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絞りリングのないレンズを買う(64GBのCFカードも買う)

  • 2012/07/04 17:34
  • カテゴリー:散財

 D800が私の手もとにやってきましたが,毎日あまり触ることがなく数日が経過しています。そろそろ外観も見慣れてきましたし,シャッターの音や重量の感覚にも慣れてきましたが,どうもしっくりこないのが,シャッターボタンのストロークの深さと,AFの癖です。

 AFの癖は私が慣れていくしかないのですが,シャッターボタンのストロークの深さは,「あれ,こわれたかな」と,なかなか走らないシャッターに不安を感じることが何度もあったくらいなので,悩むところです。

 それはそれとして,私の場合は必要と思われるものはさっさと揃えてしまいます。もちろん必要かどうか悩むものまであわてて買うことはしませんが,悩まないものについてはいずれ買うわけですし,さっさと買って幸せになるべきと本体購入予算に入れるようにしています。

 昨日のバッテリーグリップMB-D12もそうですが,大容量のCFカードと,レンズを手配したところ,昨日の夜には揃いました。


・CFカード

 D800のようなカメラに見合うものは,なんといってもSanDiskの600倍速でしょう。64GBで3万円ということで,高いとは言え随分安くなったものです。

 プロ・アマを問わず,メモリカードをけちるとろくな事がないのですが,そうはいっても3万円ですので,私の場合上海問屋が取り扱っている,WINTECという全然聞いたことがないメーカーの600倍速を買うことにしました。64GBですが,期間限定でなんと8999円。安い。

 プロ用と景気のいいことをいってますが,この600倍速にはちょっと誇大なところがあって,リードは600倍速なんですが,ライトは300倍速です。概して一眼レフというのは書き込み速度が高いと使い勝手が上がりますので,このカードは600倍速ではなく,300倍速と考えて使うべきかと思います。ま,それでも9000円は安いと思います。

 速度よりも信頼性が気になります。遅いメモリカードというのは一般論として信頼性も高いものではありません。リードとライトの速度がこれだけ違うというメモリカードを,どう考えて良いやら私も分からなかったのですが,まあ9000円ですからね,外したところでそんなに痛い目に遭わないだろうと,そんなくらいの気分です。

 昨夜届いたので試して見ると,別に普通に使えます。フォーマットも問題なし,撮影も問題なし。リードは確かに高速です。ライトは少し遅いなと思うレベルですが,別に奇なる程ではありません。

 信頼性はまだ分かりませんが,これで信頼性にも問題がなければ,随分安い買い物が出来たなあと思います。


・AF-S 50mm F1.8G

 D2Hの時代には,AiAF50mm/F1.8を使っていましたが,これが安いし小さいし,そのくせ良く写るというので,常用レンズでした。これがGレンズ(絞りリングがない)化するにあたり,さらに高性能になって評判も上々という事で,せっかくのフルサイズですから,新しいレンズを常用しようという事で,買い換えることにしました。

 この,50mm/F1.8クラスの標準レンズというのは,何十年も前から安いし良く写る定番なのですが,最近高額化しているニコンの純正レンズにおいて,実売2万円というありがたいプライスを維持しています。

 Gレンズになると絞りリングがなくなりますので,マニュアルフォーカスのボディ,例えばF3には取り付けられませんが,それはPlanar50mm/F1.4に任せるとして,デジタル一眼で気楽に使える標準レンズとしては,こちらに任せることにしたわけです。

 たまっていたポイントをヨドバシで使って,1万円くらいで買いました。デザインはかなり気に入りません。せっかくの50mm,せっかくの大口径レンズなのに,ガラスが小さく見えるほど鏡筒が無駄に大きく,しかもとってもプラスチッキーで,コツコツと軽い音がします。D800に取り付けると,なんか大げさすぎて不細工だなあと。

 超音波モーター内蔵という事で,スムーズな動きは期待通りでしたが決して高速ではなく,このあたりは価格相応ということで,過度な期待は禁物です。それに,どういうわけだか結構AFが迷いますよ。

 肝心の写りは,まだよく分かりません。ですが,評判通りF1.4のレンズに比べてシャープですし,以前のAiAF50mmよりも好ましいと感じます。

 とりあえず,常用レンズとして活躍することになると思います。癖を早く掴まねば。


・TAMRON SP28-75F2.8 A09NII

 正式な名前は面倒なので,識別可能な最低限の長さで省略しましたが,安くて良く写る,プアマンズF2.8通しズームで有名な,タムロンの標準ズームです。

 先日,A007という24-70の手ぶれ補正付きが出たことで,標準ズームはこちらに切り替わっていくと思われ,この28-75は設計も古いので収束方向に向かうと思いますが,おそらく歴史に名を残すレンズになると思われるくらい,良く出来たレンズです。

 小さく,軽く,通しF2.8,解像度も十分で,かつボケも綺麗,なんといっても実売価格が3万円を切るというバーゲンプライス。これは買っておかないと損です。

 ということで,先日世話になったばかりのフジヤカメラに聞いてみると,28800円で在庫あり。昨夜会社の帰りに買って帰りました。

 蛇足ですが,せっかくフジヤカメラにいくのですから,防湿庫の肥やしを減らして,ゴミを減らそうと考えました。Kマウントの200mm/F4とか,Takumarの50mmF1.4とか,今回買った2本のレンズで代用が可能なAiAF28mm/F2.8とAiAF50mm/F1.8の2つなど,一気に処分しました。

 程度も悪いレンズばかりで,ゴミ処理の気持ちで軽く1万円程度と見積もっていたところ,26000円にもなりました。

 ということで,今回の28800円のレンズとの差額で,わずか3000円ほど支払って帰ってきました。

 早速取り出してみますが,小さく扱いやすさに長けており,しかしながらずっしりとしたガラスの重みを感じて,大変に好印象です。安いなりの外観だという人もいますが,私は良く出来ているなと思います。

 D800に取り付けて見ると,これもなかなか好ましい外観です。鏡筒のコンパクトさに比べて大きな前玉がとても格好良いですね。

 AFモーター内蔵ということで,そんなに速度を期待していませんでしたが,想像以上の動作で,なかなかキビキビしています。悪くはありません。

 絞り開放でもそんなに解像感は落ちませんし,逆に言うと絞ったところでそんなに劇的に改善しません。私としては広角域より,望遠域の方が好みです。そしてさすがにF2.8。ズームレンズでこれだけぼけるというのは,なかなか感動的な体験ですね。

 そのボケもうるさくなく,なかなか綺麗です。

 普通に考えると,D800には全然そぐわないレンズということになりそうですが,腐ってもF2.8ですしね,広角側も28mm止まりで欲張っていませんから,そんなに悪くはないと思うのです。純正がいいのは百も承知でいえば,F2.8のナノクリを買うために20万円を用意出来るかどうかの話もあるし,もっと安価な,例えば24-85などは暗いレンズですので,純正であることと引き替えに基本スペックがワンランク落ちてしまいます。果たしてそれでよいのかどうか。

 

 このレンズ,個体差が大きく,保証期間内にTAMRONに調整に出す事を前提に買うとお買い得,などという意見もでるくらいなのですが,昨日ざっと見たところ,私のものは許容範囲内にあると感じました。なんだかF2.8ズームを初めて手にした感じというのは,こんなにうれしいものだったのですね。そりゃー高価でも売れるわ。


 ということで,D800を導入するにあたって必要と思われるものは,一通り揃いました。あとはしばらく使いこなすことに専念すべきですね。結局,フジヤカメラに下取りで9万円ほど買い取ってもらいましたので,その分でレンズやCFカード,グリップなどを買ったと思えば,全部で25万円程度に収まっているのではないでしょうか。

 フジヤカメラというところは,決して安値で競う店ではありません。下取り価格も,いわゆる最大値は高くありません。その代わり,下取り価格の減額の条件がゆるくて,どんなものでもそれなりの値段で買い取ってもらえます。

 これは,実質的な値引きと同じです。今回の下取りも,別のお店に持ち込めば,この半分くらいにしかならなかったんではないかと思います。そう考えると,やっぱり値引きですよね。

 フジヤカメラくらいの店になると,中古の回転も速いですし,売れにくいものでも売れてくれます。中古の商売で一番怖いのは,なんといっても商品を切らしてしまうことです。発注をかけて決まった数が決まった日に入ってくるのではないだけに,買い取りが中古の商売の成否を決するわけです。

 だから,良い条件で中古を集めますが,極端に良い条件だと売値が上がったり,利益が少なくなったりします。中古の商売の難しいところですが,同時に面白いところでもあります。

 売るものが手もとにあれば,フジヤカメラは「安いお店」です。私の場合,稼働率がゼロに近く,防湿庫をふさいでいることの方が問題になっていたので,思い切って捨ててしまおうかと思っていたくらいですから,これがトータルで9万円になるというのですから,やっぱり大サービスです。
 
 東京には,こういう個性的なお店もあります。なんだかんだで東京なのかも,知れません。

え,縦位置グリップがこんなに高いの?

  • 2012/07/03 14:39
  • カテゴリー:散財

 D800がやってきた翌日,今度はマルチパワーバッテリーパック「MB-D12」が届きました。ヨドバシで33000円にポイント10%です。

 まあ,いっちゃあなんですが,こんなものに3万円なんて,ちょっと理解できないという人がいても,私は反論しません。むしろ同意します。

 ですが,これに代わるものもなく,その意味では必要な人にとっては他に考える余地のないものでもあります。

 その昔,フィルムを巻き上げるモーターがカメラの中に入らなかった時代,カメラの底に取り付ける「モータードライブ」なるものが,少年達の心を鷲づかみにしていた時代がありました。

 カメラ本体にモータードライブが内蔵されるのが当たり前になってから,この手のオプションが必要とされることはなくなったわけですが,大容量の電池に縦位置での持ちやすさという,モータードライブ時代においては副産物となっていたメリットのために,デジタル時代の現代においても中級機には必ず用意されるようになっています。

 プロ用の高級機は最初から一体化していますね,私の記憶が正しければ,NikonのF5が先鞭をつけ,以後F6という例外を除いて,フラッグシップは縦グリップ一体です。キヤノンはどうだったかなあと調べて見ると,初代EOS-1など,縦グリップがありません。なんか,こぢんまりとして,かわいらしいたたずまいです。

 私はD2Hで,縦位置グリップの有用性を認めた人で,常用機にはかならず装備するようにしました。K10Dも取り付けてから格段に使いやすくなりましたから,D800も必ず買おうと思っていました。

 昨日,早速箱から取り出して装着です。

 MB-D12は,マルチバッテリーというだけあって,3種類の電池を内蔵できます。標準の電池であるEN-EL15,D4用のEN-EL18,そして単三電池8本です。このうちD4用のEN-EL18を使うには,電池蓋(2000円もする!)ことと,専用充電器(4万円もする!!)を買う必要があります。といいますかそもそもEN-EL18が2万円もします。

 ただし,EN-EL15のような小さなバッテリーでも,グリップ内に入るのは1つだけで,複数使用の場合はボディにもバッテリーを入れる事になります。

 それで,EN-EL18と単三電池8本を使った場合には,APS-Cサイズで6コマ/秒の連写が可能になります。高速な連写には高い電圧が必要なんですね。

 本体の電池を抜き取り,本体側のコネクタカバーとMB-D12のカバーを外し,取り付けます。

 さすがに高価なだけに,骨格もマグネシウムですね。しっかしとした剛性感があり,本体との一体感も問題なし。ガタもなければ,しなるような弱さもなく,最初から作り付けられていたかのような感じです。

 早速縦で持ってみますが,うん,これは違和感なし。シャッターボタンの位置もいいし,握りやすさは横位置と同じです。

 で,横にしてみます。うーん,これは違和感がある。

 もしやと思い,D2Hと並べてみます。

 なんと,D2Hよりも背が高いじゃないですか。ペンタプリズムの高さが高いというなら「フルサイズだし」と言い訳も出来るのですが,レンズの位置が上がっています。グリップが分厚いなあと思っていたら,やはりその通りだったのです。

 なにが問題って,私はグリップを左手と手首にのせて,左指はレンズに添え,右手はシャッターボタンに添えています。力を入れているのは左腕だけなのですが,これだけ縦位置グリップが分厚いと,レンズの位置も上がってしまい持ちにくいです。

 それでもないよりましですから,と慣れないといけないですね。しかし,これだけ大きくなってしまうと言うのは,なんか複雑な気持ちです。

 なで肩で小振りなD800は,このMD-B12を取り付けると,とてもいかつくなります。しかしプロ機のようなバランスの良さは見た目も実際もなくなってしまい,ちょっと残念な印象ですね。もう一息なんですが・・・

 積極的にこのMB-D12を使うには,やはり電源の関係を改善せねばなりません。印象として,EN-EL15は小さくて安いんだけども,すぐに電池が切れると思っていて,これを買い増しするか,あるいは単三電池で運用するかは,迷うところです。でも単三電池8本ですからね,かなり重くなることは間違いなく,結局当分このままEN-EL15を使うか,とそんな気分になっています。

D800を買っちゃいました

  • 2012/07/02 14:36
  • カテゴリー:散財

 やっちゃいました。

 D800,買ってしまいました。

 いやはや,子供も生まれて,これからお金がなにより必要になるというのに,リストラの危機に怯え,よくもまあこんな高額な趣味のモノを買ったものです。我ながら空恐ろしくなります。

 事の顛末は,こうです。

 そもそも,私は銀塩で育った人ですので,やっぱりデジタルカメラの最終目標は35mmフィルムのサイズの,俗に言う「フルサイズ」です。レンズの感覚,ファインダーの見え方など,多感な時期を過ごしたフォーマットは,歳を取ってもやはり離れられないということです。

 デジタルカメラが誕生し,センサがコストの多くを占めていた時代は,一眼レフの利点をなんとか享受できるサイズとして,APS-Cが標準になっていました。私にすればこれは過渡期の「我慢のサイズ」であって,途中経過です。

 とはいうものの,使って見るとなかなか手頃なサイズで,望遠に強いという特徴も面白く,これはこれでありだと,そんな気もしています。事実,APS-Cで一眼レフに初めて触れた人にとっては,これが標準のサイズです。私のようにいちいちレンズの焦点距離を1.5倍にせず,ぱっと画角が想像出来るのですから,明らかに新世代ですね。

 一方で,センサのサイズについてはデジカメが出た頃から問題だとブツブツ言い続けていた私としては,やはりいつか必ずフルサイズが主流になるときが来ると信じているし,その時のためにAPS-Cのレンズやボディには余りお金をかけないでおこうと,そう思っていました。

 しかし,D3は高嶺の花ですし,D700もなんとなく違うなと思って,結局買いそびれました。

 そこへ,新製品D800の登場です。あまりに突き抜けた3600万画素という画素数にプロ機D4から多くを共用するプロ仕様,それでお値段がD4の半額以下ですので,大特価です。ニコンユーザーだけではなく,他のユーザーからの羨望の間差しも,D800に注がれておりました。

 かくいう私も,当初は3600万画素に怯えてしまい,これはパスと高額商品を買う事に躊躇していたわけですが,日に日に高まる評価,ちっとも解決しない品薄の問題,そしてなにより3600万画素はオールドレンズにこそ必要だと考えを改め,いつしか「買います」リストに加わることになったのです。

 しかし私は無類の出不精ときています。高額商品ですから通販は怖いし,リアル店舗に出向くのも面倒,電話で予約するのも億劫と,欲しい割にはなにも努力をしないというわがままで,当分買うことはないと思われました。

 と,そこへ,セミプロ(というかプロ)の友人が,D800とD800Eの両方を予約したというではありませんか。D800にするかD800Eにするか(楽しく)迷っていたそうですが,キャンセルが出たとかで結論が出る前にD800Eを買ってしまいました。

 そうするとD800の予約枠が余るわけで,この品薄状態ですからキャンセルするのも惜しいと,私に「買うんでしょ?なら私の予約をあげようか?」と,親切に言ってくれたのです。

 私は,きっと誰かに背中を押して欲しかったのだと思います。会社の帰りに何度か量販店に寄り道したけども,ネット上にいくつか出ている購入価格とのあまりの乖離に,予約もせず帰ってきたりしましたが,品薄なんだし安く買うことをあきらめる理由を,私は求めていたのでしょう。

 かくして,友人が予約をしたのはかの中野のフジヤカメラです。

 友人と,せっかくだし機材の処分をするか,と話をして,売却するものを選んでいたところ,友人から電話があり,入荷したと連絡を受けたとのことです。6月29日,金曜日の夜のことでした。

 あわてて売却する機材を揃え,無造作に鞄に詰め込み,日曜日小雨の降る仲,中野に向かいます。

 日曜日にもかかわらず,日々忙しい友人はニコニコして,フジヤカメラの2階にいました。

 友人も私も,フジヤカメラのD800の値段はWEBで出ているものしか知りません。普通の値段ですので徳に値引きをすることもなく,このまま買う予定で今したが,問題は持ち込んだ「ゴミ」の査定額です。

 全く使わなくなった*sitDL,E-20,Lマウントのウルトラワイドヘリアー15mmや,FA35mmF2ALなど,お金になりそうなものと,全くなりそうにないものを査定してもらって,出てきた値段は約6万円。下取りという事で査定額アップもあって,結局20万円ほどでD800を買って帰ってきました。

 いやはや,SMC-Takumar28mmF3.5の,ものすごく程度の悪い予備機が2000円もの値段で売れたことが私には驚きでした。好きなレンズですので,高評価は私もうれしいですが・・・

 てことで,40歳を超えたオッサンが,ニヤニヤしながら舞い上がって帰宅する様は,想像するに実に気持ち悪いわけですが,友人と少し喫茶店で話した時に,「私は撮影する目的があるからD800Eを買ったけど,あなたは純粋なアマチュアでしょ?よくこんなものを買うなと思うよ」と,褒められているんだか馬鹿にされているんだか,よく分からない言葉が妙に耳に残り,やや複雑な気分で帰ってきたのもまた事実です。

 日曜日の18時,無事帰宅。一息ついてから嫁さんと子供の前で開梱です。私がおなじみの2001年宇宙の旅のテーマを口ずさむと、嫁さんも横から「ばんばんばんばん」とティンパニーのパートを入れてくれます。ああ,なんと歓迎されていることか!

 しかし,お楽しみはここまで。電池を充電します。電池がないD800は結構軽く,小さく,角張っていると思った事など一度もないD2Hが妙に角張って見えて,デザインの古くささを感じてしまいました。

 電池を入れずに,視度調整だけでもやっておこうとファインダーをのぞき込みますが,猛烈に暗い。しかも全然ピントの山がわからず,どうやってもボケが取れません。おかしい,D800ってこんなに悪いファインダーなのか・・・私のD800の第一印象は,紛れもなく,この「最悪の印象」でした。

 電池の充電が終わって,電池を装着すると,ウソの余蘊いファインダーがすっきり見えるようになります。視度補正もちゃんとできて,近頃のカメラはよーわからんなと,つぶやく私がいました。

 スーパーインポーズで出てくるフォーカスポイントは,赤く照らされるとファインダー全域が一瞬赤くなり,ちょっと気が散ります。D2Hはこんなことなかったのですが,仕方がないのでしょうか。どうも,EVFに否定的なメーカーでもOVFの質は格段に落ちているなと感じます。

 さてさて,記念すべき1枚目を撮影し,そのまま10枚ほどシャッターを切りました。

 こういうときの印象というのはとても大事な事なので,マニュアルを一通り読んだ現時点で,ちょっと書いておこうと思います。良くも悪くも,D2Hが基準になっていることを痛感させられました。


(1)全体の印象

 最近のニコンらしく,とてもソリッドで剛性感があり,しかも持ちやすく安定しているということで,大変に満足です。肩の丸いシルエットや,縦位置グリップがないことが私としてはマイナス要因ですが,これが本当にフルサイズなのかと思うほどの凝縮感はあります。


(2)シャッターの感覚

 D2Hの素晴らしいシャッターに対して,D800はどうでしょうか。D4譲りというシャッターゆえに,正直期待していたのですが,残念ながら私の期待を越えることはありませんでした。

 レリーズタイムラグはD2Hと同じですが,全体の動作がやや緩慢で,ミラーが上がっている時間もちょっと長いという感じがします。APS-Cとフルサイズを比べるのも酷な話なのですが,D2Hには全然及びません。

 音は,シャッター自身から発生する高音がぐっと押さえられ,おとなしい音がします。決して悪い音ではないのですが,あまりアドレナリンが出てこないので,つくづく私はあの刃物のようなD2Hのシャッターにしびれていたんだなあと,再認識しました。


(3)操作系

 D2Hはどのボタンもストロークが深く,かつ大きくて,確実に押したという感覚があって安心ですが,D800はストロークも浅く,ボタンも小さかったりしますから,どうも押し心地はよろしくないです。ただし,よく練られているのでしょうね,ボタンを押し間違えるとか,そういうことはD2Hに比べてなくなりました。


(4)小気味良さ

 悪くありません。D2Hを使い慣れた私にとっても,ほぼ説明書を見ずに撮影に入ることが出来たのですが,ぱっぱと撮影出来るテンポの良さはさすがです。


(5)高感度

 これは私にとっては未知の領域ですね。ISO800でも全然破綻していませんし,ISO3200でもぱっと見て分からないほどです。JPEGで見ただけですのでRAWでどうだかは今後の評価次第ですけど,ISO3200とかISO6400が常用感度になるという事は,新しい世界を見せてくれることでしょう。


(6)オートフォーカス

 ちょっと複雑な印象をもったのはこれです。D2HのAFシステムは現代においては古いのですが,AFモータのトルクが強烈で,加速も減速も一瞬,ぱっと走ってごごっと止まる感じです。

 しかし,D800のモーターは音も軽く高く,制御も緩慢です。加速も弱く,ブレーキも利きが悪くてだらだらと惰性で走って行きます。

 とはいうものの,惰性の分も計算して制御しているので,行きすぎて戻るとか,そういう鈍くさいことは一切ありません。とても賢く,とても高精度なAFだと思います。

 また,AFモードが随分整理されたんですね。D2Hの時はとにかくややこしく,いろいろ試して見るのですが期待通りにならなくて,あまりモードを切り替えずに使っていたのですが,D800は綺麗に整理されていて,AFもカメラ任せか自分で操作するか,の二択になったかのような印象をもちました。

 もしかするとD4は違うのかなとD4のマニュアルも見ましたが,D800と同じだったのでD2Hが単に「古いだけ」ということがわかりました。


(7)撮影してみて

 まともなレンズがないのでPlanar50mmで撮影した感想ですが,絞りを開けて撮影した時の背景ボケは,デジタル写真で初めて味わう世界です。こんなにぼけるのかあと,嫁さんと二人で感心していました。フルサイズの力を思い知ったという感じです。

 それと,ちょっと顔がつるんと写っていて,D2Hのような荒さがない分,作ったような画になっていることがちょっと気になりました。

 等倍まで拡大すると,どれだけ気をつけても手ぶれが出ていて,これは手強いと思いました。


(8)LCD

 よく言われるように,ちょっと黄色くなっています。私はLCDを見ないで撮影しているので,別に気になりませんが,明らかに黄色いと思う時も何度かありましたので,気になる人はたまったもんじゃないでしょうね。

 まだ数十枚ですので,こんなくらいのことしかかけません。とりあえずD2Hに近い設定をしたこと,液晶フィルムを貼ったこと,マグニファイアアイピースをF100から外して取り付けたことくらいです。

 早速縦グリップを手配し,64GBのコンパクトフラッシュも近日中に届くはずです。

 また,レンズも高価なものは買えませんし,そんなレンズを必要としないので,買い直すつもりでAF-S50mmF1.8Gを手配しました。

 1枚のデータが巨大で,RAWを主軸に撮影することが本当にできるのか,出来ない場合はどうやって運用するか,かなり迷います。レンズもろくなものがなく,使えそうなものを探すのが大変ですし,やっぱり癖を見抜いて使う必要があるような感じですので,しばらくは練習になると思います。

 ただ,これを私は10年使うつもりで買いました。高画素にフルサイズという,ちょっとやそっとじゃ色褪せないスペックを持つD800を,思い通りに操って,長く使っていこうと思います。

多機能なNASでネットワーク環境を改善する

  • 2012/06/27 14:38
  • カテゴリー:散財

 Pogoplugは「パーソナルクラウド」と銘打って,容量無制限なクラウドストレージを目指した新しいコンセプトで一世を風靡しました。かくいう私も注目をし,あふれかえる画像ファイルの安全な管理と共有を狙って,昨年導入をしました。

 しかし,使っているうちに,どうもしっくりこないところが目立って来ました。

 まず,速度が遅い。家の外で使う時にはADSLがボトルネックになるので仕方がありませんが,家の中で使うのにその遅さを実感します。

 次に信頼性が低い。突然USBのHDDがアンマウントされていたかと思えば,ファイルが壊れていたとか,アップロードをしたはずのファイルが足りないとか,ファイルが壊れたわけではないのに正しいファイルとしてダウンロード出来なくなってしまったとか,そういう使い方ではどうにもカバーできない問題が発生する頻度が高く,1ヶ月に一度くらいはこれで頭を抱えることになります。

 そもそもの使い勝手が悪すぎることも問題でしょう。Pogoplugは,MacOSでもWindowsでもローカルドライブとしてマウントすることが売りだったはずなのに,うちの何台かのWindowsマシンでは1つとしてマウント出来たものはありませんし,MacOSはマウント出来ても激遅で,全く使い物になりません。しかも知らないうちにファイル転送に失敗していることがあり,ファイルをロストすることもしばしばでした。

 仕様が勝手に変わることにも閉口しました。ローカルドライブにマウントする機能が使い物にならない以上,専用クライアントを使うことになりますが,これがまたしょっちゅう仕様が変わるのです。細かいUIが変わることは大目にお見ます。しかし,機能が変わっていくことにはもうついて行けません。

 最初はアップロードもダウンロードも出来る純粋なファイルアクセスのクライアントだったのですが,これが写真や動画,音楽を参照することに軸足を置いたメディアブラウザの性格を強めたかと思ったら,突然ローカルドライブのバックアップを目的としたものに変わって,あげくアップロードが機能が削られてしまいました。

 のみならず,当初は専用クライアントをインストールしたマシンをストレージとして公開する機能があったのに,これが突然有償になって機能が削除されてしまったりと,重要機能の削除がポンポンと行われてしまいます。Pogoplugはスタンドアロンのマシンではなく,その機能や仕様,操作の感触はすべてPogoplugのサーバーを管理する人が握っています。

 pogoplugで出来る事出来ない事がポンポン変わってしまう可能性も大きいわけで,私はこういうサービスに身をゆだねる気にはなりません。

 そして最後に,pogoplugのコンセプトがいよいよ分からなくなってしまったことです。本来のクラウドストレージは,特に実体としてのハードウェアの存在が見えず,雲の上にあるものとして扱えることがありがたいわけで,そのストレージは世界中に分散しているかもしれないわけですね。

 一方のNASは,ハードウェアの実体が見えるところにあり,電気も食いますし管理もメンテも必要です。しかし,多くは外部からのアクセスが出来ないもので,あくまでファイル共有をローカルネットワーク内で行うことが目的です。

 しかし,NASは近年大幅な機能アップを果たしており,もはや外部からのアクセスが出来ないものはないと言って良いでしょう。iPhone向けのクライアントが提供され,ダイナミックDNSと組み合わせればpogoplugと同じ事が出来ます。

 そうなると,pogoplugってなにが特徴なのか,ということになります。唯一ダイナミックDNSへの登録をしなくてもよい,という事がメリットなのかも知れませんが,別にお金がかかるわけでもないし,自分のドメインを取得できる方が何かとつぶしが利いてありがたいだけに,まあ中途半端な話です。

 時代がpogoplugに追いついたというのもあるでしょうが,pogoplugが明後日の方向にいってしまったことも事実で,「去る者を追わず」を地で行く私としては,お別れの時だと悟ったわけです。

 とはいえ,ネットワークオーディオプレイヤーであるN-30のためにはDLNAサーバーを止めるわけにはいきませんし,外からファイルをアクセス出来る便利さ,世界中どこにいても大量の自炊した書籍やCDにアクセス出来る安心感,そしてストレージの小さなMacBookAirでiTunesがMacBookProと同じ状態で再生できることの素晴らしさ,写真を家族で共有する価値の大きさを知ってしまうと,これに変わるものを用意しないわけにはいきません。

 そこで,高機能化したNASを探すことにしました。

 コンピュータの周辺機器は,実際の生産は台湾や中国で行われてはいても,アメリカか日本のメーカーの製品が安心なわけですが,NASについてはちょっと事情が違うようで,台湾のQNAPのNASが,大変評判がよろしいようです。

 NASだって中身はLinuxですので多機能化は難しくありませんが,多機能になるとCPUパワーもいるし,なんと言ってもメモリがたくさん必要です。それが価格を押し上げ,信頼性の確保も大変になります。

 もともと台湾メーカーの製品は機能てんこ盛りで欲張りな製品が多かったですが,それぞれの作り込みは甘く,バランスを欠いたものが多かったように思うのですが,特に最近,こと小規模なNASに限って言えば,QNAPの製品がベストであると思います。

 NASですから,ここは最低でも2ベイでRAIDだとか鼻息荒く機種選定をやっていましたが,大きくなって場所ふさぎになるし,HDDがまだまだ高価なご時世でRAIDはもったいないということで,CPUパワーの高さで選んでみました。

 結局,TS-119PIIという機種を選びました。お値段は結構値下がりしていて,23000円ほどでした。これ,出た時には3万円ほどしたらしいです。

 ARMコアの2GHz,DDR3の512MBメモリと,なかなかリッチなハードウェアが,ベンチマークでも100MB/sec以上の速度をたたき出すとのことで,USBのHDDケースよりも高速というのは,実にありがたいです。

 その上,消費電力の公称値がシリーズ中最も低く,HDD停止中なら4Wと,24時間運転を行うNASにはとても重要な性能を持っています。

 1ベイですから,RAIDを組んでストレージを大きくしたり冗長度をあげるということは出来ないのですが,esATAの端子とUSB3.0の端子を持ち,いざという時にはこれを使うことも出来るでしょう。

 NASですからファイルアクセスは完璧で,smb,afp,nfsと主要なプロトコルは網羅していて,どんなOSが来ても不自由しません。まあこれは当たり前です。

 また,WEBベースのファイルブラウザが用意されているので,WEBを使ってどっからでもファイルにアクセスができます。iPhoneやiPadには専用クライアントも用意されており,モバイル用途にも最適化されています。

 ファイルサーバですので,DNLAサーバにもなります。定評あるTwonkyMediaが使われていますから安心です。

 QNAPのNASはこれだけではなく,多機能サーバーとして充実しています。高速CPUにメモリ,Linuxなのですから当たり前のことですが,http,ftp,VPN,sshに加えて,プリンタサーバ,iTunesサーバ,TimeMachineのストレージなどの機能も持っています。

 しかも,ipkgによる機能拡張もサポートしており,WEBでphpがperlで書いたCGIを動作させることも可能です。

 ということで,うちには私自身のホームページを置いたサーバーがあります。中古で購入したThinkPadX20に,VineLinux4.0を入れたものを2007年の1月にセットして,以後5年以上もこのままでした。

 別に不満もないとはいえ,5年もすればHDDはもちろん本体だって壊れてしまうだろうと思っていたのに,さすがにIBMですね。HDDも含めてちっとも壊れません。

 しかし,狭い部屋でゴロゴロとものばかりが増えることも問題ですし,電気代も気になります。そこで,NASにサーバを統合し,ThinkPadの運用を止めようというのが目論見です。

 実は,TS-119PIIは5月下旬の出荷分からUSBが3.0に仕様変更されており,手に入れるならこちらだろうと思っていたのと,安いお店を探したことから,納期が結構かかってしまい,注文から10日以上かかって手元にやってきました。その間,いろいろ構想を練ったりネットワーク環境の改善を行ったりと,コツコツ作業は進めていました。

 まず,事前のネットワーク環境の改善です。うちは1階と2階に分かれており,電話線が1階に来ているので,ADSLモデムは1階に設置することになります。ここがインターネットの窓になります。そして,このADSLモデムがルータを兼ねています。当時はこのADSLモデムのルータが最も多機能で,最も信頼できたのです。

 しかし,主なコンピュータは2階に揃っていますので,これまでは802.11nのAirMacExpressをADSLモデム/ルータに接続し,全てのマシンがこれに繋がるようにしていました。デスクトップPC出さえ,メディアコンバータを使ってこれに繋いでいたのです。

 しかし,5GHzは2階ではかなり通信性能が悪化して,リンク速度が最善でも54Mbps,悪い時は14Mbpsと,辛抱できない遅さです。しかもAirMacExpressの有線LANは100NASE-TXですので,かりに300Mbpsでリンクしても,100Mbps以上は出ません。

 そこで,なんとか2階の速度を向上させる方法を考えてみました。AirMacExpressを2階に置くと,それだけで通信速度は向上します。そのためにはルータとの接続を無線で行う必要が出ますが,そんなことって出来るのか?

 実験してみましょう。ADSLモデム/ルータにメディアコンバータを接続し,2階のAirMacExpressに接続します。AirMacExpressは黄色のLEDが光っていて異常を示していますが,ハブと繋げば緑色に変わりました。有線で繋がっていないことを警告しているだけなのですね。

 ありがたいことに,ADSLモデム/ルータはきちんとそれぞれのPCから見えており,上りも下りも通っています。WANへの接続も問題なく,これで2階に高速な有線LANを設置する目処が立ちました。

 2階にはGbitのハブを置き,これにAirMacExpress,PC,N-30,pogoplug,そしてThinkPadX20を繋ぎます。MacBookProとMacBookAirは,802.11nで繋ぎますが,リンク速度が300Mbps近く出ているので,これでよしとします。

 PCはオンボードのEthernetが100Base-TXなので,貴重なPCIスロットを使ってGbitにします。その結果苦労したGeForce6200のカードは外さねばなりません。

 しかし,このPCにMacBookProからアクセスしてもあまり速度が上がっていません。ほとんど上がっていないといっても良いのですが,WindowsだしPCIだし,オーバーヘッドも大きいんだろうなあと,あまり深い追いしなかったのです。

 しかし,この環境にやってきたばかりのTS-119PIIをpogoplugの代わりにつないで,MacBookProからアクセスしても,遅いのです。おかしいなあ・・・

 冷静に考えてみると,AirMacExpressとMacBookProが300Mbpsでリンクしても,AirMacExpressが100Base-TXで繋がっているので,ここがボトルネックになっていました。もともと無線LANは実効速度が遅いので,300Mbpsでリンクしても,どうぜ100Mbpsちょっとしか出ていないだろうから,無線はやめろ,と言う話になります。

 そこで,MacBookProを有線で繋いでみました。しかし,これでも随分遅いのです。あまり変わらないといってもいいです。ハブを見てみると,どうも100Mbpsでリンクしているようです。Macを確認しても,リンク速度は100Mbpsでした。

 おかしいなあとケーブルを変えると,今後はGbitでリンク。これまでGbitでネットワークを構築してこなかったので,ケーブルも混在していて,ややこしいことこの上無しです。

 こうして,MacBookProとTS-119PIIは爆速で繋がるようになりました。USB2.0よりも高速で,esATAに匹敵というのもあながちウソではありません。

 ようやくMacBookProとPCとNASをGbitで繋いで,うちのデータの流れを最適なものに出来ました。マシン同士で大きなファイルをNASを介して受け渡せることで,可能性が広がっていくように思います。ADSLはたかだか8Mbpsですので,50Mbpsくらいでリンクしている無線LANでも全然構いません。1階にあるテレビは,もうネットワークから外しましたし。

 ところで,2.4GHzの802.11gを残す必要もあり,1階に古いAirMacExpressを設置することにしました。PS3やNintendo3DS,Kindleなどはこれで繋ぎます。そしてこのAirMacExpressにはAirTunesの役割も持たせて,1階のオーディオに繋いでおくのですが,しばらくすると突然ネットワークからこのAirMacExpressが見えなくなってしまい,接続出来なくなるというトラブルに見舞われました。

 試行錯誤の結果,AirMacExpressを固定IPで使うと発生することがわかり,ルータにDHCPのエントリを用意してAirMacExpressだけDHCPで使うと,ウソのように問題が消えました。バグでしょうね。

 かくして,NASは動き出しました。なかなか高速で,ファイルの読み書きにはストレスはありません。NASがこれだけ快適なら,もう外付けHDDなんてバカらしくて使えないよなあと思いました。

 さて,次に各種サーバーの構築です。

 ThinkPadX20を停止させるには,web,ftp,DNSの書くサーバーを肩代わりさせねばなりません。ftpはTS-119PII標準のものを使い,DNSはそもそもローカルのサーバーにWANと同じドメインネームでアクセスするために立てたものですので,面倒でもそれぞれのマシンのhostsを編集しておけば,なんとかなります。

 WEBもTS-119PIIに標準ですが,私のサーバのblogシステムはperlで書かれているので,TS-119PII標準のphpだけでは動作してくれません。

 phpベースのシステムに置き換えることも考えましたが,過去のblogが参照できないとだめなので,面倒でもperlでCGIが動くようにします。

 TS-119PIにQPKGをインストール,sshでログインしてipkgでperlをインストールします。apacheの設定を変えてCGIを実行出来るようにして,これでOKのはず,でした。しかし,CGIが動きません。

 こういう時にまず確認するべきなのが,ホントにperlが動いているのかということと,スクリプトのパーミッションです。パーミションを変更してやると,動き出しました。

 しかし,まだ所々でエラーが出ます。pluginフォルダに読めないファイルがあるとのエラーです。pluginフォルダを見ると,Macでおなじみの不可視ファイルがゴロゴロしており,これをpluginと勘違いして読み込んで,エラーを出しているようです。

 スクリプトをftpで流し込むべきですが,面倒なのでafpでMacにマウントて,そこからコピーしたのが失敗でした。

 手作業で余計なファイルを削除し,確認すると問題なし。これでwebサーバの移行も可能になります。実はトップのアクセスカウンタが動かなかったのですが,SSIの実行も許可してこれも解決。

 そしてすでに現段階で,ThinkPadX20の電源は落とされ,ネットワークからも外されています。それでもこうして動いているのですから,案外簡単だったなあという印象です。

 ただ,掲示板が動いていません。ローカルなら動いているのですが,外からだとエラーになるという問題ですが,掲示板は荒らされまくったあげくに非公開としましたから,これを機会に停止してしまおうと思っています。

 DNSはちょっと困っていて,ipadやandroidはhostsを編集する事が出来ませんから,ローカルネットワーク内でドメインでのアクセスが出来なくなってしまいました。

 まあこれも,iPadもNW-Z1000も家の中で使うものですので,ローカルアドレスを直接打ち込めば済むでしょう。もしDNSがTS-119PIIで簡単に動かさせれば,試してみようと思います。

 次にiTunesサーバーです。これは設定だけで簡単です。問題なく動作しましたが,iPadで動かす方法が分からないので,今はMacBookAirだけの機能になっています。

 TimeMachineサーバーも動き出しました。知らない間にバックアップが出来ていることがメリット故に,NASで出来れば便利だよなと思っていましたが,それが実現しました。高価なAirMacExtremeを買わずに済みました。

 なんといっても,USB接続より高速なNASです。TimeMachineも案外速く動作してくれて,大助かりです。

 最後にDLNAです。高級オーディオメーカーでネットワークオーディオの先駆者であるLINNの推奨NASがQNAPのものであることから,ネットワークオーディオには相性が良いはずで,pogoplugではだめだったFLACの再生,そしてメタデータの扱いも万全です。

 しかし,手元にある膨大な音楽ファイルは,pogoplugのためにすべてWAVで用意しました。これをFLACに変換すれば楽勝と思っていたら,メタデータが全く入らないのですね。困りました。

 あきらめてしまうか,ちゃんと手作業で入れるか,大いに迷うところです。ということで,DLNAまわりについては,まだ稼働していません。

 あとはプリンタサーバーですが,これはまあUSBで繋ぐ方がプリンタのステータスも見れるのでありがたく,他のマシンで共有することもしませんから,無理に使うことは考えていません。

 ふう,ここ3週間ほどでようやくここまで来ました。写真や動画の共有はDLNAの関係もありまだ行っていませんが,焦らずぼつぼつやっていくことにします。少なくとも現段階で相当状況が改善されているので,ひとまず安心というところです。

 まだまだ細かい調整が必要ですし,HDDの障害に対する備えも考えないといけませんが,念願だった高性能なNASの導入ができて,とりあえずよかったと思います。

 でもね,1ベイならもっと安いNASでも良かったかなあ,なんて思ったりしています。

娘の愛車はイギリス車

  • 2012/06/05 09:24
  • カテゴリー:散財

 ベビーカーを買いました。

 実は,嫁さんは早くからベビーカーを欲しがっていたのですが,どうも気に入るものが見当たらず,「現物を見ないで買うわけにはいかない」と格好のいいことをいいつつ,そのくせちっとも現物を見に行かないという,非常に小ずるいことをして問題を先延ばしにしていたのですが,娘がそろそろ7ヶ月になるに至り,嫁さんの辛抱も限界に達したように見えて,あわてて「ベビーカー選定委員会」を召集したのでした。

 気に入るものがないというのは別にウソではなく,街で見かけるベビーカーを注意して見ていると,どうも華奢でたわんだりきしんだりしていて,琴線に触れません。

 小径の硬い車輪はフレームに直づけされていて,振動がもろに伝わります。しかもちょっとした振動で左右に首を振り,ゴロゴロと音も大きくて,乗り心地はとても悪そうです。

 都会の交通事情は電車とバスが中心です。従ってベビーカーに求められる性能も,軽く,小さく,持ちやすく,折りたたみが簡単に出来て,しかも小さくたためる事が求められているようです。

 確かに魅力的な仕様ですが,その代わり剛性が失われ,乗り心地や取り回しといった基本性能との両立が難しくなります。

 華奢で投影面積の小ささは,重心を低いところに置かねば転倒する危険性が出てくるわけで,自ずと赤ちゃんの着座位置は低くなります。土埃や照り返し,雨の時の跳ね返りや,なにかとぶつかったりしそうな危なっかしさを感じて,私が赤ちゃんなら「こんなもん乗れっかよ」と悪態をつくこと必至です。

 そもそも,赤ちゃんだって格好悪い乗り物に乗りたいと思わないはずで,どうせなら格好がいいベビーカーでブイブイ言わせたいところですよ。

 かつてプジョーは,「プジョーオーナーの最大の不幸は,自分がプジョーに乗っているところを見る事が出来ないことだ」と言いました。

 そう,そういうことです。

 てことで,今回の選定で重視すべきポイントは4つ。優先順に以下のようにしました。

(1)乗り心地に最大限配慮すること
(2)重量が6kg以内であること
(3)折りたたんた時に持ちやすく,かつ自立すること
(4)格好いいこと
(5)予算にあまり制約を設けたくはないが,10万円は出せない

 乗り心地については,乗って試すわけにはいきません(試したいですがそういうわけにもいかんでしょう)ので,あくまで想像にとどまるわけですが,大切な事は剛性感と安定感,そして衝撃吸収の能力だと思います。

 ちょっと本筋から外れてしまいますが,衝撃の吸収をごく簡単に想像してみましょう。小さい風船に水を入れて輪ゴムで縛ったオモチャ,水ヨーヨーと言いますが,これを思い浮かべてください。

 水ヨーヨーのゴムを指に引っかけて,ゆっくりゆくり上下させると,当然ですが水ヨーヨーも一緒に上下します。この時ゴムの長さはほとんど変わりません。

 徐々に上下させるスピードを上げていくと,ゴムが伸びたり縮んだりするようになり,水ヨーヨーが手の動きに対して遅れて動くようになります。

 そしてあるところで,手を下げれば水ヨーヨーは上がり,手を上げれば水ヨーヨーが下がるという,正反対の動作をするようになります。このとき,水ヨーヨーは最も大きく振動することになりますが,これを共振といい,共振するときの周波数を共振周波数と言います。

 さらに振動をあげていくと,今度は水ヨーヨーの位置が動かずに,ゴムの伸び縮みだけで振動が吸収されるようになります。

 共振周波数よりも低い周波数では,振動がそのまま伝わります。共振周波数では振動が最も大きくなり,共振周波数よりも高い周波数では振動は吸収されて,おもりは動かなくなります。

 ですから,非常に単純な言い方をすれば,より低い周波数の振動を吸収するには,共振周波数を下げる事が望ましいという事になります。

 共振周波数はバネが硬くなればなるほど高くなり,おもりの重さ(質量)が軽くなればなるほど高くなります。従って,共振周波数を下げるにはバネを柔らかくすることと,重くすることが有効ということになります。

 ベビーカーの理想が見えてきました。バネを柔らかくして,重く作ることが,振動を吸収出来るようです。

 さて,小型で軽いベビーカーというのは,フレーム全体がしなったりたわんだりいて,バネの代わりになっているようです。一見合理的に見えますが,共振周波数よりも低い振動はそのまま赤ちゃんを振動させてしまいますので,かなり柔らかく作る必要があります。

 しかし,そんなにグニャグニャだと,今度は安定性が悪くなります。つまり軽いベビーカーというのは,バネの硬さの設計自由度が狭いという事です。

 では,フレームはしっかり作り,振動はタイヤやサスペンションによって,フレームに伝わらなくするという方法はどうでしょうか。こうすると,サスペンションなりタイヤでバネの硬さを自由に選ぶことが出来るようになります。

 同時に,しっかりしたフレームを作る事で重くなってきます。このことで共振周波数が下がってくれることも期待出来るわけです。

 ですので,乗り心地を振動の吸収能力と単純化した場合,重く,剛性があって,サスペンションや空気入りのゴムタイヤを搭載するものがよいことになります。

 事実,こうしたベビーカーは,最近良く街で見かけますよね。AirBuggyもそうですし。でも冷静に考えてみると,しっかりしたフレームを持つベビーカーは大柄ですし,小さく折りたたむために可動部分が多いとそれだけ剛性が下がります。しかも重いと来るわけですから,乗り心地と持ち運びの楽さというのは,相反する要素であるといえそうです。

 次に重さですが,10kgだと持ち上げるのも大変,4kgまでなら楽に動かせると考えました。お米が5kgですのでこのくらいが楽に動かせる限界と思いますので,これを目安としたいところですが,今の娘の重さが7kg弱ですので,これくらいならなんとかなるでしょう。

 折りたたみですが,これも前述の通り,乗り心地と相反する要素です。しかし,我が家の玄関は狭く,たたんだときに小さくならないと普段の収納にも困りますし,電車やバスでもひんしゅくを買ってしまいます。「一応気を遣ってます」というシグナルを出せるかどうかは,日本というお母さんと赤ちゃんに厳しい国では,必要不可欠です。

 自立は重さよりも重要な要素かも知れないです。どんなに軽く,どんなに小さくたためても,支えていないと倒れてしまうようなものは,必ず片手がふさがるわけですから,赤ちゃんと一緒に行動することは不可能と言っていいでしょう。

 そして格好いいこと,ですが,個人的意見でいえば,小型で軽量なものというのは,デザイン上の自由度も低いので,似たような形に収れんするものですし,概して没個性のしらけたデザインになることが多いと思います。軽自動車がどれも似たような形になっていることを思い出してもらえると,納得頂けるでしょう。

 そして最後に予算です。あまりけちくさいことをいうのはどうかと思いますが,さすがに8万円や10万円をだすのは難しいかなあと思います。まあ,その10万円がどういう所に有効に使われているのか,という点で考えるべき所でしょう。

 例えば輸入代理店のマージンとか,改訂されていない通貨レートで換算されているとか,そういうことだと本質的な話ではありません。付属品がやたら多いとか,巨大であるとか,そういう話でも困りますね。

 しかし,しかしですよ,フレームはCFRPモノコック,ホイールはマグネシウム鍛造,扁平率20の超ワイドタイヤを履き,4輪独立懸架,フロントはダブルウィッシュボーン,リアはマルチリンクのアクティブサスペンションを装備し,デフはセンターも含めLSD,4点シートベルトにフルバケットシート,ブレンボのベンチレーテッドディスクブレーキはABS付き,面倒だから空力を改善するリアウィングを装備して10万円なら,これは買いです。

 と,いろいろ書き連ねましたが,結局何を選んだかと言えば,イギリスのMICRALITEという会社の,SuperLiteClassicという機種にしました。

 AirBuggyは1つのリファレンスになる機種だと思いますが,いかんせん大きいし,重さが9kg近くもあって,かなり重いです。街で見かけることも多くて,加えて3輪バギーという周囲に対する威圧感が,小市民である私を貫く視線となるような気がして,落ち着きません。

 コンビやアップリカという定番のB型ベビーカーも検討しましたが,小さく折りたため,かつ軽いものは乗り心地という観点でどうもしっくり来ませんでした。その割には結構高価だったりします。

 オランダのBagabooの,Beeというベビーカーは,高い剛性感,スポーツカーのような格好良さ,そして4輪に装備されたサスペンションでかなりグラグラきたのですが,大きく重く,そして10万円というお値段で断念しました。

 いろいろ迷っているうちに,ふとWEBで見つけたのがMICRALITEでした。

・乗り心地

 MICRALITEの衝撃吸収の考え方は,アルミパイプでしっかりしたフレームを作り,前後の重量配分を25:75にした上で,後輪の12インチの大口径空気入りタイヤで吸収するというものです。

 前輪はウレタン製のタイヤを履く小口径のもので,左右に首を振る構造です。この車輪に衝撃吸収の能力はありませんが,重量配分から明らかなように,ここに大きな加重がかかるわけではありません。

 4輪とも,直接フレームに取り付けられているので,特にサスペンションもダンパーも付いていませんが,太く柔らかい空気入りゴムタイヤがかなり良い感じで衝撃を吸収します。空気圧はちょうどサッカーボールくらいですので,通常のガタガタ揺れるベビーカーに,サッカーボールを1つ置いて,その上に赤ちゃんを座らせた感じを想像すると良いかもしれません。

 シートはハンモックタイプです。マイナーチェンジ前は全てメッシュだったのですが,Classicになってからは底面だけメッシュで,左右はしっかりした布に変わりました。私はこの方が望ましいと思います。

 そのシートは120度と140度の2段階でリクライニングします。140度だとかなり上を向くので,うちは120度で行くことにします。

 実際に走らせてみますと,石畳や荒れた舗装道路の振動が吸収されて,赤ちゃんへの負担は小さいようです。前輪からの振動は避けきれませんが,これが4輪全部のベビーカーだとかなり辛いでしょう。

 アルミのフレームはしっかりしており,ほとんどたわみません。ですので赤ちゃんがゆらゆらと揺られることもありません。

・重量

 SuperLiteClassicは公称6.6kgです。大口径空気入りのタイヤを履くベビーカーとしては,この重量はかなり軽いです。

 このくらいの重さだと,持ちやすさの良し悪しで,体感する重さに差が出ます。持ちにくいとか,片手で支えないといけないととても重く感じますが,たためば持ちやすいし,自立しますので6.6kgでもそんなに重いとは感じません。

 また,走り出せば,転がり抵抗が小さいことと,後述する取り回しの良さから,全く重さを感じません。とても快適です。

・折りたたみと自立

 折りたたみは2つの点で評価します。まず,折りたたんだ時にどれくらい小さくなるかですが,なにせ後輪が12インチですから,これ以下にはなりません。後輪のトレッドは小さく,前輪のトレッドは大きくなっているので安定感と取り回しの良さが両立するのですが,折りたたむときは,前輪が前後左右に縮み,後輪の間に収まります。

 片手で折りたたみ出来るかといえば,ちょっと難しいと思います。慣れれば可能という意見もあるでしょうが,慣れないとだめという意味ですし,全ての人が慣れるとは限りません。剛性感があるのでスムーズに変形しますが,ロックのかかり方が緩いので,変形の完了がわかりにくいかなあと思います。危ないですから,ここは改良が必要かも知れません。

 自立ですが,一応大丈夫という感じです。前輪が左右に縮むときに,左右に渡してあるアクスルが,くの字に折れます。折れた部分が下側に張り出し,これが地面と接して,前を支える足になります。

 これと2つの後輪で3点支持されて自立するのですが,ハンドルが大きいことと,シートが結構高い位置にあって重心が高いことに加えて,前を支える足が後輪に近いため,グラグラと大きく揺れるのです。決して簡単に倒れてしまうわけではないのですが,見ている人に不安を与えてしまうような不安定さですので,余り褒められたものではないと思います。

 ところで,後輪のロックを解除すれば,持ち上げることなく,引きずって行くことができます。大口径の車輪ですし,ちょっとした段差くらいならそのまま乗り越えて行きますので,必ずしも持ち上げて動かす必要はありません。

 ただ,折りたたんだ状態では背丈があります。私なら大丈夫なのですが,背の低い嫁さんなんかは,結構苦労しそうな感じです。

・格好良さ

 ちょっと他にない独特のデザインで,格好いいと思います。後述のように4万円ちょっとで買えるものですので,高級感はありませんし,威圧感もありません。

 まず目に飛び込んでくるのが12インチの大口径タイヤです。黒い3本スポークのホイールに取り付けられていて,これがこのベビーカーを強烈に印象づけます。

 そして前輪は前に飛び出し,かつ左右に広がっていますので,まさに前輪が放射状に広がったような感じです。この前輪と後輪の間にシートがはまり込んでいます。

 私は黒を買いましたが,フレームからホイール,ハンドルに至るまで全て黒です。あまりに真っ黒なので面白味に欠けるなあと思っていたのですが,座り心地改善のために別売りの赤いクッションを取り付けたところ,非常に精悍なイメージに変わりました。まさにライトウェイトスポーツという感じです。

・お値段

 先にも書きましたが,お値段は実質4万円くらいでした。通常45000円くらいで売られているようですが,これはClassicのお値段で,マイナーチェンジ前だと値引き前でも4万円,

 この手の輸入ベビーカーとしては,破格の安さではないかと思います。あるいは,国産まで含めても4万円でこの剛性感とこの機能というのは,なかなかないのではないでしょうか。

 確かに,高級感はありません。厳つさもありません。中国製ですし,軽さが見た目でわかります。細いフレームが前後左右に広がっているので,華奢な印象がないわけではありません。しかし,しっかりとしたアルミフレームは繰り返しているようにかなり高い剛性を持っています。

・取り回し

 赤ちゃんを乗せて早速走らせてみると,まずゴムタイヤのおかげで転がり抵抗が少なく,とても軽く動かすことができます。しかも剛性があり,しなることもきしむこともありませんから,とても楽に動かすことができます。

 これは大事な事ですが,後輪のトレッドが狭いことで,運転者の足下が案外狭いのです。なので,大股で歩くことが出来ず,自動的に走行速度に制限がかかります。急いで歩こうとしても,そういうわけにはいかないのです。これは安全上,本当によく考えられていることだと感心した点です。

 後輪のトレッドが狭いことは,左右に曲がる事も楽にします。つまり,後輪の左右の内輪差と外輪差が小さくなりますから,曲がるときの抵抗が小さくなってくれるわけです。

 また,重心の位置がよく考えられているので,乗る方も動かす方も楽ちんでしょう。

 しかし,このベビーカーには,その取り回しの良さ故の問題があります。

 まず,後輪のトレッドが小さい事で,左右に振り回すのが楽な点は,想像以上に赤ちゃんに横Gをかけてしまいかねません。

 ベビーカーの回転中心(旋回中心ではないのでご注意)は後輪の位置で,重心はその前方にありますから,左右に曲がるときに赤ちゃんが振り回されるのですね。端に寄せるときなど,自動車の要領で切り返しを行って寄せていくのですが,娘が結構ゆらゆらと揺すられているのを見て,まずいなと思いました。

 これが国産のものだと,後輪のトレッドが広いので,急に左右に曲がることがそもそも難しく,穏やかに曲がることになりますし,回転中心も後輪よりも前に出てきます。その分最小旋回半径が大きくなって取り回しが大変という事になるわけですが,赤ちゃんへの負担は小さいでしょう。

 なお,オーバーハングはフロントもリアも小さく,このあたりは普通のベビーカーです。ただし,着座位置に対し前輪が離れていますので,旋回時の鼻先の動きは随分大きくなります。

 ホイルベースはそんなに長くはないのですが,後輪のトレッドが狭いので,旋回時に前輪をパスしても,後輪が乗り上げてしまうことがあります。それを計算してラインを読んでカーブを抜けると,今度は赤ちゃんが大きく振り回されてしまうので,要するにカーブはゆっくり曲がれ,と言うことになりますね。当たり前か。

 ところで,前輪が左右に広がっていることがちょっと問題になりました。絶対的な幅は他のベビーカーとそれ程変わらないと思うのですが,後輪が狭くなっていていることと,運転している大人の目から前輪の位置が最も遠いところにあるということで,目測を誤るのです。

 嫁さんは自然に左によってしまい,ガードレールの支柱に前輪をボカンとぶつけてしまいました。回転中心が後輪にありますから,ちょっとハンドルを切れば前輪は大きく動いてしまいます。そこへ元々前後左右に広がっていると言うのですから,実は前輪の感覚を身につけることが,このベビーカーの運転ノウハウと言えるかも知れません。

・幌

 自動車で言うところのソフトトップがついています。ブリティッシュライトウェイトスポーツでカブリオレというのは,なかなかしびれるものがあるわけですが,後方視界の確保が必要ない代わりに,天井に丸い穴が開いていて,ここに半透明な窓がついています。これは運転者が赤ちゃんの様子を確認するためのものなのですが,実際の所良く見えません。自動車で言うところの,後方視界は絶望的,というやつですね。

 幌は手動開閉式で,簡単に格納できます。ただ左右はほとんど隠れないですし,案外浅いですから,遮光にはあまり貢献しない印象です。これがオプションのレインカバーだとすっぽり隠れます。

・ラゲッジ

 自動車で言うところのラゲッジスペースですが,これは絶望的です。シートの下側にネットがあり,ここに荷物を置くことが出来るようにはなっていますが,20cm四方で高さが10cmくらいの箱が置ける程度です。

 一応,荷物を固定するためのベルトがついていますが,屈んで手を伸ばして固定するのは,なかなか骨が折れるでしょう。

 しかも,路面すれすれの位置にありますから,土埃や泥はねは必ずあるでしょうし,荷物の形状によっては地面に触ってしまうのではないかと思います。また,ベビーカーをたたむときには取り出さなくてはなりません。あまり使い勝手は良くないでしょう。

 ところで,国産ベビーカーでよく見る,ハンドル部分に荷物を引っかけることは出来ません。ハンドルが後輪よりもやや後ろにあり,後輪に75%の荷重がかかっていますので,ハンドルに重量物を引っかけると前輪が浮いてしまいます。

 私は,国産のベビーカーでも,こうして荷物を引っかけるのは危険だと思います。ちゃんと設計されていればよいのでしょうが,前後の重量配分が大きく変わってしまうわけですから,可動部分を設けるなどの,荷重補正を行うしか安全性を確保出来ないんじゃないかと思うのです。

・ハンドル

 ハンドルはU字になっていて,ロックを緩めれば自由に回転させることが出来,好みの位置で固定することができます。ウレタンのスポンジでくるまれているのでなかなか手に馴染みます。冬も冷たくないでしょう。

 この調整機能は,どちらかというと運転者の身長によって調整されるものだと思います。背が高い人は上向きに,低い人は下向きにするとちょうど良いはずです。

・ブレーキ

 ブレーキは残念ながら装備されていません。走る,曲がると並んで,最も重要な機能である止まる,がおろそかになっているのですが,例えば後輪だけでも左右独立でブレーキがあると,左右の旋回ももっと機敏になっただろうし,下り坂の安全運転にも貢献したはずで,このベビーカーの唯一残念な所です。

 パーキングブレーキ,といいますか後輪のロックは当然あります。摩擦式ではなくて,凹凸が勘合するものですので,勝手に緩む心配はない代わりに,運動エネルギーを熱に変える事は出来ませんから,荷重移動に使うなど攻めるブレーキングは出来ません。当たり前か。

・オプション

 今は手に入りにくいようですが,前輪も空気入りのタイヤにするためのキットが売られています。安かったので私も買いましたが,結論から言うと失敗でした。

 前輪を外し,左右にアルミパイプで出来たリジッドアクスルを渡します。この段階でこのベビーカーは折りたたむことが出来なくなりました。

 そしてこのアクスルの両端に,後輪と同じ12インチの車輪を取り付けます。ここまで来るとさすがに厳ついです。

 高さは上手く調整されているので換装後も違和感なく動かせますが,致命的な欠点として,左右に曲がらなくなります。

 前輪が首を振らず,リジッドですから,直進しか出来ません。タイヤをスリップさせながらなら曲がることが出来るだろうと思いましたが,太いゴムタイヤの接地性の高さをなめていました。

 大きく回れば,左右に旋回できますが,このベビーカーの利点の1つである取り回しの良さは絶望的になりますので,ストリートユースでの実用性はゼロです。ただし,砂漠では圧倒的な走破能力を見せつけてくれることでしょう。

 カタログには悪路走破性能を向上させるオプションであり,ストリートでは取り回しが悪くなるよと書いてありますので,私のようにインドアな引きこもりが買うようなオプションではなかったということでしょうか。

 まあいいです。この前輪はシルバーのホイールですが,ちょっと部品を交換すれば後輪にも使えます。スペアを買ったと思えばいいでしょう。結構パンクするようですし,パンクすると全く使い物にならなくなってしまうわけですし。

 次にレインカバー。透明のビニール製で,専用のキャリングケース付きです。幌をたたんだ状態で取り付けると,すっぽりと下まで覆われて,雨や風から赤ちゃんを守ってくれます。

 ただし,これを雨の降るなか屋外で着脱するのは無理です。かといって取り付けた状態ではたたむことが出来ませんから,いったいどういう状況で使えば良いのか,ちょっと難しいところだと思います。

 引きこもりの私に言わせれば,そもそも雨の日に外に出るなよといいたいわけで,どうしても外に出なければならない緊急時の装備ですね。

 最後にキャリングバッグ。バッグ?こんなごっついものを,鞄に入れるのか?と我が目を疑いましたが,届いてみると,確かにすっぽり入ります。軽くて丈夫なバッグはそんなに悪いものではありませんが,なにせこれに7kg近いものを入れて,肩から提げるというのですから,嫁さんの「正気か?」という視線が実に刺さりました。

 まあその,テニスの大きなバッグをもうちょっと長くしたような感じです。そうですね,ゴルフバッグ・・・くらいでしょうか。

 果たしてこれが便利に使えるシーンがあるのかどうか,買ってから考えた私でありました。

 実際に買ったオプションはこれとシートクッションくらいですが,他にももう一人子供が立ち乗り出来る台車を後輪の後ろに取り付けることが出来たり,背の高い人向けにハンドルの長さを延長するものがあったりと,オプションはいろいろあります。国産のベビーカーにはない,面白さでしょう。


・まとめ

 想像以上に大きく,重量もあって,正直なところ小柄な女人にはちょっと手に余るものだと思います。一度走り出せば取り回しは楽ちんで,とても快適なお散歩が出来る事は間違いないですが,駅の改札は車いす用の広いところを探す必要があるでしょうし,たたんでも結構大きいですから,混雑した電車だと周囲の視線が痛いと思います。

 乗り心地については,娘は喜ぶことはないのですが,すやすやと眠ってしまいますので,そんなにおかしなものではないのでしょう。着座位置も高いところにありますから,地面が迫ってくる怖さや,自分よりもはるかに高い位置にある大人の顔に怯えることもなく,安心してもらえているのであれば,狙い通りです。

 欲を言えば,もう少し折りたたんだ時に小さくなって欲しいのと,自立時の安定感を増して欲しいところです。変形の機構もちょっと難しいものがあり,もうちょっとスムーズになればなあと思います。

 それと前輪です。せっかく後輪が大口径のゴムタイヤなのに,前輪がその足を引っ張って乗り心地を悪くしています。前輪だけでもサスペンションを付けてもらうか,小口径でも空気入りのゴムタイヤを履いたものに交換出来ると抜群だと思います。

 せっかく買ったのだからとあまり窮屈に考えず,このベビーカーの利点を生かして,楽しく使っていこうと思います。電車での移動や嫁さん一人での扱いなど,必ずしもこのベビーカーが万能という事ではありません。軽くて華奢でも近距離移動用に割り切って,安いものを買い足してもよいと,それくらいに考えてもいいかも知れません。

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