Temuを使ってみた
- 2024/01/22 11:26
- カテゴリー:散財, マニアックなおはなし, make:
先日,偶然目にしたのが新しい中国の通販サイトのお話でした。
中国の通販サイトといえば,すっかりメジャーになってしまったAliexpressです。激安で様々なものが売られていて,しかも同じ物が複数の業者から出品され,値段や条件が結構違うという,まさにハイレベルな通販サイトです。
価格も安いがリスクも大きいハイリスクハイリターンな,まさに勝負師の腕が鳴るサイトですが,かつては配送に2週間はかかりましたし,結局届かなかったという話もチラホラ。トラブルの解決は基本的には出品業者と直接やってくれと言うもので,日本語はもちろん,英語も通じない場合があるという,どう考えても素人には手が出せないものでした。
ここ数年で大きく改善され,配達は1週間程度になりましたし,荷物がなくなることも聞きません。トラブル発生時に業者と揉めても最終的にはaliexpressが対応してくれたりするので,以前のような泣き寝入りはなくなったと思います。
折からの円安と,そうしたサービスの向上のせいでしょうか,最近aliexpressが安いと言う話をあまり聞きません。代わりに台頭してきた新興勢力が,Temuです。
Temuといえば我々世代では酸素欠乏症なわけですが,そんなことはどうでも良くて,最近注目を集める通販サイトです。aliexpressに比べてもさらに安く,その上送料無料で配送はTemuが手配,しかも数日で日本に到着するというスピード感,さらに長くかかった場合にはお詫びのクーポンまで用意するというのですから,そこらへんの国内通販業者のずっと先をいっています。
個人的に気に入ったのは,トラブル発生時の対応で,私は経験がありませんがどうもTemuが間に入ってくれて返金や返品などに応じてくれるようです。Aliexpressが楽天なら,Temuはamazonという感じでしょうか。
あまりに安いので詐欺ではないか,と言う話が出てくるようですが実際に詐欺に遭ったという話は今のところ目にすることはなく,検索しても好意的なものばかり目に付きます。これはいよいよ真打ち登場かも知れません。
こんな面白い話があるなら,早速使わねばなりません。
ぱっと目に付いたのが,250円のドリルシャープナーです。これまで使い捨てていたドリルビットが甦るならうれしいじゃないですか。
ただ,時間もなかったので送料無料になる条件がわからず,ついでになにか買おうと考えてふと思い出したのが,スポット溶接機です。といっても大げさなものではなく,昨年から一部の界隈で話題に上っていた,組電池を作る事の出来るバッテリー式の小型スポット溶接機です。
電池に直接ハンダ付けを行うのは爆発の危険もあるし,封止しているガスケットに変形が生じて液漏れが起こるので御法度で,代わりに一瞬で溶接の出来るスポット陽性にニッケルのタブを取り付け,これにハンダ付けをするのが一般的です。
複数の電池を組み合わせた組電池もそうですし,コイン電池のようなバックアップバッテリーでもタブ付きの物がよくあります。
しかし,こうした電池は普通のお店にはなく,ほぼ特注品です。コイン電池などはCR2032のような普通の電池なのにタブがついている物との交換品が手に入らず,筐体の外に電池ケースがはみ出ることを許すか,あるいは諦めるかの選択を迫られるものです。
また,ポケコンマニアの間では頭の痛い問題なのですが,プリンターに内蔵された電池が単三のNi-Cdの組電池,間違いなく液漏れして死んでいるこの電池を交換しようにも,代わりの物が手に入りにくいのが現状です。
4本組みなら手に入らなくはありませんが非常に高価,5本組みだと絶望的で,かといって電池ケースが入るスペースもないので,これも結局諦めることになるのです。
ですがこのスポット溶接機があれば万事解決。安価なNi-MHを買ってきて自分で組電池が作れます。これまで素人には不可能だった組電池の製作が出来るというので,ここ最近バッテリ駆動の安価なスポット溶接機がブームになっているのです。
もともと基板キットだったようですが,最近はディスプレイがついたりちょっとしたケースに入っていたりするようで,これだと1000円から3000円くらいまで。しかしamazonあたりで売られているものもちょっと値上がりの傾向がありますし,当たり外れもあるようなので躊躇していました。
欲しいことにはかわりはないので探してみると,狙っていたディスプレイ付きの物は売り切れていて変えません。しかし,プローブ(というのが正しいのか自信がありません),コントローラ,バッテリーなどが一体化したハンディタイプのものが4000円で出ています。
もともと2本のプローブを自分でお箸のように持って溶接するのは怖かったので,すでにプローブが固定されているこのタイプはむしろ好都合です。通常この手の物は5000円を割らないので,4000円は確かに安いです。買いましょう。
Temuが面白いのは,発送までは品物の追加が可能で,しかもワンプッシュです。注文時間がバラバラな物を1つにまとめて発送するというのは難しい処理だと思うのですが,良くもそれをやるなと感心しました。羞悪飛車の審理で言えば,これがあると「ついで買い」の敷居が下がるので,すごいことだなと思う訳です。
私も買い忘れたニッケルの薄い板を買いました。
合計で4800円ほどの買い物でしたが特に問題はなく,月曜日に注文し,火曜日に発送,土曜日に到着しました。ちゃんと中国から飛行機で届いたのですが,この速さです。自宅に届けてくれたのはヤマト運輸で,関税も支払っていません。(まあもともと5000円程度なら関税はかかりませんが)
さて,ここまでは順調。問題は届いた商品が使えるのかどうかです。
結論を書けば,全く問題なし。スポット溶接がこんなに簡単に安全に行えるなんて,驚きました。溶接の強度は試行錯誤が必要ですが,作業は一瞬で仕上がりは綺麗ですし,溶接したタブを引っ張れば溶接箇所だけ残ってちぎれるくらいの強度も持っています。これなら実用レベルです。
ということで,良い買い物をしたと思います。スポット溶接機も良かったですが,Temuを使ったことも良い経験になりました
Aliexpressはまさに玉石混交で,しかもディスコンになった半導体が(偽物も多いですが)買えたりするまさにダンジョン。Temuは怪しげな物は少なく,そういった点での面白さは少ないと思いますが,amazonの中国の業者のマケプレを使うなら,もう断然Temuだと思います。
これからどうなるかわかりませんが,一党独裁の計画経済の社会において,競争原理が働いている奇妙な状態を,なんだかんだで我々は享受していることを認めないといけないように思いました。