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kobo libra COLOURを買いました

  • 2024/05/03 16:33
  • カテゴリー:散財

 電子ペーパー(特にEink)に縁のあった私としては,技術的な面白さに加えて視認性の観点から,自炊を含めた電子書籍のプレイヤーとしてKindleを昔から愛用してきました。

 とはいえ,近年のKindleはディスプレイの進歩がほとんどなく,新しい端末に更新する機会を逸していました。考えてみれば,日本語に未対応のKindleに始まり,300dpiになったり7インチになったりと,技十的な進歩をきっかけに新しい物を買い足していったわけですが,ここ数年そうしたことがなかったことに気が付きます。

 300dpiで印刷物相当になった次は,当然カラー化な訳ですが,これがなかなかお手頃価格に降りてくることがなく,またKindleシリーズにカラーモデルが登場する気配もない(当然タブレットがそれを担うからですが)ので,ずっと手を出さずにいました。

 ところが,koboにお手頃なカラーモデルが登場するという話を聞きつけました。6インチモデルは3万円を切ります。7インチモデルは35000円でペンまで使えるというありがたいマシンです。ああ,Kindleはもうだめかも・・・

 これまで何度もkoboには心が揺らいできたのですが,PDFも無加工でそのまま流し込める汎用性に魅力を感じつつも,Kindleのコンテンツが読めないことが足かせとなって,手を出さずに来ました。

 しかし,カラーになったなら話は別です。これは新しいEinkを試す絶好のチャンスでしょう。

 ということで,予約開始とほぼ同時にポチって,約束通り発売日の5月1日に届きました。買ったモデルは7インチモデルであるkobo libra COLOUR(色はブラック)です。

 正直なところ,koboにはあまりいいイメージを持っていません。これはもう好き嫌いの話なのですが,koboが楽天傘下にあるということがまず決定的でした。いや,楽天が嫌いというわけではなく,これ以上「〜経済圏」と呼ばれる物に巻き取られたくないという気持ちから,避けてきたということです。だから,今回のkobo libra COLOURについても楽天Booksのコンテンツを買うことはしないと思います。

 それだと安価に端末を(しかも継続的に)作ってくれているkoboに申し訳ないんですが,amazonのように赤字でばらまくということでもないでしょうから,許してもらいましょう。

 前置きが長くなりましたが,kobo libra COLOURのざっくりレビューです。

(1)外観,質感

 外観は⒎イントしてはそつなくまとまっていて,物理キーも備わっていて助かります。6インチモデルにしなかったのはこの物理キーが欲しかったからで,大きさはKindleOasisとほぼ同じです。

 ただし厚みはかなりあり,持った感触は全然別物です。また,Oasisは高級機と言うこともありアルミ製ですが,kobo libra COLOURはプラスチックです。この値段なら仕方がないのですが,質感は今ひとつです。

 電源ボタンが左上の背面にあるというのもいまいちですが,これは慣れの問題かも知れません。

 とても残何なのは,ディスプレイが奥に落ち込んでいることでしょうか。Kindleの高級機はディスプレイが表面とツライチになっていて,あたかも文字がそこに浮かんでいるように見えて,奥行き感を感じません。これが読書体験としては思った以上に好感触なのですが,それはすでに私が紙に印刷された文字を追いかけているのと同じ感覚である事の裏返しだともいえます。

 しかしkobo libra COLOURはディスプレイが奥に落ち込んでいることで,どうも一世代前のノートPCを見ているような気分させられます。つまるところ,表示面と同じ高さに余計な枠が目に入ると,その段階で紙との違いを認識してしまうようで,全然違う気分になってしまうのです。

 このあたり,すでにディスコンになって久しいKindle Voyageが最高傑作だと思っているのですが,kobo libra COLOURはこの円安時代に頑張っているとは言え,もう少し頑張って欲しかったと思います。

(2)カラー

 カラーは想像以上に素晴らしいです。読書を始めてしまえばカラーもモノクロも関係ないと思っていましたが,挿絵や表紙がカラーになるとこんなにワクワクする物なんですね。読書体験というのは装丁も含めての物だと再認識しました。

 それに,本の一覧表示でもカラフルな表紙がずらーっと並ぶと,これも感動的です。表紙は本の顔です。手に取ってもらおう,買ってもらおうとみんな必死に磨き上げてきます。いわば未来の読者との対話であって,私の琴線に触れた結果私のkobo libra COLOURに収まった本が並ぶ姿は,ちょっとした感動があります。

 これだけの本がここにすべておさまっている,これさえあれば何日も本と暮らせるという期待感を,最初にKindleを手に入れた時に味わったことを思い出します。

 そのカラーの表示品質は,下地が完全な白ではないこと,発色が悪くくすんでいること,そして150dpiになってしまうことから,はっきりいってよくありません。一言で言うなら新聞のカラー印刷くらいの物です。LCDやOLEDのタブレットには全く歯が立ちません(そりゃそうです,解像度もすごいですからねipadなんかは)

 でも,それらLCDなんかは肝心の文字を見ることには向いていません。これは反射型デバイスのEinkが圧勝で,そもそも写真を鑑賞するのではなく文字を読むという行為が大半である読書には,文字の読みやすさこそが正義です。その点で言うと,私はこのkobo libra COLOURこそベストバランスだと思いました。

 ところでカラーと白黒の切り替えについてですが,これはまだはっきりしません。グレースケールのページでもカラーのモアレが出てる場合もありますし,600dpiのモノクロ二値の場合には白黒白黒モードで動いているような感じがします。

 なにがスイッチになっているのかさえわかれば,コンテンツを生成するときに意識できるのでありがたいのですが,これはもう少し試行錯誤が必要だと思います。

 え,なんでそんなことにこだわるかですか?

 だって,白黒なら300dpiなのに,カラーだと150dpiになってしまうんですよ。カラーなら150dpiもあれば十分なんですが,白黒のページが150dpiで表示されるなら,それは残念ですよね。

(3)使い勝手

UIまわりはKindleとは違って少々違和感があります。例えばホームに戻るためにタッチするエリアが中央部であることなどは混乱の原因になっています。

 前述のように電源ボタンの位置もどうかと思いますし,USBコネクタも側面にあるのは充電の時に邪魔になって困ります。

 そのUSBについても,PCに接続した時にいちいち確認を取ってくるあたり面倒くさくて,そもそもPCに繋ぐのだからファイルの転送をしたいわけで,即マウントして欲しいわけです。この一手間がサーッとやる気を削いでくれます。

 読書を始めてみると,ややレスポンスが遅いことは期待外れでしたが,別に実用上問題があるほどではないので気にしません。

 ただ,表示の品質はKindleの高級機に比べると今ひとつで,やはりバックの白がよくないです。もっと鮮やかな白であって欲しいと思います。

 とはいえこれはディスプレイデバイスだけの問題とへいえず,フロントライトの問題もあるようです。Kindleではフロントライトがとても良く出来ていて,暗い所での視認性ではなく,明るいところで白をより白く見せるためのものでした。

 kobo libra COLOURはフロントライトが良くないので,Einkの地の色が目立つのだと思います。ではその良くない点というのはなにかといえば,それは色と明るさの調整機能です。

 色も調整が可能ではありますがちょうどいい色に出来ないところがもどかしく,寝る前に勝手に電球色に切り替える機能などいらないから,もっと作り込んで欲しかったです。

 明るさについては自動調整がありません。Kindleなら周囲の明るさにあわせてフロントライトの明るさも調整をし,白がより綺麗に見えるようにしてくれましたが,kobo libra COLOURにはこの機能がないので周囲の明るさで見え方が大きく変わります。

 かといって手動で毎回調整するのも面倒なので,ここは不満点の1つです。

(4)扱えるファイル

 Kindlenの最大の欠点は,その素晴らしい読書体験を実質的にKindleのコンテンツだけでしか享受できないことだったと思います。一応PDFも読めますが,表示品質が悪かったり拡大縮小が実質的に出来なかったり,動作がとにかく遅くなったりと,使い物になりませんでした。

 そこで私などはPDFをKindleの解像度に合わせてリサイズし,縁をカットしたmobiに変換していたのですが,これがなかなか手間でついついサボりがちでした。

 そこへ行くとこのkobo libra COLOURはScanSnapで作ったPDFをそのまま無加工で快適に読めます。

 動作もサクサクですし,縁のカットも112%の拡大でOK,拡大率も拡大中央もちゃんとコンテンツごとに覚えていてくれるので快適です。

 epubなどの他のフォーマットはまだ試せていませんが,PDFがこれだけしっかり扱えるならむしろ他のフォーマットの必要などないかも知れなくて,少なくともうちでは「自炊プレイヤー」としての立場を不動のものとしました。

(5)スリープモード

 kobo libra COLOURは電源OFFとは別にスリープモードがあり,こちらが実運用では使われるモードです。Kindleでは電源OFFは見えない位置にありますが,kobo libra COLOURでは電源OFFも別にあり,このステートに入るための条件も設定出来ます。

 スリープモードでは,画面に今読んでいる本の表紙がカラーで表示されます。これがなかなかよくて,そろそろ寝るか,と本を閉じたときに,目に入る本の表紙がそこに出ている事は,明日の夜に続きを読むのが楽しみになる仕掛けだと思います。

 これがKindleでは広告かあまり意味のない画像であり,面白くありません。以前のKindleでは好きな画像をスリープモードでの表示画像にすることができましたので,私は古今東西の書店のブックカバーをスキャンして順番に表示するようにしていました。これはこれでとても面白かったのですが,同じ事がkobo libra COLOURでできたらいいなあと思います。

(6)残念な事

 デザイン,プラスチックで出来た筐体,そしてディスプレイが落ち込んでいることは先に述べましたが,もっともバカらしいのが別売りのペンです。このペン,なんと2万円近くします。35000円の本体に2万円のペン,しかもそのペンで出来る事は大した事ではないという,そんな状態で一体誰が買うのかと思います。

 先日4万円で買ったiPadでは,中国製のペンが3000円ほどで買えました。これでも立派に使える事を考えると,koboでペンを使うことはないと断言しましょう。


(7)まとめ

 なんと言ってもカラーです。カラーの電子書籍リーダーがこの値段とこの大きさで手に入ることそのものが買う理由になりますし,私もその点だけで満足していますが,細かいところはやはりKindleに及ばないという感じがします。

 ハンドリングの悪さもあって,私はkobo libra COLOURを家で使う専用にして持ち歩く事をしないつもりです。悪い点として書くと気の毒なのでここに書きますが,背面にRakutenと書かれていることも正直恥ずかしいです。

 Einkの質も,カラーという点を除けば最上位とは言いがたく,文字を読むという行為だけで見ればまだまだ上があります。その点で,これですべてを置き換えると言うよりも,Kindle Oasisとの併用になるだろうと思います。

 とはいえ,原稿のOasisをあの値段で買うのかと言えばそれもバカバカしく,今から買うならkobo libra COLOURは有力な選択肢の1つとなるでしょう。

 

CherryMX2Aに交換した結果

 キーボード(PCのやつです。楽器じゃないです。)に昔ほどのこだわりがなくなっている昨今ですが,毎日使う物ですから,やはり気持ちよく使いたいものです。

 今仕事用に使っているキーボードは上海問屋で買ったDN-915975という73キーのキーボードを改造したもので,もともとGateronの赤軸だったキースイッチを,元祖Cherryの赤軸に根性で交換した物です。

 改造したのが2020年の9月,今から3年半も前の話ですか・・・時間が経つのは早いものです。

 DN-915975というキーボード,当時5180円という破格値で売られていました。その後1500円ほど値上がりしているようですが,それにしても今では考えられないお値段です。

 ただ,今思えばGateronのキースイッチを持つキーボードの打ち心地は十分とは言えず,Cherryに交換してみて初めて,本物の良さを知る事になったわけです。

 配列も必要なキーが揃っていることも含めてですが,Cherryのキースイッチに交換したこのキーボードは,底打ちの時の音がカチャと大きい事以外は気に入って使っていて,会社においてあるRealForceよりも心地よいんじゃないかと思うこともあります。

でも,やっぱり音が問題です。自分でもこのカチャカチャという音はかなり耳障りで,ノイズキャンセリングヘッドフォンをしているとちょうどいいくらいです。

 自分でもこんなに気になるんだから,周りの人にはさぞや迷惑なことでしょう。

 なんとかしないとなあと思っていた所に,CherryMXの次世代品,CherryMX2Aが秋葉原で販売開始というニュースを目にしました。

 あのCherryMXの新製品です。気にならないわけはありません。見れば,ルブが最大のポイントみたいで,これまで自分でスイッチを分解して油を塗っていたマニアたちの苦労が,ようやく本家に伝わったということでしょう。

 スプリングの形状も変わったそうですし,精度も上がっているという話です。さらにズムーズな押し心地に高い信頼性と,試してみようと思うに十分です。

 そして,せっかく全数を交換するんですから,静音品を選んでみましょう。幸いお気に入りの赤軸には静音赤軸というバリエーションがあります。少し高いですが,これだと底を打ったときの音がかなり軽減されるそうです。(ただし噂ではステムがPOMではないらしいです)

 早速ヨドバシで注文。80個で8800円にポイント13%でした。73キーですので,70個では足りないんですよね。

 取り寄せという事で連休明けになるだろうと思っていたら,なんと数日で届いてしまいました。早速スイッチを見てみると,実にスムーズで期待が膨らみます。

 キースイッチの交換だけなら簡単で(簡単というわけではないんでしょうが,単純作業の繰り返しですので頭は使いません),すぐにも取りかかれる物なのですが,せっかくキースイッチを全部外すのですから,気になっていたキー配列の変更改造も計画しました。

 やりたいことは,スペースキーの左側にある無変換キーとその左にあるALTキーを交換するという物です。

 この変換/無変換キーは,私はCTRLキーに割り当てて,ショートカット用に使っています。MacでいうCMDキーなわけですが,これが一般の文字キーと同じ小さいサイズなことが気に入りませんでした。

 少し大きめだと,左手の親指が少々斜めになっても隣のキーに触れることもありません。親指の位置に自由度がないと,ショートカットキーが押しにくくて仕方がなかったのです。

 物理的なキーの入れ替えは大昔にもやっていて,PC-9801のキーボードで,Aキーの隣をCTRLだけにするという改造をやりました。この時はたまたまEWS-4800のキーボードも手に入り,ここから横長のCTRLキーのキートップを入手出来た事が大きいのですが,フレームを削り,基板にジャンパを飛ばして改造したキーボードが,実に使いやすくなったことを覚えています。

 ということで,物理的なキーの移動に抵抗のない私は,今回も改造を試みました。

 このDN-915975というキーボードは,アルミの天板がそのままフレームを兼ねています。キーを入れ換えるには穴を横方向に削り,スイッチをずらして固定する必要があります。そのためにはキースイッチを全部取り外し今が最適なタイミングです。面倒くさがっている場合じゃありません。

 まずはハンダ吸い取り機でLEDとキースイッチのハンダを吸い取ります。綺麗に吸い取れると基板だけを取り外す事が出来るので,基板が外れたらキースイッチをフレームから1つずつ外して行きます。

 フレームだけになったら無変換キーとALTキーの入れ替えを行う為に,寸法を出してヤスリで削ります。ALTキーの方が横に長いのですが,この2つを入れ換えただけですから,2つあわせて長さには変化はありません。

 削る作業は,柔らかいアルミですしヤスリを使って手でやっても良かったんですが,手間と労力と仕上がりの綺麗さから,ベルトサンダーを使うことにしました。

 2つの穴の左側を,右側のキーは2mmほど,左側のキーは1.5mほど削ります。実物をはめ込みながら慎重に手で削って位置を修正し,決まったところで1mmのアルミパイプを2本並べて右側の隙間を塞ぎ,接着します。

 我ながら上手く加工出来たところで,今後は基板です。スイッチの位置が変わるので基板はそのままでは使えません。まず4mmの大穴をそれぞれ左に広げて楕円にします。そうして位置が決まったら今度は新しいピンの位置に新しい穴をドリルで開けます。

 ここで失敗。続けてLEDの穴も開けないといけなかったんですがすっかり忘れてしまいました。後で気付いた時には,組み立てが終わってました・・・

 スイッチがおさまったら,他のスイッチも取り付け,基板をおいて一気にハンダ付けです。入れ換えたスイッチは穴を開けただけでハンダ付けは出来ませんから,そこはジャンパ線を使って配線します。

 で困ったのがLEDです。位置を交換したキーのLEDもずらす必要があることをすっかり忘れてしまいましたが,いろいろ考えて上側から1mmの取りつで足が通る穴を基板に開けることにしました。

 幸い,1本はこれまでのランドをそのまま使えそうなので,ハンダ付けによる位置の固定はできそうです。

 本当はFNキーとその左側のCTRLキーも入れ替えたかったのですが,ここはビスが通るため諦めました。しかし,FNキーも大きい方がよいので,となりのCTRLキーと並列に繋いで,どっちを押してもFNキーになるようにしておきました。

 そしてもう1つ,ずっと我慢していたことを解決しましょう。

 このキーボードは73キーと適度なキーが揃っているうれしいキーボードなんですが,標準で気に入らないことの1つにINSERTキーがないことがあります。

 INSERTキーなんか使わないという方も多いでしょうが,テキストの編集ではしばしば使いますし,アプリケーションによってはINSERTキーに機能を割り当てているケースもあります。私はこのキーをそれなりに使っていたので,FN+DELキーを押すことになれておらず,困っていました。

 一方で半角/全角キーは全く使わない(こんな変なキーがあるのはIBM互換機だけです)ので,それがINSERキーの場所にいることが許せずにいました。

 ただ,半角/全角キーはすでにESCキーとしてソフトウェアで割り当てを行っているので,半角/全角キーをINSERキーに割り当てることを,これまで断念してきました。

 しかし,物理的なキーの入れ替えをやると決めれば,これも解決しそうです。同様に使わないキーであるカナキーと半角/全角キーを物理的に入れ換え,カナキーにINSERキーをソフトウェアで割り当てるのです。

 こうすれば,DELキーの上という元の位置にINSERTキーが来ますし,カナキーは半角/全角キーとして,私の環境ではESCキーに割り当てられて機能することになります。

 この加工,なんでもないと思っていたのですが,実はそうでもなく,左右のキーを入れ換えるのと違って上下の段数も異なるキーの入れ替えなので,キーボードマトリクスのローとカラムの両方を入れ換える必要が出てくるのです。

 多くの場合,ローとカラムの両方が基板の片面に出てくることはなく,裏と表に配線されます。なので,基板をハンダ付けした今となっては,手が出せない場所のパターンをカットして再配線しないといけません,

 そこで,まずキースイッチの足のハンダを吸い取り,ここにビニルチューブを被せランドから絶縁,キースイッチの足に直接細い銅線をハンダ付けして再配線しました。

 テストも終わり,早速試し打ちです。

 おお,なんとスムースな打ち心地。まるでメンブレン式のキーボードのようなソフト感です。それいてストロークはしっかり確保されていて,さすがに静音だけあって底打ちの音もカチャンからポコ,という感じに調整されています。

 底を打つまでにキーが入るのも,メカスイッチの利点です。メンブレン式は底にぶち当たった時までキーが入ってくれませんから,ショートストロークのキーボードが主流になるのも頷けます。

 打ち心地に静音と,今回のキースイッチの交換は価値ある物になりました。いかにCherryとはいえ,油が塗布された部品の寿命や経年変化は気がかりですが,この心地よさが長く続いてくれることを願ってやみません。

 配列変更も快適そのもので,見た目のバランスの様さもようやく手に入りました。以前の赤軸の「かつーん」という底打ち感も懐かしいですが,とりあえず良かったよかった。これは癖になる打ち心地,REAL FORCEを越えたかも知れません。

 せっかくですからね,タイピングも楽しく心地よく,もっと触っていたと思うようなものに出会いたいものです。私のキーボードはすでに世の中に1つしかないオリジナルになってしまったわけで,そういう意味でも長く使いたいなあと思います。

Z 24-120mm f/4Sは想像以上に素晴らしい

  • 2024/04/09 15:23
  • カテゴリー:散財

 品薄だったZfもぼちぼち店頭に並び始めたみたいです。

 私は昨年初回の予約で入手して,ニコンの最新のカメラになんとな食いついているわけですが,D850とは違った点も多くて,レンズにもどういう方向性を持たせればいいか試行錯誤が続いていました。

 しかしそれもおしまい。Z 24-120mm f/4Sでもう決まりです。

 D850との相違点を考えると,D850は高画素機ですので最悪トリミングで逃げることも出来るのですが,Zfは2400万画素ですので,トリミングをあてには出来ません。撮影時にそれなりの画角と構図を考えておかないと随分と画素数の少ない写真の出来上がりです。

 だから,D850で欲しいレンズの性能はトリミングに耐えられるだけの高解像度です。ということは自ずと大三元になります。

 一方のZfはトリミングで逃げられないことと,そもそも画素数が少ないので極端な高解像度が求められるレンズでなくてもよいことになります。

 ということは,Zfで必要なのは倍率の高いズームレンズが実用的ということになりそうです。

 ただ,私はどうも高倍率ズームには悪いイメージを持っていて,かつてのタムロンの28-200mmには余りのひどさに泣きましたし,その後のAF-S28-200mmもコントラストの低さに閉口しました。画質に定評があったAF-S24-120mmも私は気に入りませんでしたから,最終的に24-70mm,70-200mmと刻んで持つ事にしたわけです。

 Zでも同じようになると考えていたのですが,F2,8通しを使うようになるとF4通しの表現力の範囲の狭さが窮屈になりますし,画質も想像以上に下がってきます。それでもSラインだからとZ 24-70mmf/4sを中古で買ったわけですが,これがハズレでした。

 確かに良く写るのですが,開放絞りがf4というのはやっぱりつまらないです。もともと開放から十分な画質のレンズですから,絞りを開けても閉めても出てくる画にそれ程違いがあるわけではありません。これならスマホで撮っても全然いいんじゃないかと。

 ついでにいうとこのZ 24-70mmは,美品と書かれた中古だったのに届いて見ると傷だらけで汚れベトベト,フードなしでレンズキャップは旧純正が付属,ちょっとこれはいくらなんでもなあと思うようなものでした。

 あげく,後玉にはなにやら消えない拭きムラのようなものが・・・

 気分の悪さもあり,ここは当時迷ったZ 24-120mmに買い換えようと思った次第です。

 レビューなどを見ていると,24-70と24-120の違いは,画質の違いよりも望遠側に50mm長いかどうかだけだ,とのこと。どちらも高画質なので差はそれくらいしかないということなんですが,70mmというのは案外中途半端な画角で,そこからもう少し,105mmくらいまでがあると随分使い勝手が変わってくるものです。

 そういう便利さにZマウントを求めるのも悪くないと,買ってみたのです。

 買っていたところ,これが想像以上のよさでした。

 Zマウントだからかも知れませんが,画質は申し分なし。開放からキレキレですし,色も良く乗っています。周辺光量の低下は結構ありますが,一段絞れば問題なしですし,ビネットコントロールで補正も出来ます。それに,周辺光量が適度に落ちるのは表現として面白いものです。

 どの画角も破綻なく安心して使えるんですが,それは24-70も同じです。24-120が面白いのは70mmから120mmまでの望遠側に拡張された50mmで,これがまさにこのレンズの真骨頂です。

 あたりまえのことを言いますが,望遠になるほど同じ絞りでもボケが大きくなります。そう,70mmまでならそんなにボケなかったF4という開放絞りも,120mmまで伸ばせば十分にボケてくれるのです。

 開放でボケてくれればあとは絞りでボケをコントロールして背景処理を楽しめます。中望遠として知られるこの領域でF4なら,それなりの背景処理が出来ることを私はすっかり忘れていました。

 ということでこのレンズ,24mmの広角から標準域,そして中望遠の120mmまでを固い水準でカバーするレンズで,そこらへんの便利ズームでも小三元でもありませんでした。

 色も乗り高解像度,寄れる,ボケる,逆光にも強く,しかも小型軽量でファンクションボタンまで装備していて,Sラインのくせに13万円台と,もう買わない理由がないほどの素晴らしいレンズでした。

 当分Zfの付けっぱなしレンズに決定です。

 

二度目のUPSの電池交換

 昨年11月,高校の時の友人達とオンライン飲み会をやっているときに,突然けたたましい電子音がなり始めました。友人達も「大丈夫か」と心配してくれたのですが,当の本人は酔いが回っていたこともあり,原因はおろか,どこで鳴っているのかもをなかなか特定出来ず,判明したのはオンライン飲み会が終わってからでした。

 発生源は,無停電電源のBX35XFVでした。電池の交換時期を知らせるアラームが鳴っていた,というのが原因でした。

 このUPS,そういえばかつて,確か正月だったか,同じような電池の交換時期の警告が出て交換したことがあったのですが,艦長日誌を調べてみるとなんとちょうど10年前,2013年の1月に交換をしていました。

 そこには2003年に購入したとあるので,前回の電離交換から10年,本体は実に20年も使っていることになります。いやー,20年ですよ,20年。

 今手元に20年前のものがありますか?ましてそれが現役だったりしますか?

 私が若い頃,20年前の物と言えばもう古くさくて使い物にならず,動いたとしても買い直した方が全然便利で安くつくというのが当たり前でした。色やデザイン,文字の形や商品名だって,一目で嫌になるくらい古くさく感じたものです。

 それがこのBX35XVFはどうです,現行の機種と見た目もそんなに変わらないじゃないですか。出来る事も変わりませんし,変わったのはお値段くらいのものです。

 こういうところでも,進歩のなかった日本を痛感するのです。ああ失われた30年。

 とりあえずブザー停止ボタンを押して警告音を止めて,同じボタンを長押しして手動テストを行ってみますが,警告は出ません。しかし次の警告に備えて新しい電池を要しておくことにしました。

 ところが交換用のBP50XFを探してみると,すでに廃番。どこにも売っていません。20年も前の本体ですから,すでに壊れたり置き換えられたりしているのが大半で,今さら交換用のバッテリーなどを用意するのはむしろ危険だったりするかもしれません。無理もないことです。

 しかし,あきらめが付かない私は,このサイズの小型シール鉛蓄電池を探して見ることにしました。自動車用の中国製バッテリーを売る会社のものがなかなか良い感じだったので手配したのですが,2つ必要だったことがわかり一旦キャンセル。3350円の電池が2つですので7000円ほど,これに処分のための回収必要まで考えるとお得とは言えない金額でした。

 さらに探してみると,現行機種用の交換用のバッテリーが見つかりました。経常や仕様は同じなのですが,どうもコネクタの形状が違うらしいです。12000円ほどもするので気にしてもいなかったのですが,あるサイトで9841円という特価を見つけてしまい,急いでこれが使えないかと検討を始めました。

 BP50XFで使っている電池は,規格としては6V7Ahの鉛シール蓄電池です。ユアサなんかではNP7-6と呼ばれているものになります。標準品なのでメーカーが違っていても大丈夫でしょうが,現在使っている物はパナソニックのものでした。

 さすがは日本製,10年も使えたんですからもう十分です。

 現行機種の交換用のバッテリーはBXB50Fというものですが,これも同じ仕様です。コネクタの違いは,旧品のケーブルごと入れ換えてしまえば問題ないはずで,一応オムロンが採用した電池ですし,廃電池の無料の引き取りサービスがあることを考慮すると,BXB50Fが9481円なら下位でしょう。

 果たして数日後に届いたBXB50Fは,大きさや電気的な仕様は全く同じ,話の通りコネクタだけが違っていましたが,あとはなにも変わりません。電池のメーカーは残念ながら中国のメーカーでしたが,それもまあオムロンのお眼鏡にかなっているのであれば,信じるに足るでしょう。

 実際の交換作業は次の警告が出てからと思っていたら12月末に警告がでました。この時も手動テストはパスしたのでそのまま使うことにしたのですが,さすがに今回も同じように警告が出てしまえば,もう諦めるしかないでしょう。

 さっさと電池を本体から外し,ケーブルを交換します。電池のターミナルに刺さっているだけのケーブルですから,交換などは簡単な作業です。

 電池の用意が出来たら本体にセット。こちらも問題なく終わって手動テストを行うとこれもパス。あっけなく作業は終わってしまいました。

 作業後,何気なく調べてみると現行品が新品で12000円ほどで買えたんですね。電池が10000万円ですから,2000円ちょっとで本体ごとの新品になるなら,その方が良かったかもしれません。

 そんなことを言っていても始まりません。すでに3回目の電池で運用は始まっています。本体も壊れる気配はありませんし,このまま使えるだけ使うことにしましょう。

 この電池も10年持つとうれしいのですが,そうするともう娘は成人しています。前回の交換では,アラームがお昼寝中の赤ちゃんの娘を起こしてしまいましたが,今回は小学生です。

 次は大人ですか・・・人の一生とはかくも短いものだなと,思います。

 

実に微妙なSEQTRAK

 毎年恒例のNAMM SHOWの足音が聞こえてくるこの時期になると,世界中の電子楽器メーカーから新製品が発表になります。ここ10年ほどは大きなメーカーではなく,小さなメーカーが発表する物にも面白いものがあり,油断なりません。

 そんな1月17日,日本が誇る総合楽器メーカーにして,電子楽器の最先端を走る,VOCALOIDの生みの親,ヤマハから,興味深い楽器が発表になりました。

 SEQTRAKです。

 姿形からはどんな楽器か想像できません。鍵盤はなく,ディスプレイもありません。光り物は存在をアピールせず,どちらかというとツマミ類が目立ち,それらがグレートオレンジというかわいらしい色に塗られた横長の筐体にならんでいます。

 お値段55000円。安くはないけど,高くもないという印象・・・

 なになに,直感的な操作でアイデアをすぐに形にするミュージックプロダクションスタジオ?よくわからん。

 こういう商品は何が出来るかを知るのはなかなか難しく,従ってスペックを見ていきます。とりあえずAWM2の128音ポリというのはわかった。4オペのFM温顔があることもわかった。で???

 パッと頭に浮かぶのはQYシリーズです。VHSカセット(といっても多くの方はわからんでしょうが)サイズにシンセサイザー,ドラムマシン,シーケンサーを統合して,いつでもどこでも電車の中でも音楽制作が可能なガジェットとして登場した初代QY-10を皮切りに,小型のオールインワン音楽制作マシンとしてよく使われたシリーズです。

 とはいうものの,MIDI機器を繋いで本気で音楽を作っている人やキーボードを自在に演奏出来る人は案外持っておらす,持っているのはギタリストなんかの非キーボーディストで,しかし結局彼らはQY-10の複雑な操作をマスターできずに,後輩に法外な値段で売りつけることが散見されたように思います。私の周りだけかも知れませんが。

 かくいう私もQY-10には興味を持ったものの,店頭で音を聴いて買うのをやめました。その後QYシリーズは何世代か出たようですが,その頃にはすっかり興味を失っており,気が付いたら新品を買うことは出来なくなっていたのです。

 そう思うとQYシリーズを買わなかったことが悔やまれてきます。実際,大げさなMacなりPCを立ち上げてケーブルを配線し,大きな鍵盤に向かい合って「やるぞーいっぱーつ」と音楽を作ることはなかなか面倒になっています。

 見ればSEQTRAKなるものは小さく,電池で動き,音もなかなか良さそうな感じです。しかも128音ポリですから,同時発音数のやりくりをしなくても済みそうです。

 予約開始は1月19日,発売は1月26日という事ですが,きっと初回は売り切れ必至でしょう。QYシリーズも迷っているうちに買い逃しているわけですから,ここは買って後悔するべきではないかと予約をし,あれよあれよという間に1月26日に品物が届いてしまいました。

 もちろん,購入(予約)までのマニュアルは目を通し,動画も見てはみましたが,やっぱりよく分かりません。私の疑問は主に2つ,シンセサイザーのトラックが2つ,FM音源を入れても3つしかないのにどうやって音楽をつくるんだという点と,パターンを16個しか並べることの出来ないシーケンサーでは窮屈過ぎて音楽なんか作れないだろうということでした。

 ついでにいうと,ベースとメロディをどうやって打ち込むのかもさっぱりです。

 でもまあ,BluetoothMIDIにも対応するし,USBもついているんだから,最悪MICRO KEY2 Airを繋いでスタジオ用最小セットとして練習に使えるかもなと,割と簡単に考えていました。

 届いたところで私は,途方に暮れてしまいました。

(1)このマシンはループ音楽を作るものだった

 なにを今さら,な話で恥ずかしいのですが,このマシンはループで音楽を作る繰り返し演奏マシンです。さらにいうと自動演奏を行うためのマシンではなく,バッキングを延々ループで演奏させ,プレイヤーはリアルタイムで音色を変化させたり並べるパターンを変更して「パフォーマンス」する道具です。

 なので,アイデアを形にといっても,そのアイデアが荘厳なオーケストレーションだったり,複雑なコードプログレッションだったり,100年に一度のメロディラインだったり(大げさですが閃いた瞬間は本当に100年に一度と勘違いするものです)すると,このマシンでは全然形に出来ません。


(2)実は何にも繋がらない

 少なくともV1.10では,BluetoothMIDIもWiFiもUSBも,外部のキーボードやシンセサイザーに繋がりません。あくまでPCやスマホの専用アプリと接続するためのものと割り切った方が良さそうな感じです。

 以前にも書きましたが,私はコルグのMICRO KEY2 Airを持っています。しかし,USBかBluetoothでしか繋がらないという制約が弱点となり,ほとんど使い物になっていません。(キーそのものも弾き心地が悪いですが)

 これがSEQTRAKで使えると便利だと思ったのですが残念ながらBletoothでもUSBでも接続出来ませんでした。

 ならばとMIDIとBluetoothMIDIを変換するコンバータをSEQTRAKに付けてみたのですが,あいにく電源供給の問題から機能せず,こちらもアウト。

 こういう時,レガシーなMIDIというのは繋げばとりあえず音が出るという汎用性があり,信頼出来るんですよね。

 結局,MacをハブにしてSEQTRAKとMICRO KEY2をそれぞれUSBで繋ぎ,ようやくSEQTRAKに鍵盤を繋ぐことが出来たのでした。

 ここで分かった事があるのですが,リズムトラックのMIDIチャネルがちょっと使いにくくて死にそうでした。

 SEQTRAKはトラックごとにチャネルを分けています。このルールで行けばKICKはCH1,SNAREはCH2と言う具合になるのもわかるのですが,伝統的にリズム楽器は同じチャネルでノートで鳴らし分けますから,本当にトラックごとに楽器を分けられてしまうと打ち込む気が失せてしまいます。

 出来ればチャネル10にリズムキットを組んでもらって,GM準拠の配列でノートに振り分けておいて欲しいです。アップデートに期待です。

 それからシンセパートです。こちらもトラックが2つしかないので2つのチャネルしか使えません。これだと実質2つの音色しか使えませんから,ベースとコードを割り当てたらもうメロディーを割り当てられません。これじゃーマルチ音源としても使い物にはならないです。128音ポリが泣きます。


(3)音は結構すごかった

 そのシンセパートですが,音の良さに正直驚きました。AWM2は音が薄くて私は気に入りませんでしたが,それはもう昔の話。クオリティも高いですし,波形編集のセンスも抜群で,使える音がバンバン入っています。ストリングスもブラスも素晴らしいですが,トランペットやバイオリン,ギターと言った単独の楽器がこれほど使える音で入っているとは思いませんでした。バンドを始めた高校生は迷わずヤマハの10万円クラスのシンセサイザーを買うのが良いと思います。

 それからFM音源です。4オペといえばOPNやOPMのイメージしか持っていなかったので,これほどしっかりしたいい音が出るとは思ってませんでした。すみません。

 というのも,おそらくですがエフェクトの品位が良いからだと思います。個人的に,ヤマハのエフェクターは昔から好きで,空間系のエフェクトが好みでした。それは今回のSEQTRAKでも変わらないと思います。

 これにミニ鍵盤を組み合わせて鞄に突っ込めば,持ち運びに困らない練習セットが完成するでしょう。音も抜けがいいのでアンサンブルでも負けないと思います。


(4)アプリは必須,でも重すぎ

 操作系が独特で,ヤマハの狙いはこんな操作系でもマニュアルを見ずにサクサク操作できて思い通りに使える事にあったのでしょうが,それはどだい無理な話で,何をやっているのかさっぱりわかりません。

 ボタンもツマミも多すぎるし,今どんな状態にあるのかもわかりません。LCDなどのディスプレイをあえて搭載しなかったのはシンプルさを追求したかったんだと思いますが,ではなぜもともとディスプレイを持たなかった電子楽器に,今は巨大なディスプレイが搭載されるようになったのかを,本家本元らしく考え直して欲しいと思います。

 で,そのディスプレイの代わりとなるのが,アプリです。私はMac版を使いましたが,もう重いのなんの。M1を搭載したmacBookAirなのでまだまだ現役だと思っていますが,それでこの重さはもう市場に出したらダメなレベルです。

 しかし,このアプリがないと効率が悪くてなにもする気が起きません。ないと困るのに使うと困るという最悪の状態は真っ先に解決されねばならないでしょう。

 なお,接続はBluetoothでもOKなのですが,データのやりとりにWiFiを使うので,結局WiFiの世話になることになります。面倒くさくて死にそうです。


(4)てことで

 自分で鍵盤を弾ける人にとっては苦行です。自分のやりたいことがさっと出来ない事へのフラストレーションは想像以上の苦しさで,なにゆえこんな窮屈な仕組みに従って自分の好きな音楽を作らねばならんのだと怒りさえ感じました。そもそもこれは制作なのか,演奏なのか?

 思うに,良かれと思って作った箱があまりにきっちりしすぎていて,そこからはみ出すようなことは全く出来ません。そういう制約を超えたところにハック魂がみなぎる物なんでしょうが,それってこの商品のコンセプトとしては完全にハズレです。

 私は結局,MacでDP11を立ち上げ,MICRO KEY2とSEQTRAKをUSBで繋いで,SEQTRAKの内蔵音源を楽しみ,そこから沸いたインスピレーションで音楽を作り始めました。結局時間切れで完成しなかったのですが,いったい私はこのマシンで何をやっているだろうと,なんだかバカバカしい気分になりました。

 いやね,16パターンしか並べる事の出来ないこの手のマシンだからこそ,出来る音楽があります。無限トラックかつ無限小節はあまりに制限がなさ過ぎて,手の付けようがないものです。

 だから音源には妥協せず,パターンとトラックに「繰り返し」に特化した制限を与えたSEQTRAKは一つの解だとは思いますし,私だって仕組みに従えば,自分一人では決して作る事のない種類の音楽を作ることが出来る事を,すでにSEQTRAKで実際に体験済みです。

 でも,これって,AメロがあってBメロがあってサビの部分でドドーンとストリングスで盛り上げて,みたいな全体の進行や構成を作り上げるという,一番の楽しみが失われているように思いません?

 マニュアルを見ていれば,キーやスケールを編集できるのはもちろんのこと,コードの構成音を自由に変更出来たりするので,実はかなり奥深い事まで可能です。

 しかし,シンセサイザー2トラックに16パターンという一番厳しい枠は絶対に越える事が出来ず,はっきりいって128音ポリも細かい編集機能も,全部オーバースペックじゃないかと思います。これ,本当に楽しいですか?

 しかも入力された音には強弱がつきません。MIDI経由なら大丈夫ですが,単体で出来ることは同じベロシティ,ジャストタイミングの無機質な音を出すだけです。それが個性となる音楽なら何も問題はありませんし,それはそれで楽しいでしょう。

 でも,やっぱりアイデアを形にするには,制限が厳しいように思います。

 小節数は120小節くらい,コードをそこに並べていく事の出来るモードが欲しいなあと思いますが,多分それはSEQTRAKのあり方を根本的に変えてしまうので,無理な注文でしょう。

 音の良さは抜群だと思うので,惜しいです。

 KORGのkaossilatorも結局イライラして終わったなあ。ああ,やっぱり,この買い物も失敗か・・・

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