったので,ひょっとしたら世界で最初に101の較正方法を公開した記事になるかも知れません。

(1)電池を外し,奥にある「Calibration Seal」を剥がす。

(2)ミノムシクリップで電池を繋ぐ。電池を入れてしまうと,電池の奥にあるチェックランドに当たれなくなる。お奨めは外部に電池ボックスを用意し,ここから3Vを引っ張ってくること。

(3)101の電源を入れる。較正したいモードにスイッチを回す。ここでは直流電圧にする。

(4)電池ボックスの奥にあるS3というランドを,数秒間ショートする。

(5)ピーッと音がして,稲妻マークが出る。これがCALモード。

(6)さて,ここからが肝心。101はオートレンジという事もあり,通常のテスタのように各レンジで較正を行う必要はなく,なんと4.5Vだけを合わせれば,他のレンジもすべて合う。

(7)ということで,34401Aで4.50000Vにあわせた電源を繋ぎ,この状態でHOLDボタンを押す。ピーと音がなって,4.500という表示になるはず。これで較正完了。

(8)他のレンジの電圧も確認し,問題ないことを確認して,電源をOFF。これでCALモードから抜ける。

 私はやっていませんが,おそらく他のレンジでも同様のはずです。とはいえ,どの電圧(抵抗値)で較正を行うのかはやっていないのでわかりませんが,それは各自試してみて下さい。私はDC電圧だけ合っていれば,あとはそれなりでも構いません。

 結果,私がきちんと確認出来る50mVくらいから,30Vくらいまでの間は,ほぼ34401Aと同じ値が得られるようになりました。これはすごい安心感ですよ。

 そこで,新しい101も同様の方法で較正しました。これで,34401Aを基準に,2台の101とDL2050,アナログテスタが一致するようになりました。


 では早速,高齢の精度を調べてみます。

 いつものように,基準電圧発生器を使います。製造元で製造時に測定された値は,

2.50165V
5.00302V
7.50454V
10.00533V

 です。

 まずは,新しい101を較正した結果です。

2.501V -0.65mV -0.025982851%
5.003V -0.02mV -0.000399759%
7.50V -4.54mV -0.060496713%
10.00V -5.33mV -0.053271606%

 続けて,古い101を較正した結果です。

2.501V -0.65mV -0.025982851%
5.003V -0.02mV -0.000399759%
7.49V -14.54mV -0.193749384%
9.99V -15.33mV -0.153218335%


 まず,4.5Vで較正を行った結果として,5Vでの精度は素晴らしいです。6Vまでのレンジであれば,この2つの101は同じ結果を出すと考えて差し支えないでしょう。

 問題なのは,レンジが60Vに切り替わってからの誤差で,新しいものは比較的まともですが,古いものはあまり良い精度ではありません。

 これは外部にある分圧抵抗の誤差が見えているんだろうなと思うのですが,それでも0.2%以内ですから全く問題ないと割り切ってよいでしょう。

 つまるところ,分圧抵抗の誤差をある範囲に入れることは出来れば,相対誤差はこの抵抗の誤差で決まり,絶対誤差については,ある1つのレンジをきちんとあわせ込めばその相対誤差範囲にすべて入ってくるという考え方です。

 ただ,較正というのは分圧抵抗の誤差も較正されるべきと私は考えているので,どれか1つを合わせて後は抵抗の誤差の実力で,というのは,いわばリファレンス電圧を合わせただけともいえ,なんとも中途半端な感じがあります。(そのかわり校正作業は楽ちんなわけですが)

 ついでにいうと,古い101の較正データはAC電圧は抵抗では新しい101の較正データがそのまま入っていますから,まったくあてになりません。事実,AC100を測定してみると1V程ズレていました。1%ほどの違いがあるという事ですので,これは結構大きいです。

 ただ,DC電圧で使うことがほとんどですし,それがこの精度で揃ったわけですから,これで誤差や精度を気にせず使う事が出来そうです。

 さて,2台の101がこのレベルで揃い,34410AやDL2050とも違いがなくなってくると,先日購入したZT109もこの精度が出るようにしたいですよね。

 チップセットこそわかっているのですが,較正の方法は相変わらず不明なまま,これで多機能な中華DMMをどこまで追い込めるのか・・・続きは後日。

新しいデジタルテスタは1700円

 アナログテスタを新調し,アナログテスタの再評価の波が来ている私ですが,そうはいっても普段使いはやはり便利なデジタルテスタです。

 長く秋月のP-10が活躍していた普段使いの主役を,フルークの101が担うことを期待されたものの,購入時点で大きな誤差があり,そのうちエラーで数%の誤差を出すという「故障」に見舞われ,再びP-10が老骨にむち打って私の要求に応えてくれていたんですが,それももう限界。

 正統後継者であるP-16は精度はいいんですが反応が遅く,どうしたものかとおもっていたところ,フルークの100シリーズのそっくりさんが安価に売られていることを知りました。どうも数年前からあるようです。

 形こそそっくりですが,画面は大きく,基本スペックは100シリーズと同じ感じです。それで値段はとっても安く,6000カウントのもので2000円程度です。

 2000円ならダメでも悔しくないじゃないですか。

 ということで,一度は購入手続きをしたんですが,同じシリーズでなんと9999カウント(10000カウントっていうんじゃないんですかね,こういう場合)のものが,実質1700円で売られているのを見つけました。中国からの配送なので時間はかかりますし,不安も大きいですが,この安さには抗えません。

 いろいろ調べてみましたが,どうもZOTECという会社のZT109という製品のOEMのようです。この値段で,この性能で本当に10000カウントなのか?と心配でしたが,10日ほどかかってようやく届きました。

 そう,4000カウントや6000カウントのテスタは,安価で高性能なチップが出回っているのですが,10000カウントってどうなんでしょうね?

 で,早速見てみるのですが,画面は大きく見やすいですし,大きさも使いやすくて,このあたりは期待通りです。

 しかし,質感はいまいちです。スイッチのクリックの感触は悪くはないのですが,そこはやっぱりフルークは良く出来ていて,これに比べると見劣りします。

 ケースにもバリがあり,手にひっかかります。

 中をあけてみると,部品同士の距離を確保していないとか基板の切り欠きや抜きがなく,高圧での安全性への配慮は,さすがにフルークにはかないません。CATIIやCATIIIなんてのは,たぶん嘘でしょう。

 それでもレスポンスはいいし,かわいらしいのも確かです。繰り返しますが1700円です。

 さて,精度をみてみましょう。いつもの基準電圧発生器を引っ張り出し,これを測定してみます。

 数年経過して電圧も狂っているでしょうし,34401Aも較正をしました。以前のようにこの基準電圧発生器を信用していいかどうかは議論の余地がありますが,10000カウントのテスタを見るくらいなら,十分使えるはずです。

 で,全然意味のない数字になってしまうのですが,この基準電圧発生器の電圧が全く変わっていないと仮定し,そこからの差分を見てみることにします。

 参考までに,この標準電圧発生器の,製造元での実測値を書いておきます。

2.50165V
5.00302V
7.50454V
10.00533V

 で,今回のテスタの実測値です。

2.500V -1.65mV -0.065956469%
4.999V -4.02mV -0.080351468%
7.500V -4.54mV -0.060496713%
10.00V -5.33mV -0.053271606%

 おお,これはなかなか。

 誤差が0.1%以下になっているのがうれしいです。

 4桁だと2.50165Vは2.502Vと表示されるとうれしいわけで,そこまではさすがに望み薄でしたが,それでも誤差は2.5Vに対してわずか1.65mVです。それに,そもそもこの基準電圧発生器の数年前の出力電圧値がこの値であるという保証もありません。

 10000カウントですから,8Vや9Vが小数点以下3桁まで出てくれます。それが0.06%の実力だというのですから,十分に高精度だといってよいでしょう。繰り返しますが,1700円ですよ,これ。

 周波数や抵抗も実用上問題はないし,電流は少し少なめに出ますがそれでも1%程度と十分です。それと矩形波の発振出力が用意されていて,50Hzから5Khzまで,それなりの精度の周波数が出てくれます。ちょっとした実験には使えそうです。

DL2050を較正する~力業であわせ込む編

  • 2018/11/12 14:15
  • カテゴリー:make:


 さて,較正に失敗し測定機能を失ったDL2050の復活ですが,構成データを書き込んだEEPROMに,サンプルのデータを上書きしてとりあえず動くようにしようというのが,今回の作戦の流れです。

 もちろん,全く起動しなくなることも考えられるので,現在のデータも残しておきます。

 とにもかくにも,DL2050から93C66を外すことから始めます。SOPですので外すのは割に簡単です。ライタで手軽に書けるように,また入手した93C66がDIPであることも考えて,DL2050にDIPのICソケットを強引に取り付けておきます。

 外した93C66を変換基板に取り付け,DIP化して,AKI-PICライタに取り付けます。リードが出来たら取り外して残しておきます。

 新たに調達したDIPの93C66に落ちていた較正データを書き込みます。とはいえ,落ちていたのはバイナリですので,これをintel-hexに変換してから食わせます。

 書き込みが終わったら,DL2050に差し込んで起動します。

 これで問題なく起動します。測定も一応出来るようになっています。

 しかし,あまりに誤差が大きすぎ,使い物になりません。電圧も電流も抵抗も全部ボロボロです。そんなに誤差がないならこのまま使おうとも考えていましたが,あきらめました。

 なので,元のデータを使う事にしたのですが,先日書いたように100Vレンジで較正に失敗していて,まともな値を表示しません。

 較正に必要な基準電圧としてDC100Vを用意しないといけませんが,そんなものはありませんし,結局ここで元に戻ってしまいました。

 あきらめずに,元の較正データのダンプを眺めます。

 幸い,どの数字がどんな役割をするかという資料を持っているので,それぞれの校正値を確認していきます。するとやはり100Vレンジで大きく校正値が狂っているのを発見,これ以外はそれらしい数字になっていることもわかりました。

 ならばと,この校正値を直接修正,ライタで書いてから本体に戻して見ると,なんとなくそれらしい測定値が得られるようになりました。

 こうなると俄然やる気が出てきます。

 測定値が真の値より大きい場合,校正値を減らせばよいこともわかりました。他のレンジの値を参考に,少しずつ追い込んで行き,最終的に34401Aとほぼぴったり値を揃えることができました。

 基準電圧が用意出来るレンジは正規の方法で較正を行えばよいですし,Mモードのように40000カウントの40Vレンジなんかは,校正値を直接いじる方法で追い込んで行けばよいです。

 電流と抵抗は迷ったのですが,もう面倒ですから,ゼロ調整だけ済ませて終わりにします。

 こうして一応,34401Aと同じくらいの値を示すようになってくれました。苦労しましたが,なんとか実戦投入できそうな感じです。

 それにしても,ちょっとしたミスが命取りになるんですね。各社の取説を見ていると,ここにはシールが貼られていて,剥がすと動作保証しないと書いてあったりしますが,シールがあれば剥がし,穴があれば棒をツッコミ,ボタンがあれば押すのが,これ人間というもの。

 そんなことくらいで,測定不可能な状態になるほど致命的な状態に陥ってしまうなんて,まあなんと恐ろしいことでしょう。34401Aなど,ロックやパスワードがかかるようになっているんですが・・・

 DL2050は,こうやってCALボタンが押された個体がたくさんあるんじゃないかと思います。買うときは(使う時ときは)気を付けた方がいいかも知れません。

 

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