エントリー

カテゴリー「散財」の検索結果は以下のとおりです。

秋の夜長に逆ポーランド

  • 2010/11/04 19:30
  • カテゴリー:散財

 一部のマニアに圧倒的な支持を受けているHewlett-Packardの電卓ですが,ふとしたことから,HP20bが安く売られていることを知り,ついつい買ってしまいました。

 このHP20b,金融用電卓という,私のようなお金に疎い人間にはなんだかピンと来ない電卓なのですが,HPの電卓は逆ポーランド計算機であること,科学技術用の関数電卓のパイオニアであることに加え,金融用の計算機の代名詞としても,よく知られています。

 とりあえず,ローンの計算やら,複利の金利計算やら,私にとっては人生で2度か3度しかないと思われる計算を,わざわざ専用の計算機でやることはないよなーと無関係を決め込んでいたのですが,約3500円という価格で逆ポーランド計算機が手に入るというのはなかなか面白い話で,いっちょ買ってみるか,という事になったのです。

 もう1つ,実はこの計算機,ARM7を使ったプラットフォームとして,自作をする人に各種の技術情報が公開されているという,珍しい電卓です。回路図,書き込み方法,SDKがHPから無償で配布されているので,その気になればこの電卓で走るプログラムを作ることが出来ます。

 キーボード,電源回路,ドットマトリクス表示を含むLCDを装備し,小綺麗なプラスチックの筐体まで用意されたプラットフォームが3500円ですので,これはmake:な人にとってはたまらんものがあるでしょう。

 発売から数年経過した現在,さぞやたくさんのプログラムが作られたんだろうなと期待して探してみましたが,残念な事に皆目見つかりません。HP42sのエミュレーションを行うプログラムは見つけましたが,パワーマネージメントが実装されていないなど,ちょっと実用にならない感じです。

 SDKがあるとはいえ,開発環境は自分で揃えなければならないので,誰でも簡単に取り組めますよというものでもなく,それなりの気合いと根性がなければいけない世界ですから,私のような甘い人間は最初から他力本願で,もしダメでもHP20bという電卓として,普段の生活に便利に使おうと考えていました。

 ということで,先日の土曜日に手元に届いたHP20bですが,私がぱっと触った第一印象は,なかなかええやないかこれしかし,というものでした。

 この電卓,登場時は1万円近くしたものなんだそうですが,特に評判が悪いのがキーです。HPの電卓に特徴的なクリック感がないこと,そしてキーの上側を支点に下側だけが沈む,あの独特な機構が採用されておらず,普通の電卓のようにキー全部が沈み込む,というもので,熱心なマニアはこれがとにかく許せないのだそうです。

 私はそんなに熱心ではありませんので,純粋に使いやすいかどうかだけで判断しましたが,使いやすいとは思えないが,まあそんなにヤイヤイうるさくいうほどでもないなあと思います。

 確かに誤入力もおきやすいし,クリック感がないので本当に入力されたか不安になることもありますが,少なくとも触っていて「嫌だな」と思うような感じはなく,使っていて楽しい電卓ではないかと思いました。

 ふと,評判の良いHP35sのキーが,私にはそんなによいとは思えなかったこと思い出しました。あのクリック感と深いストロークが,肩に力が入ってしまうのですね。HP20bはその辺がとてもライトな感じです。

 持った感じも悪くありません。左手で持ち,右手でキーを押すようにすると,案外サクサク入力出来ます。なにかと出番の多い[INPUT]キーがちょうど左手の親指で押せる位置にあるので,スタックに積むという操作がとても楽です。

 パッケージには英語と日本語それぞれのクイックスタートガイドが同梱されています。全部を網羅したマニュアルではありませんので,ここに書かれていないこともたくさんありますので,本家HP.comから英文のマニュアルをダウンロードしておく事をおすすめします。

 さて,ここまで印象がよいと,技術用の計算に使えるのかどうかが俄然気になってきます。理系には理系の数字に対するこだわりもありますので,ここが気に入らないと,即ジャンク箱行きです。

 まず逆ポーランド記法による入力です。初期設定では連鎖(Chain)モードという,普通の電卓のような入力方法になっているので,せっかくHPなんですから,これは即座に逆ポーランド記法にしなければなりません。

 [SHIFT]と[Mode]で設定メニューに入り,上下キーを何度かおして,Chainが出てきたら[INPUT]キーでRPNにします。これで切り替わりました。

 なお,ALGモードという,ちょっと気になるモードも用意されています。これは,乗除算や括弧の中身を先に計算するとか,演算の規則に従って計算をするモードです。+なり-という演算子を打ち込んだだけでは計算が行われませんので,ポケコンに近いと言えば近いですね。

 一応式の通りに打ち込めば答えは出ますし,馴染みやすいと言う点ではこれを目当てにこの電卓を買ってみるのも悪くはないかも知れません。でもシャープやカシオの関数電卓がもっと安く売っているのですから,わざわざこれを買う理由にはならないですね。ついでにいうと,式の評価の結果保留される計算の数は7つまでとのことです。

 さてさて,ここまでは楽勝です。次は表示の桁数。なんとこの電卓,初期設定では小数点以下が2桁に丸められて表示されます。なんと3.141592が3.14としか出てきません。内部では15桁精度が保持されており,表示される段階で丸められるのですが,これはちょっと論外ですよね。ゆとり教育にもほどがあります。(あ,ゆとり教育では3でしたね)

 で,さすがにこれは設定を変更できます。[SHIFT]と[Mode]で設定に入ることが出来ますが,最初に出てくるFIXという設定を,現在の値の2から変更すればよいのです。

 しかし,ここを9なんかに設定すると,クリアしたときの表示が0.000000000と小数点以下ずらーっとゼロが列んで,見にくいことこの上無しです。なんでわざわざこんなことをするのかなあと思いつつ,これは金融向けの電卓なんだと,無理に納得するしかありません。

 ここでTipsです。英文マニュアルによると,このFIXの値を-1に設定すると,通常の電卓と同じ表示になるそうです。小数点以下ゼロになっている桁は表示がされず,3.1415926は3.14でも,3.141592000でもなく,ちゃんと3.141592と表示されます。

 ただ,普通の電卓と違うところもあって,1/3は,普通の電卓なら0.33333となるところを,この設定では3.333333(-1)と出てきます。(-1)というのは左端の指数表示の小さい数字表示領域の表示です。

 これは指数を使った表示ですが,私たちにとってはこの表示は大変身近で,見やすいものです。0.0000043などと言われてもややこしいだけですが,4.3(-6)と出てくれればすっきりですね。10倍単位で大まかに大きいか小さいかをさっと判断するというのは,慣れればとても便利な考え方です。

 もう一つTipsです。このFIXの設定はショートカットが用意されています。[SHIFT]を一度押し,[SHIFT]を押しながら数字のキーを押すと,その数字がFIXに設定されます。1を押した後[+/-]を押せばちゃんと-1に設定もされますので,使ってみて下さい。

 ところで,このFIXの設定は,[SHIFT] [RND]による丸めにも有効なのですが,-1が設定されていると0が設定されていると解釈されるようで,小数点以下がばっさりと落とされます。本当なら設定が別に出来て,FIXが-1でも[SHIFT] [RND]で少数以下2桁に丸めるなどと出来れば便利かなと思うのですが,残念です。

 この段階で,普通の電卓を越えました。さて,次は常用対数の扱いです。もともと金融向けですので,複雑な関数は期待できないのですが,この電卓はちょっとした関数なら扱えるようになっています。

 しかし,キーボードには「log」の文字がありません。LNやらeやら,自然対数に関係する関数はありそうなのですが,肝心の底を10に持つ対数が扱えないのは辛いところです。

 これをgoogle先生に尋ねてみたところ,底の変換公式を使ってしのげ,と恐ろしいことを書いてありました。ただでさえ逆ポーランド記法という慣れない方法でスタックを意識しながら操作するのに,底の変換公式まで持ち出すとなると,もうポケコンでいいよ,とあきらめてしまいそうです。

 ここで再びTips。常用対数を扱う方法です。HP20bにはMathメニューという,普段余り使わないと思われる関数群をメニューから選択する方法があります。クイックスタートガイドも,説明書もさっと流してあるだけなのでスルーしそうですが,このMathメニューに,常用対数が用意されていました。

 例題)電圧増幅率2倍は,何dBか?
 操作)2 [SHIFT] [Math] [↑] [↑] [INPUT] 20 [*]
 答え)6.02

 Mathメニューの一番最後にLOGという項目があります。ここに素早く到達するには↑を2度押すのが良いようです。

 さて,これで電気屋さん必須のdBの計算が出来るようになりました。どうにか技術向けにギリギリ使える電卓と言えそうです。

 もう1つおまけのTipsです。[SHIFT] [Math]のあともう一度[Math]を押すと,円周率πの値が表示されます。スタックして使うと,いちいち打ち込まなくていいので楽です。

 続いてRPNならではの使い方です。電気屋さんはよく,抵抗を2本使って電圧を分圧して欲しい電圧を作ります。これをさくっと計算して見ます。

 例題)12kΩと24kΩを直列につなぎ,12kΩに3.3V,24kΩに0Vを加えた。中点の電圧はいくらか?
 操作)24 [INPUT] [INPUT] 12 [+] [/] 3.3 [*]
 答え)2.2

 これは単純な計算だけですので,普通の電卓でも問題ないように思いますね。でも,実はこの計算,同じ値が分母と分子に二度出てきます。これを2度打ち込むことが苦痛でない場合は別に構わないのですが,RPNですと[INPUT]を2度押して,スタックに2つ積むことで入力回数を減らせるのです。

 今回は24くらいだからいいですが,これが23.946826だったりすると,面倒なばかりか入力ミスも心配になります。これは便利な仕組みです。(とはいうものの,電気屋としては23.946826はもはや24としても問題ない数なので,あんまり説得力はありませんね。)

 では続いて,抵抗の並列接続の合成抵抗を求めましょう。

 例題)47kΩと27kΩを並列に繋いだ時の合成抵抗はいくらか?
 操作)47 [INPUT] 27 [*] [SHIFT] [ANS] 47 [+] [/]
 答え)17.1486kΩ

 いろいろな入力方法があると思うのですが,私がまず考えついたのはこれです。本当は47も27も入力済みなので,両方とも再利用できるとよかったのですが,スタックの状態を考えるのはこのくらいが限界ですね,今の私には。

 悔しいので意地になって47も27を再利用する方法を考えてみました。

 操作)47 [INPUT] [INPUT] 27 [INPUT] [INPUT] [↓] [*] [↓] [+] [↑] [∝] [/]

 まず4つのスタックに数字を詰め込み,上下キーとスワップを使って計算します。確かに数字の入力は一度きりですが,スタックの操作がややこしくて,ちょっと私にはしんどいです。

 こんな感じで,本来電卓は暗算にはちょっとつらい計算を手伝ってくれることがありがたいわけです。私などはゆるい技術者ですので,複素数計算や行列計算が,電卓でやらねばならないほど身近な存在ではありませんので,このくらいで十分です。

 ついでですので,発光ダイオードの電流制限抵抗の計算もやってみましょう。

 例題)電源電圧5V,VF=1.8VのLEDに8mAを流す抵抗を求めよ。
 操作)5 [INPUT] 1.8 [-] 8 [SHIFT] [EEX] 3 [+/-] [/]
 答え)400Ω

 ここで,[SHIFT][EEX]ですが,これは指数を使って入力するものです。8mAというのは0.008Aのことで,8x10^(-3)Aのことです。8E-3Aと書くこともありますね。ミリとかマイクロとかナノとか,こういう補助単位を我々は頻繁に使います。1つや2つなら頭の中で計算できますが,たくさん出てくると素直に補助単位も入力に反映させた方が楽な場合も多く,私は間違いを防ぐためにも,多用する癖があります。

 まあ,もっというと私の場合いちいち真面目に計算などせず,ざっくり1kΩをいれて3.2mAで動かしてしまうんですが・・・最近のLEDなら1mAも流せば十分明るいですし・・・え,そんな話はどうでもいいですか。そうですね。

 では次にHP20bに備わっている,ちょっと面白い計算機能です。

 例題)3.141,2.718,1.414,1.732,2.236の総和,平均を求めよ。

 まず,[SHIFT] [Data]でデータ入力モードにします。X(1)と出ますので,ここに1[INPUT]とし,Y(1)に3.141[INPUT]と入れます。X(2)となるので2[INPUT],2.718[INPUT]とし,以下同じように入力していきます。

 Y(5)まで入ったら,[SHIFT] [Stats]で統計モードに入ります。2Varsと表示されていると思いますが,無視して[↓]を3回押します。Sumsと出るのでここで[INPUT]を押し,[↓]を押してΣYにすると,11.241という総和が出てきます。

 次に平均です。[SHIFT] [Stats]で[↓]を押すとDescriptiveと表示されます。ここで[INPUT]を押すとアイテム数が5と出ていますので,[↓]をy Meanと出てくるまで押します。すると2.2482と出ています。

 これ,案外便利に使えるかも知れません。なお,このデータのクリアは[SHIFT] [Reset]でStatsを表示させ,[INPUT]を2度押します。

 もう1つお遊びをご紹介。日数計算です。

 例題)1972年10月3日生まれの人は,2010年11月4日まで何日生きたことになるか?

 まず,[SHIFT] [Date]で日付入力モードに行きます。Date1の入力画面になりますので,10.031971[INPUT]と押します。ややこしいのですが,最初に月,ピリオドを入れて日,続けて年を入れます。

 [↓]キーを押すとDate2の入力画面になりますので,同じように11.042010[INPUT]と入力します。

 ここで,入力した画面で,画面右の指数表示の部分に数字が出ていますが,これ実は曜日です。2010年11月4日は木曜日ですので,月曜日から数えて4番目,すなわち4という数字が出ています。

 そしていよいよ日数の表示です。[↓]を押して,Between Daysが出てきたら[=]を押す(押さないとダメです)と,13911と表示されます。この2つの日付の間は,13911日あるということになります。

 これはなんの役に立つのか,私にはちょっとわからないのですが,おそらく私の知らない金融の世界では重要な計算なのでしょうし,ネタとしてワイワイおもしろがる計算としては,なかなかのものではないでしょうか。

 最後にお約束の,HPの電卓に古来から伝わる,伝説の計算をやっておしまいにしましょう。

√( (8.33*(4-5.2)÷((8.33-7.46)*0.32))) / (4.3*(3.15-2.75)-(1.71*2.01)) )

 答えは,もちろん,4.57278428023です。普通の電卓,あるいはポケコンでこの計算を頑張って解いてみて下さい。ふふ。

MacBookAir 11.6inch 4GB 64GB USkeyboard,届く

  • 2010/10/28 16:11
  • カテゴリー:散財

 新しいMacBoookAirがなかなか好評のようです。

 聞けば,銀座のAppleStoreなどでは,人だかりができて満足に試すこともできないくらいだそうで,変な話,Windowsマシンでこれだけ話題になるマシンというのは,まずないのではないかと思います。(Macでもそうそうあるわけではないですが)

 Jobsは7インチサイズのタブレットを否定しましたし,Netbookも否定しました。ただ,Netbookには価格と大きさという2つの要素があり,今回のMacBookAirの11インチについては,大きさについては否定しなかったことがはっきりします。

 私は,iPadは大きすぎるし,3Gによる常時接続がなければ意味がなく,しかしそれは得られるもの以上に維持費がかかるという点で,見送っていました。ただ,大昔の噂の通りiPadがタブレット型のMacであったなら,小型のMacOSXマシンとして物欲ゲージMAX,意識が戻った時にはカードでの決済が済んでいたことと思います。

 その後も相変わらず,MacOSXの走るマシンがNetbookくらいの大きさで出るのだとしたら,それは購入に値するものになると考えていましたし,今住んでいるところはMacのある2階まで行かないとメールも見れないという状況でしたので,先日のMacBookAir発表の朝,ポチってしまっていました。

 まず,キーボードはUSにしたいところなので,量販店で買うという選択肢は最初から落ちます。問題はメモリをどうするかですが,4GBにするには10800円の追加料金が必要です。

 2GBはオンボードと書かれていますが,増設が可能なのか,それとも4GBオンボードになるのか,そこが不明です。増設可能ということならとりあえず2GBを買っておき,必要に応じてもう2GBを増設すればよいのですが,4GBもオンボードならそういうことはできません。

 悩んだのですが,増設できるとしてもSO-DIMMでできるとは限らないし,SO-DIMMでできるとしても今の2GBを捨てないといけなくなるかも知れないし,結局そんなに安くならない割には手間も増えて,しかも信頼性に不安を抱えることになるなら,10800円払ってお願いしておこうと考えました。どのみち最後には4GBにするわけですし。

 この判断は正解で,後にMacBookAirは増設ができず,4GBにするならBTOで選ぶ必要がありました。

 ストレージはサブマシンですので64GBもあれば十分,よってクロックも1.4GHzと低スペックです。結局メモリだけ4GBにするという慎ましい構成とし,よって価格は10万円以内に収まってくれました。

 10月21日の朝に注文,商品の出荷が10月23日,上海を経由し日本に入ってきたのが25日です。受け取りは27日となりました。

 以下,インプレッションです。


(1)大きさ,重さ

 画面が11.6インチということなので,いわゆるNetbookくらいかと思っていたのですが,16:9のワイド画面で11.6インチ,しかもキーボードはフルサイズということで,想像以上に大きいという印象をもちました。

 これはまあ,私が勝手に「Netbookくらいだろう」と思っていたからであって,そういう思い込みがなければもっと感動出来たに違いありません。

 重さについては約1kgとなっていて,これは合格です。パタンと閉じて小脇に抱えると,それがコンピュータであるという感覚が薄れ,まるでファイルや大判の本を持っているような気分になります。

 気になる薄さですが,確かに薄く,床に置いておくと踏んづけてしまいそうです。ただ,実際以上に薄く見せるデザイン上の工夫も多く,手に取ってみると感じた薄さよりも分厚いかも知れないと思うこともありました。

 感心したのは,薄いことが使い勝手を全く邪魔せず,むしろ使いやすい方向に貢献していることです。テーブルにおいてパームレストに手を置くと,手前側がより薄く低くなっていることで,手首への負担が小さい事に驚きます。これはMacBookProでは味わえない好感触ですね。


(2)動作の軽快さ

 1.4GHzのCore2Duoはすでに「遅い」CPUですが,メール,WEBブラウズ,日本語の入力を含めた日常的な作業に,全くストレスはありません。そもそも,2GHzを越えたクロックのCPUは,日常的な作業でその速度を体感することは,人間が遅すぎて難しいというのが私の持論です。むしろ,数秒単位で待たされる外部記憶装置のアクセスこそ,改善されるべきところです。

 その外部記憶装置はHDDではなくSSDになっています。このSSDはなかなか高速ですよ。ベンチマークはとっていませんが,起動も「えっ」と思うほど速いですし,ファイルを探したり開いたりという作業は,ほとんど待たされません。


(3)キーボードとトラックパッド

 キーボードは最近流行のキートップが分離しているタイプです。なぜこれが人気なのか私にはよく分かりません(これってPHC-25そっくりじゃありません?)が,使い心地は良いです。

 ストロークはやや浅めですが,とても軽快な感触で,特にキーが底を打ったときの打ち消しが良くできているなと感じました。

 それはともかく,USキーボードにして良かったです。私はショートカットを多用するので,左右の親指の位置にコマンドキーがないとつらいのです。

 トラックパッドは,ボタンのない今時のタイプが初体験な私でも,慣れれば問題なく使えるようになりました。移動速度はMAXでも遅いくらいなので,もう少しどうにかならんかと思うのですが,慣れればこれも気にならなくなります。

 トラックパッド本体を押し込むことでボタンを押すことになるという仕組みは,ちょっと慣れないかもしれないと最初は感じていました。というのは,左ボタンの操作は問題なくできても,右ボタンの操作である二本の指で触りながらボタンを押すという操作は,直感的に繋がりにくく,新しい操作系のように感じたからです。

 結論から言うとこれも慣れました。まだちょっとぎこちないですが,コンテクストメニューは案外使うものなので,慣れるしかありません。

 しかし,どうも腑に落ちないのです。なぜボタンを廃止しないといけなかったのか。別にボタンがあってもよかったと思うのですが,もしこれがデザイン重視ということなら本末転倒のように思いますし,操作性を重視したというなら,もう少し工夫が必要なのではないかと,そんな風に思いました。

 昔からそうですが,MacはGUIを実装したOSの先駆です。それゆえポインティングデバイスがなくては成立しないマシンですから,ノートPCになってもそこは妥協が許されません。

 思い出して欲しいのですが,キーボードの手前にポインティングデバイスがあるというノートPCの「型」は,PowerBook100/140/170が元祖です。そういう切っても切れないポインティングデバイスとの縁を持つメーカーだからこそ,大胆さと慎重さを持っていて欲しいなあと思います。


(4)ACアダプタ

 45Wのアダプタは,数年前のMacBookのものに比べて一回り小型化されているようです。基本的な形状は変わりませんが,MagSafeは新しいものに代わっています。


(5)スタンバイ/ハイバネーションからの復帰

 「インスタントオン」という言葉で,IPhoneやiPadから取り入れた技術だといっていますが,正直なところそんなに大げさな話ではないと思っていました。

 私はMacBookProでも,電源を切ることはせずに,ほとんどの場合LCDを閉じてスタンバイにいれて使っています。

 これでも実用上問題のない素早い復帰が行われていて不満は全くありませんでしたが,MacBookAirの復帰の速さは,もう瞬時と言ってよいでしょう。

 電源ボタンでスタンバイに移行する手段については,電源ボタンを長押しをしないといけなくなった関係で軽快さは失われていますが,その分LCDをパタンと閉じる心地よさが癖になりそうなくらいです。これはきっと,日常的にスタンバイに誘導するというユーザー体験を目指しているんでしょうね。


(6)LCD

 グレアのLCDですが,良くも悪くもないという,普通のLCDです。ややピッチが小さく,文字は小さめに見えますので,慣れるまではしんどいかも知れません。

 それより,気になったのはLCDの周囲にある額縁の太さです。何が一番気に入らないって,この額縁は新しいMacBookAirの中で,最も不細工なものでしょう。銀色の縁が視野にぱっと入ってくる度に,志向は途切れ,がっかり感が覆い尽くしてしまいます。細かいことかも知れませんが,これは良くないです。

 スタンバイの所でも書きましたが,LCDの開け閉めは,もうため息が出るほど良くできています。軽いマシンですし,ラッチ機構もないLCDですから,パタンと閉じている力に逆らって開けるには,本体をもう一方の手で押さえておかねばならないだろうと思っていると,ちゃんと手前の切り欠きに指を添えて,上に引っ張り上げると,すすーっと心地よく開いてくれます。

 閉じるときはハードカバーの本を閉じるときのような「パタン」という音と共に,丸で吸い込まれるようにしまってくれます。LCDの周りに,ゴムのような突起物がぐるっと1周してあり,これが本体と接触することで,あの独特の感触が得られているのだと思います。

 閉じたときに片側だけ浮いているとか,閉じた後に少し開くなどの問題も全くありませんし,LCDを開いている途中の,トルクの変化も実になめらかで,本当にこの開け閉めだけは,心地よいです。


(7)熱

 いわゆるCULVノートに入るマシンですから,そんなに熱で大変とは思っていませんでしたが,ちょっと使った限り「あついな」と思った事はありませんでした。この薄さですから,熱源があればすぐに表面に出てくるはずですが,ほんのり暖かいとはおもったものの,熱いという感じはありません。重い処理をさせれば熱くもなるでしょうが,このマシンでそんなことをするのは,誤りでしょう。


(8)その他

 他に気付いたところですが,どうも無線LANの感度がちょっと弱いようです。切れるとか遅いとかそういう問題はないので気にする必要もないのでしょうが,両隣に並べたMacBookProと見比べて,レベルが1つ低いというのは,あまり気分のいいものではありません。

 あと,音についてです。決していい音だとは言えませんが,MacBookProやMacBookに比べて,「お,いいな」と思うような音になっていると思います。Macは起動音を1991年10月のQuadra700/900から現在のものを使うようになりましたから,20年近くこの音なんですね。

 耳慣れた起動音だからこそ,そのちょっとした違いには気が付くもので,正直なところこれだけ薄いMacBookAirから,これだけしっかりした起動音が出てくるとは思ってもみませんでした。


(9)まとめ

 上品さ,質感の高さ,ちょっとした触った感じ,剛性感という「モノ」としての上質さに,必要十分な演算能力を備えた,完璧な生活マシンです。

 生活マシンとしての完成度の高さを象徴するものに,SSDの全面採用があります。耐衝撃性,低消費電力というメリットは当然として,1.8インチのHDDの速度の遅さはあまりにひどく,これがマシン全体のスループットを下げている問題を,SSDによって綺麗に解決したという自信は,HDDを選べなくなったことでもわかります。

 それで,これが他のメーカーに出来たのかというとそこはやや微妙なところで,アップルがiPodやiPhone,iPadでどれだけ多量のNANDフラッシュを買っているか考えると,彼らと同じだけの価格で入手でき,かつ彼らと同じだけ調達出来るのかどうか,甚だ疑問です。

 アップルはSSDを全面採用出来ましたから,HDDのスペースを確保する必要ななく,SSDの専用設計ができました。美しく,高速で,低消費電力のモバイルマシンが高次元で実現しています。

 でも他社は,いろいろな事情からHDDを候補から完全に外しきれず,設計段階ではHDDもあり得るとして話を進めていることでしょう。これが割り切った,美しい設計の足かせになっていることは想像に難くありません。

 CPUのクロックを上げることも大事です。SDRAMの速度を上げることも大事でしょうが,なんといってもストレージの速度が「イライラ」を支配しています。ここを根本的に改善する方法が現実的になった今日,私は小型モデルこそSSDへの全面移行があるべきと思っています。


 さてさて,新しいマシンが届いたのはいいのですが,動いてしまえば長年親しんだMacOSXです。ゼロから環境設定を行うか,環境移行マネージャを使うか迷いましたが,64GBしかないSSDを上手に使うには,最初から環境設定を行うのがよいと考えて,現在設定中です。

 10年くらい前までは,こういう環境構築も楽しくて仕方がなかったものですが,今はもう面倒で面倒で。要するに結果だけ欲しいのよ,あるいは結果に至る操作感の良さに浸りたいのよ,という欲求はあっても,使えるようになるまでの下準備が,かつてあれほど面白いと感じた理由はなんだったのでしょうね。


 

本気のBluetooth,MW600

  • 2010/09/09 14:25
  • カテゴリー:散財

 散財が止まりません。

 今回は,まさに衝動買いをしてしまったBluetoothヘッドセット「MW600」です。

 ソニーエリクソンから今年5月末に発売され,神機としてカテゴリトップの売り上げを誇る人気機種です。お値段は少々お高く実売で11000円ほどです。

 ソニーエリクソンとしては実質この機種くらいしかお店にありませんので,メーカー別シェアを週単位で見てみると,この機種の在庫がなくなるとシェアは最低に落ち,入荷するとダントツのトップに躍り出るという,非常に売れている機種です。

 ヨーロッパで設計され,昔から海外では売られていましたが,Bluetoothヘッドセットがそんなに売れていない日本への導入はないものと思われていたなか,ちゃんとローカライズして発売されたわけで,発売前から随分と注目されていた商品でした。ですが私自身はそれほど興味を持っていませんでした。

 携帯電話をわざわざヘッドセットまで買って使いたいとは思わないこと,ワイアレスヘッドフォンとして使うにしても音質が悪く,遅延も発生するのに1万円の価値はない,すでにiPodもヘッドセットくらいの大きさになっているのにバカじゃないか,など,この商品と言うより,このカテゴリの商品について完全否定の立場でした。

 仕事柄無関係というわけにも行かず,しかしながら大した興味もないまま今までいましたが,ちょっとしたきっかけからMW600に触れる機会があり,その10分後には購入を決定,昨日の帰宅途中に寄り道して,たまったポイントで帰って帰りました。10800円でした。

 なにが突然琴線に触れたかというと,

・小さい・・・私の小指くらいの大きさです
・高音質・・・ノイズも小さく,音質も高いです
・ディスプレイ付き・・・有機ELのディスプレイに日本語表示!
・複数機器の接続・・・通話は携帯で,音楽はiPodでと複数機器に同時接続可能
・複数機器の登録・・・3台の機器までペアリング可能,簡単に切り替えて使える
・FMラジオ搭載・・・音質も良く,感度もよい
・長い電池寿命・・・音楽再生8.5時間,FMラジオなら11時間

 という点で,要するにこれまで私がBluetoothヘッドセットに対して抱いていたネガティブなイメージをすべて払拭したものになっていたからです。

 実際買って帰って使って見ても,この印象は全然変わらず,大変に満足な逸品となっています。

 とりわけ小型でも見やすいディスプレイの搭載は歓迎すべき点で,どんな状態にあるのかがわかりにくい機器のくせにディスプレイを持たず,LEDの点滅速度や回数で無理矢理表現しようとする従来のヘッドセットには反吐が出そうです。なにが悲しくて歩きながらマニュアル片手にじーっとLEDの点滅回数を数えないといかんのかと,私は以前から憤りを感じていました。

 小型機器だからこそディスプレイがいるのですよ,本来は。それをどうしてLEDで済ませるのか,そこまでユーザーの歩み寄りを期待するのは間違いじゃないのかと,そんな風に思うわけです。

 国内メーカーの国内設計品でもディスプレイを持つものはありますし,それはそれでそこそこ良くできているのですが,残念な事に曲名の表示がありません。それがMW600では曲名表示が日本語で可能というのですから恐れ入ります。

 実際に丸ゴシックで曲名が表示されると実に面白いのですが,本当にありがたいのは接続機器の切り替えがディスプレイでわかりやすく出来る事だったりします。いずれにしても,こういうややこしい,かつ他と繋がるもの商品だからこそ,ディスプレイは必須であると思います。

 しかし,ディスプレイがあるがゆえに甘えている部分もあるといえます。少ないキーに多くの機能を割り当てることが出来るようになったことは,説明書がなくては何をすることもできないという難しさをはらんでいます。MW600を手にした人は,単純にFMラジオを聴きたいなと思っても,説明書無しではまずもって不可能でしょう。

 ユーザーの努力と歩み寄りをここまで求めるヘッドセットですので,この難しさを乗り越えてまで「こいつでなきゃ」と思う人がターゲットユーザーになるということですから,なんでそんなに売れているのかと疑問も感じますが,やっぱり今のところ完全無欠であることは,少々の操作の難しさを覆い隠してしまうものであり,これは裏を返すと,それほどまでに未成熟な商品カテゴリだということなんでしょうね。

 欠点もあります。まず,多くの方が指摘していますが,ボリュームの調整を行うタッチセンサによるスライダの操作感は大変に悪いですし,不意に触ってしまうことも多くあります。普通にボタンにしてくれればそれで済んだことなのにという意見は,まさにその通りだと思います。

 慣れれば一応思い通りの操作もできますし,何ということもないのですが,iPodやiPhoneがあれだけ直感的に操作できるタッチパネルを持つだけに,問題があるなあと感じました。

 操作が難しく,説明書がないとなにも出来ない事も問題でしょうし,相手次第とはいえ,買って試してみないと日本語の曲名表示が出来る可動か不明というのも,消費者としては厳しいものがあります。

 ところで,私がこれを買った理由には,これが魅力的な商品であるということに加えてもう1つ,これくらい尖ったBluetoothヘッドセットはもう市場には出てこないんじゃないかと言う予想がありました。

 少なくとも,ソニーエリクソンからは,こういう個性的なヘッドセットは出てこないと思われます。噂では設計をしていた部隊がいなくなったそうで,この機種の後継も余程のことがないと絶望的でしょうし,この機種だっていつまで販売されるのか分からないように思います。

 この機種が尖っている理由は,そのシステム構成にもあり,多くのヘッドセットが採用しているヘッドセット用ワンチップICをわざわざ使わず,独自の構成で作り上げているのです。この世界標準のワンチップICを使うと,必要十分な性能のヘッドセットがささっと作れる一方で,どれも似たようなものになってしまいます。

 独自の構成で,と簡単にいうものの,Bluetoothは特に自力で作るのが難しいものですから,技術力がなければ本当にどうにもなりません。ソニーエリクソンには,そういう本物の技術力があったから,こうした他にはない面白い商品が作れたんでしょうね。

 まあ,他の会社から独自の構成により,個性的なヘッドセットが登場する可能性は大いにあると思いますので悲観的になることはないのですが,単純な通話だけのモノラルヘッドセットと違って,音楽を楽しむことを可能にするステレオヘッドセットについては,もっといろいろ面白いものが出てきても良いんじゃないかと,そんな風に思います。

 私が現在使っているSH-03Bでは,先程書いたように日本語タイトルが表示されます。通話も本体のみではなかなか面倒なところもあるので,ヘッドセットの導入は案外私の携帯電話との付き合い方を変えてくれるかも,知れません。

ZOOM H1を買いました

  • 2010/08/31 12:52
  • カテゴリー:散財

ファイル 400-1.jpg

 ZOOMのPCMレコーダ,H1を買いました。

 24bit/96KHzでの録音が可能なICレコーダとしては1万円を切る値段で話題になっていたもので,予約してあったものが先週末に届きました。

 なんといっても1万円ですからね,ちょっと本屋にいって気になる本を選ぶと合計で1万円近くになるのがざらだと考えると,この価格設定はかなり興味深いです。

 会議録音やお稽古事に使うICレコーダならもっと安いものもあるでしょうが,そこはエフェクタで定評あるZOOMの製品ですから,バンドの練習に使えたり,生録に耐える,素直な音での高音質録音が出来るようになっていることでしょう。そういうジャンルで1万円というのは,結構大したものだと思います。

 同軸上にマイクエレメントが置かれたX-Yマイクは70Hzあたりから可聴帯域をほぼフラットにカバーし,最大で24bit/96KHzのWAVフォーマットと,320kbpsまでのMP3での録音に対応,メモリカードはmicroSDで32GBまでサポートしていて,単三電池1本で10時間動作,USBバスパワーによる電源供給とマスストレージで直接PCにマウントと,およそ思いつく機能は盛り込まれています。

 これに加えて60gの軽量,小型,バックライト付きのLCD,小型モノラルスピーカを内蔵,三脚用のねじ穴を持っています。入出力は電源供給付きのマイクとライン入力兼用端子と,ヘッドフォンとライン出力の兼用端子があるだけです。デジタル入出力などはありません。

 特筆すべきは,その操作系です。設定をメニューから潜っていってLCDを見ながら操作するなどという面倒なことはなく,ほとんどがハードウェアによるスライドスイッチに割り当てられています。WAVとMP3ですら,スライドスイッチですからね。

 これはとても気に入りました。バタバタする録音の現場で,前回の設定から今回の設定に切り替えるのに,いちいち設定を潜って小さなLCDを見ながら操作するなど,とても面倒ですし間違いも起こります。

 数個のスイッチで全部設定できるなら,裏側にひっくりかえしてスイッチの位置を見ればいいだけですので,子供にだって操作できます。そうそう,これこれ,これがいいんですよ。

 確かに,脇腹の部分に押し心地の良くない押しボタンがいっぱい列んでいて,いちいち見ないと操作できないことには面倒な感じがあります。しかし,最重要機能である録音のボタンは中央に大きく配置され,その押し心地は抜群です。こだわったんだろうなあと思います。

 電源を入れると,microSDカードの認識が行われ,数秒間操作できません。感心したのは,その間がLCDのバックライトが点灯せず,録音可能な状態になってからバックライトが点灯するようになっていることです。

 操作できない間LCDの表示が全くないというならバックライトを点灯させる必要など全くないでしょうが,アクセス中を示す表示が行われているというのは,LCDを通じてユーザーに動作しない理由を説明したいわけであって,バックライトが点灯しないこととは矛盾するように感じます。

 しかし,バックライトが必要なる暗いところでは特に,アンバーのバックライトが点灯すると録音できるという印にすることで,ユーザーの操作はさらに直感的なものになるでしょう。一貫性も大事ですが,こういう機器からの意思表示も悪くありません。

 簡単に録音をしてみますと,なるほど,奥行き感は強く印象に残ります。こんなに手軽に空間的な音が録音できてしまったいいのかと思うほど,本当になにもしないで
高音質録音ができます。いろいろなことに使えそうです。

 気になったのは,ちょっとヒスノイズが多いことでしょうか。これは,録音側の問題なのか,ヘッドフォン出力の問題なのかわからず,録音データに入っているのかどうかも確かめていません。しかし,24bit/96kHzという従来フォーマットをはるかにしのぐ録音性能を持つ機器として,このノイズはどうなんだろうなと,ちょっと思いました。

 ・・・そういえば,どうしてこれを買ったのか,書いていませんでした。

 9月には毎年,東京Jazzというイベントが開かれます。有楽町の東京国際フォーラムで行われるJazzのライブイベントなのですが,今年も9月3,4,5日に行われます。

 世界のスーパースターが揃う大きなイベントがこんな近くで行われるのですから一度くらい行けばいいと思うのですが,人混みが苦手な引きこもりの私にはなかなかの苦行で,結局一度も足を運んだことがありません。

 そのかわり,NHK-FMが毎年中継してくれることを,楽しみにしています。

 ありがたいことに今年も生中継が予定されています。日曜日の朝11時から夜の11時まで,途中ニュースを挟んで12時間。金曜日や土曜日の様子も一部放送されるのだと思いますが,電波がオークションでやりとりされるこのご時世に,非圧縮アナログ放送のFM放送で12時間中継してくれるなんて,うるさい人が事実関係を知らないから可能になっているとしか思えない,とてもありがたいことだと思います。

 FM放送はそれなりに高音質なので,古くはDATで,ここ数回はMacで録音していましたが,どちらも連続録音時間に制約があるので,何回かにわけて録音をしないといけません。結局そばにいないとダメなわけで,楽しい反面,食事や風呂はどうするという問題に直面します。

 それでPCM録音可能なICレコーダを昨年あたりから物色していたのですが,デジタル入出力があるものを探すと高価になり,二の足を踏んでいました。

 うちにはちょっと高価なFMチューナがあって,これをDATのA-Dコンバータに繋いで,そのデータを録音するという仕組みを作りたかったからなのですが,1万円で24bit/96kHzが録再できるレコーダが1万円を切ると知り,もうそういうこだわりはやめたという次第です。

 FMチューナをライン入力でつないで,普通に録音しようとおもうわけですが,DATのA-Dコンバータは16bit/48kHzです。いかにSBMに対応しているとはいえ,24bit/96KHzのICレコーダのA-D変換能力がそんなに見劣りするようなものとは思えません。

 ファイルサイズの関係もあるので,無難にMP3で録音しようかと思っていますが,あと数日,いろいろ調べて本番に臨もうと思います。

Kindle3が届きました

  • 2010/08/30 17:32
  • カテゴリー:散財

ファイル 399-1.jpg

 Kindle3が届きました。

 早い人は金曜日に届いていたようですが,私は予約が2日ほど遅かったこともあり,きっちり2日遅れで手元に届きました。

 ご存じの方もいらっしゃるでしょうが,amazom.comは海外へはUPSを使っていますが,このUPSというのが,日本国内で土日の対応を原則的に行っていないのです。前回のKindleDXgの時には木曜日にUPSの不在票が入っており,土曜日の午後への再配達を行ってもらったのですが,土日の再配達はヤマトさんに委託するのです。

 一説では,東京23区内以外の地域はもともとUPSの配達員が直接サポートしない範囲なので,最初からヤマトさんに委託になるということで,某巨大掲示板では土曜日に届いたというレポートもたくさん上がっていました。

 私はこの春から23区内に住んでいるので,KindleDXgの時もUPSが持ってきてくれました。だから,土日の配達はあきらめていたのですが,ありがたいことに日曜日の朝に,ヤマトさんが持ってきてくれました。期待していなかっただけに,うれしかったです。

 箱を開けて,充電をして,電源を入れて,と言う流れは前回のDXgと同じですから,特別ワクワクすることもありません。しかし,DXgに比べて,随分と小さいなあ,軽いなあと言う印象が強烈で,これは完全に使い分けることが出来るだろうなという期待は膨らんでいきます。

 てことで,さくっとレビューです。

 前提ですが,私が購入したのはKindle3のWiFiモデルです。2つ目の購入で,すでにKindleDXgをFonthackで日本語対応にして使っています。

 読むのは文庫,新書,文芸書のたぐいで,全てScanSnapによる自炊です。ファイルはPDFで,文字だけのものは600dpiの白黒,写真がある場合などは300dpiのグレースケールで取り込んでいます。

(1)画面の見栄え

 Kindle3は従来よりもe-inkが改良されていて,コントラストが向上しているといいます。DXgと比べてみるとほとんど同じでしたので,同じ世代のものでしょう。


(2)日本語対応

 これが国内でのちょっとしたkindleブームを作ったといってもいいのですが,もともとKindleはUTF-8ですので,これが表示出来るフォントを入れてやりさえすれば,一応日本語を含む多言語化が可能です。JailbreakからFonthackを行うというのはまさにこのフォントの置き換えであり,私のDXgもこの方法で日本語化されていることは前述したとおりです。

 Kindleは,ファイルネームがタイトルとして一覧に表示されますが,Kindle3では丸ゴシック体による見やすい文字で,きちんとタイトルが表示されました。

 ただし,著者名については相変わらず日本語では空欄になります。DXgと同じようにアルファベットをメタデータに打ち込んでおけば,著者名が表示されるようになります。

 PDFの本文を表示させてみますと,これもDXgと同じようにフォントの埋め込みをしていないコンテンツは,日本語が全く表示されません。

 ということで,少なくともPDFを見るということに限って言えば,DXgにFonthackで日本語対応をしたものと同等であると言えそうです。

 なお,日本語のフォントはなかなか読みやすく,英文フォントとのバランスもよく考えられていて,好印象です。


(3)WEB

 日本語のWEBサイトを正しく表示出来るようになっていることを確認しました。私はあまり積極的に試していませんが,従来のkindleではUTF-8しか正しい表示にならなかった日本語表示が,EUCでもS-JISでも大丈夫だったという話です。これは,ブラウザがWebKitに変更されたことも大きいでしょうね。


(4)通信と接続

 私のモデルはWiFiです。早速自宅のWiFiに参加させてみました。対応しているのは11gで,暗号化はWEP,WPA,WPA2に対応しています。DHCPだけではなく固定IPでの運用も可能ですが,いつも面倒な設定は,キーボードがあるととても楽にできます。

 感度は低めになっているのですが,これはおそらく,消費電力を低減するために電波の出力を絞っているのではないでしょうか。

 WiFiに繋いでKindleStoreにいったり,Wikipediaを見たりしましたが,WebKitになったことも含めて,かなり快適です。DXgではブラウザが不安定でしたし,3Gは遅すぎて実用に耐えませんでした。

 もちろん,電源を切っても,WiFiの接続をメニューから切断しても,次回の接続時にはちゃんと前回のアクセスポイントにつなぎに言ってくれます。


(5)英辞郎

 私は英辞郎のVer1.2.2を購入して,自分でprcに変換して使っていますが,これを試しにKindle3に入れてみました。プライマリ辞書に設定してやると,英語の文書からサクサクと辞書がひけて,日本語で単語の意味が表示されました。これはいいですね。


(6)PDF表示の機能追加

 Kindle3では日本語対応したことに注目が集まりましたが,実は期待すべき機能追加が2つありました。1つはコントラストの調整機能,1つはnudgeスクロールです。

 コントラストの調整機能は,標準の前後に2段階ずつ,合計5段階で表示の濃さを調整するものです。DXgでは固定されていたものが可変になっただけでもありがたい機能なのですが,個人的にはあまり使い物にならないと感じました。

 というのは,ここを調整しても見やすくなる設定は1つだけだったからです。白黒600dpiの場合,A5くらいまでの大きさの本なら,文字が小さくなることに辛抱すればdarkerかdarkestにすれば問題なく読むことができます。darkestにすると文字も太くなるので,つぶれない限りは濃くする方が良いと思います。

 反対にlightやlightesは全然使い道が浮かびません。文字が細くなると言うより,黒がグレーになってしまい,非常に見にくくなってしまいます。コントラストと言うよりガンマの調整であって欲しいと考えていましたが,実際はそうではないようです。

 困ったのは300dpiのグレースケールです。これはA5サイズでも全然ダメで,文字として認識できないほどつぶれてしまいます。コントラストを調整しても読めるレベルにまで達しません。

 B6サイズ以下なら白黒でもグレースケールでも問題なく読めるレベルになりますが,これでは文庫と同じですので,わざわざスキャンし,Kindle3で読まなくても,文庫本をそのまま持ち歩いても構わないわけで,Kindleのメリットを「文庫がたくさん入るマシン」と考えるしかなくなってしまいます。旅行などでは重宝するかも知れませんが,通勤通学に便利かと言えばちょっとわからないです。

 次にnudgeスクロールです。

 PDFの表示の方法は,画面にあわせる,150%,200%,300%,原寸,の5つがあります。ある部分を拡大して表示するような場合,どこを表示するかを選ぶ必要がありますが,従来のKindleでは任意の場所を選べませんでした。

 よってPDFの拡大は全く役に立たなかったのですが,拡大表示する範囲を少しずつ動かす機能がようやく追加されました。それがnudgeスクロールです。

 PDFを表示中にAaボタンを押すと,拡大率が選択出来ます。拡大率を選ぶと拡大する範囲を選ぶ画面になりますが,ここで5wayを操作すると従来通りの選択,shiftキーを押しながら5wayを操作すると,少しずつ表示位置を動かすことが出来ます。

 拡大表示を行っている最中でも,Shiftを押しながら5wayを操作すれば少しずつスクロールしてくれます。

 これはかなり期待した機能だったのですが,実際には全然使うことがありませんでした。まず,拡大率が任意ではないので,余白部分を表示させないという目的には使えません。それに,少しずつ動かせるとはいうものの,1ピクセル単位ではありませんので,結局中途半端な位置が表示されてしまうことには変わりません。

 先のコントラスト調整機能と同じで,結局スキャンした後の調整を読む端末で行いたいわけですね。その目的にはどちらも使えないことははっきりしました。やはり最初にkindleに最適化した形でPDFを作っておくことが必要です。


(7)読みやすさ

 DXgのパネルは825x1200ピクセル,一方のKindle3は600x800ピクセルと,圧倒的にピクセル数が足りません。DXgの読みやすさや表示の美しさと比べるまでもないのですが,DXgなら読むことの出来るPDFでもKindle3では読めないものもあり,両者を単純に大きさの違いだけ,と考えるのは間違いだと思い知りました。

 Kindle3は文庫と新書まで,DXgなら文芸書まで,というわかりやすい限界があり,その点で安いとか軽いとか小さいとかJailbreakが入らないとか,そういう理由でKindle3を万人にお勧め出来ないと考えています。

 ただしこれはあくまでアーカイブ用途のPDFをそのまま表示させようとした場合の話であり,Kindle3に最適化されたPDFにしてやりさえすれば文芸書まで問題なく読めるかも知れません。事実600dpiの白黒であれば読めるわけでですから,あまり簡単な結論を出すのは早計です。

 グレースケールの本でもKindle3用に白黒600dpiでスキャンしておくということで対応可能とは思いますが,すでに捨ててしまった本はそういうわけにもいきません。いろいろ調べて見ると,グレースケールのコンテンツをkindleに最適化する方法もいくつか見つかるので,試してみたいと思います。

(8)キーボード

 キーボードは押しやすく,私自身はそれほどストレスに感じませんでした。ただ,従来のKindle2などと違い,数字キーが省略されています。DXgも数字キーはなく,ALTキーを押すことで数字が入力出来るのですが,Kindle3も同様です。ただし数字の印刷がないので,どのキーを押せばその数字が出てくるのかわかりませんので,慣れないとイライラするかも知れません。

 あと,DXgとKindle3では,MENUやBACK,HOMEのキーの位置が全然違います。DXgに慣れた私にとっては,最初はちょっと大変でした。


(9)大きさ,重さ,持ちやすさ

 これはもうばっちりです。240gほどの重さは軽く,全く苦痛に感じません。金属がなく全てプラスチックで,質感も残念ながら値段相応という感じではありますし,私のモデルは裏蓋に分解したような跡がありました。

 ですが,この高級感のなさや質感の低さ,実際に安価なことは,気軽に外に持ち出して,ラフに扱う事にためらいを起こさせません。Tシャツのような気軽さがKindle3の良さだという事なら,それはそれで理解できます。

 裏側は滑り止めの塗装がされているし,ボタンの感触も悪くありません。Kindle2ではキーボードが大きくて少々間抜けな印象があったのが,グラファイトカラーでぎゅっと凝縮感のあるデザインは,持ちやすさと格好の良さを両立していると思います。


(10)技術的なこと

 DXgはi.MX31Lの532MHzでDRAMは128MBを実装しています。OSのバージョンは2.5.xです。Kindle3ではi.MX35の532MHzでDRAMは256MBを実装,OSは3.0.0でした。

 CPUも変わっていますが,どちらもARM1136ですし,動作クロックもキャッシュメモリのサイズも同じですから,処理速度の性能差はほとんどないと思います。しかし決定的な差としてDRAMの容量の違いが心配です。

 Kindle3の登場で,従来機種でもOSを3.0にアップデート出来るという期待が強くなっていますし,それは当然の話だと思うのですが,DRAMの容量が倍も違うと,全く同じというわけにはいかなくなるのではないかと思うのです。

 Kindle3ではWebKitを用いたWEBブラウザが利用出来ますが,この時の速度や安定性をDXgやKindle2で実現出来るかどうかは,ちょっとわかりません。もしかするとWebKitベースのブラウザは過去の機種には搭載されないことになるかも知れません。

 ただ,Kindle3と同じ世代で大画面が欲しい人はDXgを買うしかないわけで,この2つで決定的な性能差があるとそれは問題です。やっぱりそれなりにDXgをアップデートし,Kindle3との差を縮めないとダメでしょう。こそっとDXgのDRAMの容量が増えていたりするともうどうにもなりませんが・・・


(11)結局のところ

 大きさ,重さ,価格の3つで,かなり買いやすくなった上,いわば初期状態でFonthack済みということですから,Kindle3は普通の人に話が出来るマシンにようやくなったと感じます。

 英語の本を日常的に読むなら3Gモデル,自炊が中心ならWiFiモデルを買えばそれでもう幸せになれると思いますが,前述の通りA5サイズまでと割り切って考えないと失敗しますし,それもKindke3に最適化したPDFを作った場合の話です。やっぱり自分で努力をしないといけないことには変わりません。

 WEBのブラウズはE-inkというパネルの性格上ほとんど使う気になりませんので,そういう人は潔くiPadを買って下さい。本の購入に通信量無料の3Gが内蔵されているのですから,これで大きなトラフィックを発生させると,いずれ有償になったり,amazon以外はアクセス制限がかかるようになるかも知れません。

 今後に期待するとすれば,日本語フォントを埋め込まなくても普通に表示が出来て欲しいし,メタデータにもちゃんと対応をして欲しいです。

 コントラストの調整機能は,文字の読みやすさを左右する問題なのでもう少しうまく実装して欲しかったですし,nudgeについても任意の倍率による拡大縮小が出来ないと意味がないので,まずは拡大と縮小の倍率に柔軟性を持たせて欲しいところです。

 そんなわけで,なんといっても扱いやすい大きさ,電車の中でも浮いてしまわないデザイン,必要十分な性能ということで,迷っているなら買いだと思います。

 Kindleの魅力は,コンテンツをどれだけ用意できるかに尽きます。頑張って自炊し,読みやすいコンテンツの作成を安定したフローで行えるようになって初めて,価値が上がっていきます。

 その点で,私が最初にDXgを買ったことは幸いだと言えて,なにもせずに既存のコンテンツを難なく読めたわけですから,最初に「使い物にならんな」とあきらめてしまわずに済んだわけです。

 Kindle3の使いこなしにはもう少し試行錯誤が必要だと思いますが,この携帯性の高さは,その試行錯誤の動機として十分です。

ユーティリティ

2026年01月

- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

過去ログ

Feed